クランスモンタナ、スイス

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クランスモンタナはジュネーブから車で2時間ほどの谷間にある小さな美しい町です。World Knowledge Dialogue に参加するため9月10日にロンドンから来ています。この会議が開催されるのは今回で2回目で1回目は以前ご紹介したように、当地で2006年に開催されました。1月のダボス、5月のSt.Gallenに続いて今年スイスに来るのはこれで3回目になります。

この4日間の会議で私はハーバード大学のEdward O Wilson教授にお会いする機会がありました。光栄なことです。彼は現代の最も尊敬される学者の一人で、画期的で時には物議を醸した「社会生物学」(‘Sociobiology’)やピュリッツァー賞を受賞した「人間の本性について」(‘On Human Nature’), 「アリ」(‘The Ants’)などの著者でもあります。彼は陽気で立派な方で‘fairy fly’など彼の考えについて話し合い、有意義な時間を過ごすことができました。ところで、彼の講義はハーバードのwebにも掲載されています。

日本からは吉川弘之教授を含む大勢が参加し、会議に大きく貢献をすることができてよかったと思います。

プログラムの詳細は2006年のサイト(私はパネルに登場します)や2008年のサイトをご覧ください。たくさんの写真が掲載されていますのでもし私を発見したらご一報ください。

今年は初日のオープニングでDame Julia Higgins(彼女が王立協会でForeign Secretaryだった頃からの知り合いです)と共に私は登壇し、4日目の全体の議長も務めたので私のコメントや発言についてはwebcastで見ることができます。4日目というのは参加者も少なくなり、みんな疲れてきて、中には中座する人もいたりして結構大変です。従って、出来る限り全体のセッションを興味を引くようなカジュアルな形にしました。時間内に終え、割合うまくいったと思います。スケジュールよりも9分早く終わりました。ご興味の或る方はサイトとwebcastをご覧下さい。

旧知の友に会ったり、新しく交友関係を広げたり、色々な面白い人達と会い、会議を大いに楽しむことができました。とは言え、議論した通り、枠組みとして或る程度の戦略的ゴール、参加型プロセス、なんらかのアウトリーチ型配布物やアクションがまだ必要です。

ここには非常に素晴らしいゴルフコースがあり、先週までOmega European Mastersが行われていました。朝の7時から10時までで、何とか18ホールプレーすることができました。大変楽しかったです。

4日目の午後にはジュネーブに移動し、名所旧跡を訪れました。そのうちの一つが16世紀中期に町をカトリックからプロテスタントに改宗させたJohn Calvinが1559年に創立したジュネーブ大学のキャンパスでした。John Calvinとその他の3人の宗教改革記念碑も見てきました。

オープニングのスピーチで「インキュナブラ」についてコメントし、インターネットは予想していない結果を導き、世の中を変えることができる現代版インキュナブラであると言ったこともあって、この観光にはちょっと感激しました。実は、私はスピーチで、印刷された聖書というインキュナブラがグーテンベルグの15世紀中期から1501年までにあったからこそ約100年後に宗教改革が始まったと言っていたのです。私のブログ(参照:123 他)その他でもご覧の通り、このメッセージは幾つかの基調講演で私が繰り返し発信している「フラット化し、つながる世界」のテーマでもあります。

全くの偶然から、私はJohn Calvinが導いた偉大な結末の碑の前に立っていたのです。

GLOBE企画委員会でLondonへ

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2週間ほど前のことですが、先日ご紹介したBlair政権で環境大臣をされたMorleyさんからFAXを頂き、9月8日にLondonで開催するGLOBEの企画会議に参加して欲しいとの連絡をいただきました。

ということで、8日の朝、Paris経由でLondonに到着。ホテルで30分、着替えなど済まして、10時20分に、ちょっと遅れて会議に参加しました。会議は英国議会の一部、Portcullis House, House of CommonsのThatcher Roomでした。日本代表の谷津義男議員は総理辞任発表の直後で、参加見合わせとなってしまいました。

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写真1 中央の白いシャツがMorley議員、その右がGardiner議員。一部の委員は途中で帰国されました。

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写真2 会議場はBig Benのすぐ右の新しい建物(この写真では見えませんが)

