Harvard大学女性学長Faustさんの訪問

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何回かこのサイトでも繰り返し、いろいろと紹介 (資料) (3はScienceのEditorialです)していますが、世界のトップ大学では女性の学長さんが多く選ばれ、大きく活躍しています。Cambridge、 MIT、さらにIvy Leagueの8大学の実に4校が女性学長です。多くは外部から招聘です。こんなこことは昔ではあまり考えられなかったのかもしれませんが、著名大学という点では1994年にJudith Rodinさんを招聘したIvy LeagueのPennsylvania大学からでしょうか。

今回、Harvard大学長のFaustさんが来日しました。私も3月16日にデイナーレセプションに参加しました。私も感じたことが石倉洋子さんのBlog にも出ていますのでそちらも参照してください。1月のダボス会議 でもちょっとお会いしました。

2008年の金融危機でのHarvard大学の対応の話題、どんな学生を入学させているのか、どのようなプログラムを作り出しているのかなどなど、大変参考になるトピックスに触れられ、また質問に対する対応がとてもすばらしかったですね。このような、思想、計画推進のプロセスばかりでなく、対話からもご本人のお人柄と、能力の高さがにじみ出ています。

特に日本からの学生の減少に(学部生が5人程度とか、ひどい状況ですね)、繰り返し触れていました。大学院を含めると、日本はCanada、英国についで一番同窓生が多いそうです。でもすぐにどんどん落ちていく様子ですね。これも私のサイトに繰り返し出てくる「内向き日本」(資料)のテーマです。

特に、Faustさんは女性のHarvard大学長という話題性からも、できるだけ機会を捉えて、特に高等学校の女生徒などにも話しに行くようにしているそうです。今回もそのような機会を作り、学生の反応のすばらしさに触れました。グローバル社会での自分の立場と特別な役割にも配慮されていてとても素敵でした。

ガーナから-3

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10日は、まずAccra郊外にあるAchimota病院 (写真)へ。ここは英国植民地時代1927年設立、Ghanaの超名門Achimota学校の広い敷地内にあります。この学校の校章にあるように高い理想と、この時代に英国人もアフリカ人も一緒、男女共学という革新的な思想でできていて、多くの人材を輩出しています。病院もこの学校付属の診療所だったそうです。独立後の3人のガーナ大統領を含めて多くのアフリカのリーダーを育てています。どの時代でも大きく将来を見据えた人材育成こそがいつの時代でも、最も重要であることを思い起こさせます。

ところで、やはり英国ですね。この敷地内にGolf Courseを作ります。名門Achimota Golf Clubです。英米の名門校にもよく見られます。

院長先生をはじめ(医師は4人とか)、多くの看護師さんが活躍。Computerは診療所全体で1つとか。手術などは市内の大きな病院に移送するとか。毎日、妊婦さんが200人ほど受診するとか。訪問したときに1人赤ちゃんが生まれました。Dr Greenwood, Wereさんもご一緒しましたが、Wereさんは大もてです。Africaのヒロインですから。

そこから日本が設立した「Noguchi Memorial Institute for Medical Research」(このサイトのトップに私たちの訪問の写真が出ています)。これは近郊のLegonにある広大なUniversity of Ghana (資料) のなかにあります。東京大学、医科歯科大学から先生がHIV/AIDS、H1N1などの研究にも参加しています。頼もしい限りです。研究所の見学、討論などとても活発で、楽しかったです。

昼食時に空を見上げると、なんと頭の真上にある太陽の周りを丸く囲んだ「虹 Circle Rainbow;
暈(かさ)Halo」(写真)が出ていました。

ここに別れを告げて、次は82年前に野口英世が研究していた研究室へ。皇太子殿下も訪問されたばかりです。University of Ghanaキャンパスとは別にAccra市内にある大学病院敷地の一部にあります。1993年にここをご訪問された高円宮殿下、妃殿下のご記帳があります。今から80年前は、ここはどんなところだったでしょうね。でも、野口博士からNew York Cityの野口夫人への電報も展示されています。これが現在でも「鎖国の日本」の例として私が指摘している「Western Union」 です。もちろん今回の旅でもGhana、Botswanaでも町の中で「Western Union」を見かけます。日本ほか世界の4カ国にだけにこのサービスがないのです。実に異常です。

夕方に片上大使にお招きを受け、大使館で夕食をいただきました。大使館の庭も広くとても素敵でした。この日はそれほど暑くなく、快適でした。食後酒にはご当地の名物「Takai」。Tia Mariaのような味、おいしいので、つい飲み過ぎそう。

