慶応SFCのクラス、土屋アキラさん、小手川大助さんをお迎えする。

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私が、慶応義塾大学SFCキャンパスで2010年秋学期クラスを持っていることは、何回か (資料1)お知らせしました。

土屋 聡(アキラ)さんはSFCの卒業生、Harvard, Columbia, Georgetownの大学院で学び、この何年かはWorld Economic Forum、通称「Davos」会議のGeneve本部と日本の事務局と掛け持ちでがんばっています。もう10年近いお付き合いで、いろいろな機会にご一緒しています。私はちょうどDoha に行っていたので、残念ながら、彼の話を聞くことができませんでしたが、後で彼からの話を伺いました。学生さんの評判もとても良かったと聞いています。何しろ世界を舞台に活躍するSFCの先輩が実際の活動についての話ですから。この講義は、まだ広く公開できないPowerpointがいくつもあるので、学内限定のアクセスになっています、残念ですが。

次の週は、IMF の理事、最近Washington DCから帰国、財務省を退官した、とてもスケールの大きいユニークな国際派、実力派の小手川大助さん(Googleするといくつも出てくるが、決定的なのが見つからない、、)。彼のような人は最近では珍しい、「国士」とでも言えるか。いくつもの言語を操りますが、今は中国語を個人tunorから習っているとか。さらに磨きをかけているのでしょう。

今回の講義 は英語で国際金融の話、20年前の日本のバブル崩壊と2008年のLehman破綻、そこから学ぶこと、これからの日本と世界の予測など。これが、いかにも彼らしい、とてもスケールの大きな話でした。日本のバブル崩壊のときは大蔵省、2008年はIMFとどちらも直接の担当でしたから、彼の対応の経験からの話はとても迫力と現場感がありました。学生さんにも大きな刺激になったと思います。

私も部外者ですので、とても参考になりました。お2人に感謝、感謝。

 

「パリパリ」活動するKim Haegwanくん、「The Law of Success 2.0」と「Vabel」

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去年の6月のことです。私がLondonに来ることを知って、若い学生さんからメールでインターヴュー申しこみがあり、お会いしました。日本生まれの韓国系の方で、すばらしく元気な若者です。今は、休学して世界めぐりをしています。

ずいぶん多くの著名な方に面会していて、これらを「The Law of Success 2.0」  という彼のサイトに掲載しています。なかなか面白い企画です。

最近では、日本語サイトを開設(これで「金 海寛くん」と知ったのですが)、NPO「Vabel」も立ち上げています。Londonで会って以来、メールで交流しています。私とのインターヴュー資料1)も日英語で掲載されています。

去年の10月頃だったでしょうか、「Vabelの講演会を東京で開く予定です、参加して欲しい」 というので、引き受けました。しばらく何も言ってこないので、たまたまVabelのサイトを見てみると、なんと1月23日に東京で開催、と書いてあリます。

どこでどんな計画なのかを問い合わせました。採算も、人を集めるのも無理そうな計画でしたので、メールでいろいろ詰めました。彼が12月に帰ってきてから、さらに突き詰めた打ち合わせをしました。招聘した方達に失礼のないように、また私の名前も出ているので、支援の仕方等いろいろアドバイスしました。

でも、本人はなかなか納得しないのですね。頑固というか、、。

しばらく連絡がないのでどうしているかメールをすると、早稲田大学や東京大学の友人たちを集める、ということです。

とにかく「招聘した方達」に失礼がないよう、またKimさんのパリパリ (早く早く、というハングルことば)精神のがんばりを支援しています。

行動あるのみ、一直線といった感じ。でも、高い志と目標を持っていれば、若い時はこれでいいのです。

1月23日のVabelの会ですが、申し込みは「ここ」 です。ぜひご参加ください。

 

税所くんの正月、Dhakaから

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Bangladeshで大活躍する早稲田大学の税所くん については、何度もポスト (資料1)しています。

最近では日本のメデイアでも取り上げられていますが、今年も早速、正月3日の朝日新聞朝刊の2面「ひと」にも取り上げられています。

記事を読んでいる朝10時ごろ、Dhakaにいる税所くん本人からメール。「本日の朝日新聞朝刊のひと欄に僕が掲載されているらしいです。ダッカにいるので記事を見れないのですが、 笑」と。

すぐに、新聞記事の内容をそのまま書いて、メールで返事。

「全文ありがとうございます!感謝です。
さっそく、今日ユヌス博士に報告してきます。
行ってきます!」、と税所くん。

私からは;
「My Hello to Yunus-san.
We may meet in Davos (Ref.1) later this month」

こんなことが30分でやり取りできるのですから、世界のどこにいても狭いものです。

「Design Thinking」、新しい時代の動き

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明けましておめでとうございます。

2011年こそは、日本ももう少し活性が感じられるといいですね、期待したいですが、、。

この2,3年のことでしょうか、「Design Thinking」という言葉が広がりはじめたように思います。人によってその解釈は違うと思いますが、グローバル世界になって、問題の複雑さへの多くの知恵の結晶かもしれません。

