海外で企業説明会

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10月22-24日の3日間、Bostonで日英両語Bilingualの方達を対象にした企業説明会が開催されます。ボストンキャリアフォーラム (DISCOインターナショナル主催) という集会です。20年の歴史があるので、「知る人ぞ知る」会のようです。需要があればビジネスがあるのです。 以下のような案内です。

●今年は10月22日(金)~24日(日)までの3日間に渡り、130社の企業・団体が世界で活躍する大学生、大学院生、研究者、プロフェッショナルの方を採用しに参ります。

●研究職、教授職として大学に残る方も多くいらっしゃるとは存じますが、当フォーラムには世界・日本を代表する企業が多く参加し、新卒の学生のみならず多くの専門職、技術職、研究職の募集をしています。

●民間企業での活躍も将来、視野に入れている皆様には大変有意義なフォーラムになると思います。

●また、遠方からの参加者のためのトラベルスカラシップ(交通費補填)も行います。詳細・登録は以下のWebサイトからご覧ください。

●皆様の将来の選択肢として、少しでもお役に立てれば幸いです。

そしてこのフォーラムのサイトには参加企業リストトラベルスカラシップについても案内されています。また、同じような説明会は今年はLondon, Tokyo (Summer and Winter), Los Angelesで開催されています。 20年の成績はどうなのでしょう。ここから就職した日系、外資系企業でのキャリアはどうだったのでしょうね。

つい先日ある方から聞いた話ですが、まだ最近でも日本企業に採用された方達は、特に能力で抜擢されるわけでもなく、「日本の組織に慣れる」とか言う理由で、はじめのうちは毎日、朝9時から夕方5時まで、何の仕事を与えられるわけでもなく、ずっとデスクに座っているような扱いをされていた、とも聞きました。ありそうにもないことですが、以外に本当かも、と思われるところがありますね。

企業リストにある外資系はともかく、日本本流の企業で、これらの方がどの程度の「年功序列」とは別の入社年次、昇進などの扱いを受けたのか、知りたいところです。まさか、今でも、「○○年、入社」などという「年功序列、タテ組織」扱いなのでしょうか?

一方で、国内学生の就職状況は極めて困難な状況といえます。これについてもいろいろな意見があると思いますが、きわめて基本的な認識を広げることが大事です。企業も3年で内定して、残りの月日を、大学でどんな勉強をすることを期待しているのでしょうか?まさか、就職準備の実務であるとか?

ところで、東京大学でさえも大学院進学について親までが出かけ、大学側が就職の確立の説明までしなくてはだとか。どちらもどちら、なんという自立できない甘ったれ社会なのでしょうか。ここには最近「ウェブで学ぶ」を著した教育についての研究を進めるMITの飯吉教授の意見 が参考になるでしょう。もはや、「終身雇用、大きな退職金」などの日本社会は終焉しているのです。

いまや研究者の留学も減少 とか(この理由のついては別の機会に考察しましょう、、、)。いっそのこと、大学院で留学して、上に紹介した海外での企業説明会なども含めたキャリアへの選択肢もいいと思いますよ。 若いときこそ可能性も大きいし、選択肢も多いのです。

先が見えないからこそ、勇気が出せる」  のです。

「丸の内キャリア塾、第100回記念」; 女性を生かすキャリア

先日「いつもより疲れた講演会、「丸の内キャリア塾」」で報告した素敵な会ですが、日経新聞の朝刊に2面に渡って掲載されました。

パリパリの4人の女性の論客に囲まれた「ワタシ」、というかっこうですが、お客様は400人を超える女性ばかりという企画でした。楽しんでください。

 

「GLOBE Live 2010」イヴェント

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朝日新聞には毎月2回月曜日の朝刊にはさまれて発行される「GLOBE」という8ページの特集があります。とてもしゃれていて、世界を見るすばらしい特集で、私も記事を書くようお招きを受けましたし、このサイトでも何回か紹介しています。(資料1

私の書いた記事は「なぜ東大からノーベル賞が出にくいかー 「4行教授」のぬるま湯の罪」 というものです。ここでは「4行教授」という造語が読者の話題を呼んだようで、たくさんの返事が編集室に届いたと聞いています。これは「人財を生かせ」という、私のこのサイトに繰り返し出てくる主要なテーマです。

