ケンブリッジ大学ペンブルック校のシェイクスピア劇 - 成蹊学園の国際活動

ケンブリッジ大学ペンブルック校の学生さんたちが中心になって、毎年、私の母校でもある成蹊学園をはじめとしたいくつかの大学を回ってシェイクスピア劇を演ずる行事があります

なかなか素敵な企画ではないですか。今年で10年を迎えました。

去年も観に行ったのですが、前日の土曜日には、関係のあるテーマの講演などもあって、成蹊学園のこのような活動を支援してくださる方たちもお集まりになられていました。

成蹊の学生さんたちも、夏にはケンブリッジ大学に出かけていくプログラムもあったりで、こんなところもいいですね。

今年の出し物は「ロミオとジュリエット」。今年もまた出かけることにしました。

簡素ですが、なかなかしゃれた舞台で テンポよく進みます。成蹊学園では、高校でも、大学でも海外からの交換留学生が何人かいるので、時々笑い声が出るものいいところです。先日はExter高校の生徒さんが6人ほど3か月ほどの交換留学で来られていました。

英語ですから、多くの生徒さんや、ご来場の方たちには分からないところも多いと思いますが、だいたいの筋書きを知っていれば、なんとなくわかるような気分になる、これでいいのです。オペラも同じですね。

9月の終わりに、私も理事を務めている沖縄科学技術大学院大学へ行きました。ケンブリッジ大学ペンブルック校の夏のツアーは、成蹊訪問の直前には、ここにも訪問されて「ロミオとジュリエット」を演じてくれていました。

こういう国際交流もいいものですね。

台北、英国ロイヤル・バレエ団、そして英国大使館で講演

More → The Royal Ballet ”Giselle”

6月は台北で開催されるPacific Science Association(PSA)に出席。10年ほど前に会長に推挙されて、皆さんのおかげで、沖縄タヒチフィジ-クアラ・ルンプールなどでの会議を指揮し、また応援、参加しました。小さいながらも楽しい思い出の詰まった学会の一つです。

台北から帰宅すると、ロンドン訪問中の友人から突然連絡があり、「英国のロイヤル・バレエ団が日本に訪問するのだが、その時に熊本の災害について何かしたいと言っている」という相談を受けました。

早速ロンドンの日本大使館の鶴岡大使と加藤公使に連絡するよう伝え、2日後に帰国したその友人と会いました。ちょうどその日がロイヤル・バレエ団の東京公演の初日でした。何とも突然のことなのです。その友人の話では、ロンドンの日本大使館で、大使、公使ともすぐにこの友人に会って、話を聞いてくれたそうです。感謝、感謝です。

日本学術会議のころから存じ上げている熊本県知事の蒲島さん(素晴らしい、異色の経歴です…)に電話をして事情を話したところ、熊本にもバレエ団があることなども話をしてくれ、すぐに対応をしてくださると言ってくれました。後はこの友人にフォローしてもらいました。

24日(金)はロイヤル・バレエ団の東京の最終公演、ジゼル(Giselle)を観に行くことになりました。そこではバレエ団の関係者の方々が歓待してくださり、素敵な時間を過ごすことができました。

その後の福岡公演を利用して、バレエ団の数人の方が熊本を訪問され、福岡公演のリハーサルには、学生さんとその父兄、さらに熊本バレエ団など、90人を超える方たちが参加する機会を設けてくださり、皆さん楽しい時間を過ごしたそうです。

この思いがけないロイヤル・バレエ団のプレゼントは、震災で大変な時の熊本でのちょっとした明るい話題になったようです。その時の記事をいくつか紹介します。蒲島知事もお喜びだったのではと思います。

朝日新聞:http://www.asahi.com/articles/ASJ6W52W7J6WTLVB007.html

毎日新聞:http://mainichi.jp/articles/20160628/k00/00m/040/056000c

時事通信:http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062700737&g=soc

熊本日日新聞:http://this.kiji.is/120725549115424776

The Royal Ballet:http://www.roh.org.uk/news/the-royal-ballet-run-workshops-to-inspire-children-in-japanese-earthquake-zones

