Xiborgの遠藤さん、為末さん、おめでとう

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最近いろいろなところで取り上げられている、Xiborg遠藤 謙さん123)。彼とは、彼がMITの大学院生のころからのお付き合い。PhDを取るまでガンバって、帰国してSONY Computer Science Laboratory(CSL)に。為末 大さんたちと会社を立ち上げ、今度はついに、小池都知事就任で初めて真相が分かってきた話題の豊洲で、素敵な実験的運動場 Brillia Running Stadiumを立ち上げました。所長は為末さん、12月10日の開場式に行ってきました。

東京オリンピックでも使用される材料でできているトラックもあり、障がい者をスーパーマンにしようという高い目標も視野に入れています。

大きな目標で世界を目指して、何年もかけながら、苦しさを乗り越えて活動している若者たち。素敵です、いつも元気と感動をもらっています。

このような若者たちが、停滞する日本を変える力です。東京オリンピックでメダルを目指そう!もちろん、ですよね。

 

トロントへ再び

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今年になって、トロントはすでに3回目です。今回は2013年の英国G8サミットで合意されたWorld Dementia Councilを継承した新たなに組織の会合です。

このWDCの前の数日にわたって、世界認知症学会がトロントで開催されていたので、この日程になったのです。

到着後ホテルにチェックインしてから、ご当地のToronto Blue JaysとSan Diego PadresのMLBゲームがあるので観戦に行きました。ほぼ満員の球場で、外野のかなり上の、急峻な場所の席しかありませんでした。私は7回の表で球場を後にしましたが、翌日の新聞を見ると、なんと12回までの延長戦、しかも12回表の2点差を”劇的な経過”で3点を取って勝ったサヨナラゲーム。みなさん大興奮だったと想像できます。

このゲーム経過などについては以下の記事とビデオをご覧ください。

さて、新しいWDCの会合ですが、いくつかのアジェンダについての小委員会の提案発表、それらのまとめ、そして次へのプロセスなど1)について議論しました。

今までは「英国政府の委員会」という立場でした。しかし今回からは独立している立場になったのですが、それをどのように広く関係各所に認識してもらうのか、という戦略的視点が不足しているように思いました。その点についてはいくつかコメントしました。これは考える以上に大変な課題であり、これからの活動に大事な基本的認識と思います。

高齢化社会先進国の日本はどのようにこの世界的課題である「認知症」に対応していくのでしょうか。5月の伊勢志摩でのG7サミット宣言の「2. 2. 5」で「認知症」も取り上げられています。9月の神戸でのG7厚生大臣サミットでも、この確認が必要です。何しろ認知症は「確実に予測される津波」なのですから。

Gairdner財団のJohn DirksGrand Challenge Canadaを率いるPeter Singer他の方たちにもお会いし、また中山総領事とは公邸で歓談の時間をいただきました。

特に今回は、2009年から始まったGairdner賞に創設されたGlobal Health賞(ノーベル賞の大村先生も2014年に受賞しています)に、今年で引退するDirks氏の名前が付けられることになった、個人的なお祝いの意味もあったのです。→English

トロントで

11月13日(金)の夕方、トロントに到着、ホテルに向かいました。到着早々、テレビでは一斉にパリのテロのニュースです。

今回のカナダでの講演も、このような世界の不安定化の背景などにも触れたうえで、グローバルヘルスの話をするのです。

14日(土)は、2週間前に終わったばかりのGairdner賞の委員長をしているJohn Dirksご夫妻、現地の三菱電機の代表をしておられる二宮さんご夫妻、トロントで世界一ともいわれる肺移植の指揮を執っている安福先生、アジア太平洋財団のお世話をしているChris Nakamuraさんたちと昼食、いろいろな話題が出ました。夜は二宮さんのご友人と一緒にプロのIce Hokeyのゲーム観戦。ご当地のToronto Maple LeafsがVancouver Canucksを「4-2」で接戦を制し、みなさん大喜びでした。

今年は、メジャーベースボールで地元のBlue Jaysが惜しいところでWorld Seriesへ行けず、川崎選手のいるチームですから、日本の皆さんもたいへんがっかりされたことでしょう。

16日(日)はSanta Clausパレードで、私の泊まっているホテルの前を通り、私の部屋からもよく見えて、なかなか楽しいものでした。夜は総領事館で中山総領事主催の夕食会があり、明日講演をするトロント大学のMunk School of Global Affairsの方もお見えになりました。Munk Schoolは、最近かなり名が知られるようになってきているように思いますが、現在、私が在籍している政策研究大学院大学と MOU2)を結んでいます。