私のサイトでも、紹介していると思いますが、「Design」という言葉が、単なる、物や形のDesignという次元を超えて、多様で、異質な考えなどを広く、多角的に取り入れながら、複雑な問題 complex problemsを分析、理解し、「現実的な解」 practical solutionsを提示するという考え方がその背景にあるように思います。「Design Thinking」というプロセスと理解するとでも言うところでしょうか。

これは多くの分野で見られる現象だと私は感じていて、科学研究のアプローチから言えばSonyの所マリオさんの「Open Systems Science」 という考えかた、Harvard, Stanford大学などのGraduate School of Design, dSchool、また東京大学の「i.School」が出てきた背景なのだと思います。

さらに問題を整理するうえで、しばしば図示するプロセスが取り入れられます。World Economic ForumでのIdeasLabもそんな感覚でしょうか、また最近Dubaiで参加した「Global Redesign Summit」(資料1)「Global Risk Response Network」(資料1)などでも「Design、Innovation」 などのCouncilが素敵なヴィジュアルのデモを作成してくれているのも、複雑な問題の「見せる」、「見える化」することの大事さを示しています。

ここ数年、いわゆるdesignerという方達のビジネスでの活躍が目立っているのも、時代の流れと情報を図示化してみせる技法が、デジタル技術の発達で多様になっていることにも関係しているのかもしれません。奥山清行さん (資料1)、三宅一生さん 資料1)、佐藤可士和さん 資料1)などの方達です。

皆さん国際派でもあり、人間の心の本質をいつも考えているからこそ、「Open- and Demand-driven Innovation、新しい価値の創造」という時代に要請にこたえるべき視点が、自然に身に染みついているからなのかもしれません。

2009年に続いて開催した2010年のGlobal Entrepreneurship Week (GEW)でも「Impact Japan : Design Thinking」(資料1)をテーマに、若い人たちのグループをお招きしてWorkshopを開催したものそのような意図があったからです。ここから始まって「Impact Japan」という組織を立ち上げましたが、このGEW企画の活動「Design Thinking」が日経新聞の年末12月29日朝刊に、広告記事として掲載されました。

新しい時代へ対応すべく、世界の知恵が動いているように感じます。今年の日本はどうなのでしょうか。

 

AIESECの合宿に参加する

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オープニングセッションとクロージングセッションのビデオ

 


 

このカラムで海外と学生のインターンシップを推進するAIESECを紹介 (資料1)しました。

年末に、代々木の青年センターでAIESECの合宿が行われ、お招きをうけてお話をする機会がありました。150人ほどの若者が何日か合宿しているのです。企業からも応援の方々が参加されました。Works Applications (これはすごい会社、先日、LFA松田くん、と牧野正幸社長資料1) に会いに行きました、またそのうちポストします)、田中貴金属(金はさらに価値が上がりそう)、GRAPH (これも面白いです)です。

皆さん元気、元気、私も質問が出やすいように話したこともありますが、質問がドンドン出る、出る。80分程度の時間があっという間に過ぎてしまいました。その後3組に分かれて、上の3人(企業からの講師)とのクラスへ。

来年早々には、この組織をもっと世界に広げる企画を立ち上げるお手伝いをちょっと。今年は300人ほどが海外研修(写真はここ)へ、60人ほどが海外から日本に。これは完全なミスマッチです。来年度は400人ほどが海外へ、そして100人ほどが海外から、ということ。まだまだです。

これを双方向にもっともっとマッチさせながら、2011からは増やす計画のお手伝いです。

 

世界で活躍するだろう若者たちと

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 年末も押し詰まった27日、ちょっと変わったお店「酢飯屋」で、慶応義塾大学を「休学のすすめ」を実行してGhanaへ行った本庄くん 資料1) が帰国したこともあり、あちらでお世話になった商社マンのお声がけもあって、食事をしました。

本庄くんのほかに参加したのは、生まれてからほとんど日本で生活したことのない(Ethiopia, Ghana, UK and US) けど、今は帰国してICU学生の佐々木さん、相当のサッカー暦があり、大学生でもプロの歌姫の廻田さん  資料1)商社ウーマン神野さん(以上3人は女性)、Rwandaでマラリアになって帰国した東大生の佐藤くん、博多へバスで帰るので早々にお別れした一橋大生、そしてビジネスマン2人(一人がGhana在住の商社マン)、そして私のスタッフの佐原くん(医師ですが、先日はインドへ、正月はScotlandへ行ってきます)。以上が男性です。

