沖縄大学院大学の学長にJonathan Dorfan氏が就任

→English

ご存知かと思いますが、沖縄に研究大学院を、という構想が進んでいました。

この構想が始まってからほぼ10年、OIST (Okinawa Institute of Science and Technology)独立法人としてSydney Brenner氏を理事長にこの数年頑張ってきましたが、内閣府担当に始まり、何もかにもが新しいグローバル時代への世界に開かれた研究機関という画期的な構想です。特にBrenner氏の広い視野と人脈は驚くほどです。

従来にない構想のためもあり、国内の研究者たちを含めて理解もなかなか進まず、いろいろ苦労しながら、ようやく大学院大学への道筋もつき、7月に初代学長としてStanford大学のJonathan Dorfan氏資料1)の就任が決まりました。とても画期的なことですし、日本でも世界に開かれた将来志向の研究大学院が実現することはとてもうれしいことです。実に画期的なことです。

従来の日本の大学では、口では言っていても、実行になるとできなかった資料1)ことなのですから。

私もDorfan学長を支えてこの新構想を何とか成功させたいと思います。日本の科学研究の信用が、このような些細に見えることからも、世界からはとても注目されているのです。世界でも日本もようやく変わるのか、という期待も出てきたと思います。

とにかく今になっても、「学の世界」でさえも鎖国資料1)なのですから。

 

Chatham Houseで: G8からG20へ、健康と開発の課題

→English

写真提供:NHK Asian Voice日本医療政策機構

ロンドンのChatham House といえば王立国際問題研究所 The Royal Institute of International Affairs といわれる世界でも有数な国際問題関係のThink Tankであり、デイベートの場であり、しばしば「Chatham House Rule」  といわれる原則でもよく知られています。

このChatham Houseと米国ワシントンDCのThink Tank、国際戦略研究所 CSIS (Center for Strategic and International Studies) (資料1) 、 と、私たちの日本医療政策機構  Health Policy Institute Japan が、この1年ほどかけて準備してきたのが、今回6月30日にChatham Houseで開催された会議です。この会議は、その数日前にCanadaで開催されたG8 Summitのタイミングを受けてのもので、「Global Health: What’s next for the G20? Investing in health and development」 がテーマです。

Agendaパネル参加者後援 などすばらしいと思います。全体で200人ほどの方がお見えになりました。日本からは政府代表として尾身 茂 前WHO西太平洋事務局長が出席、日本大使館からも岡公使ほか、またJETROからも来てくださいました。NHKも取材にきてくれました。ありがとうございました。

このように、政府ではなく、独立したThink Tankなどが主催し、グローバルなアジェンダ設定する会議を組織し、議論をまとめていくのは、これからの世界ではとても大事なプロセスですし、また参加することはとてもいい経験になります。私も1日の議論を聞きながら、最後のまとめの役割でした。この会議の成果をどのような形にするか、次に何をするか、これもつめています。

このようなことは言うのは簡単ですが、ここまでくるのもとても大変です。このような企画を私たちがいろいろ工夫しながら進めていることは、このサイトでも何回かメッセージ (資料1)を書きましたし、また報告などを出しているところです。一番大事なことは、グローバル世界では、そのような「世界の仲間たち」の中での「個人」としての信用の構築がもっとも大事なことなのです。

従来の日本ではこのような役割は関係省庁、つまりは政府、役所のことであり、あるい産業界では大企業などのことであろうか、と多くの国民もそのように思い込んでいたところに日本の基本的問題のひとつがあると考えています。いってみれば、まだまだ「市民社会」Civil Societyになっていない、ということです。

「お上に」頼らない、独立した個人の活動と信頼が、特に「グローバル」な「フラット」な世界では、いかに大事なのか、しっかりと認識し、活動できる人材を一人でも多く育てたいものです。

 

Harvard大学関係へのCommentaryなど

→English

今年のことですが1月5月 (資
料1)
の2度ほどHarvard大学関係の活動に参加しました。

1月の会議は何か出版されたわけではありませんが、5月の会議 の報告はChatham House Rule で参加者内部の文書として作成されました。参加者の一人の栗原さんが「黒川教授の話で笑ってしまった、、」(p.3 の左カラム) と書いていますが、私にとっては「うれしい名誉」なことです。

この部分の短い記述がありますのでここで以下に紹介します。

Session 2: Biotech Models for Development
、、、、
‘Panelist Kiyoshi Kurokawa, National Graduate Institute for Policy Studies, Japan, addressed the issue of biotechnology by first delineating some key issues related to its development ? globalization, food and water, environment, and biodiversity ? and then discussing some of the challenges facing countries interested in advancing biotech. Citing Ghana and Botswana as examples, Kurokawa argued that developing countries have little need for the newest and most scientifically intricate technologies, like genetic recombination. Rather, they need simple technologies that can be used to improve the quality of life for local people.

