日本の将来、輝く「なでしこ」たち

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「3.11」以後、グロ-バル世界のなか日本のエスタブリッシュメント、つまり政府も、政治も、大企業も、科学者たちもなんとなく元気がないというか、存在感がないように思います。国を揺るがすような大事件にも右往左往しているという感じですね。問題に遭遇すると、「出来ない理由」がいくつか頭に浮かぶ人たちはだめですね。特に今回のような大問題ではなおさらのことです。

日本のメデイアをみているだけではわからないかもしれませんが、世界ではいくつも大きな変化が起こっています。戸惑う日本にとって、そこで起こったことが「なでしこ日本」の大快挙でした。

元気な「なでしこ」達にお会いする機会が、最近2つありました。

1つは、例年のことですが、L’Oreal日本主催の若手女性科学者への奨励賞 の表彰式です。私はL’Oreal-UNESCO女性科学者賞の委員でもありますし、この何年かこの表彰式にも出席しています。

いつものようなL’Orealらしいミルク色調の美しい会場設定。入り口にいつもより大勢のメデイア、カメラが集まっているので、さすがにL’Oreal、広報にも力を入れているなと、感じました。

L’Oreal日本支社長さん、UNESCO事務局長時代にL’Oreal女性科学者賞のUNESCO協力を始められた松浦さん他の多くの方達がご出席。4人の素晴らしい受賞者たち、また特別賞として東北大学Science Angelが表彰されました。この表彰式に黒木メイサさんをお呼びしていたのです、だからいつもよりはるかに多くのカメラが来ていたのですね。

もう1つは、e-Woman佐々木さんの主催している国際女性ビジネス会議 です。土曜日の朝8時に始まりました。ビジネスで活躍する石黒不二代さん、国際機関ILOで活躍する荒井由希子さんのお2人のすばらしい講演のあと、私は石倉洋子さんとの対談資料1)という形式の30分、とても楽しめました。その後のパネルセッション「日本の発信力」に石黒さんと参加、多くの元気一杯の女性達にお会いすることが出来ました。男性の参加者は全体の5%程度でしょうか、でも男性も楽しい方たち、ほとんどが「出る杭」ですが、にお会いしました。

日本の将来にとって、私は女性たち特に若手に大いに期待したいのです。「なでしこ」たちです。

この会議のblogの感想(123)もありました。

 

「公明党」紙、「自由民主党」紙に私の意見

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先月、公明党の機関紙「公明」に斉藤鉄夫さん(元環境大臣、現公明党幹事長代行)との対談 「危機を乗り越え世界に貢献する日本へー原発事故の教訓を世界の共有財産に」  が掲載されました。大震災1か月後、4月13日の対談です。このサイトに紹介するのをうっかり忘れていました。ごめんなさい。

以下のような中見出しです。
? 日本の本当の姿
? 危機に弱いリーダー
? 震災復興の青写真
? 世界の中の日本

民主党現政権の課題についても「政治のリーダーシップ」(p. 3)にもはっきりと書いてあります。

私の前後の号では軍事評論家の小川和久さん、歴史学者の山内昌之さんとの対談になっています。

7月には自由民主党の機関紙「自由民主」の3回のシリーズ物です。「国のかたちを考える」シリーズ、私のテーマは「社会保障」。以下のようなタイトルになりました。

「グローバル化遅れ、社会構造改革進まず」
「変化する世界のグローバル化に対応せよ」  
「社会の幅広い分野から新しい力と知恵を」 

編集者に「このような大きなテーマで、このスペースで3回では、、、各論だけ書いても理解しにくいし、それでは意味がないので、、、」と電話で話をしたところ、「何人かの方から同じことを言われます、、」、と。

3回で大きな枠組みだけを論じていることになりましたが、これが私の言いたいことになると思います。

最終回が出た今日の昼過ぎに、たまたま自由民主党のある議員さんの事務所に行きました。ちょうど目を通していただいていたようで、コメントいただきました。

自由民主党にもきついことを書いてあります、当然ですが。

いま、きわめて危機的な状況にある日本、政治家の責任はとてつもなく大きいですよ。

 

Washington DCで、CSISとの討論 -2

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CSISとの討論の2日間 (資料1)では、公開のパネルもありました。Michael Green日本部長、石川公使の挨拶に始まるセッションは約2時間。ちょっと長いですが、その様子はヴィデオでご覧になれます。