翌週には、東京の英国大使館で「多剤耐性菌とワクチン」の講演会のパネル(英国大使のスピーチが日本語でしたので、私も日本語で開会の挨拶をしました)に参加。大使、公使にも、ロイヤル・バレエ団の件のご報告とお礼をお伝えしました。

”Brexit”という世界に衝撃を与えた英国国民投票の前後だったのですが、とてもうれしい出来事でした。

こんな民間外交もいいものですね、関係者のみなさんに喜んでいただけて。

Cambridge Pembroke Players Tour

→English

https://www.facebook.com/%E6%88%90%E8%B9%8A%E5%AD%A6%E5%9C%92%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%82%AF2015-618647328272028/timeline/

800余年の歴史のある、Cambridge 大学でも3番目に古い Pembroke College 。ここの学生さんが中心で活動している Cambridge Pembroke Players の Japan Tour が、私の母校の成蹊学園で開催されているので、秋の始まる日曜日に訪ねてみました。

成蹊学園ではこの週を Shakespeare Week として、2007年から毎年、Pembroke College の学生との相互交流の一環として開催しているのです。

今年の出し物は ”The Comedy of Errors”1)。Auditoriumは、ほぼいっぱいのお客様でした。

Cambridgeの学生さんに聞くと、練習は3週間ほどとのこと。日本には3週間ほどのツアーということで、次は明治大学ということでした。

こんな学生さんたちの活動も良いものですね。日本の大学でもこのようなことも是非試みてみるのは良いと思いました。

ボストン‐2

今回のボストン滞在中には、米国内科学会、ハーバード大学公衆衛生院訪問の他にも、いくつかの別の機会をもちました。

ひとつは「福島原発事故のその後」といったテーマのビデオ取材です。米国では とても質が良く、しかも番組の途中でコマーシャルを入れないことでも知られている「PBS」1)の取材です。やはり、どこでもこの歴史的大事故への関心は高いのです。今年の一月にも別件でトロントを訪問した際にも同じ趣旨の会合にお招きを受けました。

もうひとつは、MITメディアラボ1)の訪問です。安倍総理も今回のボストン滞在では、ここも訪問されたということです。所長が「Eテレ」の「スーパープレゼンターション」でおなじみになったジョイ伊藤さん123)などの存在があったのでしょう。

ここでは4人の研究者とお会いしました。皆さん、さすがなのですが、経歴も変わっている人も多く、研究もとてもユニークで面白いのです。アートとテクと何でもありの融合というか、一人ひとりが、メジャーから外れているところに価値を持っているところがここの面白さなのです。わたしもここの関係者の一人です。

今回、わたしがお会いしたのはピカードさん(認知症に関して何度かメールで交流していたのですが、とうとう会えた、みたいな具合です)、オックスマンさんとフェローのシャルマさん、ボイデンさん、そして石井さんです。皆さん“とんでもないこと”をしています。

また、船橋洋一さんが「日米関係」についてのカンファを開催していたのですが、突然、「ボストンにいるんだって?レセプションに招待するけど?」と電話をいただき、ハーバードファカルティクラブに。ハーバード大学公衆衛生院訪問から内科学会に戻る途中の20分ほどですが、伺いました。金曜の夕方でしたから道がとても込んでいました。

快晴の土曜の午前は、ボストンのファインアート美術館で、「ホクサイ」コレクション特別展示がありましたので、行ってきました。本当にすばらしい展示でした。また、東北大震災「3.11」の写真展示もあり、これはちょっと変わった表現に注目した、深く考えさせる企画でした。この時間だけが、今回の訪問の本務とは まったく関係のない時間でした。

レッドソックスの試合もあったのですが、観戦する機会はつくれませんでした。残念。

ボストン、特に古いボストン、ケンブリッジの町並みはとても落ち着きます。

あっという間の7月

→English

7月になってコラムが出せていません。申し訳ありません。なんだかんだと忙しくしていました。

6月末から7月初めにかけて末吉竹二郎さんの「CSO塾」、石倉洋子さんの「Global Agenda Seminar」、国際基督教大学(ICU)の「Global Leadership Studies」など、週末も入れて4日間連続でセミナーでした。長いものは質疑を入れて3時間超。元気な人たちが多い会はいいものです。

