新しいフロンテイアを拓く「異端児」たち

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17日の朝早く、Kuala Lumpur(KL)から成田空港着。

16、17日はOkinawa Institute of Science and Technology (OIST) 新しい大学院大学への最終段階に入り、理事会が開催されました。KLからTeleconferenceの接続具合が悪くて、ほとんど参加できませんでした。17日午前の最後のセッションに、東京からちょっとだけ参加できましたが、ここでも接続の具合があまりよくなくて、残念でした。

これは新しい時代を先取りする世界の研究機構になれる可能性が大きい、日本にとって「異端」でしょうけど、これからの日本にはとても大事な計画です。なんとしても、支援しなくてはいけません。

午後はKavli財団CEOのDr Robert W Conn、東京大学IPMU(本当の意味でのグローバルな研究所です、、)所長の村山 斉(ヒトシ)さん他との懇談です。村山さんは本当の意味での数少ないグローバルな研究者資料1)です。この機構を数年間で、とてもユニークで、世界に広く知られる素晴らしいものに育て上げました。これは世界でかなり認められていることです。村山さんにはTEDxTokyo2010でも話をしてもらいました

Kelviさんも、Connさんも「異端児」なのです。ちょうど10日前にWhite HouseでObama大統領 と会っていたばかりです。

Connさんは私のblogなどを読んでいて、UCLAでもちょっと重複していた、ということでたちまち意気投合して話が盛り上がりました。世界の主要大学の研究所を支援する、また宇宙、ナノ科学、脳研究を支援するKelvi財団のミッションなど、いろいろお話をうかがうことが出来ました。ぜひ、日本との関係構築の役に立てるといいな、と考えています。

その後、先日ご紹介したMIT Mediaラボ所長に就任した伊藤ジョイさんと、村山さんもある意味では「似たもの同士」ですのでご紹介し、しばらく楽しい懇談の時間をすごしました。

Media Labにも日本からの院生などをもっともっと行かせたいです。

村山さんも伊藤さんも、日本では「異端児」です。このような「異端児」をもっともっと増やすことこそが日本の活性化に必須の課題です。

 

St Gallen Symposium

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St Gallenの街の風景写真はここ

Washington DCから、London Heathrow経由でZurichへ、そこから車で約50分、11日の午後4時頃に、美しいSt Gallenの街 に到着。5月のスイスはきれいだし、天気も素晴らしいです(最も夜は雨、12日も曇りと雨)。しばらく街を散歩、マーケットではちょうどアスパラガスが季節です。夕方から、レセプションへ。

St Gallen Symposium 2007 、2008年 に参加,今年は3回目です。St Gallen大学の学生さんたちによって運営され、今年で41年目を迎えます。

世界のビジネスや各界のリーダーをお招きして、若者達との交流を図ろうという意欲的な企画です。去年から参加の学生さんたちが学部生から大学院生ともう少し上の30歳程度までの若者になり、特に「Future Leaders」という若者たちも参加します。

このところ日本の学生の参加も少しずつ増えて、うれしいことです。参加は英語のエッセイ で選ばれます。外国からの日本への留学生も、「日本枠」でかなり参加します、いいことですね。

ホストはSt Gallenの学部生たちで、皆きちんとした身なりで、礼儀正しく、対応もキビキビしていて、とても感じのいい雰囲気です。

このような企画をするなかで、学生さんたちが多くの世界のリーダーに出会い、また同世代のリーダーになっていく人たちとの交流の機会を持つことは、視野を広げ、違いを知り、自分の目標に気が付くなどなど、本当に素晴らしいことです。

今回のテーマは「Just Power」 (資料1)。

私は出番は1日目のWork Session2; What values for a world out of joint?  大枠を20分ほど話して、後は対話形式にしたので、大いにもりあがって、皆さんと楽しい時間を過ごすことが出来ました。

2つほどインタヴューを受け、またデイナーの後も若い人たちと夜遅く (午前1時ごろ、、)まで話が弾み、楽しい時間を過ごすことが出来ました。私の活動は、出来るだけ若い人中心に、と心がけています。

いろいろ素晴らしいパネルなどたくさんありましたが、12日午前の「On-on-one: Ribal Al-Assad」 、13日最初の2つParag Khanna の「Mega-Diplomacy」と、パネル「War and Peace at Edgy Times」 がとても学ぶことが多かったように思いました。

