Canada and France大使館

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カナダから、前科学技術顧問のArthur CartyさんをリーダーとするNanotechチーム一行6名ほどが来日され、18日にCanada大使館でレセプションがありました。活気のある時間でした。去年9月に着任したFried大使ともお会いし、5年前、私が日本学術会議会長のころ、日本-Canada国交75周年を記念して「Young Woman Scientists Exchange」をはじめたことなどお話しました。いろいろ新しい知己があり、旧交があります。

翌19日は、フランスの将来予測と情報経済担当大臣のNathalie Kosciusko-Morizetさんをお迎えして、フランス大使館でディナー。2日続けて英仏語が入り混じりの会話に包まれていますが、私はフランス語が全然ダメなのです。

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写真1: 右からKosciusko-Morizet大臣、Philippe Faure大使、私、Dr Jean-Louis Armand科学技術担当公使

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写真2: 大臣と私

このカメラマンはセンスがいいですね。彼のblogも素晴らしいですよ。

大臣もblogで情報発信 ( 12 )、私たちとのことも書いています。

別途報告しますが、この日は日韓の近代医学教育史に貢献した佐藤剛蔵先生について考え、今後の日韓関係を考える企画のレセプションもあり、挨拶をしました。明日が楽しみです。

ローマから、G8 SummitのGlobal Health Agenda作りへ

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11日は、例によって成田21:55発、Air Franceの最終便でパリへ向かいました。この3~4年、何度もこの便を使っています。1日仕事をしてからゆっくり成田に行けますし、ヨーロッパに行くのにはとても都合がいいのです。ロンドンなど、上手くいくと、朝から会議があっても、9時半ごろには着いていますから。

12日の朝9時半にローマにつきました。St. Regis Hotelという素敵なホテルにチェックインです。New Yorkから来ている坂野君と合流して、明日の「Global Health Forum」の打ち合わせ。私たちが運営する日本医療政策機構Aspen Institute Italiaの共催で行ないます。Rockefeller財団などの後援も受けています。

これは、去年私たちが開催した「Global Health Summit; Toward TICAD, G8 and Beyond」と同じプロセスを、今年Italyで開催されるG8 Summitに反映させようという試みです。準備会議として去年の12月にも開催しました。

会場はこの豪華なホテルの中です。私たちと共催母体になっているAspen Institute ItaliaのPetroni教授と私の「Welcome Speech」 で始まりました。スピーチの最後に、日本とItalyの2000年、2001年のサミットの功績で「Global Fund」ができたこと、そして2001年のGenoa Summitは現首相のBerlusconiがホストであったことについて触れました。

会場は皆が囲んで議論する形を取っていて、テレビスクリーンが配置されています。写真ができてきたら、もっとお見せしたいと思います。

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写真2、3: 会場の雰囲気

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写真4: SherpaのMassoloさん、WHOのDr Chanさん

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写真5: 私の隣だったTremonti大臣

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写真6: 右からMinister of HealthのHatem El Gabalyさん、WHO Executive Director, Global Health Workforce AllianceのSheikhさん、Executive Secretary of GAVI AllianceのJulian Lob-Levytさん、ActionAid International代表のNoerine Kaleebaさん(Ugandaの方です)

WHO Director GeneralのMargaret Chanさん、またAspen Institute Italiaの会長で現在の大蔵大臣のTremontiさん、ItalyサミットのSherpaのMassoloさん等々が参加してくださいました。私と一緒に洞爺湖サミットでお世話になった武見敬三さんも参加されて、とにかく皆さんで熱心な議論が展開されました。この経済状況のひどい中、今年の夏に開催されるイタリアのG8サミットに少しでも役に立てると嬉しいですね。日本のプレゼンスをあげるためにもね。

ちょうどこの日にThe Lancet, February 14th, 2009; volume 373, number 9663, p.526-7 : に私たちが投稿した「日本でのGlobal Healthへの経験」を中心に書いた記事「Italian G8 Summit: a critical juncture for global health」 が出ました。The Lancetは誰でも登録すればかなりの部分を無料でOn-lineで読むことができます。ぜひ登録されるといいと思います。ここにはOn-line版PDFをリンクしておきます。

RomeではあすからG7財務大臣会議があるということで、今晩はレセプションが開催されるそうです。来週にはG8で医療に関して議論するH8会議、さらにはG8のSherpa会議があるので、関係者はいろいろ忙しそうです。

夜はPeter Singer(Univ. Toronto) (参考), Gates FoundationのDr. Rajeev Venkayya、坂野君とで、この辺では有名なレストランへ。

