「挫折の体験」と「イノベーション」

去年の秋ですが、新しく経済産業省の官房長に就任した上田隆之さんと「イノベーションクーリエ」誌(6号)対談しました。勿論、テーマはイノベーションです。

中見出しを見るだけでも結構に刺激的と思います。
・ イノベーションとはなにか
・ 需要サイドと供給サイドの最適点を見つけることがイノベーション
・ 需要側から創造する
・ 長期的な視点と、戦略的思考で推進
・ 途上国では、相手が払えるお金で作る
・ 日本でベンチャービジネスが育たないのはなぜか
・ 人材イノベーションこそが重要
・ 休学のすすめ
・ 挫折のストーリーが参考になる
・ CO2削減の評価システムを作る
・ ブランド戦略が大事になる
・ 感動的なイノベーション事業
・ グリーン技術の広がり

という構成です。私が従来から言っていることと、それほど違うわけではありませんが、、。上田さんとは意気投合して、盛り上がりました。なにか政策として実現し、成果がでてくるとうれしいのですが、、。一番のコアはやはり「出る杭」(資料1) をのばし、育てることです。後はすべて2次的なことです。

ところで、冨山和彦さんが「挫折力-一流になれる思考・行動術」 という本を上梓しました。まだ読んでいませんが、趣旨は同じところを見ているのでは、と思います。

「FaceBook」の映画「The Social Network」を見ましたか?やはり「人」と「出会い」です。

 

「変な外人」から日本人の行動について「10の質問」

→English

私の友人でもあり、この30年前から日本にも調査などでよく来ている自称「変な外人」、イノベーションの研究者としても知られ、世界中を調査、講演で飛び回わり、いくつもの大学でも教えています。

ダボスでもお会いしましたが、彼から「日本人の行動パターン」について「10の質問リスト」をもらいました。彼は日本ファンなのですが、私は「変な日本人」だそうです。

皆さんは、どう思いますか?皆さんはどんな返事をするでしょうか?

QUESTIONS / ISSUES
 (1)  “Why is it that most Japanese go to conferences and always stay and sit together in a corner and talk to each other, without including any foreigner into their conversation?
… there are no other country citizens behaving that way !!!
 
(2)  “Why is it that the Japanese participants never dare to raise a question or give some comments in a workshop or at the Q&A session in a conference”?
… other Asians from China, Singapore, Taiwan, India, etc. are very different in this regard !!!
 
(3)  “Why is it that many of my Japanese colleagues and friends have to take a vacation when participating in a conference or think-tank overseas”?
… the Western people consider this to be part of the business activities !!!
 
(4)  “Why is it that most Japanese go to international conferences without a specific objective and measurable results in mind”?
… Most other country participants have very clear targets to meet a certain number of suppliers, customers, etc., in order to end up with specific new business proposals !!!
 
(5)  “Why do most Japanese companies not like to see their employees writing and publishing industry articles or even books with other colleagues in their professional domain, even if they do it in their spare time over the weekend and the evenings”?
… in the Western world we consider this to benefit the company and the employee, as it demonstrates domain expertise vis-a-vis potential customers and peers in the industry !!!
 
(6)  “Why do Japanese speakers in international events and conferences only present or ask in Japanese (there are always a few exceptions to the rule)”?
… it is common practice the government officials may speak their own language at an event in their own country, but most of the time, Japanese also do so in international conferences overseas !!!
 
(7)  “Why do all the conference participants or students keep their hands down and lower their heads when the professor or speaker asks a question that everybody is able to answer”?
… there are always a number of Europeans who have good answers or questions, while many Americans will raise their hands even before the question ends, whether or not they have a full or only a partial answer !!!
 
(8)  “Why is it that most Japanese executives only see the differences, risks and threats but never look at the similarities or opportunities?”
… it always leaves a strong sense of pessimism and no optimism, hence, how can you advance personally or as a nation with such an attitude !!!
 
(9)  “Why is it that most Japanese people and senior executives are scared to call for serious changes in their organizations or even in the nation”?
… without constant changes, you cannot adapt to the ever rapidly changing world around us, hence, you are left behind !!!
 
(10)  “Why is it that Japan and its citizens will only be able to change or are willing to change when the country will either hit the wall, or will experience a total market crash, or is about to disintegrate completely”?
… a common answer by some of the highest ranked corporate officers, association or some government leaders, whom I spoke to during the “Japan Night” in Davos !!!
 

 

日本の現状は?