Khannaさん (資料1)とは奥さんとも、東京で去年インタヴューを受けましたが、2人とも「ジャーナリスト」というか研究者で、なかなかすごいカップルです。今年の初めに「How to Run the World: Charting a Course to the Next Renaissance」   という本を出し、これが評判になっているのです。勿論、私もすぐに買いました。つい1ヶ月ほど前にも彼とメールでやり取りしていたので、St Gallenで会うとは思っていなかったので、お互いにびっくりしました。

その次のパネルは、パネリストの皆さんが少々しゃべりすぎで、司会が困っているところもいいのですが、特に平和交渉で実績あるGaltungsさんが素晴らしかったです。こういう方が何人も出てくる国Norwayは、すごいと思います。私もGlobal HealthのGodalさんほか何人かの方を存じていますが、Brundtrandさんなどはじめ、多くの国際的に難しいことに長い間の貢献を続け、「国際的な場のリーダー」になっている方が、人口を考えても多いように思えます。いうなれば、緒方貞子さんのような方が50-100人ほどおられても、いいのではないか、ということです。Nobel平和賞の授与機構のある故(ゆえ)なのか、またこのような活動をする伝統があるからなのか、、。

ところで、このような会議でのこれらの方々の話の内容、その表現、特にウイットのある受け答えなど、皆とても上手ですし、質疑のやり取りなど、とても参考になります。自分が出来るかどうかは別として、若いときにこういう現場に居合わせることは、自分の目標を考え、同じ年代でも素晴らしい仲間のいることを感じ取るのにも、とても素晴らしいことです。いくつも機会はあるのですから、機会を捉えて、ドンドン広い世界に、外の世界に出ることをお勧めします。

St Gallen Sumposiumサイトをいろいろ探り、めぐり、ビデオ、写真などを、楽しんでください。

私は、心残りでしたが、第2日目の午前でサヨナラして、帰国の途に着きました。

 

日本のエリートたちのひ弱さ、「リーダーの作り方」

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「3.11」の大災害以来、息を飲んで世界が日本を見つめていました。私は結構きついことを、日本のこのblogで発信 (資料1) しています。しかし、これらのコメントは、従来から私が指摘していたことで、いまさらのことですが、今回の福島原発の対応で、世界に知れ渡ってしまった、日本の弱みでもあるのです。

原発以外には、このところ世界のニュースにはあまりでなくなりましたが、、。

科学者の対応もかなり信用を落としました。日本語でしゃべっていても、皆さん世界中に知れ渡っているのです。いろいろ事情はあるのでしょうが、特に原発についての発言では大変に頼りないものだった、というのが評価でしょうね。いろいろ事情があるのはわかるのですが、、。

5月9日の日経朝刊に私のコメントが出ています。読んでみて、ちょっと考えていただけるとうれしいです。何人もの方からメールなどをいただきました。

ちょっと以前にも私の発言が引用されている記事が、やはり日経に掲載されていましたので、これも紹介します。

Joi ItoくんがMIT Media Lab所長に:日本を変えよう!

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世界的の若者の憧れの的の1つ、世界でも超有名なMIT。そこの中でもよく知られたMedia Lab の次の所長に、日本よりは世界中でよく知られた伊藤穣一(「Joi」と呼ばれる44歳)くん(資料1)が決まりました。

この20年、彼の発信力はすごいもので、私のサイトの「Blogroll」にも出ていますが、彼のblogでもMIT就任への意気込みが伺えます。

伊藤くんとはこの10年以来のお付き合い、このサイトが出来た頃から、彼の名前が時々出てくると思います。私が小泉総理の頃から主張しはじめた「大学の大相撲化」を日本のメデイアで紹介したのは日経新聞英語で読まれるメデイアで最初に紹介 したのは彼だと思います。

彼も、私も、私の多くの友人も、どちらかといえば日本社会の「外」のキャリアを歩いた人たちなのです。今回のことでも、ちょっとお手伝い。

「3.11」以来、日本の強さと弱さ資料1)が浮き彫りになったように思います。つまり一言で言えば、「「タテ社会」の弱さ、終身雇用、年功序列の男性社会ヒエラルキー」の弱点です。このサイトでも繰り返し、繰り返し指摘してきたテーマです。

これらの「日本の常識」を破るような出来事が次々と出てきていますね、世界ではそんなにおかしなことではないのですが。うれしいことです。日本が変わるには、やはり「外」からの力が必要なのでしょうか。

Joiは若いときから何でも先生に質問するヘンな生徒、Chicago大2年で中退、学士もない、修士も、博士もない、日本的にはとんでもない「変人」。でも実力は世界では誰でも認めているところ。その彼を招聘するMITのすごさ。

ところで、このニュース、日本の主要メデイアではどこかで取り上げていました?何を言いたくて?