ところで、Ghanaはココア生産で有名、主要産業です。最近Off Shoreに石油も見つかりました、日本で有名なチョコレート「Ghana」ですが、ご当地のチョコレートはこの暑さでも溶けないということです。私たちの味覚には合わないそうですが。

夜に飛行場へ、London経由で故国の途に。2晩が機内泊で2月23日に出発した18日の旅を終えます。

ガーナ、アクラから-1

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3月7 日、パリからロンドン経由で夜10時にGhanaの首都Accraに到着。ここは赤道直下、「緯度4゜33’00’’ North、経度0゜12’00’’ West」で、とても「0、0」に近いところです。機内から出たとたん、とても「蒸し暑い」 。海岸沿いの「La Palm Royal Beach Hotel」。宿泊も会場もここです。

今回の訪問は、このサイトでも何回か報告しましたが、2年前に始まった日本政府の主催する唯一の賞、「野口英世アフリカ賞 シンポジウム」委員長としてきたのです。皇太子殿下もご臨席です。Sub-Saharaへは初めてのことですが、うれしいことです。第1回の受賞者のDrs Greenwoodさん、Wereさんも参加。

世界を精力的に駆け回っている日本財団の笹川会長、さらに東京大学の北 潔 教授、久しぶりです。頼もしいですね。

8日は打ち合わせと、今年のCanadaでのG8 Summitでの「Global Health」へのAgendaつくりも視野に入れてNIH Fogerty Program、日本(外務省、厚生労働省、JICA等)、、東京医科歯科大学の太田伸生教授ほか野口研究所にきている日本の研究者、アフリカの関係者などとの議論。

今年1月のダボス会議でHarper首相がG8 Summitで「母子の健康」を打ち上げているのです。日本がホストした2000年の沖縄九州でのGlobal Fund設立提案以来、2008年の洞爺湖サミットでのフォローなど、「Global Health」での日本の貢献はとても大きいのです。特に今年のSummitがG8としては最後かもしれませんし、「MGDs」の進捗状況を考えると、G8 Summitがなくなると「Global Health」はどうなるか、懸念がありますし、、、。

夕方は2人の受賞者、Africa、Ghanaなどの参加者、日本は内閣府、外務省、厚生労働省、JICA関係者とのレセプション。とにかく蒸し暑い。汗がでる。

L’Oreal-UNESCO 女性科学者賞受賞式

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BeauneからTVGでパリへ。2010年のL’Oreal-UNESCOの「Women in Science」授賞式です。今年もすばらしい5人が選ばれました。生命科学関係では2008の受賞者からElizabeth BlackburnとAda Yonathの2人が2009年のNobel賞受賞でしたので、関係者皆さんとてもハッピーでした。

しかし、パリはやはり素敵です。ちょっと寒いけどいい天気です。選考委員としてInterviewを受け、その後、UNESCO勤務中の渡辺さん、坂下さんと「il Vino- Enrico Bernardo」

UNESCOでの授賞式はいつもながらとても素敵。松浦さんの後任のUNESCO事務局長のIrena Bokovaさん、L’Oreal会長Lindsay Owen-Jonesさんの挨拶(トップ写真です)に始まり、15人の国際フェローの紹介。司会はいつもですが、世界でもよく知られた、Christine Ockrent(トップ写真の中央)、いつもの軽快なテンポで進行を勤めます。ご主人は現在のフランス外務大臣、国境なき医師団を始めた1人 Dr Bernard Kouchnerです。

Dr Cruz 写真1:Dr Cruz(右は委員長のGunter Blobelさん)

今年のアジアからのL’Oreal受賞はThe PhilippinesのCruzさん(写真1)。地元の貝からconotoxinを同定し、これがなかなかのneurotoxinなのです。フグの毒からtetrodotoxinが見つかったのと似ています。このような方が選ばれるのはとてもうれしいです。

皆さん受賞スピーチ、それぞれキャリアの話そのものが感動的でした。レセプションではUNESCOで活躍する日本の女性4人とパチリ(写真2)。

Bottom写真2:UNESCOで活躍する日本の女性4人と

 

韓国に学ぼう? いいことですね

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前回でも触れましたが、韓国に学ぼうという社説が日経に出たそうです。結構なことです。原子力、サムソン、現代自動車、Vancouver Olympicと、このところ立て続けにまともにパンチを浴びていますからね。

日本でも、私が時に触れるJBPressなどのネットニュース。これが結構「イケル」のです。そこに出ているのが、JBPress、野口 透さんのサムソンの「ヴァンクーヴァー五輪、真の勝者はサムソンだった; 半導体や液晶だけでない長期事業育成策がここにも」です。

日本の新聞も大丈夫でしょうか?時代の流れの方向は確実ですけどね。発行部数を競争したり、いまだに「記者クラブ制度」にこだわったりとはね。

一方で韓国での報道もあります。

中央日報が、その日本語ネット版で、「日本はいま“快速コリア”研究中」 という記事を掲載、日本経済新聞の社説に触れ、さらに私が前回触れた日経ビジネスの特集を紹介、私のコメントも入れ込んでいます。私の取材は私が滞在中のパリまでの電話でした。

「環境後進国ニッポン」、ついに明らかに?