経済同友会主催の「日本再生のビジョン」というパネルに参加しました。同友会は1月に「2020年の日本創生  -若者が輝き、世界が期待する国へ」という報告書を発表したところです。

いつも忌憚のない意見を言われる桜井正光代表幹事(リコー)資料1)と元日本副総裁の岩田一政さん 資料1)の基調講演、この2人に加えて翁 百合さん と私が加わるパネル。司会は日経新聞編集局次長の実(ジツ) 哲也さん。

いろいろ議論は出ましたが、いずれ日経に出ますので、そのときに報告します。

その時のデータの1つ(下表)「各主要国と日本の地方の人口とGDP比較」を見て皆さんは何を考えるでしょうか?
   _______________________________________________________________
                   人口(万人)          名目GDP (兆円)
北海道/Denmark           550/557             18/37
 東北/Sweden             937/924              43/53
 関東/Spain            4,205/4,490         204/170
 中部/Australia         2,177/2,129           82/112
 近畿/                2,268                     81
 中国/Swiss               756/756             30/51
 四国/New Zealand               399/428            14/15
九州・沖縄/The Netherlands  1,456/1,659       49/92
   ________________________________________________________________

 

ダボスから-4

→English

今年もダボスは最終日を迎えましたが、いろいろ考えさせることがいくつもありました。

チュニジア、エジプトで急激な政変がおこり、ネット時代のパワーシフトです。WikiLeaksと同じ現象といえます。

一方では、世界経済の不透明さです。これについてはDavid Cameron が国のリーダーとして素晴らしいスピーチをしました。彼らの政府は、この困難なときに大胆な政策を次々と進めています、実に困難な仕事と思います。国内外に、いろいろ批判的意見はあると思いますが、大変なときにこそリーダーの本質が問われるのです。

オバマ大統領も、この時期にWashington DCで年頭の一般教書State of Unionの演説をしましたが、直後の支持率は55%であり、立派なものです。誰もが納得する政策などありません。長い歴史を知り、時代の流れを感じ取り、しかし、まったく新しいグロ?バル世界の変化に、するべきことをする知性と勇気、それを進めていく政策の明確なPriority、国民と世界への説得力ある語りかけ、この辺が世界で見られているところが、この世界なのです。

また、「WHAT IF: there is reunification on the Korean Peninsula? 」はとても考えさせられる議論でした。

今年の会議の最後「Inspired for a Lifetime」 ヴィデオサマリーも見れます。

しかし全体でいえば、日本のメデイアは存在していないかのようです。ダボス会議の報道は、HPの初めにもありますが、Huffington Postまで出ているのに。国内だけではなく、もっと世界にも発信するジャーナリスト、ジャーナリズムはあるのでしょうか? 世界第3位の経済大国ですけれど。また、何人かの記者さん(たいした数ではないですが、、)もおられましたが、国内の「記者クラブ」のような「しきたり」が時には出るようですね。もっとも、参加者からのtwitterが結構威力を発揮し始める兆しもありました。結構なことですね。

今回は、Zurich-Davosの往復は、ともに川口順子議員元外務大臣とご一緒させていただき、ラッキーでした。ありがとうございました。

31日に帰国すると、日本では、政治、経済等々、どんなものでしょうか。

2011年2月

<日本経済研究センター・経済同友会共催シンポジウム>
「日本再生のビジョン-閉塞感打破に必要なことは-」
 日時: 2月4日(金)15:30~18:00
     (うち16:20~のパネルディスカッションに出席)  
場所: 都内ホテル(港区)
お申込方法:
  下記必要事項を明記の上、e-mailにてお申込みください(締切: 2/2(水)12:00)
  経済同友会・事務局(e-mail: kdnews@doyukai.or.jp
  ・件名:(2/4)「日本の再生ビジョン」シンポジウム 参加希望
  ・必要項目:(1)ご住所(市町村まで)、(2)ご芳名、(3)性別、(4)年齢(○代まで)、
                  (5)ご職業(会社員、政府・公的機関、NPO・NGO・非営利団体、学生、その他、など)
                                      ・参加いただける方には、参加登録書をお送りいたします。

ダボスから-3

English

 

ダボス会議の状況はそのサイト  (いろいろなビデオはここ)でいろいろと見ることが出来ます。楽しんでください。

今日は11時過ぎから菅総理のスピーチがあります。スタッフの皆さんは大変でしょう。

私は、まずHarvard大学の「IdeasLab」に参加。Dr David Ellwood, Kennedy SchoolとDr Mohsen Mostafavi, Graduate School of Design と2人の学部長 (Business School DeanのDr Nohriaは参加できず)、GACの「Ageing Council」Chairの Dr David Bloom、司会はSingapore Management UniversityのAnnie Kohさん、という布陣です。「Breaking Education’s Boundaries」、いろいろ議論に参加して楽しい時間でした。

11時半過ぎから菅 総理のスピーチ。さすがにその前のパネルがFinancial Times、Martin Wolf 司会の「The Global Economic Outlook」 ですから、これが終わるとかなりの方々が退場し始めるのは致し方ないです。

菅 総理のスピーチはかなり良かったです。 内容もエジプトの騒動のことから始まり、話し方もなかなかでしたし、質疑への回答も良かったです。これはOn-lineで見ることも出来ます(英語も日本語も選べます)。スピーチの内容の課題をどこまで、いつから、どのように、はじめられるか、この戦略と決断しだいですね。

このスピーチの日本での報道の仕方には結構、課題があります。具体的にはどう書かれているのか、各新聞などの報道と、映像でじかに見る、聞ける時代ですから、スピーチを各自で比べてください。これが、ネット時代の怖いところです。総理のスピーチと日本のメデイアの皆さんの評価はどうでしょうか?