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写真3 環境省から徳丸さん

「土地利用、森林保全、生物多様性、Ecosystem」について、どのような政策とそこへのアプローチを探ることがメインテーマです。実に難しいですね。英国の議員のBarry Gardinerさんが主に担当していて、一番発言していましたが、15人程の参加者の皆さんで真剣に議論を積み重ねました。どのように国内からグローバルな政策をフォーカスさせていくのか、ぜひ意味のある一歩になればと思います。何年かして、このような議論が意味のある形で進んでいくと、とてもうれしいです。グローバルに実に大事な課題ですが、なかなか前進しないですからね。

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写真4 レセプションでGardiner議員、西ヶ廣駐英公使など

レセプションはThe Goring Hotelというロンドンによくある、小さいけど品のあるホテルで行われました。

London滞在は24時間で、明日の朝、Swissへ向かいます。次はそこから書きましょう。

日本女性の意欲とパワー、再び「アジア青年の家」プログラムから

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つい最近ですが、「L’Orealと女性研究者」、そして沖縄で始まった「アジア青年の家」についてブログに書きました。

「L’Orealと女性研究者」のブログでは、北京オリンピックのソフトボール、野球、サッカー、柔道、レスリングなどの活躍に、日本の男女の違いが明示的に出ているのではないか?と書きました。

「アジア青年の家」は、私も関わった「イノベーション25」の政策を一部実現した安倍総理、高市大臣の企画で、新らしく始まった素晴らしい政策だと思います。全国的に広がり、継続されるといいですね。プログラムへの資金は必ずしも公的なものだけを考えないでも、税制とかいろいろ工夫できるし、学校も、地域社会も、企業もどんどん自発的に貢献し、参加して欲しいものです。これこそが「社会イノベーション」であり、「人材イノベーション」なのです。

その「アジア青年の家」に参加したアジア太平洋大学のインドネシア留学生、Ivannantoさんが、Flickrのページで沢山の写真を載せてくれています。皆さん楽しそうですね。ありがとう。

この「アジア青年の家」の資料を調べていて気がついたのですが、海外から参加した30名は男女それぞれ15名ずつでした。日本からの参加は45名でしたが、女性が30名に男性が15名。「おや?」と思って、事務方に、国内ではどれだけ応募があったのか聞いたところ、女性の応募者数が圧倒的に多く、しかも女性のほうが結果として競争率が高かったということでした。応募要項にはある程度の適性を考えた資格に関することが書いてあるのですが、それにしても参加への積極性がずいぶん違いますね。なぜでしょう。

皆さんも考えてください。私の意見は、このブログでしばしば述べていますけど。

創造的資本主義 - Creative Capitalism-

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お気づきかもしれませんが、今年は“一つの包括的な社会”(参照:)に向けた社会的な動きの裏にあるグローバルな課題や根本的な変化について話す特別な機会に何回かお招きいただきました。

それらのスピーチにおける重要な主題の一つは資本主義の変わりゆく側面、すなわちCSR、“corporate social responsibility (企業の社会的責任)”についてです。そこでビル・ゲイツ氏が使う“Creative Capitalism(創造的資本主義)”という言葉を引用しました。みなさんはゲイツ氏がこの言葉で何を言わんとしているのかと思われることでしょう。

最近のTIME誌では“資本主義の解決策”と題したビル・ゲイツ氏との特別インタビューが特集されていますが、そこでは創造的資本主義のコンセプトについて議論され、現在の世の中の状況は既に古くなった20世紀の反映であると彼は見ています。記事は大変面白い個人的見解ですが、ビジネスのリーダー達には強いメッセージを発信し、私のスピーチで伝えたいメッセージとも一致しています。

皆さんがビジネスその他でやっていること、やろうとしていることを考える際に、このコンセプトや活動についてちょっと考慮していただけると嬉しく思います。

ビル・ゲイツ氏は今度11月に東京に来ます。

輝く女性研究者たちと赤いバラ

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以前にも紹介しましたが、化粧品会社として著名なL’Orealは、「For Women in Science」(ここのウェブサイトはなかなか綺麗ですので、いろいろ探索してみて下さい)というプログラムをUNESCOと共同で主宰し、世界にその存在感を示しています。このプログラムは今年で10周年を迎え、この春パリで、今までの受賞者たちをお迎えしてお祝いの会がありました。

