Michael Jacksonとの話題に、城山三郎さんも参加してAERAの記事に

今年の6月26日にMichael Jackson(MJ)の1周忌に「Michael Jacksonと私」のことをお話しました。これを読んで、私の友人の出口さんが、そこにあった「Cul de Sac」を「キーワード」として使ってすばらしい話を作って、これが9月6日号のAERAに「マイケル招いた飛翔への交錯:マイケル・ジャクソン一周忌追憶秘話」 というタイトルで掲載されました。

出口さんの着眼点と物語りの作り方には、感心してしまいました。私にはタイトルがちょっとわかりにくいというか、物語りのメッセージの核がぼやけた気もしますが、、。

人生には、多くの人の出会いがあり、何が起こるかわからない。だからいつも前向きに、人が見ていてもいなくても、真剣に考え、まじめに自分の考えをすすめていくことが大事だと思います。

実践する若者たち、Grameen日本の若者の新しいProject

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このサイトでしばしば報告していますが、早稲田大学の学生(もちろん休学中)、税所くんたちによる日本人初の活動がBangladeshのGrameen 銀行で始まっています。

「アジア最貧国ドラゴン桜」e-education programです。

彼のblog からもわかりますが、日本国内にも朝日新聞で取り上げられました。今度は「ソトコト」に連載されるようです。第1回が出ました。本当にがんばっていますね。うれしいです。皆さんも応援してください。

実際に現地で7時間もかけて、バスで村の若者を大学キャンパスへ連れて行く、などの発想、実行力は、現地で生活し、考えていなければ、出てこない発想でしょうね。税所くんからのメールと写真によれば;

「昨日、村の高校生を連れてダッカ大学スタディツアーを行いました。
どうしても村の高校生は「ダッカ大学に合格する」ということが想像できないようで、
じっさいに見てもらおう!という企画です。
「一生忘れられない経験になりました!!!」
と大絶賛のツアーになりました。」、、、、」

という反応なのです。

村の子供たち、親たち、村人たちにはどんな感動の体験だったでしょうか。そしてもちろんYunusさんをはじめとするGrameen銀行関係者の日本人を見る目が変わってくるでしょう。

このようなことが市民外交の基本のひとつですね。大学関係者もこのような若者をもっともっと応援してやるべきでしょう、もちろん企業関係からのサポートもね、将来へのブランドになるのです、「社会企業」であり、「戦略的投資」です。国にばかり頼っていることもないのです。何かといえばすぐに「予算がない」という言い訳をする大人たちも、国の教育政策も頼りならないし。どうすれば支援できるか、なのです。若者の意欲(資料1)をそぐことは、大人が一番してはいけないことです。

「先が見えないからこそ、勇気が出せる」

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最近の若者は外へ出たがらない、という方が増えています。確かにそんな気もします。

でも、そういう方達は自発的に出て行ったのでしょうか?そういう方も多いでしょうね。でも仕事で行った、行かされた方も多いと思います。そして日本の高度成長時代はそういう時代の背景だったのです。

でもこの20年、世界は大きく変わりました。繰り返し発言しているところです。

私事で恐縮ですが、最近の「日経ビジネス」、「時の鍵Clef de temps」という広告エッセイに私の記事が掲載されました。「先が見えないからこそ、勇気が出せる」 というタイトルです。

石倉洋子さんと共著の「世界級キャリアのつくり方」をはじめ、このサイトでも繰り返し発信しているエッセンスではありますが、さすがにプロの書き手はうまいものですね。

先の見えない世界の動き、低迷する日本、どんどん変化する世界。「閉じこもり、鎖国」の日本。

まず勇気も持って「外に出てみる」 (資料1) ことですね、特に若いうちに。

そこでは「日本の常識」は通用するでしょうか?日本をもっとよく見る、知る、感じることができるでしょう。もっともっと広い大きな可能性、違った価値が見えてくるでしょう。誰にも先のことは見えないのです。

