Vabel Conference、その後

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1月に開催した「Vabel Conference」のことをお話しました

そのVideoが出来ました。参加の皆さんのスピーチヴィデオを聞くことが出来ます。石倉さんのblogはここ資料1)。

ほとんどの参加者は日本人、演者も日本人、でも全部英語(皆ブロークンです、石倉さん、斉藤さんは別格ですが、、)というのですから、ちょっと変わっているかもしれませんが、盛り上がりましたね。雰囲気作りと、慣れてしまうれることですね。

企画し、主催した「パリパリ」キムくん、英国の大学を休学して世界を回って、しばらく日本にいましたが、また外へ出かけます。

若者はこのくらいの元気でいいのですよ。

San Diegoから、第1回「Cell Society」で基調講演

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2月17日に成田発、San Francisco経由でSan Diegoに到着。「Cell Society」 に参加、ここで基調講演をするのです。La Jollaにある会場のEstancia Hotel にチェックイン、なかなか快適なホテルです。

何しろ天気が悪い、寒い、しかも雨、という状況。南Californiaで、こんな天気は珍しいですが、致し方ないですね。2日目の午後だけ晴れでした、、。

この会の趣旨は、成人Stem Cellの臨床の現況、というテーマに絞って議論する会議なので、基礎研究的なものよりは、圧倒的にどんなことが、どんな分野でなされているかについて、審査当局とのやり取りも含めた、明確な目的を持った会です。普段では私の学会活動でもお会いしたこともないような方々の発表も多いので、新しい現場感が為になりました。

いろいろな分野での知見を見ると、この成人「Stem Cell」の臨床の展開の可能性がいろいろ見えてきます。特に整形外科的、美容整形的な分野では、大きな可能性が見えます、何しろ高齢社会という枠組みでは、通常の医療を超えたニーズが大きいでしょう。ローカルニュースはこちら

そのような大きな視点で考えて見ると、私の基調講演は「Watson」(資料1,)(石倉洋子さんもWatsonについて書いていましたね、、)についても触れたり、とても適切だった様に思いました。参加の皆さんから、素晴らしい話だったよ、と何度も言われました。うれしいことです。

さらに、このような会議そのものが、20世紀の医学の進歩を踏まえてみても、とてもユニークな位置にあり、まったく違った視点と枠組みの可能性を与えているのではないかと、強く思いました。また別の機会に話してみようと思います。

夜は9時半から、UCSDなどにいる日本の若者たちとCONNECT の方達と、ホテルのバーでワインを楽しみながら、夜中近くまで歓談。写真はこちら)。元気な日本からの若い人たちと意見を交換するのはいいものです。広い世界で活躍して欲しいし、とても楽しみです。

またいろいろ考えてみることが増えました。

今年の就職状況と「内定取消」

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今も就職状況はとても悪いですね。若い人がかわいそうです。若者たちの将来を奪ってしまいます。この20年でずいぶんの数の若者たちが機会を奪い取られてしまったのですね。なぜ新卒でないといけないのか?

内定取消」 は、間宮理沙さんという東京の私立大学生3年生の就職活動と戦いの記録。そんなことが本当にあるのかな?と思うような内容ですが、わざわざうそばかり書くわけもないですよね。勿論、blog もある。ぜひ読んでみてください。世の中、本当に信じられないことがあるものですね。

しかし、終身雇用だと思っていてもそんなことがどこに保証されているの?30、40年後に、退職金などあるだろうか?

ではどうしたら自分の社会での価値を高められるか?大学教育とはなんのためなのか?大学は変わるのか?企業のあり方は変わるのか?

日本の将来はどうなのか?世界の状況を広く見てみると、もっといろいろなことが見えてくる。

昨日のことですが、ある新しい会社(創業10年、米国発ですが、はじめから世界展開を考えて動いています)の日本・アジア担当役員と会いました。今、人をリクルートしているのですが、最近の2人、私が聞いているだけですぐに面接したくなるような人たちでしたが、日本企業(有名企業ですが、1人は16社全部だめ、、)ではだめだったということで、紹介されて面接したそうですが、即採用。日本国内ばかりでなく、アジアでも世界へでも、すぐにでも活躍できる可能性の高い人たちです。

私の疑問は、何故この人たちは日本有名企業ではだめだったのか?これです。採用担当の人たちはどんな人たちでしょうね、どんな基準で人を見ているのでしょうね。

先日ご紹介しましたが、パソナでは、新卒で就職できなかった人たちを、実際に応援するプログラムを始めています。素晴らしいことです、こういう企業が社会からの信頼を得ていくのでしょう。