Kurokawa advocated the deployment of existing technology to address the most severe of world crises, like food and water shortage. Such use of technology could also result in bottom-up growth and benefit social entrepreneurs. Again emphasizing the local, Kurokawa further argued that biotech enterprises should also consider how “indigenous knowledge” might propel new developments in biotechnology. Local remedies, like the use of bark to treat malaria in China or of aspirin, have the potential to help biotechnology better address the “big needs” of the world today.’
、、、、、、
‘In the discussion that followed, Kurokawa re-emphasized his position that while frontier science contributes important discoveries, these discoveries should be shared and there should be a collective effort to apply new advancements to the betterment of the human condition.’

もうひとつは、Harvard Asia Center の発行する「Harvard Asia Quarterly」  に依頼された原稿で友人のWilliam Saitoさん と書いた以下のタイトルとサマリーのCommentaryです。

Global Climate Change:
The Interconnection with Medical Technology and Health Care

Medicine, along with culture and technology, can both cause and resolve the problem of climate change. Medicine has helped reduce infant mortality and increase longevity, thus contributing to overpopulation which results in excessive pollution and resource consumption. But it can also help solve these problems by providing better forms of contraception and education.

原稿の全体は約7,000 wordsとちょっと長いですが、時間のあるときにでも読んでいただければ幸甚です。

「タフな東大生を育てる」: 東京大学の講義シリーズ

→English

東京大学の浜田総長は去年12月、「タフな東大生を育てる」 というメッセージを掲げました。

その一環として、今年の4月から主として教養学部時代の学生を対象にして「グローバル時代をどう生きるか―プロフェショナルが語る新しい可能性」新しい講義シリーズが始まりました。講師、タイトル、講義のあらましなどはウェブ で見ることができます。確かにすばらしい方たちをお招きしています。私もお招きいただき、感謝ですね。

今学期の最後は6月25日(月)の午後。私の担当でした。ちょうど、夜明けまでWorld Cup「日本vs Denmark」戦があり、しかも日本が「3-1」で勝ち、初めて決勝トーナメント進出を決めたとあって、寝不足であまり参加者が来ないのかな、とちょっと心配しましたが、杞憂だったようです。

皆さんの反応もよく、もっともっと自分を探す旅をすることの意義 「休学のすすめ」 (資料1)の話、Steve Jobsと彼のスピーチ を聞く、見ること、自分個人の、そして日本の「強さ」と「弱さ」その由来、などの話をしました。

質疑応答も、多くの素敵な質問も多くとても楽しめる時間をすごしました。みな、目が輝いています。一人ひとりに、これからのすばらしい将来をつかんで欲しいのです。

若い人たちには、「グローバル時代」へ向けてもっと広い世界を知ってもらい、自分のしたいこと、目指したいことを探す時間を持つようにしてほしいのです。大いに世界に人脈を作り、個人としての自分を探し、世界に活躍の場を広げる可能性を見つけてほしいのです。このサイトでも繰り返し勧めていることですが。

大学の先生たちも、企業の方たちも、学生さんにはいろいろな期間、形式、プログラムなどを使ってでも、学生自身の企画でもいいので「休学をしてでも海外へ出てみること」をぜひ勧めてほしいし、それぞれができる範囲ででも支援、応援してほしいものです。

何しろ、未来は若者にあるのですから。

熱い思いで世界の役に立つことをしたい学生さんたち、この夏、8月に出かけてみないか?

→English

このところ何回か紹介している「Global Change Maker Program」。早稲田の学生さんたちが中心になって自分たちで立ち上げ、いよいよ第1号プロジェクト、「E Education」がYunus教授の率いるGrameen銀行と始まります。

若者たち、学生さんたち、この夏の活動にぜひ参加してみませんか?