Apple、iPadのSteve JobsのStanford大学卒業式のスピーチ を聞いてみましょう。

中東の原子力、社会インフラシステムは日本の「Soft Power」

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今年の1月に、このサイトで6回(1月2日3日5日12日20日23日)にわたってアブダビの原子力発電所の国際競争で、韓国がこの仕事を獲得したことについて、報告しました。

日本の社会インフラシステム、つまり都市のエネルギー、水道、鉄道、発電-配電システム等などは、公共事業として公的部門が請け負っていたのです。主として私たちの税金ですね。

これこそが日本が誇れる大きな「Soft Power」 (資料1)なのです。

急速に成長してくる多くの世界の中で、この社会インフラシステムは大きなビジネスチャンスと捕らえることができます。単なる、借款、贈与などの公的ODAだけではなく、「Win-Win」の関係を構築しながら社会インフラシステムに投資、日本も成長することができるのです。

8月2日、朝日新聞の「Globe」で、中東の原子力についての特集が組まれました。ぜひご覧になって、考えてみてください。

最近になって、わが国でもそのような議論が盛んに出ていますが、私のアブダビの報告から学べることは多いと思います、私の発言には遠慮してぃるところもありますが、、、。結局は、グローバル時代のビジネスには人材とそのネットワークがいかに大事か、そこへの戦略的思考と行動こそが必要なのです。

このサイトに繰り返し出てくる主要テーマです。

Harvard大学関係へのCommentaryなど

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今年のことですが1月5月 (資
料1)
の2度ほどHarvard大学関係の活動に参加しました。

1月の会議は何か出版されたわけではありませんが、5月の会議 の報告はChatham House Rule で参加者内部の文書として作成されました。参加者の一人の栗原さんが「黒川教授の話で笑ってしまった、、」(p.3 の左カラム) と書いていますが、私にとっては「うれしい名誉」なことです。

この部分の短い記述がありますのでここで以下に紹介します。

Session 2: Biotech Models for Development
、、、、
‘Panelist Kiyoshi Kurokawa, National Graduate Institute for Policy Studies, Japan, addressed the issue of biotechnology by first delineating some key issues related to its development ? globalization, food and water, environment, and biodiversity ? and then discussing some of the challenges facing countries interested in advancing biotech. Citing Ghana and Botswana as examples, Kurokawa argued that developing countries have little need for the newest and most scientifically intricate technologies, like genetic recombination. Rather, they need simple technologies that can be used to improve the quality of life for local people.

Kurokawa advocated the deployment of existing technology to address the most severe of world crises, like food and water shortage. Such use of technology could also result in bottom-up growth and benefit social entrepreneurs. Again emphasizing the local, Kurokawa further argued that biotech enterprises should also consider how “indigenous knowledge” might propel new developments in biotechnology. Local remedies, like the use of bark to treat malaria in China or of aspirin, have the potential to help biotechnology better address the “big needs” of the world today.’
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‘In the discussion that followed, Kurokawa re-emphasized his position that while frontier science contributes important discoveries, these discoveries should be shared and there should be a collective effort to apply new advancements to the betterment of the human condition.’

もうひとつは、Harvard Asia Center の発行する「Harvard Asia Quarterly」  に依頼された原稿で友人のWilliam Saitoさん と書いた以下のタイトルとサマリーのCommentaryです。

Global Climate Change:
The Interconnection with Medical Technology and Health Care

Medicine, along with culture and technology, can both cause and resolve the problem of climate change. Medicine has helped reduce infant mortality and increase longevity, thus contributing to overpopulation which results in excessive pollution and resource consumption. But it can also help solve these problems by providing better forms of contraception and education.