とすれば、若者は何をしたらいいのか?すること、出来ることはいくつもありますね。ちょっと考えてください。

1つは「休学のすすめ」ですが、、。

 

 

ダボスから -2

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ダボス、2日目も快晴。朝早くからGAC(Global Agenda Council)の「Japan」の朝食会。若い方達YGL(Young Global Leaders)の方々の参加もあるので、20人ほどですが、全員が日本の方ばかりで、日本語で議論が進みました。初めての方もおられるて、私が座長なので、このCouncilだけが全員日本語(ほとんど日本人ばかりと在日の米国の方たち)を話す方達ばかりで、このようなCouncil は唯一であることを、まず英語でお話しました。皆さんビックリしたかもしれませんが、Ice breakingでよかったです、とあとでいわれました。29日には総理もこられるので、もちろん話題の中心です。

午前は、いくつかのセッションに出た後、Indonesia のYudhoyono大統領とFrance のSarkozy大統領のスピーチ。Indonesiaは民主的に選出された大統領の下、地方分権、思い切った人材採用など、この数年8%の成長です。今年のASEANのホストでもあり、立派なスピーチでした。リーダーの立派な演説は、いつも心に響く ものです。

昼からは例年のことですが化学工業大企業のGovernors会議にゲストとして出席。例年のことですが、今年は、三菱化学の小林さん、テイジンの大八木さんなどが参加され、面白い議論が聞けました。私もShale Oil、「Global to Local」などについていくつかコメントさせてもらいました。企業トップとの話はこれもなかなか勉強になります。

夜は、Japan Night, Korea Night, Indonesia Nightとはしご。Indonesiaが会場としては1番良かったですが、10時すぎに伺ったので、人が少なめでちょっと残念。Japan Nightが一番盛況でした。これはプラス。

でもどうも国内ではS&Pの国の格付けで日本が「AAからAA-」へということで、ちょっとした騒ぎもあったようですね。これについては1年ほど前ですが、私のblogでもコメントしています。前回は、日本のメデイアではあまり取り上げられなかったようですが、今回はどうでしょう。総理のコメントもちょっと取り上げられていましたが、、、。

寝付かれないような気分で、眠ることに、、。

ダボスから -1

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25日の朝、成田からFrankfurt経由で、Zurichへ。夜遅く、ダボスに到着。

26日は朝からいろいろなセッションに出る。特にIdeasLabは面白いし、いろいろなインスピレーションを得られることが多いので、「Design for the New Reality」に参加。ここは、日本からの仲間では石倉洋子さん、西山浩平さん(「Product Design」のdiscussion leaderとして)、またHarvardのToshiko Mori教授が「Scarcity-driven design」。私はGACでこの数年「Innovation」で一緒に議論をしているAdam Blyのがとても面白かったので、この議論に参加。とても面白い、そして新しいドメインを開拓しつつあります。このように指摘レベルのきわめて高いプレゼンの議論に参加するのはとても楽しいです。

石倉さんのblogもたずねてください。

いくつかのセッションにも出ましたが、1日の最後はGACのデイナー。先日Dubaiであった方々が多いので、話は弾みましたが、ゲストはLawrence SummersAmy Chuaという「すごい」お2人。ここでリンクしたお2人のwikipediaを読んでみてください。Lawrence Summersは皆さんよくご存知でしょうが、現在Yale大学で法学を教える教授Amy Chuaは、特に今年の初めに出版した本が特に大きな話題になっている人で、議論が盛り上がりました。デイナーの後で、ちょっとの間でしたがお話できてうれしかったです。

この本は「Battle Hymn of the Tiger Mother」で、2人の娘の育て方を「Chinese mother」として、多いに問題提起の本になっていたのです。

以下に、子供には「してはいけない、許さない」ルールがあるのです。
? attend a sleepover
? have a playdate
? be in a school play
? complain about not being in a school play
? watch TV or play computer games
? choose their own extracurricular activities
? get any grade less than an A
? not be the No. 1 student in every subject except gym and drama
? play any instrument other than the piano or violin
? not play the piano or violin
このほかにもいくつか大事な原則があります。まだ、本は読んでいませんが、さすがというか、彼女によれば「20年前のJewish motherともいえる」ともいっていました。

いろいろ議論が盛りあがるのも無理もないですね。

 

教育デイベート: 渋沢さんたち「コモンズ30ファンド」設立2周年で

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1月19日、慶応SFC最後の授業を終えて(後で紹介します)、夕方から私の友人の一人渋沢さんが始めた「コモンズ30ファンド」設立2周年の会のパネルに参加しました。

パネルは渋沢 健さんの司会によって、ベネッセのCFO、Corporate Communication本部長の福原賢一さんと私の対話 (これは知っていたのですが、、)、しかもテーマが「教育」。これは私のテリトリーではないか!