そういえばMicrosoftのBill Gatesも、FaceBookのMark Zuckerberg も、Harvard大学中退、AppleのSteve Jobsは貧乏で中退。稀有な例ですけどね。

大学ではしっかり勉強するとして、「大学4年で就職が内定しないと、落ちこぼれ、、」、なんて日本だけの常識なのです。

 

女性の活躍を期待して講演

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San Diegoから早朝、羽田着。結局、1日はProject Hopeの連絡等の仕事にかかることになりました。

災害地のほうは、徐々に対応の整備なども進み、不完全ながら援助も進んでいる様子です。医療関係の現地の様相はかなり変化しています。急性期よりは慢性疾患への対応、また子供や高齢者などの精神面への対応も大事なテーマになっているようです。

結局、翌日に現地の方へ、さらに福島方面にも行くことになり、各方面への連絡など、皆さん本当に一生懸命です。

UCLAに戻ったDr Shimabukuroも再度、日本へ戻ることになり、各方面への連絡も大変です。彼女はその間にUSA Today にも寄稿しています。がんばり屋さんです。

私とは言えば、翌日はTokyo American Club (TAC)、「Women’s Committee」主催の昼食会で「Women Empowerment in Japan」をめぐる講演をすることになっていましたので、残念ながら災害地方面へは行くことができませんでした。残念な機会を逃しました。

この講演会では駐日米国大使夫人Mrs Roosが私のお隣でした。今回のことでいろいろお話することが出来ました。大使のご活躍はtwitterなどでもよくわかります。出席者は全員が女性で男性は私のもう1人、TACのPresdient、Mr Leeでした。

私の講演といえば「Thank you for inviting me to TAC luncheon seminar to discuss ‘Gender Empowerment here in Japan.’ But, I must say that I am disappointed because today my audience consists of only women except for me and TAC president and what I speak to you today must be addressed rather mainly to men and you women know well many issues I will be talking about」、で始めました。出席者には参考文献を配布しました。

従来からの社会システムで既得権のある「男性社会」が、どのように「男女同権」社会へ、女性の活動を可能にするのか、支援できるか、が問題なのです。実際、日本社会がもっと女性が活躍することを可能にすると、経済は15%向上するという分析が再三にわたってGoldman SachsのKathy Matsuiさんから「Womenomics」として発表されています。文献リストを参照してください。

この問題についてはこのサイトの中でも何回も指摘し、議論しているところです。

 

San Diegoで若者たちとの交流

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San Diegoの最後の日の前夜9時から、UCSDなどで活動している日本からの若い人たちと「飲み会」をしました。

5人がUCSDの学部生として勉強している人、7人が大学院生、あとはベンチャー系などで活躍しているのです。2月にも集まった (資料1)方も数人いましたが、そのとき参加できなかった方達もぜひ会いたいということで、時間がたつのを忘れて楽しいひと時を過ごしました。

背景はいろいろですが学部生の4人は慶応、学習院、ICUとの交換留学で1年勉強に、1人は高校から米国に来ている学部生の方です。皆、本当に生き生きとして、素晴らしいです。4人とも女性です。

大学院生の多くはMaster課程ですが役所などからの方と、「独立系」はPhDへなどで数人、また前回も参加したCONNECTからは米国の方がお1人。

ということで共通語は「broken英語」になりましたが、皆さん、とてもうまい(子供時代などに海外生活の経験ある人が結構いましたー それでないと授業についていくのが大変でしょうが、、)、ドンドンしゃべる。半分が女性です。皆さん、とても元気がいいです。

マキくんのblogにも報告があります。写真も付いていてありがとう。

今回の大災害のこと、日本政府と東電の対応などが当然話題になります。当然のことですが、日本を離れているからこその、「「外」から見る日本」の視点が多いのです。よく見えるのですね。

このblogでも繰り返し述べていることですが、若いときに「個人」として「外」の世界に出てみること、これこそが客観的に世界の中の日本を見る目、感じ取る力をつけるのです。人間形成、キャリア形成にとても大事なことなのです。