原稿の全体は約7,000 wordsとちょっと長いですが、時間のあるときにでも読んでいただければ幸甚です。

目覚める若者たち、世界に出て自力で始めたプロジェクト

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写真:Yunus博士のゴーサインをいただいたときの税所くん, プログラムに参加する女子生徒達

以前から紹介している若者たち資料1)がいよいよ,本格的に活躍を始めました。

これは最近の朝日新聞 にも出ました。

大学を休学して自分たちで現地に向かい、国内でも活動をアッピールしながら、問題解決を模索し、企画し、活動しながら、とうとう「Grameen銀行」内では初めての日本人発ソーシャルビジネスを始めます。早稲田大学の税所くん (資料1) の「E Education Project」です。同じ仲間の早稲田大学の三好君  も今年は大学を休学してBangladeshへ、次のプロジェクトへ余念がありません。

この「E Education Project」の目標は;

1.未来のバングラデシュのリーダーを村から輩出する。
2.農村部の貧しい家庭に生まれたが、それでも学びたい生徒に「Eラーニング」で最高水準の教育を届け、国内最高峰ダッカ大学へ合格させる。

税所君の「ものがたり」は以下のようです。
1.20歳の最年少グラミンコーディネーター税所篤快は高校時代、学年順位最下位の落ちこぼれでした。

2.親を学校に呼び出され、担任の先生に「2浪して3流大学に行け!」といわれた日に予備校 東進ハイスクールに入学。

3.すべてDVDのデジタル授業で、3年間のシラバスを3ヶ月で学び、早稲田大学合格。

4.そんなことはすっかり忘れていたグラミンの日々で、ある日村の小学校で深刻な先生不足に出会う。

5.「4万人先生が足りないこの国で必要なのは、東進のモデルではないのか?」

6.「誰でも、どこでも、何回でも、最高の先生の授業を受けることができる教育モデル」

7.このビジョンをグラミン総裁ユヌス博士に話したところ「DO IT!DO IT!GO AHEAD!!」とゴーサイン!

7.グラミンと一橋大学イノベーション研究所(米倉誠一郎教授)合同による、ソーシャルビジネスを立ち上げる。

このプロジェクトの概要は:
ダッカの最高水準の先生の授業をデジタルコンテンツにし、グラミンのネットワークで村の子どもたちに届ける。

1.プログラム:
1.1.ダッカ大学受験コンテンツ:
バングラデシュ最高の先生たち3名(国語、英語、社会)の集中講義
1.2.リーダーシップコンテンツ:
ハーバード大学ハイエッツ先生の一番弟子のバングラ若手社会起業家EJ Ahmedによるリーダーシッププログラム
1.3.未来キャリア育成コンテンツ:
ダッカ大学現役学生による、毎週のスカイプ将来面談
ダッカ大学教授による未来のキャリア授業

2.期間と目標:
2.1.2010年6月より授業スタート
2.2.同年11月のダッカ大学受験までの5ヶ月

3.対象:
農村部エクラスプールの高校三年生20名(うち女性7名)

4.将来への構想:
4.1.2010年成功モデルをひとつつくる。
4.2.2011年より、全国600のグラミンネット支店でソーシャルビジネスとして順次拡大。
4.3.2015年には6000人の子どもたちに教育を届ける。
4.4.バングラデシュで成功の後には「教師不足で悩むアジア諸国」にモデルを拡大させる。

5.ものがたり:
5.1.農村部ではなにより子どもたちに希望が欠けています。
5.2.彼らの周りには、将来目指したいと思えるようなモデルがないのです。
そんな彼らに、将来「あんなかっこいい仕事をしたい」「こんな風な将来の歩み方もあるのか」と思わせるようなモデルを提示する。

税所君たちの思いは:
「未来への可能性を届ける」
これが一番の成し遂げたいこと。

いかがです。すばらしいと思いませんか?輝いています。皆さんも応援しましょう。
でもそれより、自分一人ひとりは何ができるか?
世界は広いのです、世界へ出てみよう、世界は皆さんをまっているのです。
だからこそ、「休学のすすめ」(資料1)、 なのです。