多彩な人たちの集まりで、話のもり上がりはすごいものがありました。皆さん、楽しそうにしゃべる、しゃべる。皆さんそれぞれのAfricaでの経験とか、将来のキャリアへの抱負とか、不安とか。皆さん悩みながら、あまりに多い選択肢と自分のキャリアをどう作っていくのか、人それぞれに悩んでいるところです。

このような若者たちこそが、これからの日本で企業でも、役所でも、留学でも、どこでも活躍できる人材だ、と強く感じました。

 

「GLOBE2010」、朝日新聞GLOBEに掲載

朝日新聞のGLOBE特集の2周年記念のイヴェント「GLOBE2010」 についてポストしました。On-lineでも、山脇編集長のコメントで、この記念イヴェントにちょっと触れています。

そのときのユニークなパネリスト6人の記事が 朝日新聞GLOBEの12月20日号に掲載されたので、ここに紹介します。山脇編集長の「突破する力」についてのコメントの下に、6人のコメントがまとめられています

内向きの日本の若手研究者へ、若手研究者が立ち上がる

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若者の海外への留学志向が、減っていることはずいぶん指摘されています。これは、科学者の世界でも同じことのようです。特にグローバル時代へむけてアジアの若い研究者は英米へと多くがキャリアを求めて学びに行っています。それが、世界のトップの目指すキャリアを開いてくれる可能性が高いからです。

2,3年のPost-Doc留学後、出身の大学、研究室に戻る人が多いのですが、PhD取得への留学、さらにそこからの海外でのキャリアを求めて活動することは、日本にはない別の厳しさもありますが、しかし、世界のどこでも通用するプロになる道です。

しかし、最近では日本からのPost-Doc研究者の留学も、もともと数少ない海外でのPhD取得者も減っているようです。これが最近の多くのアジアの若者が海外留学をするのと比べて、きわめて顕著に違う傾向です。特にグローバル世界に向かって、若手研究者の内向き志向、鎖国志向は困ったことです。

「日本のえらい先生」たちとは違って、米国で活躍している数少ない方達 (Princeton大学の小林教授など)(資料1)もこの傾向にはずいぶん心配をされています。が、日本の既得権者たちである「教授先生」は総論賛成でも、実際には「自分たちの手足」である若手研究者を手元から手放そうとしません。ほとんどの大学人が「鎖国マインド」 (資料1)であることは明白です。官尊民卑のヒエラルキーの「タテ社会」では、国立大学の教授職にいれば、これがなにかと1番有利ですし、何しろ自分の業績第一、と考えているからです。総論ではわかったようなことを言っても、「改革、変化」に抵抗するのはいつもそのような、いままでの社会制度の「日本での高い地位」の人たちです。その方たちの立場を考えてみれば、すぐにわかることです。自分たちの利益、不利益を考えているとしか思えません。

ところで、1年前のpostで、Bostonで活躍する日本の若者たちと話す機会のあったことを報告しました。ここで私の気持ちにとても響いたのは、1人のPost Docが「私の短い人生で1番の失敗は、日本で博士PhDを取ったことだ」(この方は有名国立大学のPhD、この件について相談したところ、教授に日本で大学院進学を強くすすられたと、、) という言葉です。自分で自立してキャリアを求める気持ちで来ているので、いっそう、その思いを強くしたのでしょう。

最近では、数少ない米英国等でPhDを取得し、海外で活躍している若い世代も同じような懸念を持って、実際の行動をはじめている人たち(資料1, , )もいます。

そのような1人が杉井しげきくん  資料1)です。そして具体的に米国でPhDを取得するにはどうしたらよいか、またそのような希望をもっている可能性のある若い方達にも呼びかけ始めています。

そのような活動の1つが、私もちょっとお手伝いした「理系大学院留学」 の出版であり、「科学者ネット」 の構築です。また、いろいろ日本での活動も展開していますが、こんなことは本来ならば大学の先生たちがもっともっと自発的に若者を激励し、留学をすすめ、若者の選択肢を広げ、支援を惜しまないことでしょう。彼らが明日を開く人材、人財なのですから。

先週、この杉井くんたちが、東京大学で開催したのが「第1回、博士キャリアシンポジウム「グローバル時代に博士号を生かす方法 -就職難の時代だからこそチャンスを勝ち取る!」資料1)です。私もお招きを受けて、JST理事長の北沢さんと基調講演をさせていただきました(講演の後、残念でしたが、税所くんに会うことになっていたので、会場を後にしました)。