でも特に学部生の一番の悩みは「日本での就職」へのハンデイでした。これはおかしいですね。そのように意識付けが行われているのですね、恐ろしいことです。これからの世界での価値はまったく違うし、「フラット」な世界では「ユニークであること、違うこと」が一人ひとりの大きな価値であり、強みになりうるし、「フラット化」が加速されることは間違いないのですし、、。なにも「活躍の場」は日本に限ることはないことを議論しました。

ということで、これからのキャリアについてもいろいろな議論になり、具体的なイメージも皆さんで共有できたように感じました。

石倉洋子さんとの「世界級キャリアのつくり方」も何部か持ってきました。石倉さんの新しい本が近いうちに出ることも伝えました。が、実はちょうどその日に、「グローバルキャリア ―ユニークな自分のみつけ方」 が出版されました。皆さんも、ぜひ読んでください。

このような若者たちの将来が楽しみです。日本の大きな財産です。

 

福島の原発事故はどうなっているのか?大前研一さんの解説

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今回の地震と津波、数万人とも思われる命が一瞬のうちに失われ、一瞬のうちに町ごと消えてしまいました。多くの映像は津波の恐ろしさ、自然の力の恐ろしさをまざまざと見せ付けています。

現場の方々は黙々と、涙をこらえながら、お互いにできるだけのことをしている姿が心を揺さぶります。

一方で原発での対応は、はじめからきわめて不明瞭、複雑怪奇の様相を見せています。私たちの殆どは枝野官房長官の、東電の、そしてテレビ、新聞などの報道の中からうかがうばかりでした。

かなりの部分で人為的側面、一言で言えば危機管理対応の不手際が目立ちます。専門家のコメントもテレビなどを見ている限りでは、わかりにくいところが多いですね。

ここで、元来は原子力の研究者であり、日本の原子力にもかかわった経験もある大前研一さん が、早くからビデオで、わかりやすい、遠慮のない意見を3回にわたって出しています。

1.3月13日 (

2.3月19日 

3.3月27日  

さすがMIT博士、日立製作所で原子力の研究と現場に、さらにMcKinseyで活躍した専門家らしく、素晴らしい企画と思います。大前さんの原子力に対する卓越した科学面、技術面の知識と、今回の事件の解析、誰にも遠慮しない、しかもとてもわかりやすい話し方、ぜひ皆さんにも見ていただきたいです。

これらのビデオの見られた回数から、相当多くの方がたずねていることがわかります。このような視点から、皆が力を合わせてこの65年前の大戦争敗戦の終わりの悲惨な状況とも比較できるような国難、これを乗り越える知恵を、一緒に考え、行動に移すことが大事と思います。

この自然大災害と人災、この20年、「変われない、変われない」、といっていた日本が新しい将来へ向けて「新しい日本」へ大転換のチャンスとすることこそが、今回の災害で亡くなった方達へ私たちができる一番大事なことと思います。

大前さん、ありがとう。Blog もあります。

 

悲しみをこえて、韓国から「歌」の贈り物

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今回の大惨事、本当になんと表現したらよいのか、そしてウェブ時代の新しい力をひしひしと感じる 2週間でした。

私の友人の出口さん、いつも素晴らしい記事をメルマガに書いてくれています。元はといえばジャーナリスト新聞記者ですから、取材と調査、文章はお手のもの。さすがプロです。この3年ほど前から韓国の近代医学史の件でもお世話になっています。

Twitterでも、このようなときには「歌」がいいという意見がいくつも飛び交っていました。テレビの報道があまりにも画一的であったこともあるでしょう。

今回の悲劇に韓国からの美しい歌とビデオがありました。すぐに出口さんに送ったところ歌詞の意味を、といわれました。韓国の友人にすぐに翻訳してもらいました。日本語訳のあるビデオもありました。出口さんの美しい文章と一緒に「その部分」お送りします。

ここからですが、

「■映像に涙、歌手のチョ・ソンモさんの歌が心に響く」 の一節です。

 

CSISとの共同事業とCongressional Briefing: 新しい「プロセスのありかた」?