ところで、このプログラムの募集をかけたとところ、10名の枠に直ちに20数人の応募があり、なんとイスラムのこの国で7名の女子生徒(トップ写真)が集まってくれました、と。

これは快挙です!地元の人は「一種の革命だ」と。優秀な女子生徒を引きつれてきた地元の高校の先生は「この子たちはこの村のHidden Treasureだ。私たちではダッカ大学にすくいとってやれない。E educationですくってやってくれ。」といってくれました、と。この6月に授業開始です。

最後に三好くんの熱い思いと決意 を聞いてください。一人ひとりのこのような思いこそが日本を変え、世界を変えていくちから(力)となっていくのでしょう。

Asia Vision 21に参加した「7人のサムライ?」

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先日、Singaporeで開催されたHarvard UniversityとNational University of Singapore, Lee Kwan Yew School of Public Policyの共催による「Asia Vision 21」についてこのサイトで報告しました。

この中で日本方の参加者は7名で、自民党の林 芳正議員(元防衛大臣等)、山本UNESCO大使、渡辺元財務省財務官、現JBIC 総裁などです。皆さん、活発にいろいろ発言しましたので、あとで、Harvardの方々から、今回は、日本の参加者の存在がずいぶん目立つね、と喜ばれたそうです。うれしいことです。

これに関して、Harvard大学Kennedy School of GovernmentのSenior Fellowをしているちょっと変わった経歴(日本以外では特に変わっていると思われるわけではありませんが、、)のJun Kurihara(栗原潤)さん(写真)にお会いしました。去年からCanonグローバル戦略研究所の研究主幹にも招聘されています。なかなか「枠には入りきらない」研究者であり、勉強家で、独立した個人として活躍しています。Cambridge GazettというタイトルのCanonグローバル戦略研究所からの報告書 、さらに同名のNewsletterなども配信しています。その内容がなかなか充実して、彼の深い洞察と勉強量がわかります。

Asia Vision21 栗原潤さんと私

こういう現地での活動を通した個人としての人脈は、自分の評価が個人として相互に信頼を伴う認識をされなければ、成り立ちません。これが本人個人としての、社会的肩書きに関係のない履歴であり、実力なのです。

彼の「Asia Vision 21」の報告に触れている報告をリンク(資料1)します。わたしの発言が面白いと思ってくれたのはうれしいです。ほかの方の活躍にも触れています。

もっともっと丁々発止と議論できる、それなりの立場の方たちが増えてほしいものです。

借金漬け、日本は崖っぷち

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世界、特に「先進国」では公的出費が増え続け、しかも経済の回復が遅いので(日本ほどではないにしても、、)、国の債務が増えることに対して懸念が問題にされています。

EUではギリシャが債務超過になり、ついでスペイン、ポルトガルも債務過剰になりそうでユーロの価値の危機です。

日本の経済はあいも変わらず調子が悪いですね、この20年、ほとんど成長できないのです。今年の予算は、税収より国債のほうが多く、打ち出す政策は公費の出費が多くなるばかりです。国の債務(借金)がGDPの200%近くになりました。

しかし、日本ではあまりにも債務が巨額(GDPの200%)だからでしょうか、国債発行にもまったく規律が欠けていますし、よそに比べても国内ではこの債務への懸念が、学者も、報道などもあまり大声では叫ばれていません。「麻薬中毒」状態です。しかも、高齢化が進み、借金返済はほとんど不可能ですね。将来の世代はますます暗い気持ちでしょう。この世代は実に無責任です。

日本の「偉い人たち」などが、日本には国民の貯金その他で1,400兆円ほどあるから、国全体としては債務過剰ではないから大丈夫、などといっていましたがさすがにそんな発言は、最近は不思議に減っているように感じませんか?なぜでしょう。

今年1月末、格付け機関Standard and Poor’s (最近のGoldman-Sacks問題などに関して、企業格付けでまた不正を働いたようなこともあるようですが、、)が日本の国の信用を1ランク下げました。日本の報道では、不思議なことにちょっとしか扱われなかったですね、こんな大問題なのに。

思い起こせば前回の格下げは2002年5月でしたか、そのときの日本は大騒ぎの報道と、財務省まで抗議文、広告を送りつけなどしました。次の記事などがあります。覚えていますか?今回とはずいぶんな違いです。なぜなのか、考えてみましたか?