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写真7: 右から私、Peter Singer (Univ. Toronto), Gates FoundationのDr. Rajeev Venkayya、坂野君

Vankayyaさんは10数年前にも、私に会っているそうです。私がまだ東大の医学部教授のときに、Michigan大学とChief Resident Exchange Programをはじめ、そのときに来たんだそうです。奇遇ですね。

 

ダボスから-4

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31日は英国のGordon Brown首相の後に、麻生総理の力強い演説がありました。特にAfghanistanでの学校や医療施設の建設や援助、Kabul国際空港の復興支援、Palestineでの日本の活動、またAfricaへの援助の増加など、世界から高く評価される話題に触れられたのがよかったです。これらのことはもっともっと積極的に国内外へ政府が広報すべきですが、こういうところで私たちにも新鮮に感じられてしまうのでは、ちょっと残念に感じました。でも、全体に力のある講演でした。

その後、総理はいくつかの面談をこなされて昼食を取られましたが、ここにお招きを受けました。ここでも海外の要人たちとの活発な議論がありました。積極的な会話は大事です。

Dsc00561_pmaso 写真2~3: 麻生総理の講演と昼食会

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Dsc00575_ogata 写真4: 昼食会場でJETRO林理事長、緒方ご夫妻、UNESCO松浦事務局長と

会場での昼食はなんとユニクロ(UNIQLO)がSponsorで、大変好評でした。気の利いた展示、いくつもの映像が流れていて(最初の写真など)きれいでした。またお弁当もとてもおいしかったようで、これも大好評。この日のお昼前後は、日本の存在がとても目立ちました。皆さんご労様でした。

斉藤環境大臣も総理に同行されたようで、私の友人でもあるYale大学のDaniel Esty教授と歓談されました。

Dsc00579_three_with_kk 写真5: 斉藤大臣、Esty教授と

最終日の2月1日は、Global Agenda Councilへ参加。

最後のセッションは南アフリカのTutu大主教(Apartheidの廃止などで活躍。その後も人権問題などで活動を続けて、1984年ノーベル平和賞 を受賞しています。)と若者達の対話が、なかなか面白く、さすがに宗教家、人権問題の活動家ですね。とても話が上手です。

Dsc00599_panel 写真6: Tutuさんと若者達の会話

今回の世界の転換期を象徴するダボス会議の締めくくりは、こちらのWebサイトで見ることが出来ます。

帰りがけにホテルのロビーで、Microfinanceをはじめて、Bangladeshの女性の自立を支援したGrameen銀行のYunusさん(ノーベル平和賞受賞。グローバル時代の社会起業家という大きな存在として何度も講演などで紹介しています)にお会いしましたので、日本の若者たちの意欲などについてお話しました。3月にも来日されるそうです。またお会いできると嬉しいです。

Dsc00604_india_and_kk 写真7: Yunusさんと

この後、Zurich空港へ移動し、これからNew Delhiです。

ダボスから-2

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快晴が続きます。

会議のセッションや報道などは、Webサイトでいろいろと見ることができます。時間のあるときに見てください。

日本の産業界からの若い人たちが、少しずつ目立ち始めました。発言も存在も積極的でうれしいことです。でも、日本の産業界といえば、海外からは“経団連”ということになるでしょうから、積極的にもう少し多数参加していただけると、日本の存在も目立つし、活気が出ると思います。

今回の全体の雰囲気は、「金融メルトダウン」、「更なる経済低迷」ということで、いつもとは雰囲気が違います。ほかの産業であれば、不良品を出せば罰せられるのに、金融ではなぜそんなことさえ無いのか?というのも結構話題になりましたね。「貪欲」「品格の欠如」というところでしょうか。個人のレベルでは結構そのような話が出ました。また、ガザ問題Webcastで見れます)では、トルコの首相がパネルでの自分への時間の割り振り、発言のタイミングなど、IsraelのPerez大統領に比べて不公平だとして、パネル終了前に立ち上がり、帰国してしまいました。私は現場を見ていませんが、もちろんこれも話題にもなり、トルコでは熱狂的に帰国を歓迎されたという報道も含めて話題になっています。Webcastでご覧になってどう感じますか。

Dsc00533_4people写真2~4: 朝食会(ご存知の方もいると思います)

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30日の朝7時半から、“日本からの発信があまりに少ない”、“だから世界からよく見えない”、と心配してくれる友人たちの会合・・・という名目の朝食に招かれました(写真2~4)。うれしいことですね。日本からの参加の皆さんにも同じような話は内々にはあったと思います。