日本でも3年前から国内の若手女性研究者を表彰する企画が始まりました。去年もこの表彰式と祝賀会に出席したのですが、今年も素晴らしい方たちが表彰され、式にはご家族、指導をされた先生や研究者仲間たちも出席して、とても素敵なお祝いの会になり、うれしい気持ちになりました。

今年は4人の素晴らしい方たちが選ばれました。晴れやかで、また楽しいひと時を皆さんで共有することができました。

女性誌の「Marie Claire」も活動に参加し、受賞された皆さんには赤いバラのブーケ(写真)が手渡されました。2日前に沖縄でご一緒した大隅典子さん、そしてやはり高名な科学者である大隅さんのお母さまにも、お会いしました。

Lorealjapan200801写真: 坂東さんと4人の受賞者

レセプションでは内閣府男女共同参画担当の坂東局長が、日本の科学者で、女性の割合がOECD諸国で最低であることなどについて述べられ、エールが送られました。私は乾杯の音頭を任されたのですが、日本では女性の開発指数(Gender Development Index)は世界でトップ10内なのに、女性の社会進出(Gender Empowerment Index)は世界70数国でも40番程度と低いこと、この差は実力主義でないオトコ社会であること、そして、今回の北京のOlympicでの野球とソフトボールの日本選手の違い、そしてサッカー、レスリング、柔道などに、日本の男子と女子の根本的な違いが見てとれはしないか、という話をしました。皆さんも考えてみてください。ここに日本社会の問題があるのも事実と思うのです。

受賞者の皆さん、ご家族の皆さん、支えあった研究仲間の皆さん、審査に関わった先生方、その他関係者すべての方々に、おめでとうと言いたいですね。

しかし、このような賞を作るところに、世界企業の戦略が見えますね。受賞者の一人ひとりが、これからの長い間、L’Orealの大使として、国内ばかりでなく、広い世界にスポンサー企業の広告塔として、世界の女性の心をつかみ、男性の心を動かす、素晴らしい役目を果たしてくれるのです。これほど素敵で、美しい広告媒体はなかなかないと思います。日本企業も、もっともっとこのような視点で社会貢献を考えてもらいたいと思います。これこそが、企業の社会的責任(CSR)なのですよ。

シンガポール、沖縄、そして若者のエネルギー

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お盆明けの20~22日はA*STARの理事会のため、Singaporeへ。場所は新しく開設されたFusionopolis(10月に開所の式典があります)、いよいよバイオを理工学分野と融合させようという意欲的な試みが始まります。理事会の開催された21日の夜は貢献者たちの表彰式が威勢よく開催され、Guest of Honorで産業担当大臣も出席されました。とにかく意欲と元気があり、研究者も事務方も、多くの若者がバリバリ活躍しています。

24日は沖縄へ。「アジア青年の家」プログラムに参加しました。私たちの提案から始まった、アジア諸国と日本(沖縄と本土)の若者(14~17歳)が80人ほどで、沖縄で3週間を一緒に過ごし、交流しようというものです。「ハイサイ日記」に楽しそうな写真と日記が満載。このプログラムの基本精神は私のメッセージにも読み取れると思います。

この日は「科学者シンポジウム」に参加しました。東北大学で脳研究をしている大隅典子さん、琉球大学理学部長でサンゴ研究で知られる土屋さん(去年は太平洋科学会議で大変にお世話になりました。いまはこの学会の事務局長もされています。)、住友化学でこのブログで何回も紹介しているOlycetNetというマラリアに有効な画期的な蚊帳の開発にかかわった石渡さん、司会は御茶ノ水大学の塩満さんで行われました。参加した学生さんたちは、皆さん元気いっぱいとても楽しそうで、うれしかったです。共通の言語は勿論、“Broken English”。

大学生も何人かお手伝いをしてくれました。大分にある立命館アジア太平洋大学の留学生たちです。若いときのこのような交流は何にも増して視野を広げ、違いを認め、広い視野と友情を育てることでしょう。参加した若者たちの10年、20年先の将来に何が出てくるのか楽しみです。わくわくします。もっともっと、各地の学校でこのような活動、夏休みの交換ホームステイなどを自発的にはじめて欲しいものです。

パネルの終了後すぐに飛行場へ向かった大隅さん、当日の夜に早速blogで発信しています。写真も、お話もうまいものです。

私は内閣府の主管する沖縄総合事務局長の福井さんと、沖縄全島「エイサーまつり」を見に行きました。特に「琉球国祭り太鼓」は素晴らしかったです(写真)。その後は夕食へお招き受けました。

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皆さんありがとう、お世話になりました。

企業トップの人事、門外漢の素朴な疑問?