本当はどうなのでしょう。確かに日本の借金は返済不可能でしょう。国の信用は低下していくでしょう、経済成長もなかなか難しそうですね、、、。来年度は日本が発行する国債が国内だけでは売れさばけず海外に購入してもらうより仕方ありません(普通は国内だけで売っているほうがおかしいのですけどね)。このときは金利が4-5%程度には上がる、借金の返済はさらに苦しくなり、国の借金は急速に増え、インフレになり、国民の生活はさらに苦しくなるでしょう。

今の政治のひどさ、今までの「政産官の鉄の三角」もひどいものです。政治財務省などの「エリート」の考えていることは大体想像できますね、自分たちは責任を採らない、政治の貧困のせいだと。国民、特にこれからの世代は困窮というシナリオでしょう。ひどいものです。その先の手も読めそうな気もしますが。

最近、亀井大臣が郵便貯金の上限を2,000万円にあげました。不思議ですね。来年の国債を国内だけで買いきれるようにしようとの陰謀にもみえます。だから金利の上昇、インフレをさしあたり1年延ばそうという、いつもながら「問題の先送り」、「陰謀」でしょうか。あまりにも突然ですしね。では、その翌年は予算が成立するのでしょうか?

結局、国債の金利が上がり、返済額が増え、日本円は安くなり、ひどいインフレになるでしょう。ひどいことですよ。

選挙を前にして政治家は消費税上げることを言えず、役所に大鉈を振るえず、決断できず、役所も、学者もね。報道も政府に操作されているのか、広告料で企業に遠慮しているのか、あまりつらいことには意見を広く発信しません。

大体、日本はバブルがはじけて、1998年ごろから超低金利、私たちの預金はみんな国外へ出て行ってしまって、結構「サブプライム」の引き金の1部になっていた可能性は高いのです。サブプライムでバブルがはじけて、私たちの預金は実はもう返ってこない、と思いますが。

日本国の財政状況は極めて危険水域(資料)です。政治は選挙を前にして減税はできない、企業も集中と選択がなかなかできない。外人や女性を重要なポストにつけたくないとか、希望ないですね。「あれもこれも」と議論しているのは結構なのですが、問題は実行です。大企業も内向きで元気ないですね、もっともっと「M&A」など積極的な、厳しい経営が必要と思います。

世界では日本への信頼はガタ落ちで、できれば相手にしたくないという雰囲気も出始めていますね。日本経済は「弱い」のではなく「麻痺している」のです。

今回も、もっぱら「The Economist」の記事を引用している理由は、2月15日のカラム「トヨタの問題と苦悩」 に書いた通りです。

トロントの4日、米国内科学会、トロント大学など

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4月21日、トロント入り。去年の5月、10月以来の訪問です。米国内科学会年次総会に参加です。私は日本支部長 (資料1)なのですが、この何年かは日程が立て込んでいて欠席続きで、上野副支部長が出席されていて本当にありがたいことです。久しぶりの出席でしたが多くの旧友、新しいリーダーたちにもお会いする機会になりました。このような機会はとてもうれしいものです。

日本支部は南北アメリカ大陸の外では唯一の支部ですが、私たちの活動は本部をはじめとしで皆さんによく知られています。今年も2年続けてですが、表彰されました。 特に女性医師の活動に焦点を当てた委員会プロフェショナリズム委員会 の活躍、そして研修医、学生会員を増やしながら臨床教育活動を引っ張る若手医師たちのおかげです。