その後、直ちに総理を迎えての昼食会、カルロス・ゴーンさんの司会で、質疑応答もよくマネージできたと思います。

その後すぐに「Re-inventing Japan」(同じようなタイトルで何度もパネルがありましたがちっとも変わらないのは知られているのですけどね、、)のパネルで、総理の挨拶、海江田大臣、緒方貞子さん、三菱商事の小島会長、AflacのCharles Lakeさん、そこで司会はNY Timesの支局長もしていたKristofさんです。日本のメデイアの問題(「記者クラブ」など、ご存知ですね、、)は承知している方ですので、始めにちょっとチグハグがありました。勿論、Kristof側の問題ではないのですけど。

いくつかのセッションに出ましたが、アイデイアもいくつも出てくるし、素晴らしい人たちに会えますし、話も弾むし、新しい分野の新しい友人も出来るのは楽しいことです。いつか、何が起こるかもしれませんからね。Design、Arts and technology、Science frontierなど、グローバルな課題に対してかなり面白い展開が見えてきています。

夜のソワレは「‘Inclusive India!’」は元気いっぱいのショウもあり、人いきれで、早目に失礼しました。

しかし、今回のダボスでは、国際金融など、国と企業の役割にもひずみがあり、一時的には落ち着いているように感じられるが、この2,3年に大きな事が起こる可能性は高いのだと思います、あまり表立っては話題にはなっていませんが。ある有名な誰でも知っている経済ジャーナスリストとのまったく私的な場での会話でも同じ意見でした、EUにしてもこの20年の日本のようになる、これが懸念だ、という意見です。

グローバルに危機的状況を引き起こす状況がいくつもあるのです。チュニジア、エジプトがその1つの始まりかもしれません。

 

ダボスから -2

→English

ダボス、2日目も快晴。朝早くからGAC(Global Agenda Council)の「Japan」の朝食会。若い方達YGL(Young Global Leaders)の方々の参加もあるので、20人ほどですが、全員が日本の方ばかりで、日本語で議論が進みました。初めての方もおられるて、私が座長なので、このCouncilだけが全員日本語(ほとんど日本人ばかりと在日の米国の方たち)を話す方達ばかりで、このようなCouncil は唯一であることを、まず英語でお話しました。皆さんビックリしたかもしれませんが、Ice breakingでよかったです、とあとでいわれました。29日には総理もこられるので、もちろん話題の中心です。

午前は、いくつかのセッションに出た後、Indonesia のYudhoyono大統領とFrance のSarkozy大統領のスピーチ。Indonesiaは民主的に選出された大統領の下、地方分権、思い切った人材採用など、この数年8%の成長です。今年のASEANのホストでもあり、立派なスピーチでした。リーダーの立派な演説は、いつも心に響く ものです。

昼からは例年のことですが化学工業大企業のGovernors会議にゲストとして出席。例年のことですが、今年は、三菱化学の小林さん、テイジンの大八木さんなどが参加され、面白い議論が聞けました。私もShale Oil、「Global to Local」などについていくつかコメントさせてもらいました。企業トップとの話はこれもなかなか勉強になります。

夜は、Japan Night, Korea Night, Indonesia Nightとはしご。Indonesiaが会場としては1番良かったですが、10時すぎに伺ったので、人が少なめでちょっと残念。Japan Nightが一番盛況でした。これはプラス。

でもどうも国内ではS&Pの国の格付けで日本が「AAからAA-」へということで、ちょっとした騒ぎもあったようですね。これについては1年ほど前ですが、私のblogでもコメントしています。前回は、日本のメデイアではあまり取り上げられなかったようですが、今回はどうでしょう。総理のコメントもちょっと取り上げられていましたが、、、。