多くのセッションで日経新聞主幹の岡部さんJETRO理事長の林さん(写真4)など多くの方たちと話しをする機会があり、話が弾みました。皆さん忙しい方たちなので、あまり日本では会えないのです。

Dsc00537_2_japanese 写真5: 日経新聞主幹の岡部さん(右)とJETROの林さん。

私はといえば、2日目、3日目にパネルがあり、新しい知己を得ながら楽しみました。ダボス会議のWebサイトで(29日30日最終日)見ることができると思います。

メディアでは、朝日新聞主筆の船橋さん、日経新聞主幹の岡部さん、NHKの藤沢さんたちが参加していました。Reuterの脇さん(ロンドン在の女性)もこのところ毎年のように参加し、活躍しています。

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今年もまたダボス会議に来ました。これで9年連続の参加になります。今年はパネルも3つあり、結構忙しいのです。

話題の中心はなんといっても金融システムの崩壊と経済の大不況です。1日目に一番人気があったのは、RussiaのPutin首相のOpening Plenaryでした。始まる30分前から満席でしたね。彼のメッセージは「強気、強気」でした。この人との仕事は“怖そう”という印象を皆に与えたと思います。質疑応答にも強気の一点張りでしたからね。Webサイトで見ることが出来ます。

Dsc00501_2 写真2: Putin氏

プーチン首相の前には、中国の温家宝首相の講演が行なわれました。

皆さん、講演もなかなかですが、質疑応答で臨機応変に対応されるところもすごいですね。これはこういう場ではとても大事なことです。

2日目の朝はある朝食会に呼ばれていたのですが、そこになんとClinton元大統領が現れて、10分ほどスピーチされました。私も隣のテーブルにいたので握手してくれました。

Dsc00507_2 写真3: Clinton氏

2日目午前最後のPlenaryは、Tony Blair、PepsiのNooyiさん(インドのIITを卒業した女性です。参考12 )、IsraelのSimon Perez大統領などが登場し、なかなかよかったです。

Dsc00514_2 写真4: Blair氏(向かってその左がNooyiさん)

Dsc00519_2 写真5: Perez大統領

午後は化学産業界の理事会に4時間お付き合いしました。2年前まで英国首相の主席科学顧問だったDavid KingさんたちとAdvisorsとして出席。日本からは住友化学の米倉社長や三菱化学の小林社長が参加されました。

Dsc00526_2 写真6: 右から慶應の安西塾長、東大の伊藤教授、HarvardのMori教授、Nat’l University of Singapore Lee Kuan Yew School of Public PolicyのMahbubani学部長ご夫妻、Brown U. のSimmons学長、そして私

夜は、去年と同じく、東大と慶應が主催する「Japan Night」でした。ともに女性学長のAllison Richard(Cambridge U.)さんとRuth Simmons(Brown U.、こちらは初対面)さんにもお会いしました。

私はそろそろダボス会議への参加も遠慮する頃かなと考えています。

日本からも、もっと多くの若いリーダー達に参加して欲しいと思います。

グローバルヘルス Global health

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このサイトでいろいろな形で繰り返し出てくるのが、私たちのNPO 「Health Policy Institute, Japan」活動の一つの柱の「Global Health」関係です。これは国内の、そしてグローバル世界のいろいろな方々、たとえば世界銀行、ゲイツ財団、Rockefeller財団、また政府、政府機関とも協力しながら進めています。

これらの活動は「市民社会」活動といえるもので、このような動きムーブメントの推進を通して去年はGlobal Health Summitアフリカ開発会議TICAD4G8サミット等へも貢献できたと思います。このサイト内でもいろいろ「search」してみてください。

世界には、信じられないようなとても不幸な状況の方たちが大勢いるのです。その一つの企画にも参加することができました。以前にも報告しましたが、Imperial College、BBC、Gates財団の協力、Rockhopperの製作「SURVIVAL」 というfilm documentary seriesです。これが一応完成して、ウェブ上で英日独仏語で見ることができます。私もメッセージを出しているのですが、これは日本語で書いてあるのですが、英語でしゃべっています。ちょっと変ですね。

「大学病院革命」、慶應義塾大学病院への提案

慶応義塾医学部新聞(2008年12月20日号、第686号)の1面に、戸山病院長と私の対談、“今こそ建学の精神に立ち戻り、未来へ向けた「大学病院革命を」!”が掲載されました。慶應義塾大学病院の将来がテーマです。

私の論点は「大学病院革命」にも書いた内容で、これまでも機会あるごとに発言していますが、現在の政府が進める第5次医療計画にも通ずる基本的考え方です。

このブログを訪れてくださる方々には何度も言っていることですが、このグローバル時代、何が自分の強みで、何が弱みなのか、何が自分を他と差別する特徴なのか、リーダーの責任は何か、などにも触れてお話ししました。