特に「GLOBE」は、On-line でその全部を見ることができるのも素敵な点です。

10月17日の日曜日、この2周年を記念した「GLOBE LIVE 2010」 というイヴェントが東京で開催され(1周年のときは関西の西宮で開催したとのことです、、)、私もお招きを受けました。会場はいっぱいお客様でした。

このイヴェントはとても素敵なプログラムで、対談形式でパネルと合間合間に村松祟継さん (資料1)のピアノ、坂本美雨さんの歌を入れたものでした。対談パネルは私から始まり、映画監督等で多才な緒方 篤さん 、作曲家の藤倉 大さん (資料1)、山口ステイーヴさん (資料1)、秋山咲江さん (資料1)、渡辺博史さん  (先日も「7人のサムライ」の1人としてご紹介)という、私は別として、「すごい」リストです。皆さん、GLOBEに出ていますから、検索してください。司会はテレビ朝日の野村真季さんと朝日新聞GLOBE編集の方々です。

全体のプロデュースはテンポも良く、とても素敵でした、とても楽しめました。関係者の皆様、ありがとう、ご苦労様でした。

以下のいくつかのblogにも書いてありました。
1. http://legendokiki001.at.webry.info/201010/article_1.html 
2. http://changemylife.blog.so-net.ne.jp/2010-10-17

この「GLOBE LIVE 2010」、別途英語版On-lineが出るといいのですけど、期待していますが、、、。

 

Harvard Kennedy Schoolの栗原さん

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Harvard大学Kennedy SchoolでSenior Fellow栗原潤さんをここでも2回 (資料1)ほどご紹介しました。

キャノン国際戦略研究所の研究主幹もしておられ、世界を駆け回り、前回も紹介 したように、毎月のように「The Cambridge Gazette」 を発行しています。これがなかなく面白い、というか栗原さんの交友の広さ、そして学識の広さと深さを感じ取ることが出来るからです。

先日も東京に来たので、私のオフィスで楽しく時間を過ごすことが出来ました。それをまた今回の「The Cambridge Gazette」にも書いてくださるのですから、ありがたいことですね。この号でも、栗原さんの学識の深さと、交友の広さが明らかです。

御本人によれば、「私のような人間は、日本の組織では扱いにくいでしょう、だからこうなっているのですよ、、」などとおっしゃりますが、貴重な人材です。このような人がもっと多くいれば日本はもっと活性化できるでしょう。このように「異色の人材」、「出る杭」の活躍の場がもっともっと増えると、組織も活性化し、日本の若者たちの「Role model」にもなり、若者たちも、もっと元気になれるでしょう。組織も適材適所で活躍の場を増やすことが大事です。

栗原さんのような「個人の信用」に立脚する国内外に広がる人脈は、大きな財産です。キャノンの戦略研究所はいい人に参加してもらっていますね。大金に代えることの出来ない「人財Human capital」(「人材Human resource」とはちょっと違うのです)の一人です。

 

「医療制度」改革から「健康・医療制度」改革へ:私の基本的考え方

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医療制度改革は先進国でも、新興国でも、途上国でも、またグローバル社会でも大きな政治的課題です。この50年、医療技術の進歩ばかりでなく、寿命が延び、社会構造や生活様式が変わり、主要な疾病構造が急速に変化しているからです。

さらに高齢社会も共通の課題で、また先進国でも公的財源の支出は限界で、これをどうするのかも大きな課題です。また、グローバル世界では、国内外の所得格差も広がる傾向は明らかです。

これらの医療に関係する問題は日本だけのことではありません。ですが、日本では制度改革は特に難しい別の理由もあるのです。

私たちの活動している医療政策機構の主要活動の1つがこのテーマです。

しかし、このような大きな社会的変化を考えれば、医療制度はむしろ社会的因子を考慮したものにならなければなりません。つまり、「健康に影響する社会的因子」 (資料1)を反映した一般に考えられている様な「医療制度」ではなくて、むしろ「健康・医療制度」とならなければ、政策の立案と実現へ向けた国民の理解は得にくいと思います。

このような見解を反映した私の最近のインタヴュー が出ていますので、ご紹介します

そのような視点は、「大学病院革命」 にも書いているところです。

「この夏の終わりに」

 「Michael Jackson (MJ)、城山三郎さん、わたし」の3題話がAERAに掲載されたことをお知らせしました。これは、MJの1周忌に私が書いたblog から、すばらしい発想で出口俊一さんが「1つのものがたり」を書いてくれたものです。