この杉井くん、UCSDで活動していますが、来年からSingaporeのA*STAR 資料1)に活動の場を移すそうです。いいですね。このように世界各地で活躍する日本の若手研究者がもっともっと増えることを期待しています。

大人たちは若者に広い世界を見せ、実体験の機会を広げ、推進し、グローバル世界で活躍する人材へと成長するよう、積極的に応援してください。

世界は広いのです、世界は若者のキャリアのためにあるのです。「かわいい子には旅をさせよ」。

 

ドラゴン桜の税所くんとワタミの「夢アワード2010」

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前回12月21日付けで「ダッカのドラゴン桜、またまたの快挙だ」 という記事を書きました。これは20日に投稿されたものです。

この主人公、税所くんですが、翌日21日に開催された「夢アワード2010」で大勢の予選候補の中から書類選考から最終候補の5人に選ばれていて、21日がこの5人によるスピーチでの最終審査だったのです。前日、会場の日比谷の近くで一緒でしたので、その話も聞いていました。

主催者の話では、5人の最終候補は皆さんともに素晴らしい方達で、とても感動的な会であったようですが、なんとこの税所くんが「ワタミ 夢アワード最優秀賞」と「ワタミ特別賞」ダブル受賞となりました。税所くんのプレゼンはヴィデオで「01:57:55-02:12:33」の時間帯、そして受賞者の発表は「02:19:15-02:25:30」で見ることが出来ます。感動を共有しながら、楽しんでください。

税所くんのインターヴューもあります。

この「ドラゴン桜」は、そのスケール感、目標へのギャップの大きさ、そして実行力からも、とてもすごいことだと思います。

Bangladeshの貧困の村の人たちと若者に、大きな夢は可能であることを実践で示したことで、そのインパクトは計り知れないものがあると思います。

早速、税所くんに「しかしすごいね。最近は、あまり、いろいろありすぎるので、おだてられないように気をつけないとね。」とメールしましたが、翌日に「「賞賛は最大の罠」の精神でいきます!」と返事が来ました。いいですね。

彼は暮れの26日からまたダッカへ向かいます。

「正月はあちらですが、元気でね。」とメールしました。

 

ダッカのドラゴン桜、またまたの快挙だ

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以前からご紹介しているBangladeshで活躍する、早稲田大学を2年も休学してがんばっている税所くん

貧困の村の若者を一流大学へ合格させよう、そして村の人たちに希望を与えたい、という壮大な計画を推進してきました。

そして2人の合格者を出して現地の新聞にも大きく報道される活躍。その活躍ぶりは日本でも取り上げられています。2年前に彼と仲間たちで立ち上げ、その後Grameen Change Maker Programという壮大な命名から始まっています。

残りの受験生はどうなったのか。昨日、メールが来ました。さらに2人の合格者です。

「黒川先生

村からまた新たに2人の男子学生が国立第5位の教員養成コミラ大学に合格しました!!!

以下中間報告です!

国立No1 ダッカ大学合格
Bhuran Uddian Helal ボラル ヘラル ウデリン (男子)
1276位/36000人中

国立No3 ジョゴンナ大学合格
Jaren Akter ジャレンアクテル (女子)
2000位/70000人中

国立No5 コミラ大学合格(教員養成大学)
Muhamad. Hossian ムハマド ホッシャン (男子)
480位/40000人中

国立No5 コミラ大学合格(教員養成大学)
MD Jafor Ahmed ジャファーアハメッド (男子)
270位/40000人中

どの生徒も素晴らしい成績です!

現地では「ハムチャー村の奇跡」と讃えられています。

「村の高校生がどうやってここまで好成績で大学受験を突破するのか」
ドラゴン桜e-Educationメソッドへの注目が高まっています。

Atsuyoshi Saisho」

「いま時の若者は、、」などといっているおじさんたち、何を言っているのですか? 若者は捨てたものではありません。しっかりしていますよ。

「大学を休んででも外へ出てみようよ」、とちょっと背中を押すだけで、新しい広い世界を知り、自分の課題を見つけ、果敢に挑戦するのです。

失敗を恐れてはいけません。高い目標へ挑戦する志と勇気、試す、失敗してもそこから学び、また試みる。これです。「No Failure, no success」です。

このような若者こそが、「社会」「企業」が、そして日本が求めている「人材」「人財」なのではないですか? いわゆる「社会の常識」から外れている「出る杭」です。

だからこそ「休学のすすめ」 なのです。若者に、可能性に気がつく機会を作ってあげることです。日本ばかりが世界ではありませんからね。

皆さん、いろいろな形で、このような若者をいくらでも応援できます。よろしくお願いします。