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日経ビジネス3月1日号の特集を見ましたか?(ネットでは有料のみで見れるようですが、なぜでしょうか)。

はじめには「今週の焦点」で、経済同友会代表幹事、リコーの桜井正光会長。いつも財界のうち向きさ加減に鋭い異論を唱えていましたが、この特集との組み合わせは編集者の意図があるのでしょう。よい選択です。

特集は22-39ページ。タイトルは、ずばり「環境後進国ニッポン」です。世界の動きについていけない、内向きの「技術過信」日本の産業界。特に大企業は会社内の理屈ばかりで、グローバルな世界の動向を「実感」として知らない、議論すると「できない理由」ばかりをいう。

環境技術、日本は世界一、とずいぶん言われていましたね。省エネルギー、水処理、電池等々、でも世界の市場ではどうでしょうか?

技術が進んでいても「グローバルの横への展開」思考と、その「ノウハウ」がわからない。「ガラパゴス」 (資料1)、といわれてもなかなか新しい展開ができない。世界の人脈が薄い、英語もだめ、過去の「成功」にとらわれている精神的鎖国の上層部、責任者に運営される大企業群。国内事業で満足していた「ツケ」ですね。そこへ入社したい若者たちの10-20年後の将来は?そこでの中間管理職をはじめとする「人材」を見ることでしょうか。

具体例もいろいろ、大きく「こと」を見れない、「ものがたり」 を構想し、語れないのでは、いくら技術があっても、宝の持ち腐れです。

これは電気製品ばかりでないのは明白でしたが、なぜか国内の抵抗勢力の力が大きく、また横並び企業が多くて大転換できないでズルズルここまで来たのでしょう。

少々明かりが見えてはいますが、規模が小さい、スピード感に欠ける、何度も指摘されているとこところです。いつまで「単線路線」の従来型のキャリアパスが邪魔なのです。

このように、紙面、報道、ニュースなどなど、しっかり、繰り返し、国民へのメッセージの発信が大事です。それこそがメデイアの役割、そこでこそ政策の施行が可能になるのです。もう「黒船は来ない」 (資料1) のです。

今年1月に何報か報告した韓国の原子力 、さらに産業界ではサムソンをはじめとする、LG、現代、ポスコなどの躍進、最近ではVancouverでの韓国選手の活躍、そこへのトヨタの問題です。

ニッポンがんばれ。ニッポン企業がんばれ。大学も

人材、人財の育成、教育こそが国の根幹です。どんな教育なのか、これは別のことですが。

中国ばかりでなく、韓国にも学ぼうという素直な機運は結構なことです。何事にも謙虚であることは、昔からの知恵であり、教えです。

ボツワナから-4

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ボツワナからの写真はこちら; http://www.flickr.com/photos/whsaito/sets/72157623508216878/

ボツワナで5日間、政府への政策アドバイスのセッション、大変疲れましたが、現地の報道資料1)からもお役には立ったようでうれしいです。これからのフォローも大事です。日本へ期待も大きいのですから、日本の政府も企業も、大学も皆さんがんばってください。これからは企業が主体になった政府とのパートナーシップの出番です。秋田大学も協力関係を始めています。すばらしいですね。

ボツワナ強みは、その国土の広さ(日本の1.5倍)、いろいろな資源、アフリカで最も保全された自然とすばらしい観光の可能性、最も多いライオンや象などの野生動物、義務教育が国民みなに行き届いている、しかもみな英語が標準語、安定した政府、治安のよさ、GDPが国民あたり6,000ドル、などなど。弱い点は、200万人という人口、今の政府収入の40%がダイアモンドであること、それでも国民の20-30%程度が貧困、そして減りつつあるものの、まだまだHIV/AIDSが多いこと、などなどです。しかも、特に可能性のあることはSub-Saharaの南半分の中心に位置していることでしょう。

グローバルの時代、どうこの強みを生かしながら、弱さを生かせるか、これが私たちのボツワナ国家としての政策提案への基本的認識です。

ボツワナから-3

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ボツワナからの写真はこちら; http://www.flickr.com/photos/whsaito/sets/72157623508216878/