こうして「外から自分を」みると、英語は仕方ないとして(まだ練習すべきですが、、)議論の仕方がまだまだです。反省です。

CSISのような世界でもよく知られた「Think Tank」などとこのような関係を築けることは、私達のHealth and Global Policy Institute (HGPI) の皆さんの活動と支援してくださっている多くの関係者のおかげです。

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第2日が終了した夕食は、Project HopeのFred Garberさん、HGPIの乗竹くんと3人で(上の写真)、気持ちよいそよ風に吹かれながらのItalianでした。

これからもいっそうのご支援をお願いします。日本を世界の責任あるパートナーとするためにも。

 

リベラルアーツ教育

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以前から、「リベラルアーツ Liberal Arts」  教育が大事、と盛んに言われたことはありました。最近またそんな風潮があるようにも思われます。この数年、イノベーションの「伝道者」野中郁次郎先生も、繰り返しLiberal Arts教育の大切さを述べておられます。

ICU は基本的にLiberal Arts Collegeといえますが、今年は新しくSummer Courseとして合宿形式の「Liberal Arts」コースを開催しました。私も興味がありましたし、セミナーにもお招き頂き大変楽しい80分を過ごしました。広い、緑の多いキャンパス、私は高校生の頃は、実はこの大学に行きたい、と思っていたのです。

私なりに思うのですが、Liberal Arts とは人生で色々な困難にあったときや迷うとき、自分の選択肢の指針を学ぶことではないかと思います。各論はともかく、多様な文化を超えた普遍的な人間の基本を学ぶということ、と思います。これは去年Harvard大学のFaust学長 が来日したときも同じような趣旨のコメントをしていました。

先日紹介 しましたが、今年の夏にはHarvardの学生さんによる「This is Liberal Arts: Summer Course 2011」 もお手伝いします。高校生を対象にする、1週間という短い時間のコースですが、こういう主体的な取り組みはぜひ応援したいし、内容も素晴らしい企画です。色々苦労しながら進めているようです。私のメッセージ も掲載させてもらいました。

以下のような内容です。

「The aim of the HCJI-LAB Liberal Arts Program is to provide a model for life-long learning, for engaging society in meaningful ways, and for making a difference in the world. Liberal arts education draws on the rich histories of human wisdom common to all cultures, as evidenced by a nation’s philosophical, religious, scientific and social traditions. What are the values that shape the decisions we make, and what new skills are needed to respond to the challenges of rapid technological and social change in an increasingly interconnected world? By emphasizing critical thinking, freedom of expression and experimentation, students will learn to make decisions that positively impact society and to develop meaningful ways of working in a globally connected marketplace. A liberal arts education prepares students for the leadership roles that will shape future generations.」

あまり専門性ばかり強調した大学教育も困ったものです。

 

 

なでしこジャパン奇跡の勝利、World Cup Championに、日本中沸き立つ

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沢選手、延長後半12分奇跡の同点ゴールのヴィデオ

16日土曜にWashington DCから帰国して、時差と戦いながら日曜をすごす。17日は英国でのThe Openをテレビで見る。北IrelandのDarren Clarkが優勝。20回目の出場での快挙には心温まるものがあった。日本からは池田選手が決勝ラウンドでがんばる。

この17日の夜中すぎの18日午前3時半から女子のWorld Cup、#1ランクの米国との決勝戦。ちょっと一眠りして、これを見なくては、と見始めたのだが、米国が前半「0:0」で圧倒的に攻めた点を取れなかったので心理的にイライラが募ったことでしょう。ちょっと精神的にも消耗したかも知れない。前半のボールキープ率は日本53%:US47%。身体的な差は明らかだが、日本の選手もがんばっている。

後半、やはり米国選手のMorganが素晴らしいシュートで1点をもぎ取る。日本も再々相手のゴールに迫るがなかなか点を取れない。後半後残り10分程度のところで、見事なゴール前の競り合いで同点ゴール。1:1で試合は延長戦へ。

延長前半で米国のエースWambachのヘッデイングで1点。これで勝ったと米国の皆が感じたかも知れない。後半15分の残り3分というところで、コーナーキックから、沢選手の奇跡的なoutside heelがドンとゴール。これで2-2の同点。3分後に試合終了。

