慶応SFCのクラス; 最後の授業は最高のパネル

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私の慶応SFCのクラス、今学期最後の授業が終わりました。

最後の2回は、年末までに提出してもらったエッセイの相互評価(ピアレビュー)と、その結果発表とパネルです。

エッセイのテーマは「10年後自分の姿と、そのために2年後にしていること」。

ピアレビューの評点合計のトップ6人でパネル。クラス全体が素晴らしい人たちばかりですが、その中でも評価が高かっただけのことはあります。司会は第2回では話を聞かせてくれたWilliam齋藤さん資料1)。学生さんたちにそれぞれの生き方を示唆してくれた多くのゲストの方々の応援を受けてできたこのクラス。この最後の授業のパネルはこのコースで一番面白かったかもしれない、と思いました。何しろクラスもパネルも1-4年生の混成ですから「若いのにすごい」、と思いませんか?

最後の2回のセッションは東京工業大学大学院から、この2年弱をMITですごし、かなり強烈な刺激を受けて帰国したばかりの鹿野くんも参加。このクラスのような場合のtwitter「まわし方」の役を務めてくれて、twitterも大いに盛り上がっていたようです。MITやシアトルからもクラスに参加してくれていましたね、ありがとう。彼はBostonにいたときからこのクラスに参加していました。

写真も撮ってくれました。

宮入くん、遠藤さん、それぞれTA, SAをありがとう。ゲストの皆さんにも本当に貴重な時間と話をありがとうございました。

とても楽しい1学期でした。

ACCJ 2010 Person of the Year、なぜわたしが?

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ACCJとは「American Chamber of Commerce in Japan」 の略で、「日本にある米国商工会議所」です。多くの国に、そのような組織があるのは当然です。2国間交流のなかでも、ビジネスや産業界の交流は双方にとって経済の根幹ですから。何回か講演の機会もいだきました。

いくつもの政策提言などを発表するのも1つの大事な機能です。最近では、日本の成長戦略健康政策などへの提言を発表しています。

しかし、私はビジネスマンではありませんし、この連絡を受けたときは、本当のところびっくりしました。でも、お話を聞くと、日常的に私のしていること、発言していることの根幹は、日本を世界へ開かれた国にすること、激変するグローバル世界に,日本と将来を担う若者の育成に最も重点を置いていたことなどを高く評価していただいた様でした。このような活動は、私は教育の世界にいるのですから当然のことですけどね。

私のインタービュー記事資料1) も読むことができます。かなり辛らつと感じられる方も多いかもしれませんが、これらは私が医師という日本の組織に関係のない「個人の資格」で、15年ほどの在米から1980年代中ごろに帰国してから常日頃から言っていたことであり。このサイトや、多くの著書 、エッセイなどでも発信していることです。

いろいろご意見はあると思いますが、これは個人への批判でもなんでもなくて、私が日ごろから懸念している日本への発言の趣旨とほぼ一致していると思います。

わたしをこんな人間であると認識して選んでくれたACCJに感謝しています。そして、これを名誉ではなく、私に与えられた1つの任務として、日米ばかりでなく、日本と世界をつなぐことで、ACCJの活動を通して、私が出来ることをしていこう、と考えています。例えば、`今までの大学での活動や「Think Tank」 強化のほかにも、最近立ち上げた「Impact Japan」 の活動とか、いろいろ考えられます。

この「事件」について何人の方達からメールを頂き、石倉洋子さんがblog で紹介してくれました。

ACCJを拠点に1つ新しい任務が出来たみたいで、ワクワクしています。

「若者は内向き」なの? では大人たちは?