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私たちの主催するHGPI(Health and Global Policy Institute)資料1)は、毎年2月に「Health Summit」 を開催してきました。今年は2月26日でした。

今回は去年からの懸案でしたが、私たちのHGPIとWashington DCの著名なシンク・タンクCSIS(Center for Strategic and International Studies)が共同で健康政策についての共同作業を始めることになりました。

これは、去年のHGPIの主催するHealth SummitにCSISのBrian Bilesさんが参加したこと、さらに去年6月にLondonで、「Transition from G8 to G20: Health and Development」という会議をCSIS、Chatham House(英国の著名なシンク・タンク)と主催 (資料1)したことなどが背景にあります。

そこで、2月25日に国会議員会館の会議場で、有力議員さんたちとCSISチーム、Stephen Morrison , Brian Biles、このプロジェクトに参加する日米識者(病院の支払いについてはJohns HopkinsのGerard Anderson教授  と慶応義塾大学の池上教授、ITではHarvardのJohn Hamelka教授(素晴らしいblog を提供しています)と東京大学の秋山教授)との会合を開催しました。

お忙しい中を、尾辻さん(自民党、元厚生大臣)、坂口さん(公明党、元厚生労働大臣)、世耕さん(自民党)、鈴木(寛)さん(民主党、現文部科学副大臣)、足立さん(民主党、前厚生労働政務官)、梅村さん(民主党)、小西さん(民主党)などの、厚生行政に精通している何人かの国会議員の方々に参加いただき、活発な意見交換ができ、とても有益な時間を共有することが出来ました。

いくつかの民間企業の方達や、メデイアの方達もお呼びしました。Gates財団のDavid Bowenさんも東京にきていたので、お呼びしました。彼は長年Edward Kennedy上院議員の政策スタッフとして活躍していた方で、このような政策と国会議員さんたちの対話のプロセスもよくご存知の方です。

このような政策へのプロセスが開催されたのは初めてのことではないのかと思います。日米での独立したシンク・タンクが、共同の政策への作業をはじめ、しかも超党派の国会議員さんたちとの議論の場を議員会館で設定した、という点です。このCSIS-HGPIの今回の事業は、大きな枠組みが出来る頃、ということで、次回は、7月14日にWashington DCで開催の予定です。

このような機会が、日本の新しい一歩のひとつになるとうれしいのですが、、。

冨山和彦さんの「カイシャ維新」と「挫折力」

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いつも本質を突いた発言と行動をしている冨山和彦さん。

すでに出版されている「指一本の執念が勝負を決める」、「会社は頭から腐る」 資料1)など、一見すると過激に感じとられるかもしれませんが、いずれもことの本質を鋭くえぐる、ホンモノの意見です。

去年は「カイシャ維新―変革期の資本主義の教科書」 という資本主義と企業組織のあり方の「核心」「本質」をついた本を出版しました。腑に落ちることがたくさんあります。勿論、「核心」「本質」ですから、何も企業組織のあり方だけではなく、社会全般にわたる鋭い考察が展開されています。ですから、「企業人」ばかりでなく、「官・学」の世界、社会の組織運営にかかわる、責任ある立場の方達にはぜひとも読んで欲しい一冊」です。

「ビジネスの人たちはMustだが、役所も、政治も、どこの人でも読むべし。お勧め。ごたごた言わないで読む。本質だから」とtwitterで発信したところ、すぐに読んでくれて、ご自身のblog に書いてくれた方もいたのです。うれしいですね、本当に。ありがとう。

ところで、先日、「挫折」 についてもちょっと触れました。そして、冨山さんのこの本「挫折力」が出ることも紹介しました。

読んでみると、さすがですね。いつもと同じ、軽快な、しかし厳しい調子で、特に若いときの「挫折体験」の大事さ、そこから実体験を通して学び取る大事なこと、これを50か条に(正確には52か条ですが、、)を教えています。「反骨精神」です。

この「挫折」実体験から学ぶこと、それを乗り越えてきた体験、これは本当に大事なことです。マニュアルには書いてないことです。よく考えてみると、古今東西の格言などに共通してある言葉なのでしょうね。

若い人たちにはぜひ読んでもらいたいし、年配の方達にも、自分の来た道を感じ、考えながら、若者たちへなにができるだろうか、なにか支援できないか、いろいろ考えるきっかけになることも多いと思います。

新卒で就職できないと「だめな人」的発想はどう考えてもおかしいですね。これは日本特有の社会制度なのですから。

未来の可能性を感じる社会へ、若者たちの応援お願いします。