私は慶應義塾の応援団と自認していますが、対談ではその理由についても触れられています。福沢諭吉の思想と行動とそのスケールを考える時、特にその時代と社会の背景を考えれば考えるほど、とてつもなく大きい人だと感じます。こんな人が今の時代、一人でもいるでしょうか。

この対談に目を通していただき、日本の医療、大学病院の役割とそこへの改革の工程を考え、実行していただければ嬉しいです。

ワシントンから-2、科学者たちの新しい協力へ

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今回のワシントンでの3日間は、ほとんどを米国科学アカデミーの内部で過ごしました。何人かの方たちとの会談も、アカデミーに来ていただいて行いました。

8日はホテルにチェックインして一休み。午後からは、まずアカデミーの新しい報告書記者発表プレスに参加。共同委員長のJOHN HENNESSY(President of Stanford University)とBRENT SCOWCROFT資料1)、他に3人がプレスに出席しました。すごいメンバーですね。委員会でもアカデミーの会員ばかりでなく、その課題について必要な様々の方々に参加を頂いているのです。

委員会メンバーのJohn GageNorman Neureiter もこのプレスの会場に来ていましたが、私が途中で抜け出したので会えませんでした。John Gageとは翌日、会うことになりますが・・・。

翌日の朝は、NASでHarvard大学のCalestous Juma公開講演に参加。ここでJohn Gageさんに会えたのです。

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写真1-3: 講演するJumaさん;One laptop per ChildのNegroponteのlaptopを持つ女の子;John Gageさん、Jumaさんと

この2日間は、科学アカデミーに立てこもりで、次々といろいろな方たちとお会いしました。アカデミーを構成する3つの組織の各ヘッド、Harvey Fineberg(Institute of Medicine)、Charles Vest(Natl Academy of Engineering)、 Ralph Cicerone(Natl Academy of Sciences)と個別に会談し(Ciceroneさんとは慌しく)、新政権下での両国の科学者たちの協力、計画などについて話し合いました。国際担当局長のJohn Borightさんとほとんど一緒に動き回りました。

また世界銀行Atlantic CouncilFred Kempeさんなど主要なかたがたともお会いし、いろいろと議論しました。

Dsc00467_2写真4: Vestさんと

Dsc00469_2写真5: STS Forum会議、左から私、Rita Colwell さん、Yuan T Lee (資料1)さんなど。

10日は尾身幸次議員の主催するSTS Forumの委員会を開催。活発な議論で一日が過ぎました。ここでもまた、いろいろな友人に会えました。

新しい1年の始まりとして、とてもとても収穫の多い3日間でした。

ここに出てくる方たちは、このblogで何度も出てくるので、「サーチ」してみてください。

新しい国家ビジョンを

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元旦に、「新年を迎えて、日本の国家ビジョンを」というコラムを書きました。そして、12月8日と11日に、私なりに提案する国家ビジョン、「2030年までに、食糧とクリーンエネルギーの輸出国になる!」について触れた2つの講演も紹介しました。

その11日の講演要旨が「日本物流新聞」(1月1日版)に掲載されました。「食糧とエネルギーの純輸出国になろう」という見出しで、以下のような内容です(数箇所、テニオハや言葉など少し加筆しています)。

●「イントロ」
東京で開かれた環境展示会「エコプロダクツ2008」(産業環境管理協会、日本経済新聞社主催)で政策研究大学院大学の黒川清教授が12月11日、基調講演(抄録はこちら)をした。歯に衣着せぬ物言いで、グローバル時代に日本が生き残るための課題やエネルギー問題を指摘した。

■日本のモノづくりは垂直型に終始している。世界で1日に携帯電話は300万個売れているが、そのうち40%はノキア製。モトローラ、サムスン(各15%)と続き、4位にようやく日本のソニーエリクソン(9%)が入る。が最近、韓国LG に抜かれ、モノづくり立国といってもぜんぜん売れないのが実情。とはいえ部品の65%はメイド・イン・ジャパン。質がいいから。部品で生きていこうとするならインテルみたいにならないとだめだろう。日本は2次、3次、4次の下請けをせっせとやっているが、物語のつくり方、想像力、世界観が欠如しているのではないか。

●「使える技術はいくらでも」
■エネルギー問題でも日本の強さをどう生かすかが重要。与えられた自然の条件としては水、森、温泉、、、がある。もちろん地震という弱さもあるが。それらをどうしてエネルギーとして使わないのか。電力を例に挙げると、火力65%、水力10%、原子力25%のままでいいのか。やはり日本はやるな、と世界に思わせる国にしたいと思いませんか?