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このところ、「内向きの若者」という意見がメデイアなど、そこかしこで見られるようになっています。

本当でしょうか?このサイトでも1月12日付けで書きましたがそんなことはない、さらにほかにも「そんなことはないのでは?」 という意見が出てきています。

1月12日でも書いてあるように、「いまどきの若者の親の世代」を囲む日本の社会状況や、「それよりも上の世代」にしても、自分で決断し、自分で退路を絶って海外へ出かけた方(特に男性)はそれほど多くはないと思います。

経済成長していた1960-90年の間、そしてその後でも、多くの方達は、社命や、役所からの留学、海外駐在が多かったのでしょう。そして、多くは数年で帰国するなりしています。自分の決定で滞在している海外ではないのです。言うなれば、何年海外にいても基本的には「出張」なのです。

Harvard Kennedy Schoolの栗原さんも最近の「Cambridge Gazette」で、同じような見解、体験を発信しています。皆が心配しているのです。(今回の「Harvard Gazette」は少し長めなので、まず最後の編集後記から読むのも面白いと思います。)

若者のことには意見を言っても自分たちのことはタナに上げている。若者たちは直感的に「そうかな?」、と気が付いているのでは、と思います。この点については、白洲次郎も指摘 しています。

若者を励まし、応援することこそが、大人たちの役目です。

OIST Symposiumへ参加、チャレンジしてみよう

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風光明媚な、沖縄の恩納村の海辺を見下ろす陸に位置するOIST(Okinawa Institute of Science and Technology)は、日本に出来たまったく新しい科学研究機構ですが、いまや大学院大学へ変身中。

建築も進み、素敵な概容を見せ始めています。多くのSymposiumが、海辺の会議場で、世界一流の科学者たちが集まって開催されています。

一度参加してみませんか?

そんな機会へのご招待です。春休みの3月14-18日。あなたのすることは、エッセイコンテストに応募することです。英語で500字。締め切りは1月31日、On-lineで送ればいいのです。

「日本在住の自然科学分野の学生または修士課程の院生を対象に、英文で懸賞論文を募集中。論題は「学際的アプローチの有効性について」。副賞は3月の入選者限定ワークショップに招待です。詳細はこのサイトで

締切りも間近ですが、大丈夫。集中し、考え、整理しつつ、まず書き始めること。

意欲ある応募者を広く募っているのです。チャレンジのときだ。

 

St Gallen Symposiumへ参加、チャレンジしてみよう

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Swissの風光明媚なSt Gallenの町。St Gallen大学の学生たちが主催するSt Gallen Symposium が、5月12-13日に開催されます。素晴らしい場所で、世界のリーダーたちの話を聞き、個人的にも近しくお話しできる機会です。多くの学生さんたちと新しい友人が出来るでしょう。

私も2度ほど参加 (資料1)しましたが、いろいろ出来ることで応援しています。40年の伝統のある素晴らしい企画ですし、ぜひ皆さんにも参加できるといいな、と思います。

今年も、そのような機会があります。いつものことですが、エッセイを書いて応募するのです、英語ですが。

石倉洋子さんのblog (資料1)でも紹介されていますので、訪ねてください。

集中して、考え、書いてみる。何事も挑戦しなければ、得られないのです。応募の詳細は、ここを見てください。締め切りが近い(2月1日)のですが、大丈夫。

ぜひチャレンジして見ましょう。

 

東京大学ブランドは世界に通用するか?

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田村耕太郎 くんという若手の代議士(いまは、Yaleへ?)がいます。

私も何度かお会いしましたが、元気が良くて、ハキハキしているし、このような「元気印」もなかなか良いね、と思っています。彼の経歴(これがなんともいえない「凄み」のある履歴、、)、主義主張、ファッション(これがまたカラフルなのだ、、)などについての意見もはっきりと自分のHPに書いています。

勿論、blog, twitterも書いていますが、その最近の1つが「東大ブランドは世界には通用しない:灘高トップはエール大学を選んだ」という過激なものです(ちなみにこの灘校生はHarvardにも合格したけどYaleを選んだということです、、)。

しかし、ここに書かれているYale大学での学生生活の刺激的なことは、日本の高校、大学生さんたちに、また大学教育にかかわる人たち、企業人、また政府や政治にかかわる、またメデイアなどのいわゆる「リーダー」といわれる方達にどう響くのでしょうか?