虎ノ門ヒルズで行われた「MIT Media Lab @ Tokyo 2014」にもちょっと参加。そして、フランス大使公邸で行われた2014年度「L’Oreal‐UNESCO女性科学者 日本奨励賞」授賞式などなど、いろいろな行事がありました。

後半にはOECDの会議でパリへ。そして、4月に報告した、Londonで始まった「World Dementia Council」に参加です。半日ほど時間ができたので、Orlangerie美術館へ行ってきました。

いろいろと予測していないことが起こるので、夏休みも忙しくなっています。

ロンドンへ ‐2: Shakespeare’s Globe

→English


→ Images of Shakespeare’s Globe

ロンドン3日目の5月1日、少々雨の降る、ちょっと寒い日となりました。

午前は、傘をさして、小雨のHyde Parkを20分ほど歩いて、Marble Arch近くへ。2年ぶりにSingapore勤務から帰国したばかりの英国人の友人のオフィスで1時間ほど面会。今年の初めに東京に支店を開設し、先日、東京の英国大使館でのレセプションでもお会いしたばかりですが、ちょっとゆっくり話をしようということになったのです。

昼に、Oxfordの大学院で政治学を学んでいる、国会事故調の英語版翻訳・編集チームに参加した二宮さんと落ち合いました。ちょうど修士論文を提出し、6月に最終試験ということです(この2年弱、このBlogの英訳は彼女の作品が多いです)。ここからChatham Houseに向かい、前任の駐日英国大使 David Warrenさんと1時間ほど、今年10月に東京で予定している会議の打ち合わせもしました。Warren大使は2週前にも東京に来られ、私のGRIPSを訪ねてくださったばかりですが…。その後、私も参加している「日本版NIH」会議の参与もしている水野さんが帰英したばかりということで、彼の所属するクラブでお茶。

夜はShakespeare’s GlobeEnglish)へ。

出し物は“Titus Andronicus”English)。Shakespeare作品の中でも最も残忍な復讐劇で、Warren大使も2日前にご覧になったとかで、しかも新聞によると観客の何人かが失神したそうだよ、と言われていました。

開演が午後7時30分、終わりが10時30分という3時間の長丁場。劇場は写真にもあるように、天井から雨が降り込む、窓も木の枠だけなので寒い。中央のステージの前の立見席(ここは6ポンドほど)の方たちはそれを承知で見ているという、いかにも英国らしいアレンジです。それにしても、皆さん、我慢強いですね。俳優さんたちもこのステージの前も使って舞台が進むので、それも楽しみなのでしょう。

二宮さんは帰りも遅くなりましたが、Oxfordへのバスは24時間運転されているそうで、これも学生さんたちのためもあるのでしょうね。

翌日はVirgin Atlanticで出発でしたが、空港での受付も、サービスも、ラウンジも、なかなか良かったです。

坂茂さん、Pritzker受賞おめでとう

→English

坂茂(ばんしげる)さん。世界的に活躍する建築家。さらに災害支援などで人間愛を、世界中で実践する素晴らしい人。

Pritzker賞 受賞、おめでとう。

坂さんとは10年来の友人で、ブログでも何度か紹介しています。しかも私と同じ成蹊学園の卒業生。この成蹊学園の図書館も社会からも注目されている図書館で、これも彼の設計です。

はじめて会ったのは、確か2002年にNew York Cityで開催されたWorld Economic Forumだった思います。この年だけが、ダボス以外で開催された唯一のWorld Economic Forumです。前年の「9.11」の追悼の気持ちを込めた会議でした。一番記憶に残っているのは、私も参加した「科学者と各宗教のリーダー」との昼食形式の討論セッションでした。