寝付かれないような気分で、眠ることに、、。

ダボスから -1

→English

25日の朝、成田からFrankfurt経由で、Zurichへ。夜遅く、ダボスに到着。

26日は朝からいろいろなセッションに出る。特にIdeasLabは面白いし、いろいろなインスピレーションを得られることが多いので、「Design for the New Reality」に参加。ここは、日本からの仲間では石倉洋子さん、西山浩平さん(「Product Design」のdiscussion leaderとして)、またHarvardのToshiko Mori教授が「Scarcity-driven design」。私はGACでこの数年「Innovation」で一緒に議論をしているAdam Blyのがとても面白かったので、この議論に参加。とても面白い、そして新しいドメインを開拓しつつあります。このように指摘レベルのきわめて高いプレゼンの議論に参加するのはとても楽しいです。

石倉さんのblogもたずねてください。

いくつかのセッションにも出ましたが、1日の最後はGACのデイナー。先日Dubaiであった方々が多いので、話は弾みましたが、ゲストはLawrence SummersAmy Chuaという「すごい」お2人。ここでリンクしたお2人のwikipediaを読んでみてください。Lawrence Summersは皆さんよくご存知でしょうが、現在Yale大学で法学を教える教授Amy Chuaは、特に今年の初めに出版した本が特に大きな話題になっている人で、議論が盛り上がりました。デイナーの後で、ちょっとの間でしたがお話できてうれしかったです。

この本は「Battle Hymn of the Tiger Mother」で、2人の娘の育て方を「Chinese mother」として、多いに問題提起の本になっていたのです。

以下に、子供には「してはいけない、許さない」ルールがあるのです。
? attend a sleepover
? have a playdate
? be in a school play
? complain about not being in a school play
? watch TV or play computer games
? choose their own extracurricular activities
? get any grade less than an A
? not be the No. 1 student in every subject except gym and drama
? play any instrument other than the piano or violin
? not play the piano or violin
このほかにもいくつか大事な原則があります。まだ、本は読んでいませんが、さすがというか、彼女によれば「20年前のJewish motherともいえる」ともいっていました。

いろいろ議論が盛りあがるのも無理もないですね。

 

Vabel Conference、パリパリのKimくん

→English

日曜日の午後、GRIPSで「Vabel Conference」が開催されました。先日紹介したパリパリの元気じるしKimくんの企画です。

学生さんたちが主要なお客さんでしたが、南篠さん、石倉さん、林さん、齋藤さん、わたし、茂木さんと、皆さん話もうまいし、若い人たちが大部分だったので、感動する、元気の出る話ばかりでした。このあたりは石倉洋子さんのblogによく書いてありますので、そちら資料1)をどうぞ。

皆さんプレゼンも英語、質問も答えも、全部英語。誰かがtwitter(#vabel)で「ほとんど全員が日本人なので、始めは変な感じだったけれど、なんだか慣れてしまった」、と発信していました。やはり雰囲気と、慣れることが大事ですね。

Kimくんは、自分でドンドン考え、この企画を進めていたので、いろいろうまくいかないところも多かったのですが、何とか無事に終わりました。案の定、Ustreamもあまりうまく行かず、ちょっと残念でした。私もGRIPSですから、ホスト側の裏方で、会議の計画、スピーカーへの連絡など、意見を言ったり、会場他の手配、設定とかしていたのですが、皆さんが楽しんでくれてよかったです。

GRIPSでの数人の「裏方さん」には本当にお世話になりました、ご苦労さま。無事終了、とても活気のある半日でした。

パリパリの説明はこの記事が楽しいので、紹介します。

 

慶応SFCのクラス; 最後の授業は最高のパネル

→English

私の慶応SFCのクラス、今学期最後の授業が終わりました。

最後の2回は、年末までに提出してもらったエッセイの相互評価(ピアレビュー)と、その結果発表とパネルです。

エッセイのテーマは「10年後自分の姿と、そのために2年後にしていること」。

ピアレビューの評点合計のトップ6人でパネル。クラス全体が素晴らしい人たちばかりですが、その中でも評価が高かっただけのことはあります。司会は第2回では話を聞かせてくれたWilliam齋藤さん資料1)。学生さんたちにそれぞれの生き方を示唆してくれた多くのゲストの方々の応援を受けてできたこのクラス。この最後の授業のパネルはこのコースで一番面白かったかもしれない、と思いました。何しろクラスもパネルも1-4年生の混成ですから「若いのにすごい」、と思いませんか?

最後の2回のセッションは東京工業大学大学院から、この2年弱をMITですごし、かなり強烈な刺激を受けて帰国したばかりの鹿野くんも参加。このクラスのような場合のtwitter「まわし方」の役を務めてくれて、twitterも大いに盛り上がっていたようです。MITやシアトルからもクラスに参加してくれていましたね、ありがとう。彼はBostonにいたときからこのクラスに参加していました。

写真も撮ってくれました。

宮入くん、遠藤さん、それぞれTA, SAをありがとう。ゲストの皆さんにも本当に貴重な時間と話をありがとうございました。

とても楽しい1学期でした。