ここは、まず読んでのお楽しみ。いずれ、この話題について議論しましょう。

「休学のすすめ: 海外出る若者 応援しよう」

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去年1年、機会のあるごとに「休学のすすめ」 を学生さん中心に提案してきました。若者反応は悪くないです。少しずつですが広がりを見せているように思いますが、「朝日新聞」に投稿しました。これが1月14日の朝刊「私の視点」に掲載されました。

きわめて限られたスペースで、以下のように、話は進みます。このタイトルが、このカラムのタイトルです。ゲラ段階で修正できなかた所も2,3ありますが、皆さんで、メール、blog、twitterなどでも広げていただけるとうれしいです。

若者は決して内向き (資料1)ではありません。「若者は社会を映すかがみ」なのです。

政府も、企業も、教育機関もしっかりしてください。若者こそが日本の将来を担う人材、人財なのですから。

「私の視点」

■ 「大学の学部生のうちに、休学してでも海外に出て見聞を広めてほしい。かねて、そんな「休学のすすめ」を訴えてきた。

■ どんな分野であろうと、リーダーになるには幅広い人脈がものをいう。さらにグローバル化が進むこれからの時代には、若いときに独立した個人として「同じ釜の飯」を食べた外国人の友人たちは、その後の人生の貴重な財産となるからだ。

■ 大学に短期留学するもよし。途上国でNGOの活動に加わるもよし。海外企業でインターンシップを経験するのも意義があろう。ところが、いまの日本には、「海外に出てみよう」という若者を後押しする体制がきわめて心もとない。私にメールをくれたり、会いに来たりする学生たちが真っ先に気にするのは授業料の問題である。

■ 国公立大学だと休学中は授業料が免除されるが、私立大学は授業料を支払わせる場合があるようだ。人材を育成するはずの大学が経営を優先しているようにも見える。実に情けなく、嘆かわしい。休学している間は授業料を免除できないものか。行政ももっと関心を持って取り組んでほしい。

■ 問題は授業料だけではない。海外の大学との単位の互換や一定期間の転校など、海外での経験を復学後の実績として生かせるようなシステムも充実させるべきだ。大学はどう考えているのだろうか。

■ 若者のみなさんにも注文したい。内向きになるのではなく、海外に飛び出してみるというチャレンジ精神をもっと持とう。バブル崩壊後、若者も親も安全で安定した人生を第一に考えるあまり、海外留学のリスクを避けるようになってはいないか。

■ 大学3年生になるとシューカツ(就活)に走り回り、少しでも早く、一つでも多く内定を取ることに血道をあげる。グローバルな人材など育ちようもない。すでに国際的な政治や経済、外交における日本の存在感が薄れつつあるというのに、次世代の人材まで育っていないようでは地盤沈下を止められない。そんな危機感を抱く。

■ 各国の若者は、優れた人材が輩出してきた欧米の名だたる大学に果敢にチャレンジしている。質のいい教育を受けられるのはもちろん、国籍や人種を超えた交友のネットワークを広げられる。歴史や文化の背景が異なる仲間たちに刺激されれば、自分のやりたいことや目標も見えてくるだろう。個人のキャリアの利益になるだけではない。グローバルな人材は、その国の政治や経済、社会の根幹となり、国の将来をも左右する。それが世界の常識だ。

■ 日本の将来を背負う若者の背中を押し、どんどん武者修行してもらう。大学も企業も親も、社会全体でそういう意識を共有しなければならない。休学して海外に出る若者をみんなで応援することが「人財」を育て、日本の将来を明るくする。」

2011年1月14日(金)朝日新聞19面より

 

休学のすすめー若者は内向きなの?

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このところ、「内向き日本の若者」がメデイアにも盛んに書かれています。本当でしょうか?

先日のある講演会でもそのような話が出ていましたが、私の見方はちょっと違うな、と話しました。慶応SFCでも話したことですが、今回は要旨を大きくまとめJSTの小岩井さんが書いてくれたので紹介します。「休学のすすめ-日本が求める人材とは」というタイトルです。

一方で、この問題について意見はいろいろ出ています。当然のことです。『「若者は内向き」の欺瞞』資料1, 2)の意見は、私もその通りだと思います。

グローバル時代の日本の大学資料1) はどうなのか、大企業の採用制度(学部3年生で内定など)(参考:パソナ)はどうなのか、などなど、従来の慣行から変われない組織が多いですね。

いつも言っているように、大学生の親の世代、その上の世代でさえも「独立」した「個人」で海外に行った人は極めて少ないだろうと思います。企業から、役所からの留学資料1)、出張だった方達が多いはずです。