ボツワナ2日目の25日の夜、Phakalane Golf Estate and Hotel Resortでレセプション。同行のGRIPSのWilliam Saitoさん、双日の多田さんのほかにも、日本大使館から大使はご不在でしたがKosaka公使、そして現地で活躍されているNHKの仲居さんも参加してくださいました。

26,27日は6つの省、ボツワナ大学、また4つの国立研究所と、この国の科学技術イノベーション政策あり方について会談、討議しました。皆さん熱心なのですが、やはりどうしてもそれぞれ自分たちの立場からの見方になってしまいます。大学も研究の重要性と政府の予算のことが中心になってしまうのですが、卒業するとどのような職があるのか、などの質問などにはなかなかすぐには答えられないところがあります。致し方ないところですが。

面白いことに、あちらのスケジュールで3つの省と一緒に会議をしたときのことですが、このようなスタイルはあちらでもなかなかないようで、後でずいぶん参考になったといわれました。どこでも役所には同じようなところがあります。

26日は昼にちょっと近くにある「Mokolodi Nature Reserve」 へいきました。野生の動物を見るのは、美しいし、いつも何かの感動をくれます。でもここは完全な開放された自然の中ではないので、ケニアのMasai MaraやタンザニアのSerengeti のような感動にはならないのは致し方ないですね。次回はもっと本格的な自然のなかへ行ける時間の余裕を持ちたいところです。Okavango DeltaKalahari砂漠Zanbezi川、またライオン、象などの動物の多さ等々、それこそがBotswanaの魅力ですから。

27日の午後はLobatse (ここにも Western Union (資料1) がありましたよ)にある JOGMEC (JOGMECに限らずいつものことですが、ウェブサイト何とかなりませんかね。もっと工夫ができると思います。)を訪問しました。衛星から資源調査をしているのです。現地で活躍している鈴木所長、沼田さん、ご苦労様です。この日は「Mokolodi Nature Reserve」を大きく回った形で、約200キロ、車での移動でした。

どこでも活発な議論ができて、とてもよかったと思います。日本との2国間、そしてさらに大きな枠組みで、どんな協力体制ができるか、これからの課題はたくさんあります。

ボツワナから-2; 国内外との送金、携帯とWestern Union

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ボツワナの写真はこちら;  http://www.flickr.com/photos/whsaito/sets/72157623508216878/

ボツワナはとても広い面積の国です。いろいろ話を聞いて見ると、携帯電話は広く普及していますし、皆さん共通言語は英語ですし、義務教育は全体にいきわたり、日本の高校一年まではほとんどが進学するようです。授業料は不要です。立派な国です。これらはこの国の強みです。

ところで、先日の「Western Union」 の件で、日本の鎖国政策がいかにひどいものかについて書きました。

これについていくつかご意見をいただきました。Vodafoneが中心になってKenyaと英国の間での携帯電話をつかった送金サービス が始まります。Kenyaでは「Safaricom」と いう通信会社が携帯電話での小額の送金を可能にしています。これこそが、多くのアフリカの国のような、交通、通信など社会インフラが十分に広がっていない国ではとても便利ですね。「Western Union」といっても銀行も窓口がなければなかなか送金は難しいでしょう。新しい「Demand-driven innovation」です。

このボツワナの国内の送金は携帯電話で簡単にすませるようです。Western Unionのオフィスを街中で見かけました。

アラブ首長国連邦のように海外からの労働力に大きく依存している国では、この母国の家族への送金は大事なビジネスになります。送金は、年に1兆円近くにもあるようで、より透明な形で携帯電話を通じた送金ができるようになるようです

日本の銀行では、このような小額送金を携帯電話などで簡単に利用できるようにするのに反対なのでしょうね。なぜでしょう、とても高額の手数料で結構大きな収入を上げているから反対なのでしょうか。このような大きなパラダイムを変える「Flattening世界」では、その変化に対して抵抗する企業は確実に どんどん衰弱します。しっかりしてください。

ボツワナから

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ボツワナの写真はこちら; http://www.flickr.com/photos/whsaito/sets/72157623508216878/

来ましたよ、ボツワナBotswanaへ。

成田からHong Kong、Johannesburg 経由で、正確に24時間後にここの首都Gabaroneに到着。快晴、暑いけどカラッとしています。直ちにWalmont にチェックイン。

午後から、BEDIA Botswana Innovation Hub と政策についての意見交換。ホットな議論になりました。
課題は、Botswanaの利点、強さをいかし、弱さをどう認識しながら、中長期的成長への戦略的政策を、フラットな世界への転換を見据えて立案し、進めるか、ここです。どこが利点、強さと考えますか?どこが弱点と考えますか?

一方で、今日はトヨタのアメリカ議会でのヒアリングが進んでいます。とても大きなニュースになっていますね。日本でも大きく伝えられていると思いますが。