新しい7人のフェロー(FACP)、次期日本支部長の小林さんがマスターへ(MACP)、日本内科学会理事長の寺本さんが名誉フェローなど、その式典を含めて、皆さんと楽しいひと時を共有できました。偶然なのですが、日本の医局制度を「脱藩」してこちらで活躍する日本の若手医師にもお会いすることができました。亀田病院の研修医のポスターが発表に選ばれ、参加してくれています。これらの活動も今回の表彰を受けています。指導に当たった小原さんたちも参加、本当にうれしいことです。

プログラムでは臨床の課題である診療、教育、研修などを中心としたものが多く、皆さんとても熱心です。開会式では国境なき医師団 (資料1)で活躍するDr James Orbinskiさんの特別講演「Equity and Global Health」がとてもすばらしく、皆さんの感動を誘いました。

いろいろな委員会、レセプション、プログラムなどの合間に、Toronto大学へ出かけてDr David Naylor学長と1年ぶりの歓談 (金曜日5時、最後のアポだったので2人でちょっと1杯しながら話が弾みました)、Munk School of Global Affairs とGRIPSとの共同プロジェクトの打ち合わせ、MARSでDr Peter SingerとGlobal Health新プロジェクトの進行状況(私も参加していますので、、、5月23日に公式の記者発表の予定)、Gairdner財団のDr John Dirks (資料1)などとお会いしました。

前回ポストした朝日新聞「Globe」の「カナダ特集」 のことも話題にしました。この朝日新聞のすばらしい特集が英語にならないのは本当にもったいないことです。

トロントは4日とも雲ひとつない快晴、この素敵な街ですごしました。CN Tower に昇ってきました。上からの写真もお見せします。

カナダ: 朝日「Globe」から

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朝日新聞では数年前から、毎月2回「Globe」という8ページ特集を組んでいます。内容といい、取り上げるトピックスもなかなかユニークで、とても楽しめるものです。

タイトルからもわかるように大きな視野で「グローバル世界と日本」をいろいろな角度で分析している、素敵な特集です。船橋編集主幹の企画と思いますが、彼らしい企画です。

さらにすばらしいのは、すべてが「On-line」で読めることです。新聞に出てから何日かかけながら全体の記事が読めるようになっています。

最近の4月21日号は「カナダ」がテーマでした。私も大学関係者と広く交流 (資料1)、(ほかにもこのサイト内で「カナダ」「Canada」で「search」してください)があるので取材を受けました。このカナダ特集は「日本とカナダは超大国のそばで見えない国になるおそれがある。どう対応するかが21世紀の挑戦だ――。両国の大学関係者の会合で、こんな話が出たという」で始まります。これは読んでのお楽しみです。カナダの人口は隣の米国の10%、日本も中国の10%。お隣の大国、米国との協調と自分の独自性の維持、などなど、興味ある記事です。

私もカナダは好きですね。一言で言えば、「英国のいいところを受け継いで、階級社会を引き継がなかった国」でしょうか。「英国のいいところ」はやや社会主義的要素を持ち、民主制度がよく機能している、教育程度が高い、いくつかのすばらしい大学がある、医療制度はマイケルムーアの映画に見るように国の機能ですが、質がいい、患者の負担は少ない、信頼が高いのです。医師も大学教員の質も高いです。

2008年からの金融危機の影響を最も受けなかったのがカナダでした。銀行がサブプライムに巻き込まれなかったのです。

昨日からTorontoに来ました。ディナーの席では、130万の都会Calgaryでも、多くの人たちは自宅のドアのロックをほとんどしないそうです。いい昔の姿が残っているのですね。この話はマイケルムーアの映画でも出てきます。

ひとつだけ朝日新聞に注文。こんなすばらしい特集をせめて「On-line」だけでも英語で出してくれないものでしょうか?日本人対象だけでは、本当にもったいないです。