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日本経済新聞の「領空侵犯」というコラムの取材を受けました。インタビュー記事ですが、専門外のことについて素朴に疑問を呈してもらうという趣旨のものです。私なりのテーマがいくつかありましたが、企業統治の一面を取り上げてみました。2008年8月4日の朝刊5面に出た記事は“経営者に「任期」は不要-能力・実績に応じて決めよ-”というタイトルでした。記事は以下のように進みます。カッコの中が私の発言の要旨です。

■企業経営者の「任期」について疑問をお持ちとか。
「昔から、社長の在任期間は二期四年とか三期六年までといった慣例や、内規が存在する企業が多いようです。でも、それに何の意味があるのでしょうか。任期をあらかじめ決めておいたからといって、これまでの日本企業のガバナンス(統治)がしっかりしていたとも思えません」

■最近、大企業トップの在任期間は短くなる傾向があるようです。取締役の任期を従来の二年から一年に短縮する企業も相次いでいます。
「経営者の任期をあらかじめ短く設定してしまうと、目先のことしか考えず、長期的な視野に立った経営ができなくなるのではないでしょうか。それにもし自分の在任中に何か問題が起きたら、自分で解決しようとするより問題を後継者に先送りするようになります」「これは役所や、かつて私がいた大学の世界でも同じことです。役人は次々とポストが替わるから、問題については自分で何かするより先送りしようとする。大学の学部長や学長も任期が短いために、長期的な視野に立った人材育成ができません」

■逆に、経営者の在任期間が長期化することの弊害や「老害」批判もあります。
「『老害』を言うなら四十歳代の若いうちに社長にすればいいだけの話でしょう。そうすれば社長を十年やってもまだ六十歳前です。シャープやホテルオークラなど四十歳代の方が社長になった例もありますが、日本の大企業には若い経営者が少なすぎます。リーダーに必要なのはビジョンと、そのビジョンを人に伝える能力、知力と体力、それに揺るぎのない信念。年齢は関係ありません。もっと若い人材を抜てきすべきです」「それに『長期政権』はすべてダメなわけではありません。ソニーの盛田昭夫さんのように、長期間にわたって素晴らしい手腕を発揮した創業経営者は日本にもたくさんいます。サラリーマン経営者でも、長期政権で優れた業績を残せる人はいるはずです」

■問題なのは在任期間の長短ではないと。
「最初から任期を決めておくのではなく、その経営者の能力と実績を客観的に評価して、問題があればすぐに辞めさせる仕組みを作っておくことの方が重要です。でも実際にそういう仕組みが機能している日本企業がどれだけあるでしょうか。いったん就任したら慣例の在任期間を全うするまで辞めさせることができないのなら、ガバナンスが存在しないと言われても仕方がないでしょう」

■もう一言
大学教授は、いったんなれば定年まで身分安泰。これもおかしい。

■聞き手から
経営トップをどう選び、どう評価するのか。企業統治の根幹にかかわる重要な問題だ。帝人や花王など、社外の油脂記者や社外取締役が社長後継者の選出を審議する例もあるが、こうした先進的事例はまだ少数派。経営トップのあり方について黒川氏が抱いた素朴な疑問に、日本の経営者たちはどう答えるのだろうか。(編集委員 宮田佳幸)

この記事の内容についてはいろいろと意見、言い分はあるでしょう。もっと長くお話ししたのですが、少ないスペースでまとめていだきました。しかし、このグローバル経済の時代に自分たちの理屈だけでは通用しないと思います。特に世界第2の経済大国の企業なら、なおさらです。企業の信用、国家の信用でもあります。情報の時代、透明性を担保した企業統治は会社の価値の基本と思います。企業に限ったことではありませんが、隠そうと思っても世界から見えているのです。これが「フラットな時代」の怖さです。