書いている頃の記録的な暑い夏の日々、出口さんの発想から調査、推敲、多くの材料からの絞込み、繰り返しの編集のプロセス、もっと書きたかかったことのいろいろ。そしてご自身のお父様の悲しみ。これらをご自分のニュースにその「苦闘記」を書いてくださいました。「この夏の終わりに」 というタイトルです。

出口さんによるAERAの記事も、その全部 (といっても見開き2ページですが、、)をこの記事の終わりに読むことが出来ます。

ものを書く人の苦闘、調査、編集者とのやり取りの苦労などが感じ取ることが出来ます。編集側の苦労を推測することも出来ます。

出口さん、大変なときに、本当にありがとう、ご苦労さまでした。さすがに「もの書きプロ」です。

 

Bangladesh「ドラゴン桜」、GCMP続報

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Grameen Change Maker Program (GCMP) (資料1)という税所、三好くんなどの早稲田大学の学生さんたちによって、2年前にできたBangladesh で活動しているプログラムがあります。そのひとつが「ドラゴン桜 e-education」をGrameen財団と立ち上げ活躍する早稲田大学(休学中)の税所君 (資料1)。

現場でいくつもの困難に遭遇。そこから貧しい村の高校生を、このプログラムで目標とする超一流大学「Dhaka大学」へバスで7時間かけて連れて行ったことを報告しています。これなどは現場にいないと決して出てこない発想ですね。その辺の背景も書いてある第2報現地の報道などが届きました。

彼の最近のメールでは;

「ダッカ大学受験までいよいよあと一ヶ月です!

ダッカ大学スタディツアーのあとから生徒たちのモチベーションも非常に高く、模擬試験の結果も徐々に上がってきています。

現在生徒は23人。

ダッカ大学模試を参考に
Aチーム5名: 最優秀
Bチーム5名: 優秀
Cチーム女性: 5名
Dチーム13名: 普通

1週間ごとのテストによってクラス間の間を下克上にして競争意識を駆り立てています。

とくにABチームの生徒のモチベーションは高く結果が期待できるのではないかと、チームで話しています。

10月上旬に大学の手続きのため一時帰国します。その際に詳しく報告できたらと思います。」

しかし、このアイデイアは税所くん自身の挫折と、それを乗り越えた体験 から。これは現実の発想力に大事なことです。何でも「現場力」が大事ということは、こういう「現場体験」にあると思います。頭の中での思考だけでは、こうはいかないのですね。

一方の三好くんは、再度Bangladeshへ、さらに昨日からさらに世界へ自分発見の旅へ向かっています。

今日は、今年の夏にBangladeshの現地にいってきた学生、院生などの若者たちが集まって発表会。休日にもかかわらず、大勢が集まり、HIS  、Sunstarなどの協賛してくれている企業の方達も参加してくれています。一橋大学の米倉誠一郎さん、元JICAの阿部英雄さんも参加して講評など。すばらしい4時間でした。

皆さん、現地での実体験からそれぞれのグループテーマを決めて知恵を絞り、プロジェクト提案のプレゼン。現場からいろいろ学んでいます。そして、そのプロセスそのこと自体が、自分自身の発見の機会になっていると思います。「外」に出てはじめて自分を、個人として見つめ、感じ取ることが出来る、そして日本を見始める。その上で、自分の思いと、自分のしたいことを感じ、どう自分のキャリアを選んでいくのか、などについても感じ取っていけるのではないでしょうか?

みんな自分がとても変わったと感じ取っています (資料1)。そして、このような機会が一人ひとりの若者の将来のキャリア形成で、世界へ広がる「dots」になることを確信しています。

 

「「美しい」履歴書の時代」

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「一橋ビジネスレビュー」という季刊のビジネス関係の方に広く読まれている雑誌があります。一橋大学イノベーション研究センター編(センター長は米倉誠一郎教授)で、この創刊10周年ということで、御手洗冨士夫キャノン会長、野中郁次郎先生、岩崎卓也「Diamondハーバード・ビジネス・レビュー」編集長とご一緒に特別企画「10周年に寄せて」に、私も祝辞を書かせていただきました。