翌日はMunk Schoolで久しぶりの講演1)。テーマがグローバルヘルスですのでGrand Challenge Canadaを率いているPeter Singerさんも参加してくれました。私もこのプログラムの一員を当初から務めています。

講演終了後、しばしの歓談後、オタワに向かいました。

元気な若者たち

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先週は、異人・変人の集まるSONY CSL遠藤 謙くんが、為末 大さん、RDSの杉原さんの3人が訪れてくれました。彼がMIT時代から進めていた義足などの研究をさらに進めるために起業したことを伝えに来たのです。

彼はMITでPhDを取得、その時代からのお付き合いです。See-D1)などでも協力してきました。

地雷や交通事故などで義足を使っているインドなどの貧しい人たちの支援を進める一方で、パラリンピックの選手の支援など、人間の可能性をさらに高める試みを始めています。彼のMITの先生の一人が、ことしのTEDで驚異的な義足の機能を見せてくれているHugh Herrさんです。こんなことが可能になると、パラリンピックの選手のほうが五体満足のオリンピック選手を超える記録を出すことも可能になるでしょうね。最近話題のコンピューターとプロ棋士の将棋の試合のように。

そこへWHILLの杉江くんも、本拠地をシリコンバレーに移して以来ですが、遊びに来てくれました。これは日本を代表する4つの企業の若いエンジ二アたちが立ち上げたベンチャーです。そして彼から、特異な才能を秘めている、また普通の勉強になじまない子供たちの教育支援の活動をしているWINGLE1)の長谷川さんを紹介されました。

先日も紹介したばかりのTeach For Japanの松田くんも、朝日新聞Globeで紹介されていましたね。

いろいろなところに、行動する、素晴らしい人たちがいます。

San Franciscoへ

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San DiegoからSan Franciscoへ。今年3回目1)です。

今回は「America’s Cupの最終ラウンドを見に来た」、といいたいところですが、残念ながら違うのです。 以前にも書きましたがMalaysiaのNajib首相の「GSIAC」12)で、Fairmont Hotelです。America’s Cup、特にOracle 関係者らしい人たちも多くみられました。

なにしろこの1、2日でAmerica’s Cupの最終ラウンドの勝負が決まるかどうかというところです。‘Emirates Team New Zealand’ vs Defending Champion ‘Oracle Team USA’ で 「8:5」、挑戦者があと1レースで勝つというところでしたから。Hotelもはるかに高い料金、なかなか空きがない状況のようでした。

1日目はレセプション、2日目の午前中は「High Level Forum Green Future」のテーマで3つのパネル、私は最初のパネルに出ました。3つともなかなか良かったです。

昼食ではNajib首相のスピーチ、4つのMOUのセレモニーがあり、私も日本との協力の調印に参加しました。これは首相の科学顧問が、私と旧知のZakriさんだからできたことです。これからも両国間の関係も政府間ばかりでなく、民間も含めて多様で、多層な、いろいろな協力関係ができるといいのですが。

夜はご当地のビジネス関係の主宰で晩餐会があり、首相の講演とインタビューもありましたが、公式の会なのでワインも含めアルコール類が出ないのでチョットさびしい感じがします、仕方のないことですが。

特に私のような大学人、科学者同士の付き合いから生まれる信頼関係は、政府や企業とは違った、利害関係のない関係から、新しいプロジェクトを始められる利点があります。

America’s CupはOracleが勝って、まだ勝負がつかないところでの帰国となりました。

帰国の翌日のレースでは、Oracle Team USAが1歩も後へ引けないところから大逆転劇を演じました。

なでしこジャパン奇跡の勝利、World Cup Championに、日本中沸き立つ

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沢選手、延長後半12分奇跡の同点ゴールのヴィデオ

16日土曜にWashington DCから帰国して、時差と戦いながら日曜をすごす。17日は英国でのThe Openをテレビで見る。北IrelandのDarren Clarkが優勝。20回目の出場での快挙には心温まるものがあった。日本からは池田選手が決勝ラウンドでがんばる。

この17日の夜中すぎの18日午前3時半から女子のWorld Cup、#1ランクの米国との決勝戦。ちょっと一眠りして、これを見なくては、と見始めたのだが、米国が前半「0:0」で圧倒的に攻めた点を取れなかったので心理的にイライラが募ったことでしょう。ちょっと精神的にも消耗したかも知れない。前半のボールキープ率は日本53%:US47%。身体的な差は明らかだが、日本の選手もがんばっている。

後半、やはり米国選手のMorganが素晴らしいシュートで1点をもぎ取る。日本も再々相手のゴールに迫るがなかなか点を取れない。後半後残り10分程度のところで、見事なゴール前の競り合いで同点ゴール。1:1で試合は延長戦へ。