将来ある若者にこそ、もっともっと「個人」の資格で、短期でもいいので「外の世界」を見る、感じる、自分を見つめるなどの機会を増やすなどしながら、自分を探し、一人ひとりのネットワークを作り、変わっていく世界を見据えたキャリアを開拓していく応援をしたいものです。

やはり、今のところは「休学のすすめ」(資料1)でしょうか。

慶応SFCのクラス、土屋アキラさん、小手川大助さんをお迎えする。

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私が、慶応義塾大学SFCキャンパスで2010年秋学期クラスを持っていることは、何回か (資料1)お知らせしました。

土屋 聡(アキラ)さんはSFCの卒業生、Harvard, Columbia, Georgetownの大学院で学び、この何年かはWorld Economic Forum、通称「Davos」会議のGeneve本部と日本の事務局と掛け持ちでがんばっています。もう10年近いお付き合いで、いろいろな機会にご一緒しています。私はちょうどDoha に行っていたので、残念ながら、彼の話を聞くことができませんでしたが、後で彼からの話を伺いました。学生さんの評判もとても良かったと聞いています。何しろ世界を舞台に活躍するSFCの先輩が実際の活動についての話ですから。この講義は、まだ広く公開できないPowerpointがいくつもあるので、学内限定のアクセスになっています、残念ですが。

次の週は、IMF の理事、最近Washington DCから帰国、財務省を退官した、とてもスケールの大きいユニークな国際派、実力派の小手川大助さん(Googleするといくつも出てくるが、決定的なのが見つからない、、)。彼のような人は最近では珍しい、「国士」とでも言えるか。いくつもの言語を操りますが、今は中国語を個人tunorから習っているとか。さらに磨きをかけているのでしょう。

今回の講義 は英語で国際金融の話、20年前の日本のバブル崩壊と2008年のLehman破綻、そこから学ぶこと、これからの日本と世界の予測など。これが、いかにも彼らしい、とてもスケールの大きな話でした。日本のバブル崩壊のときは大蔵省、2008年はIMFとどちらも直接の担当でしたから、彼の対応の経験からの話はとても迫力と現場感がありました。学生さんにも大きな刺激になったと思います。

私も部外者ですので、とても参考になりました。お2人に感謝、感謝。

 

「パリパリ」活動するKim Haegwanくん、「The Law of Success 2.0」と「Vabel」

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去年の6月のことです。私がLondonに来ることを知って、若い学生さんからメールでインターヴュー申しこみがあり、お会いしました。日本生まれの韓国系の方で、すばらしく元気な若者です。今は、休学して世界めぐりをしています。

ずいぶん多くの著名な方に面会していて、これらを「The Law of Success 2.0」  という彼のサイトに掲載しています。なかなか面白い企画です。

最近では、日本語サイトを開設(これで「金 海寛くん」と知ったのですが)、NPO「Vabel」も立ち上げています。Londonで会って以来、メールで交流しています。私とのインターヴュー資料1)も日英語で掲載されています。

去年の10月頃だったでしょうか、「Vabelの講演会を東京で開く予定です、参加して欲しい」 というので、引き受けました。しばらく何も言ってこないので、たまたまVabelのサイトを見てみると、なんと1月23日に東京で開催、と書いてあリます。

どこでどんな計画なのかを問い合わせました。採算も、人を集めるのも無理そうな計画でしたので、メールでいろいろ詰めました。彼が12月に帰ってきてから、さらに突き詰めた打ち合わせをしました。招聘した方達に失礼のないように、また私の名前も出ているので、支援の仕方等いろいろアドバイスしました。

でも、本人はなかなか納得しないのですね。頑固というか、、。

しばらく連絡がないのでどうしているかメールをすると、早稲田大学や東京大学の友人たちを集める、ということです。

とにかく「招聘した方達」に失礼がないよう、またKimさんのパリパリ (早く早く、というハングルことば)精神のがんばりを支援しています。

行動あるのみ、一直線といった感じ。でも、高い志と目標を持っていれば、若い時はこれでいいのです。

1月23日のVabelの会ですが、申し込みは「ここ」 です。ぜひご参加ください。