PK勝負になった。精神的には日本が有利な状態。なぜか日本の選手は皆笑顔。米国の選手は最初の3人が失敗。1,3番目がゴールキーパー海堀の好守に阻まれる。日本の4人目で3:1の奇跡的勝利。

何たること、何たる大番狂わせ。でも両軍とも実によく奮闘しました。沢主将の引っ張る力、またゲーム中にどこにでもいることのすごさ。沢選手はMVP、最多ゴール賞を獲得。素晴らしい活躍でした。

全員参加の精神と、佐々木監督の優れた操縦術がよかったのでしょう。

すごいね、本当に素晴らしい戦いだった。なでしこJapanは私達に多くの感動を与えてくれた。本当にありがとう。

また色々な写真もここでも見られる

今日、帰国したなでしこは実に晴れやかだった。素晴らしい女性達。本当に尊敬する。東北の人たちにも大きな感動と希望をくれた。ありがとう。

 

 

CSISとの討論: 健康政策と「3.11」以後の日本再建

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今年の初めにご紹介しましたが、米国でも著名なシンクタンクの1つであるCSISと健康政策の共同作業を始めています。

今回は1: 病院の支払い制度; 2: ICTの利用、という2つのテーマです。

2つの報告書の概略が出来たので、その中間報告と外部の専門家をお招きして議論するためにWashington DCにきました。

成田からダレス空港に午前10:40分に到着、そのままCSIS到着。昼食をしながら、今回の「3.11」を受けてCSISが進めている、「日本再建への提言」についての議論をしました。

いやいやテーマは複雑で、議論はつきません。

でも私はこの議論を楽しんでいます。どのような政策が可能か、どのように政策を実現しながら制度改革に結び付けていくのか、医療・健康制度は大問題ですが、なかなか改革は進まないのです。

しかし、どのように「3.11」を、この社会制度改革のきっかけに使うのか、ここが知恵の出しどころと、私は思います。勿論、広い国民の理解を深めていくプロセスが極めて大事ですけど。

高齢社会、慢性疾患、貧困層の増加、停滞する経済、そして日本は破産寸前ですからね。ほとんど時間がないのです。「3.11」の大危機をチャンスと捕まえないと、日本は崩壊ではないでしょうか。

 

 

最後のSpace Shuttle、私のアメリカ

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最後のSpace Shuttle ‘Endeavor’ 打ち上げが成功しました。

ひとつの時代の終わりですね。皆さんの一人ひとりに色々な思い出があるでしょう。

私達の世代ならばApollo 11でしょうね。1969年7月20日に月面へ。それらの一部はライブでテレビを見ていたのです。初めて人間Neil Armstrongが母船から離れたEagle号に乗って月面に降りて、歩いたのをテレビで見ていたのです。はるか月面からです。そして帰ってくるのですから。7月16日Florida 13:32:00 lift off出発、20日20:17:39 Lunar landing月面着陸

あんな興奮する時間はめったにないでしょうね。前人未到のことです。それをテレビで見せている。日本人の一人として、こんな初めての大冒険、失敗するかもしれないのに、これらのシーンを世界にライブで見せるなんて、アメリカという国を思いつつ見ていたものです。

すごいことをするものだと世界の多くの人たちが見ていたでしょう。アメリカの科学技術の絶頂期ですね。日本は東京Olympicの5年後、かなり自信がついてきたころです。

日本は「1$=360円」、ドル海外持ち出しが500$から700$になったころ。大学卒の初任月給が3万円程度、という時代です。

この頃、フクシマの原発第1号が建設中で、翌年1970年に核燃料が入ったのです。

一方で、米国ではJFKの暗殺 (Nov 1963)後6年、ヴェトナム戦争でのトンキン湾事件・北爆(Aug 1964)とヴェトナム戦線拡大、国内ではMartin Ruther King Jr、Robert Kennedyの暗殺(それぞれApr and June 1968年)、公民権運動と暴動などの真最中でした。

1969年7月、テレビのApollo11の快挙を見てから、私は米国への留学へと出発したのです。初めての海外。羽田からハワイにホノルル空港到着、そのときもらったパインアップルジュースのおいしかったこと。