坂さんは2013年のTEDxTokyoに出てくれました。このプレゼンにこそ、彼の思想がよくあらわれています。是非、見てください。

ある時のこと、彼に相談事があったので、数ヵ月先の予定を聞いたことがあります。返事は、なんと「1ヵ月以上先の予定はなにも入れていません。どんな事故が起こり、どこに行くことになるかわからないので...」ということでした。

若い人たちをまとめながら、L’Aquilaの地震、Christchurchの地震、Haitiへ、東北へ、紙を使った素晴らしい建築物を残しながら、世界を回り続けています。

でも私が最も感動したのは実にユニークな移動展示会場のNomadic Museum、そしてその展示物「Ashes and Snow」です。また、銀座にあるSwatchのランドマーク、NG Hayek Centerもユニークで、おしゃれで、素敵です。

世界の坂さん、おめでとう。とても嬉しい。

11月の海外いろいろ -1

→English

11月は忙しかったです。すっかりBlogもご無沙汰しました。

10日からNew York City(NYC)へ。到着した午後、現地で臨床研修をしている日本からの医師の方々にお会いしました。今回は10人ほど、3人は女医さんで、お子さん連れで研修している方もいるのです。素晴らしい若者たちです。その方たちの先輩にもあたる桑間先生も参加。夜はBroadwayのWickedを見に行きました。今年が10周年ということですが、二人の女性主役の歌の力は素晴らしかったです。役者さんたちの層の厚さを考えると、競争のすごさにも同情しますが、何かすごさを感じます。

翌日は友人と3人でNYCの紀伊国屋、MoMAの内庭を見ながらの素敵なランチ、先日六本木でご一緒した館長のGlenn Lowryさんとしばらく館内を散策して、Magritte特別展示を見てからGHITFUNDの理事たちと、明日の理事会に備えて会食です。場所はなんとThe River Club、このNYCでも最も格式の高いClubとか。130億ドルのコンド1)が5つあり、現在Henry Kissingerさんも住人の一人とか。地下にはテニスコートがあるのです。

翌日は1日、GHITFUNDの理事会でした。5月末に立ち上がったばかりですが、世界初ともいえる、日本発の画期的なPublic-Private-Partnershipで、日本政府、企業6社とGates財団とでGlobal Healthへの新しい貢献のメカニズムです。今年の5月末に発足しましたが、私が理事長を務めています。

夕方から、Japan Societyで、New York Academy of Sciencesと共催でGHITFUNDについて紹介するパネルが開催されました。

レセプションの後は GHITFUNDの理事さんたちとShun Lee Palaceで夜遅いディナー。

New York Cityは寒く、ちょっと雪も降りました。

翌日は成田へ、そこで乗り換えてKuala Lumpurへ向かいます。

Innovation City Forumのパネルに参加

→English

六本木ヒルズも早いもので10周年を迎えたとか。それを機会にいろいろなイベントがありますが、10月半ばにはInnovation City Forumが3日間にわたって開催されました。

私も最終日のクロージングセッションにお招きを受けて、ちょっと感激。なにしろこういう「異業種バトル」みたいなのは嫌いではないので。司会は森美術館を動かしている南條さん。パネルがNew Yorkの近代美術館(MoMA)館長のGlenn Lowryさん、LondonのTate Gallery1)の館長のNicholas Serotaさん、MIT Media Labのジョイ伊藤さん、そして私なのですから。

ジョイはこの全体の企画に関わっていますし、LowryさんもSerotaさんもSuperstarです。しかも、この順番で10分ずつプレゼンしてからパネル。

皆さんのプレゼンもコメントも、さすがになかなか素晴らしいものでした。それは承知していたので、みなさんとはダブらないように何でも言えるようなスライド(PDF)を用意して、未来の都市と美術の、ちょっとした話をしました。

※日本語はこちら

しかし、このAcademy Hillsも10年なのですな、もっと以前からあるようにも感じていましたが。多くの困難を超えて、長い時間をかけてこのような都市計画の理想を追求した森さんに感謝です。

このような機会を与えてくれた南條さんほかの皆さんに感謝しています。