延長前半で米国のエースWambachのヘッデイングで1点。これで勝ったと米国の皆が感じたかも知れない。後半15分の残り3分というところで、コーナーキックから、沢選手の奇跡的なoutside heelがドンとゴール。これで2-2の同点。3分後に試合終了。

PK勝負になった。精神的には日本が有利な状態。なぜか日本の選手は皆笑顔。米国の選手は最初の3人が失敗。1,3番目がゴールキーパー海堀の好守に阻まれる。日本の4人目で3:1の奇跡的勝利。

何たること、何たる大番狂わせ。でも両軍とも実によく奮闘しました。沢主将の引っ張る力、またゲーム中にどこにでもいることのすごさ。沢選手はMVP、最多ゴール賞を獲得。素晴らしい活躍でした。

全員参加の精神と、佐々木監督の優れた操縦術がよかったのでしょう。

すごいね、本当に素晴らしい戦いだった。なでしこJapanは私達に多くの感動を与えてくれた。本当にありがとう。

また色々な写真もここでも見られる

今日、帰国したなでしこは実に晴れやかだった。素晴らしい女性達。本当に尊敬する。東北の人たちにも大きな感動と希望をくれた。ありがとう。

 

 

「Invictus」:リーダーの意思、決断と戦略、そして行動

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1国トップの責任は、1企業トップ、1大学トップより大きいのは当然です。

この40-50年の激動の世界で、いろいろ国のトップであった人たちで、長く歴史に名を残すような人は、それほどいるわけではありません。でも確実に入る人に南アフリカのNelson Mandela氏がいます。あの、人種差別Apartheidのなかで、弁護士として、また1950年ごろから政治活動を始め、27年にわたって監獄に収監されるなど、想像を絶する人生を送られた人です。1990年に国際情勢の変化などを受けて釈放され、1994年のApartheid廃止後の全国民参加の選挙で最初の大統領に就任。こんな難しい時代の1国のトップの苦悩は想像を絶すると思います。政治家としてGandhiを尊敬していたということです。

ここでは、そのようなことではなくて、この直後の1995年に南アフリカで開催されたラグビーWorld Cup のことです。すべてのゲームが南アフリカで開催され、まさかのことですが、南アフリカが、最強といわれたNew Zealand代表を破って優勝したという、まさに「真実は小説より奇なり」です。

これをテーマにした映画 (資料1)が最近上映されました。「Invictus」 (William E Henleyの詩からきたものです) です。映画はMandelaが大統領になった当時、南アフリカ駐在だったジャーナリストJohn Carlinの本、「Playing the Enemy: Nelson Mandela and the Game that Made a Nation」 を元にしたものです。

とても感動的な物語です。想像しただけでも極めて難しい状況で国をまとめる責任を負ったトップの意思、決断と戦略、そして行動。さすがにClint Eastwood監督ですね、いつものことですが、題材の着眼がすばらしいです。ぜひご覧になってください。

時代が変わっても、国のリーダーの責任はますます大きくなってきています。これからグローバル世界の行く末が、見えにくい時代になってきていますし。大きな歴史観、哲学と実践的知恵、人の心を動かす力です。

友人のジャーナリストLaurie Gallettさんの部屋には、Mandela大統領の等身大写真が置いてあります。本当に世界の人々から尊敬を受ける偉大なリーダーです。

大変化の時代、日本のトップはどんなものでしょうね、なにか迷走状態です。

出でよ、日本のリーダー(何も政治ばかりではないですが、、)。

深? (Shenzhen)、香港、元気な中国

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Shenzhen (深?市)に香港経由で来ました。車も多く、香港から中国大陸へ入るのにずいぶん時間がかかりました。新しい建築、道路がどんどん進んでいます。

今回の訪問の目的のひとつは「Mission Hills」でゴルフをすることです。ここは18ホールのコースが12もあり、広大な開発がされたところです。世界最大のゴルフリゾー トとのことです。World Cupも開催されたのでテレビなどでも見たことがあると思いますが、これが1995年のことで、このコースの世界への公式のお披露目だったようです。香港が英国から中国に返還されたのが1997年です。今回はWorld Cup Courseでプレイしました。なかなかすばらしいコースでした。このウェブサイトを見て楽しんでください。

やたらと高級な馬鹿でかい家 (1戸建が600平米以上とか、、)がコースを囲んで建っていて(どんな人たちが住むのでしょうか)、会員も募集中です。高価でしょうね、でも多くは投機の対象でしょうか、あまり人影は見えませんでした、、。20年ほど前の日本を思い出しますが、スケールが桁違いです。ホテルの内装などは、日本と比べるとやや緻密さにかけているように思われますが、そんなことより勢いですね。小さなことは気にしない、気にしない。細部にわたってあら捜ししても、意味のないことです。