以下が案内です。振るって応募してください。去年参加した人たちにもお会いしましたが、皆さんもすっかり目覚めて、積極的な人たちになってきましたね。すばらしい計画です。

彼らのサイトは;
1.http://profile.ameba.jp/wakurevo/
2.http://astu0301.blog13.fc2.com/などなど

そしてこの「You Tube」 を見よう。

私のblogでは;
2010年6月6日 
2010年4月14日 
2009年 6月29日 
2008年12月19日 

今年も8月18-29日。以下のようなプログラムです。奮って応募しよう、世界を見よう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
10年 後 、 世 界 を 動 か し て い る あ な た へ 。
+ Global Change Maker Program +
世界を変えるチカラを身につける、とびっきり熱い12日間。
詳細・お申し込みはこちら ⇒ ⇒ ⇒ http://www.gcm-p.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

世界最高峰社会的企業グラミングループ共催のもと、バングラデシュ農村で実施する実践型チェンジメイキング能力養成プログラム参加者募集のお知らせ です。

◆プログラム内容について◆
グラミングループの1社であるグラミンコミュニケーションズ内グローバルコミュニケーションズセンター(以下GCC)、そしてGlobal Change Makers Program(以下GCMP)事務局の共同運営によりこの夏提供される次世代チェンジメーカー創出プログラムです。GCCインターンシップ生としてバングラデシュの農村でのフィールドワーク調査実施後、そこから発見した問題のソリューションアイデアをグラミングループ、そしてバングラデシュへ提案します。

※このプログラムはグラミン銀行へのインターン、及びマイクロファイナンスに特化したプログラムではありません。

◆参加者のメリット、得られる力◆
ありのままの貧困を肌で感じ、本を読むだけでは見えてこない「世界的視野」を獲得できます。本プログラムは、単なる学びの場ではなく、リサーチから アイディアを得て提案する、というアウトプット重視型です。現地大学生通訳と共に調査チームを構成し、現地に入りこんだフィールドワークを行います。これ により、身体を耳にした本当の貧困の現場が見えてくるはずです。そして自分のアイディアを主体的に提案していくことにより、スタディツアーでは養えない 「フィールドワーク力」「問題解決力」が身につきます。参加者が収集した情報や村人の声、トライアル等の結果は「視える形」で残るとともに、次回のプログ ラムに引き継がれます。グラミングループの方々、そして私たち日本人学生とで共に世界を動かすソリューションモデルを創っていきましょう。

◆プログラム概要◆
○プログラム実施予定期間
2010年8月18日~8月29日(12日間)

○参加資格
・大学生以上(外国籍生も可)
※社会人の方、大学院生の応募も可能です。その場合、あくまでもプログラム主体は大学であるということを予めご承知おきください。
・日常会話レベル以上の英語力が望ましい。

○プログラムスケジュール(予定)
    7/31    事前説明会(東京都内)
    8/18    都内宿泊施設にて、帰国前研修  (※参加必須)
    8/19  出国(成田発)、バングラデシュ・ダッカ着
    8/20  グラミン銀行本部にてプログラムオリエンテーション
    8/21~8/25 5チームに分かれ、農村にてフィールドワーク調査
    8/26  プレゼンテーション準備
    8/27  ダッカにてバングラデシュで活動している日本人との懇親会
    8/28   プレゼンテーション、フリータイム 深夜:バングラデシュ発
    8/29   帰国(成田着)、解散

○参加予定費用
15万円程度(航空代、現地生活費込)
※航空券価格、現地レートが不確定のため暫定価格となっております。ご了承ください。確定次第、こちらのサイトにてお知らせ致します。