■原子力はこれからも一時的にはいいと思うが、アメリカのような大きな国でもその廃棄物を捨てるための法案がなかなか通らない。そのくらい廃棄物についてはみんな神経質になる。事故は今の技術では起こらないといわれるが、絶対にないとは言い切れない。テロはどうか(加筆した)。他国に対し技術導入することはあっても、日本には原子力を使わなくてすむ技術がまだいくらでもあることを訴えたい。たとえば地球にふりそそぐ太陽エネルギーの2%だけで、世界中のエネルギーがまかなえることがわかっている。

■既存の照明から消費電力の少ないLEDなどに代わるのに反対する企業もあるが、反対するのはそれをつくってないメーカーだろう。こうした問題はアルミサッシにもあり、先進国で一番多く使っているのは日本だろう。断熱を進めるうえでは熱を通しやすいアルミを窓に用いるのはばかげている。使うなら塩ビや木だろう。これもアルミ業界が反対しているだけか。世界は変わっているんだから、遅れをとるようなことはやめた方がいい。

●「将来の絵、描くのは若手に」
■食糧とクリーンエネルギーの純輸出国になろうという目標を私は提案するが、その気になれば2030年までに達成できるのではないか。そのためには10年計画を立て各5年ごとのミッションをあげてロードマップをつくる。それを常に皆で評価する。計画を立てるのは役所でもシンクタンクでもいいが、将来の絵を描くのだから45歳以上の人は参加しないでほしい(笑)。

■ 節目の年を迎えた。ダーウィンの『種の起源』出版からちょうど150年。その一番のメッセージは、長い歴史でサバイブしてきたのはその時代の一番強い者ではない。一番賢い者でもない。環境の変化に適応した者だと。いま環境はものすごく変わった。日本は相変わらず人の後ろに続くのか。

こんな趣旨なのですが、いかがでしょうか?

ばかげてる?そういう方は、元旦のコラムの最後の5行を読んでください。

講演の全体の概略はこちらで読むことができます。

熱い若者たちの訪問

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最近、2組の若者たちからぜひ相談したい、というメールがありました。

午前に5人の大学生たち(慶応大学の方が主ですが)がきました。みんなそれぞれが熱い思いで、これからのグローバル時代、自分たちの可能性と進路について、という相談でした。いったい世界に何が起こっているのかなど、いつもの私のメッセージの理由とか、どんなことができるのか、したらいいのか、いろいろ議論しました。

ちょうど終わりのころにWilliam Saitoさん杉田典子さんが来たので(お二人とは、最近、京都へご一緒しました、と紹介しました)。明らかに日本人では「超変わった」経歴です。こんな経歴は身近には想像もできなかったでしょうね。

Kurokawaandstudents_20081写真1: 午前の5人組とSaitoさん(私の隣り)と杉田さん(左端)

午後も、同じように熱い思いの6人の若者たちが来ました。早稲田大学の2年生の3人が中心です。かれらは、今年Bangladeshに行ってあまりの違い、ひどさにびっくりし、短い間でしたが、いろいろできることを試したそうです。グラミン銀行のことも知っていて、このような状況を変えることに努力し、日本を変えたい、と。しかし、帰国して大学などで、いろいろ聞きまわっても、納得できるような返事が得られないと。さらに思いを強くしていたころに私のこのサイトにであい、どうしても会いたい、ということでメールをくれたのです。

20081216c6l写真2: 午後の6人組

これらの皆さんには、「社会起業家」Social entrepreneursへの認識があって、あまり日本では聞きなれないキャリアであるので、どんなことをしたらいいのか等、迷っているのでした。

このブログにあるような話しをしながら、議論をし、みなとても元気に帰っていきました。

要するに、何か根源的なことに気がついているのですが、どのようにすればいいのか、何かわからないことだらけ、ということなのですね。当然ですが、迷うのです。この根源的なことは、今まで教えられていた、常識と思っていた日本の社会的価値とはあまりにも違うので、戸惑うのは当然です。でも、世界では多くの若者、将来のリーダーがこのような進路(Peace CorpTeach For Americaなど)から社会人としての活動を始めることも人気が高いのです

皆さんに、まずAppleのSteve Jobsのスピーチを見る、聞くことを薦めました。何人かから、早速メールの返事がありました。

私もこのような「ウェブ時代の手法」で発信しているので、このような若者たちと会えるのです。うれしいですね。

時々、会うことになるでしょう。