その日、24日16:50:35にハワイ沖にApollo11が無事に着水、無事に帰還したのです。歴史に残る人類の大冒険でした。私にとってもなんというタイミングだったのでしょう。思い出しても、まったくの偶然ですが、忘れられない日です。

この時から私の15年にわたる米国生活の初めになるなど、これも想像もつかないことでした。

皆さんが「最後のシャトル」から思いをはせるのはなんでしょう。

 

熱い夏、街の行事、「おとなしい」日本人

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暑い夏が来ました。岩手、宮城の方たちは大変だと思います。住むところの確保、夏の衛生状態、食料の保存など、大きな問題があります。津波が来た3月には雪が降ったりしていましたが、時間の経つのは早いものです。

今回で見えたのはわたしたち日本の「強さ」と「弱さ」が、情報伝達の手法の発達で世界に広く知れ渡ったということでしょう。このサイトでも繰り返し指摘 (資料1)しているところです。

ところで七夕の時期を迎え熱い日々が続きます。私の住んでいる町でも、例年のコトですが七夕の時期に合わせて「リオ・カーニバル」、暑い夏にふさわしいパレードが開催されました。

とても暑い日曜日、出てみると道路の両側は一杯の人。多くの露店も出て狭いところがさらに暑い感じがします。

パレードが始まります。リオと同じような(規模ははるかに小さいですが、、)騒々しいぐらいの音楽、打楽器の音、着飾った男女が踊りながらのパレード、なかなかのものです。皆さん沿道から携帯のカメラでパチパチ。リオのように着飾った(といっても、身に着けるものは少ないですが、、)踊り子さんたちも沿道の子供達に手を振りながら、また一緒に写真を撮る人たちも大勢います。

私の友人の韓国の新聞記者もお子さんを連れてきていて、ばったり会いました。

夕方電話で話をしましたが、こう言われました。「日本の人たちはこんな明るいお祭りでも静かですね、声を出さないし。私はずいぶん「bonita」とか、掛け声をかけたのですけど。皆さん写真はとっているのですけど、、」と。

じつは、私もあまり感じなかったのですが、よその国の人たちからは奇妙に見えるでしょうね。パレードの人たちは、周りの人たちと一緒になって、お祭り気分を盛り立てようとしているのでしょうが、ここにも日本人の「周りに合わせようとしすぎる、目立ちたくない、、」という行動様式が出ているのでしょうね。

災害に遭われている岩手、宮城、福島の方達の「強さ」、「忍耐強さ」は、普段からの日本人の行動様式の一部に組み込まれている、それが今回の災害で海外の方達からは「stoic」として賞賛はされていますが、リーダーにとっては時には都合がいいように働いているともいえるでしょう。

「感情を出すより、押さえてしまう、周囲と合わせてしまう」傾向は確かに日本人には他の国の方達より大きいとも思います。でも、行き過ぎるのはよくないですね。

特にうれしい、楽しい感情はもっともっと出してもいいと思います。

今回のような大災害には、ストイックだけでは不十分なのです。しっかりしたリーダーシップが必要なのです。 

本庄くんからのうれしいメール

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去年4月から、主体的にあまり変われない大学に業を煮やして、学生の主体的な選択として「休学のすすめ」 を説き始めました。このサイトで「休学のすすめ」をサーチすると、4月8日の「慶応義塾大学SFCキャンパス」での講演  以来、機会を捉えては学生さんたちを励まし (資料1)そのような主張を何回かポストしていることをご覧になれるでしょう。

休学している間も結構な金額を徴収する私立大学があることに対しても、学生さんたちを色々な機会に励まし、活動を勧め、一方でしばらく時間がたった今年の1月には、「休学のすすめ:海外出る若者 応援しよう 」という私の意見を出しました。