◆募集要項◆
○募集人数
大学学部生15名、社会人・院生5名
 
○参加者選抜方法
簡単なショートエッセイ,そして面接にて評価・選抜させていただきます。
 
〇募集締切
2010年6月30日

〇申込方法
応募要項・注意事項をHP(http://www.gcm-p.com/)にて確認の上、HP上のエントリーサイトよりお申し込みください。

バングラデシュで世界一アツイ夏を!世界をもっとワクワクさせたいワカモノ、大募集!
ご不明な点がございましたら、下記メールアドレスまでお問い合わせください

問い合わせ先
GCMP日本事務局 お茶の水女子大学2年
永岡由衣
info@gcm-p.com

New York City、すばらしい季節、すばらしい議論、若い医師たちとの再会

→English

ソウルから14時間、JFK空港に到着。空から見ていてもすばらしい天気でしたが、飛行機から降り立つとカラッとして、まさに一番いい季節の天気です。

ManhattanのMid-Town、Le Meridian へ。今回は以前にも紹介した東京大学のPresident Council資料1) の会議です。小宮山前総長のときに始まり、濱田総長もこれを継承して活動しています。前回は去年の11月、濱田新総長の下で東大の駒場キャンパスで開催 され、Bill Emmottさんの講演、Victor KK Fungさんのセミナーなどもありました。

ホテルチェックインして一休み、Central Park資料1)を小1時間ほど、新緑とそよ風の中を歩きながらMOMA  (月曜日で休館、残念)、Madison Avenueを楽しみながらすばらしい午後の時間をすごしました。

夕方はレセプションをかねて、現地の東京大学卒業生の会 (大学のアーカイヴ 2001年6月8日参照)があり、大勢の関係者が参集しました。何人かの懐かしい顔にもお会いし、新しい方たちにもお会いしました。

翌日の会議にはタイのProfessors Chulabhorn Mahido王女、Vartan Gregorian、Rita Colwell、Kari O Raivio、マイケル吉野Harvard大学名誉教授 などの学者たちや、AT KearneyのP Laudicinaさん、もとMcKinseyの横山ヤスさんなどの委員の参加がありました。

今回の特別ゲストはSwarthmore Collegeの学長Rebecca Choppさん(資料1)です。今回の会議では「Liberal Arts」教育を中心テーマでした。これについては、別に次のpostingに書きます。

夜は、NYCで臨床研修をしている、そしてそのOB/OGの若手日本の医師たちと夕食を楽しみ、いろいろな話題に大いに盛り上がりました。このような人たちが一人でも増えること、活躍の場を日本の外に広げていくことが、日本の将来と世界からの信頼にとって大事なことです。このような若者の活躍が若者たちへ広く知られ、彼らの目標の一つになっていくこと、これらが日本のグローバル人材の育成にとっても大事なことです。

「国際保健政策サマープログラム」へのお誘い

医療政策機構のプログラムの一環として、東京大学大学院と共催で国際保健政策のサマープログラムが7月25- 8月1日にわたって、東京大学本郷キャンパスで開催されます。

このサイトの案内でもお分かりのように、保健、医療を含むグローバルな課題に対し、省庁、ビジネス、NGO/NPO、アカデミアなど、様々なかたちで関わるプロフェッショナルへヒアリングを行い、実際に政策提言を作成、提出するというプログラムです。

将来、国際機関での勤務を目指す大学生・大学院生(医学生含む)、ビジネスやメディア、NGO/NPOなど様々なかたちで地球規模課題解決に取り組むキャリアに興味のある学生を対象とし、政策提言作成、実際に議員に提出という実践的プログラムを通じ、将来のキャリア設計の一助となればと考えています。

実は、私のこのサイトからリンクしている医療政策機構ではご案内しているのですが、ここでの興味のある方も多いかと思い、ちょっと締め切りが迫っていますが、ご案内します。

今週6月18日(金)が応募締切なのです。奮って応募してください。

お問い合わせは、上のサイトを訪ねてください。

 

ソウルでアジア太平洋腎臓学会

→English

先日も、久しぶりに国際腎臓学会の活動 にちょっとだけでしたが参加したことをお伝えしました。

6月1日夜、Dohaから帰国。翌日は慶応大学の矢上キャンパスで、去年に続いてSONY寄附講座の所 眞理雄教授のイノベーションシリーズ の講師をしました。翌日3日、いくつかの用事を済ませてソウルへ向かい、COEX で開催されたアジア太平洋腎臓学会 (資料1)に参加し、まずOpening Plenaryの司会を会長のHo Yung LEE教授と務めました。