さてそこで、この記事についての議論が日経ネットPLUSにいくつか出ています。これらは会員登録(無料)すれば見ることが出来ます。皆さんはどうお考えでしょうか。

再びNew Delhiから

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今年2回目のNew Delhiです(参考 12 )。今回は去年に続いてJeffrey Sachsを団長とする厚生大臣諮問会議です。2日間に渡っての開催でしたが、2日目には厚生大臣のRamadossさん、そして諮問委員と、“サシ”で3時間ほど議論しました。大臣は一つ一つのコメント、質問に実に的確に回答があり、明確な問題の認識と計画をお持ちだと感じました。ご当地での報道の内容はこちらのサイトで見ることができます。

ここ3年のインドの地域(農村部、貧困部ですが)医療行政の成果は確実に現れはじめており、経済成長とともにさらに予算も増えることが期待されます。インドの医療費はGDPの1%と極端に低くく、例外的な国なのです。多くの問題を抱えながら更なる向上が期待できるでしょう、道ははるかに遠いですが。インドの地方部の医療政策は貧困国での参考になることが多いと思います。

去年同様、医療政策機構の原君も同行、友人であるローマクラブ会長のAshok Khoslaさん、Sunil Chackoさん以前にも紹介しています)たちを夕食にご招待(写真1)。楽しいひと時を過ごしました。また、Indira Gandhi Naitonal Open UniversityのPro-Vice ChancellorのMishraさんとChackoさんのご紹介で、労働大臣のOscar Fernandesさんにも面会に行く機会がありました(写真2)。夜の10時でしたが、多くの人が面会に待っていて、まだまだ仕事だということでした。彼はそういう方だそうです。

Img_0002写真1 Khoslaさん(中央)、Chackoさん、原君たちと

Img_0008写真2 右からMishraさん、Chackoさん、Fernandos大臣と

インドからの学生たち

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今年2月に本田財団YESプログラムの関係でニューデリーに行ったことをお伝えしました。

そのYESプログラムを受賞した5人の学生(皆さんインドの名門大学“IIT”の学生)のうち4人が、5月末から6~8週間、日本で勉強をしました。ジャイン君はホンダのロボット研究へ参加、ゴヤルさんは東京工業大学で研究を、トマルさんは岡崎研究所と筑波大学でそれぞれ4週間の研究を、アガルヴァル君はJVCで研究に参加。明日の帰国を前に政策大学院に集まり、座談会を開催しました。日本のビザ取得でちょっと手間取ることがあり、1人はGoogleに研修にいったそうです。つまらないことで残念なことです。

皆さんに本田YES賞の授賞式、Pachauriさんと面談したこと、そしてこの数週間の日本での体験について話をしてもらいました。4人とも日本での研究、研修を存分に楽しんだこと、皆さんに親切にしてもらったこと、多くの若者と交流できたこと、そして指導の先生たちもすばらし方ばかりだったと話されていました。アガルヴァル君はホストファミリーと過ごし、とても良くしてもらったそうです。みなさんすばらしい経験をしたようですね。話の中ではインドと日本の違いに何度も触れられていました。このような若いときの実体験こそが大事なのです。皆さん素敵な思い出とともに、日本の大事な「大使」になるでしょう。このことを学生の皆さんにも話しました。

夜は皆さんと夕食。本田財団の方たちをはじめ、多くの方々にお世話になりました。地道な活動ですが、このような若者の国際交流はとても大事な活動であり、インドの、そして世界のホンダファンをさらに増やすことでしょう。うれしいことです。もっともっとこのような活動を広げたいものです。民間からもっと多くの取り組みが出てくるとうれしいですね。若いときからのヒトのつながりを広げることこそが、グローバル時代の多様性ある人材(財)育成と、世界に友人を作る基本です。これからの日本にとって一番大事なことです。

日本の若者を海外で実体験をさせることはさらに重要なことです。知識ばかりでは役に立たないのです。双方向の交流を増やすということも大事な政策であり、グロ-バル時代の日本の将来へ向けて大きな効果があるでしょう。今の時代にとても内向き日本人がやたらと多いですから。

日本企業のアフリカ進出

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今年はこのブログでアフリカのことが頻繁に出てきます(参考 12 )。今年はTICAD4もありましたし、G8サミットもあったので、日本の報道でもアフリカの話題が多い年です。Cape Townからのブログにも書きましたが、この地域における日本企業の活躍が経済専門誌「日経ビジネス」で取り上げられています。私のコメントも最後に載っているので見て下さい。(※NBOnlineで記事の全文を見る場合は、無料の会員登録が必要になります。)

日本企業の進出はうれしいですね、皆さん本当にご苦労様です。