中国側は北京から参加した方たち4人ですが、一人はアフリカの鉱物資源などを買い付けている企業、コンゴに行ってきたばかりとか。もう一人は船荷輸送の会社、皆さん40代後半ですが、元気がいいですね。

深?の町に食事にも招待されましたが、とにかくすごい勢いで建物、道路がつくられています。この町も10,20年前はどうだったのでしょう。これから10,20年後はどうなっているでしょうね。

帰りは香港のShangri-La Hotelで1泊。好きなホテルのひとつです。雨の香港島を対岸に眺めながら、半日relaxできました。

香港は雨でしたが、中国南部のほうの降雨は大変だったようですね、あまり大きな被害が出ないとよいのですが。

韓国に学ぼう? いいことですね

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前回でも触れましたが、韓国に学ぼうという社説が日経に出たそうです。結構なことです。原子力、サムソン、現代自動車、Vancouver Olympicと、このところ立て続けにまともにパンチを浴びていますからね。

日本でも、私が時に触れるJBPressなどのネットニュース。これが結構「イケル」のです。そこに出ているのが、JBPress、野口 透さんのサムソンの「ヴァンクーヴァー五輪、真の勝者はサムソンだった; 半導体や液晶だけでない長期事業育成策がここにも」です。

日本の新聞も大丈夫でしょうか?時代の流れの方向は確実ですけどね。発行部数を競争したり、いまだに「記者クラブ制度」にこだわったりとはね。

一方で韓国での報道もあります。

中央日報が、その日本語ネット版で、「日本はいま“快速コリア”研究中」 という記事を掲載、日本経済新聞の社説に触れ、さらに私が前回触れた日経ビジネスの特集を紹介、私のコメントも入れ込んでいます。私の取材は私が滞在中のパリまでの電話でした。

「環境後進国ニッポン」、ついに明らかに?

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日経ビジネス3月1日号の特集を見ましたか?(ネットでは有料のみで見れるようですが、なぜでしょうか)。

はじめには「今週の焦点」で、経済同友会代表幹事、リコーの桜井正光会長。いつも財界のうち向きさ加減に鋭い異論を唱えていましたが、この特集との組み合わせは編集者の意図があるのでしょう。よい選択です。

特集は22-39ページ。タイトルは、ずばり「環境後進国ニッポン」です。世界の動きについていけない、内向きの「技術過信」日本の産業界。特に大企業は会社内の理屈ばかりで、グローバルな世界の動向を「実感」として知らない、議論すると「できない理由」ばかりをいう。

環境技術、日本は世界一、とずいぶん言われていましたね。省エネルギー、水処理、電池等々、でも世界の市場ではどうでしょうか?

技術が進んでいても「グローバルの横への展開」思考と、その「ノウハウ」がわからない。「ガラパゴス」 (資料1)、といわれてもなかなか新しい展開ができない。世界の人脈が薄い、英語もだめ、過去の「成功」にとらわれている精神的鎖国の上層部、責任者に運営される大企業群。国内事業で満足していた「ツケ」ですね。そこへ入社したい若者たちの10-20年後の将来は?そこでの中間管理職をはじめとする「人材」を見ることでしょうか。

具体例もいろいろ、大きく「こと」を見れない、「ものがたり」 を構想し、語れないのでは、いくら技術があっても、宝の持ち腐れです。

これは電気製品ばかりでないのは明白でしたが、なぜか国内の抵抗勢力の力が大きく、また横並び企業が多くて大転換できないでズルズルここまで来たのでしょう。

少々明かりが見えてはいますが、規模が小さい、スピード感に欠ける、何度も指摘されているとこところです。いつまで「単線路線」の従来型のキャリアパスが邪魔なのです。

このように、紙面、報道、ニュースなどなど、しっかり、繰り返し、国民へのメッセージの発信が大事です。それこそがメデイアの役割、そこでこそ政策の施行が可能になるのです。もう「黒船は来ない」 (資料1) のです。

今年1月に何報か報告した韓国の原子力 、さらに産業界ではサムソンをはじめとする、LG、現代、ポスコなどの躍進、最近ではVancouverでの韓国選手の活躍、そこへのトヨタの問題です。

ニッポンがんばれ。ニッポン企業がんばれ。大学も

人材、人財の育成、教育こそが国の根幹です。どんな教育なのか、これは別のことですが。

中国ばかりでなく、韓国にも学ぼうという素直な機運は結構なことです。何事にも謙虚であることは、昔からの知恵であり、教えです。