久しぶりに多くのアジア太平洋諸国の方々や、欧米の参加者ともお会いでき、とても楽しい時間を過ごすことができました。私は国際腎臓学会の理事、理事長時代にはせっせと世界中へ出かけていましたので、当時お会いした若い人たちが、大きく成長してそれぞれの国、世界の場でもリーダーになっている方たちも多く、久しぶりにお会いできてとても嬉しい時間をすごせました。私事ですが、前回、2年前ですがありがたいことにこの学会に新しく設置された「Priscilla Kincaid-Smith Award」 の第1回を受賞しました。彼女はAustraliaを代表する医学者であり、特に世界的に腎臓学の発展に大きく貢献され、国際腎臓学会でもアジア太平洋では始めて理事長(しかも女性としても)になられた方です。私も多くの機会に昵懇にさせていただいていました。

会長招宴はWalkerhill Hilton  の別館(韓国テレビで人気だった「Hotelier」 の舞台のひとつAston House の庭(ウェブ上でも写真が楽しめます)で、ここは南北首脳会談のために建設されたとか。多くの友人と歓談の時を持つことができました。

学会は途中で失礼して、7日にIncheon飛行場 からNew YorkのJFKへ、14時間のフライトでした。

日英米韓国、ガン臨床治験会議 ?その報告

→English

5月29日付けで日英米韓国のガン臨床治験会議を開催したことを報告しました。

その報告が「医療政策機構」のホームページ に出ています。

どのセッションも充実していましたが、日本側からすると注目したいのは、韓国の臨床治験のこの数年での急速な国際化と急成長です。プレナリーセッション の3番目 (最初が厚生労働省の宮田さん、ついでPMDAの近藤理事長) の韓国のソウル大学のYung-Je Bang教授のスライド (特に後半に出てくる図、#7以下です)で見て取ることができます。特にガンの治験は治験の主力になっています。

これらの急速な変化は、政府、大学、医療界、企業等々の関係者の協力と思い切った集中と選択、さらに国際化(国際システムの導入)などの決断と実行力に負うところが大きいように思います。

日本もどんどん国際的な治験に、早期のフェーズから同時進行の形で積極的に参加するのが一番早そうです。これを推進するのには患者さんと家族の理解と協力と圧力が大事でしょう。

いわゆる「Drug Lag」は審査機構ばかりでなく、企業の決断と臨床治験でのスピードも大事な要因です。

Doha, Qatar -3: グローバル時代の教育、日本への懸念

→English

グローバル時代と急成長するアジア、そして世界大転換期の予測の時代を迎えて日本の教育には問題が「おおあり」 です。

従来の教育を受け、60-90年代までの経済成長時代を経験した人たちとこの20年のジャパン・「バッシング → パッシング → ナッシング → ミッシング」 を過ごしてきた人たちが、大学を含めた教育界、政府、産業界で主流なのですから、グローバル時代への教育改革の本質が見えていないのではないか、といぶかりたくもなります。

人口に比べると、日本では海外の大学で学部教育を受けている人があまりにも少ないのです。大学院でも自力で正式に入学し、正式に卒業した人も少ないと思います。特に男性では企業や役所など「組織」からの「派遣」でMBAなどを経験した人が多いのではないかと思います。

歴史的背景があったとはいえ、成長するアジアの中で特に日本が英米など海外での大学教育、さらに「エリート」を育てる「Boarding School」卒業の人材が、人口に比べてもあまりにも少ないのです。それでいて「リーダー」といわれる立場の人たちが、物知り顔で「教育のあり方」を大声で叫ぶのです。

もちろん日本の一流大学もいいところです。でも、日本の「エリート」(政治、企業、政府などなど、大学はどんなものでしょう、、、)たちが、今もってあまり英語をしゃべらず、最近では中国や韓国のエリートに比べても国際的な場でのアッピールや発信能力で、正直なところ一般的に見て「勢い」からして負けていると思います。

Dohaでは「教育」のセッションがあり、各国ともグローバル化へ向けた次世代の育成に真剣に取り組んでいます。従来の教育とは違った課題があることを強く認識しています。

その点で、JordanのRania王妃 の本質を突いた教育についてのメッセージは素晴らしいものがありました。ウェブ資料1)で聞いてみてください。彼女はこのフォーラムでも発信力の大きいすばらしい方です。

今回の「Doha, Qatarシリーズ3報」には、石倉洋子さんのblog の5 月30 -6月2日掲載分も、ぜひとも参照してください。私の意見ともあわせて、とても参考になると思います。