「「美しい」履歴書の時代」というタイトルです。この言葉は、Silicon Valleyからblogでも大いに発信している海部美知さんの「パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本」 (1) から引用した言葉と、その説明も引用してあります。この海部さんの本では、実にうまい言葉がたくさん出てきます。お勧めの本のひとつです。

私がいつも主張している「他流試合の連続を通して、自分のグローバル世界での「立ち位置」を認識するキャリア」ということと、ほぼ同じことですが、海部さんは言葉の使い方で美しく表現しているので、使わせていただきました。

このような「美しい」履歴書の作り方、これが石倉洋子さんと書いた「世界級キャリアの作り方」のコアのメッセージでもあるのです。

そして、そのために出来ることの始まりのひとつが、私の言っている「休学のすすめ」 であり、また「アジア青年の家」 計画などなのです。

単線路線、同じ組織で順々に上がる、しかも大学新卒から、しかも3年で内定などなど、というキャリア、それが常識と広く認識している社会などは「トンデモ」キャリアの時代なのです。本来、終身にわたって同じ組織に勤務するのは「雇用される側」の選択肢なのです。役所、大企業もそうなのですが、自律度が高いはずの大学でも「4行教授」 (資料1)などが、結構多いのですから。

このようビジネスの本に、私ごときが寄稿させていただけるのはなぜなのか?私も読者のことを考えるとちょっと躊躇しましたが、うれしかったです。そこは米倉先生の目利きでしょうか? 私の察するところ、ビジネスでも、教育でも、医療でも、政府でも、すべての基本は「BtoB」、そして「変化の本体を知る、感じ取れるか」なのだ、といっているからでしょうね、「Back to Basics」ということです。これを企業家、起業家に言い続けていたのが皆さんよくご存知のPeter Druckerなのですね。

「GLOBE トークライブ」のご案内

朝日新聞GLOBEはとてもしゃれた、パンチの効いた、世界を見渡す、私も好きな特徴ある企画です。毎月2回8ページで組んでいますし、すべてがOn-lineで読めることも好きな理由です。

私も意見 (資料1)、コメント資料1)を書かせていただいたりしています。

創設2周年を迎えて「GLOBEトークライブ」が、10月17日(日)午後2時から、東京国際フォーラムで開催されます。私もお招きを受けて登壇しますが、ほかの登壇者リストがユニークです。とても楽しみです。歌も演奏もあるようです。ぜひ、お出かけください。

プログラムと参加の申し込みは、「朝日新聞GLOBE」の右にあるバナーからもここ「ピア」に到着します。

The Economist、皮肉屋だけど本当のことを書く: ‘Food for Zombies’、 ‘The civil service serves itself’

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世界の経済関係者に最も読まれている週刊誌の1、2位を争うのがThe Economistでしょう。自分の国の英国の問題に遠慮もせず物を言う、皮肉もいっぱいに遠慮しない、国民に、世界に報道する、知ってもらう。これがジャーナリズムの基本的役割だし、信頼の一番の基本です。さすがに、文章も、タイトルも、図表も「ユニーク、クール」なのです。

これがThe Economist、Financial Timesが広い世界で評価 され、読まれている理由と思います。プロの仕事です。

ここが日本のジャーナリズムとの大きな違いがあると思います。「記者クラブ」とか、基本的に体制側なので、世界人口の2%弱の日本人だけに発信しているのです。これでは「グローバル時代」のジャーナリズムなど生まれようもありません。きっと、そんな気概もないのでしょうね。

最近のThe Economistの記事を紹介しましたが、その中に注目すべき皮肉 (1)、さらに「On-line」版でもう一つ (2)。

全文は読んでいただくとして:
(1) では、中見出しが、なんと 「Food for zombies」(日本語訳はこちら)。政府はだめ企業をいつまでもサポートする、新しい企業が出てきにくい、だめ企業はもちろん「zombies」になるだけ。本当ですね。
(2) では、タイトルが「The civil service serves itself」では日本の官僚の「天下り」(Descent from Heaven) の無責任さの実態を書く。

世界に知られる日本の実態。 国家の信用はいかに。

政治は党内のいざこざのみの様相。 4年間で5人目の総理という トンデモ国家で、6人目の総理となるのか?

「政官産」、そして「学」など、国の「知」のエリート (Ref.1) たちはどうなっているのだ?

どっちにしても国民などはどうでもいいと思っているのか。

いよいよ日本はピンチへ向かう ?