いくつかの私立大学ではこの休学の学生さんの負担を大幅に減額してくれました。大学当局に感謝です。ありがとう、もっとも、教育機関として当然のことですけど。

ところで、私の話を聞いて、4年生にもかかわらず「就活」を止めて、早速休学してガーナへ行った本庄くん資料1) から、以下のような嬉しいメールが来ました。

「黒川先生

ご無沙汰しております。休学してガーナへ行っていた慶應SFCの本庄です。

ガーナでしてきた様々な体験をもとに考え抜いた結果、就職することにしました。来年から、日産自動車で働きます。

日産は非常に多様性溢れる人材登用をしていて、女性や外国人の社員が中途で多く働いています。

グローバル社会で、自分の価値観にあった生き方をしていく上で大事な考え方を多く学べる環境だと思っています。

外に出て、日本にはない価値観とふれあう事で、自分の物差しを基準にして生きていく重要性を体で理解できました。

これも、「休学のすすめ」を聞いたおかげだと思います。

ちなみに今年の9月に卒業予定なので、来年の4月から働き出すまでの半年間を、ギャップイヤーとして有意義に使いたいと思います。」

このメールからも新しい自信が感じられます。ご両親もご心配をかけましたが、心から「おめでとう」を申し上げます。もっとも、私は怒られているのかもしれませんが。

こういう目覚めた若者を採用する「見る目」のある企業はいくつもあるのです。学生さんたちもあわてて就職活動しているばかりでなく、休学の可能性も考えて見ましょう、AIESECなどもあるし。

このように「当たり前の採用をしている企業」もあることを知りましょう。こういう企業が価値を持っていくでしょう、グローバル世界ではこれが普通のことなのですから。

企業の方々も、大学部3,4年生で「一括採用、内定」などはしない工夫をしましょう。まして「内定取り消し」 など、企業の評判を社会のみんなが見ていますよ。これは「CSR」の大事なポイントの一つです、ジワジワと評判に効いてきます。

若い人たち、自分の仕事の場所は日本に限っているのではないよ。まずは短くてもいいから、「外」へ出てみよう、「休学」を考えよう。

 

東大が変わる?東大の社会的責任

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最近のことですが、東京大学が秋卒を検討するというニュースがありました。

これは何を意味するのでしょうか?勿論、世界の多くの国の主流大学での入学・卒業に合わせるという意義があるでしょう。特に大学間の国際交流を推進する、国境を越えた大学途中での転校Transferを可能にする、とか、いろいろな意味合いがあります。

実はこのような試みは行政当局も全面的に容認したわけではないですが、セメスター制度の導入を可能にし、したがって秋卒(秋入学も)を可能にしていたのです。一部の大学では、一部の学生に秋卒(卒業式も、、)、秋入学を導入していましたが、これらの大学は日本社会に所詮は大きな影響を与えません。しかも、そのような大学での秋卒の学生はどのような就職状況になるでしょうか?

新卒の一括採用などという旧態依然とした大企業のドグマに対して、大学は大して抵抗できませんでした。せめて、内定の決まらない学生を1年間卒業延期して「新卒」というタイトルにするとかくらいです。このところ大学生でも(高卒は言わずもがな、、)就職難(中身は「就社」ですが、、)なのです。大学が大々的に秋卒検討など出来るわけがありません。

社会制度が「4月入学、3月卒業」で出来てきているので、国際化などと言っていても、所詮は出来ない相談なのです。大学と国際社会のミスマッチです。

その意味で、東大が秋卒の検討を始めることは、このグローバル化、日本社会と秋卒ミスマッチへのチャレンジともいえるのです。本当の理由は違うところから始まったのかも知れません。でも、結果としてはそのようなインパクトがあるのです。

この点を指摘している考察が、その「反骨精神」「若者への本物の気持ち」に私も感心して私もこの何年か影で応援 している城 繁幸さんから出ています。さすが城さんですね。鋭い考察です。

つまり、日本の大学とその制度、社会への変革の圧力を与えるには東大が始めることが大事なのです。同じことを他の大学が検討を始めてもニュースにもならない、だからメデイアも取り上げない、だから社会へのインパクトもほとんどないのです。

つまりは、グローバル世界への日本社会制度の適応は、それぞれが出来ることをする、しかもそれが従来の日本社会での「一番の権威」、大学であれは東大、が動かなければ、何も起こらないのです。これが「リーダー」と思われている機関の責任なのです。私が「東大総長機関説」などという言葉を講演などでも使っているのも、これが理由です。

医療制度改革(「健康制度改革」というべきですが、、)での大学病院の役割についても、同じ理屈で、拙著「大学病院革命」で提言しているところです。ほとんど話題になりませんが、、、。

さてどうなるか。日本改造の旗手になれるか、学の頂点、東京大学。