福原さんのスライドを使った「ガラパゴス島からの脱出」と題して、実は、「日本の教育」もガラパゴス化している!、、、との強いメッセージがありました。強烈ですね。そして、最近おなじみの「若者の内向き」の話題となりました。

これを引き取って、私が、「若者ではない、親の世代、その上の世代も内向きだ」(資料1)、とこのほぼ1-2ヶ月集中して発信しているメッセージをお話しました。

この刺激的なパネルはUStreamで見れます。ちょっと恥ずかしいですけどね。でも、若者の将来が一番大事ですから。

何事も、まずことの本質を俯瞰的に見る、考えることです。

PS; 早くもいくつかのblog 資料1) に出ていました。コメントがうれしい。

 

 

東京大学ブランドは世界に通用するか?

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田村耕太郎 くんという若手の代議士(いまは、Yaleへ?)がいます。

私も何度かお会いしましたが、元気が良くて、ハキハキしているし、このような「元気印」もなかなか良いね、と思っています。彼の経歴(これがなんともいえない「凄み」のある履歴、、)、主義主張、ファッション(これがまたカラフルなのだ、、)などについての意見もはっきりと自分のHPに書いています。

勿論、blog, twitterも書いていますが、その最近の1つが「東大ブランドは世界には通用しない:灘高トップはエール大学を選んだ」という過激なものです(ちなみにこの灘校生はHarvardにも合格したけどYaleを選んだということです、、)。

しかし、ここに書かれているYale大学での学生生活の刺激的なことは、日本の高校、大学生さんたちに、また大学教育にかかわる人たち、企業人、また政府や政治にかかわる、またメデイアなどのいわゆる「リーダー」といわれる方達にどう響くのでしょうか?

ここは、まず読んでのお楽しみ。いずれ、この話題について議論しましょう。

Tunisへ、日・アラブ経済会議

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11,12日にTunisで開催される第2回、日・アラブ経済会議に出席することになり、10日の夜に成田からDubaiへ、さらにTunisへ。昼過ぎに到着しました。

飛行場から外へ出ると涼しい風が吹き、気持ちのいいところです。Dubaiで前UAE大使の波多野さんたちと一緒になりましたので、Tunis到着後はそのままCarthage(カルタゴ)の遺跡へ向かいました。三井物産で長く中東を担当しておられる大橋さんに解説をいただきながら(また、いろいろよく知っておられるのです、最近ご当地に1週間おられたとか、、)案内していただき、とてもいい見学が出来ました。

ここで、大畠経済産業大臣の一行とお会いしました。

ご当地のいくつかの名所を尋ね、最後はSidi Bou Said参考1)の町をたずねました。とても美しい、古い町なみで、白い家々の壁に美しいブルーの窓や扉です。世界で一番古いというカフェでお茶を頂き、ゆったりとして時間を過ごしました。ここは歴史的にも、まさに地中海文化圏です。時間がゆったりと流れています。あくせく急いで、仕事しごとの人生、GDPの競争の生活などというだけなのは確かに変ですね。長い文化の歴史が感じられます。

会場も宿泊もほど遠くもないRamada Hotel で、レセプションに参加。日本のご一行は300人ほどでしょうか。トヨタの奥田さんが団長で、財界のお歴々にお会いしご挨拶など。今回は前原外務大臣もこられます。レセプションは日本の企業関係のかたがたが多かったですね。

翌日の会議は、これは会場が満杯。日本側の前原、大畠両大臣の挨拶に始まり、アラブ諸国側も多くの大臣などの重要人物が多いので、時間の進行が大変です。事務方はさぞ大変な思いをしたでしょう。いろいろな共同事業の調印などが発表されました。何年かの後には、いくつも成果を出してくれると期待しましょう。

私は人材育成や科学技術のパネルでいろいろ日本とアラブ諸国のこと、STS Forumの紹介も含めて手短かに説明、出来るだけ日本の活動をアッピールするように勤めました。少し遅れた昼食のあと、荷物をまとめて、飛行場へ。Dubai経由で Dohaに向かい、12日の早朝に到着。

なんだか、とてもあわただしい旅です。

「休学のすすめ」、海外インターンシップ支援AIESEC、文部科学省高官の応援

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社会制度の改革などを待っていられないぐらい、日本の「鎖国度」「鎖国マインドセット」は明白になってきています。最近の報道や社会のいろいろな意見がこの「内向き、鎖国マインドセット」について繰り返し指摘しています。本当のことを言えば、今に始まったことではないのですけどね。

これは明らかに若者だけではなく、大人たちに共通のことなのです。今の大学生の「内向き」を指摘する識者は多いのですが、これは親の世代の経験から来る影響が強いと思います。

「Japan as Number One」などといわれてちょっと「いい気」になっていた団塊の世代までとその後の世代は、日本のバブル崩壊(1999年)、冷戦の終結(1991年)とグロ-バル市場経済の始まり、インターネットの普及の始まり(1991年、wwwなど)、その後に起こった14の都市銀行の大再編、山一證券破産、急速につみあがる国の借金、成長しないGDPなどを見れば、親の世代は心理的に「守りの姿勢」になるわけです。

ですから、今の大学生の世代は、物心ついた頃から、親から景気のいい話をあまり聞いたことがないままで育ってきたのではないでしょうか?

ここに書いてあることは、このサイトで以前から、繰り返し、述べているところです。

さて、「休学のすすめ」 を実践する大学生たちの素晴らしい活躍 (資料1, , , )。

また海外でのインターンを紹介する学生たちのネットワークAIESECについても、ちょっとですが紹介しました

しかし、これらの活動をさらに進めるには、いろいろな障害があります。例えば、多くの私立大学では休学する学生に対しても、結構な額の「学費」をいろいろな名目で支払わせているのです。とんでもないことです。でもこれが当然と思っていたところに、日本社会の非常識があるのです。大学関係者は出来るだけ早く、知恵を絞って、こんなことは止めてください。

ただでさえ景気が悪く、しかも教育費が高い日本の国のあり方では、将来の人材を粗末にしているということです。こんな国に明るい将来はあるとは思えません。政府もしっかりしてください。

最近は学生の留学を支援する学生の世界団体AIESEC(ここからJapanサイトに来るとこれが日本語だけなのだ、、、)を運営している日本の学生さんたちとも会いました。AIESEC活動をどのように活性化し、社会に広く知ってもらう、支援してもらうか、を一緒に考えているところです。このような学生の活動を支援するのは企業にとってもいろいろと大きなメリットがあることは明白なのです。

AIESECの日本サイトが英語でも書かれていて、日本からの留学ばかりでなく、日本への留学、日本の企業インターンシップなどを紹介するなど、いろいろ出来ることがありますね。「相手のニーズ」を考える視点が欠けています。これについても具体的に議論しました。

最近、私と一緒に仕事をしたこともある文部科学省の「高官」(特に名前は出していませんが)がblogをはじめました。私の主張を支援してくれていること、このような学生を実際に励ましている資料1)ことを知りました。とてもとてもうれしいです。最近の会議でも自分の意見を中心に素晴らしいスピーチ をしてくれました。自分の主張がはっきりしていて、あまり役人らしい挨拶ではなかったね、と好評だったと聞いています。いろいろご支援ありがとう。

他の文部省関係ほかの方達の中にも、私の主張を認識し、支援しているかたが多くいることは知っていますが、全体としてなかなか政策にはなりにくいところもあります、いろいろの都合もあるのでしょうが。

さらに問題は大学、中高等学校など、教育関係者が、グローバル人材育成に対して、自主的にできるだけのことをしているとは思えない、(資料1, , , )ところにも問題があるのです。世界の潮流はドンドン動いているのです。

現役官僚がblogを書くことの如何ですが、個人の見解ですから結構なことです。秘密のことを書いているわけでもありませんし。

 

新しい地域医療を構築するチャレンジャー

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日本を含めた先進諸国では「高齢社会、慢性疾患、これ以上の公費出動は無理」、という状況で、従来型の「医療制度」は制度的に限界に来ていることは明らかです。

これについては従来から私も発言し (最近のではこれ(資料1、 )など)、政策提言し、実践を促しているのですが、従来からの利害関係者の「抵抗」で、なかなか政策の実現は進みません。

一方で、まずは出来ることから実践しようという人たちもいます。そのような一人に武藤真祐さんがいます。

彼は医師として恵まれた10年ほどを過ごしましたが、それには飽き足らず、より高い目標を設定して、この数年、医師ではない仕事でがんばってきました。

このような社会経験を経て、まったく新しい形の都会型地域医療を始めました。

これをはじめてから武藤さんが私に言ったことが本当に良かったのです。「いろいろ迷い、医師を離れ、自分の一生の仕事を捜し求めていたのですが、高齢化の進む都会の医療の現場に戻って、これこそが心から私がやりたかった仕事だと感じました」、と。

武藤さんと私の対談が出ましたのでご覧ください。

素敵な気持ちですね。ほんとうに素晴らしい門出です。心からの祝福を送りつつ、彼を応援しています。