WHO事務局長Margaret Chanさんと会見

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Margaret Chanさん(資料1)が神戸WHO Centerでの会議に来日、そのあと東京にもこられました。久しぶりにお会いする機会をもてました。

私たちの医療政策機構で「Global Health」を担当している4人のスタッフと一緒に30分ほど、活発な意見交換が出来ました。彼女とはいろいろ会う機会資料1)がありましたが、今回は久しぶりのことでした。WHOのAssistant Director の一人の中谷さんも、厚生省の方と陪席してくれました。

Global Health、Chatham Houseでの会議、慢性疾患増加の問題、健康の社会的因子、来年1月のDavos会議のことなど、いくつかの課題について話が弾みました。

Global Healthにかかわる若いスタッフには、WHOを引っ張る女性Topとの会見に同席することはとてもいい刺激になったと思います。

若い人たちに、世界のリーダーを身近に接する機会を作ってあげることは、とても大事なことです。若者へのいい刺激になり、また若者たちが自分たちの目標をより高く持てるようになるでしょう。

「なぜ一番でなくてはいけないのか?」ではなくて、高い目標を感じ取れるからこそ、自分の仕事への励みになるのです。

これが若者たちへのAspirationになるのです。

慶応SFCクラス、乗竹亮治さんを迎える

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私の慶応SFCのクラス。10月27日は、私たちが主催している医療政策機構で大活躍している好青年、乗竹亮治さんをゲストにお迎えしました。

乗竹さんは、このSFCの2007年の卒業生。卒業とともに私たちの「Think Tank医療政策機構」に参加しました。以来、ガン対策、ガン患者さんの支援活動、そのほかにも脳卒中患者支援や、患者リーダー養成講座などで活躍し、いくつも成果を挙げながら幅広い活動をリードし、本当に大きくリーダーへと成長しています。この機構に欠かせない中心人物の一人です。

彼は、学生さんたちにとっても、SFCの先輩であり、お兄さんであり、その話は身近に感じられ、さらにいくつもの感動的な「自分のものがたり」があり、とても素晴らしい時間を皆さんと共有できたと思います。

特に2001年9月11日のWorld Trade Centerのテロ攻撃の時は、Oklahoma大学で学生生活をしていて、そのときの周囲の反応、彼自身の思いがけない「言葉のちから」への新鮮な感動などなど、本当にいい話でした。

このコースでの私の狙いは、出来るだけ学生さんにとって「グローバル時代」を目指すことの大事さと、その「ロールモデル」になれる人たちの、現実感のある「ものがたり」を聞かせたいという狙いがあります。その「ものがたり」が、本人の実体験からくる話だからこそ、若者たちへの説得力がある、若者たちがその様な人、キャリアを目指そうという気持ちになるのです。

皆さんもご存知かと思いますが、白洲次郎という快男子がいます。私のこのカラムで何度か紹介しています (資料1)。終戦後の日本で大いに活躍した、Cambridge大学で学んだ「英国紳士」です。彼についてはいつかの本がありますが、いつも「Principle」(ことの本質とでもいうのでしょう、、)を大事していたことで知られていて、痛快なエピソードにはこと欠きません。このような快男子、紳士は、このところトンと見かけませんね。

この次郎さんの書いたエッセイを集めた「Principleのない日本」をいう本があります。彼の住んでいた、「武相荘(ブアイソウ)」で購入しました。そこにこんなことが書いてあります。「教育とは、先生が自分の教えていることを、先生自身が実践しているかどうかなのだ、、」といった趣旨のことが書かれています。これは、特に高等教育では大事なPrincipleではないかと私も思っていることで、読んでいたときになんとなく頷いたことを覚えています。

乗竹さんの話は、私がいつも訴えているように、若いときに「外」の世界を体験することの大事さを明確に示しています。

乗竹さん、大事な話をありがとう。多くの後輩たちが「何か」を感じ取ったと思います。 

新しい地域医療を構築するチャレンジャー

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日本を含めた先進諸国では「高齢社会、慢性疾患、これ以上の公費出動は無理」、という状況で、従来型の「医療制度」は制度的に限界に来ていることは明らかです。

これについては従来から私も発言し (最近のではこれ(資料1、 )など)、政策提言し、実践を促しているのですが、従来からの利害関係者の「抵抗」で、なかなか政策の実現は進みません。

一方で、まずは出来ることから実践しようという人たちもいます。そのような一人に武藤真祐さんがいます。

彼は医師として恵まれた10年ほどを過ごしましたが、それには飽き足らず、より高い目標を設定して、この数年、医師ではない仕事でがんばってきました。

このような社会経験を経て、まったく新しい形の都会型地域医療を始めました。

これをはじめてから武藤さんが私に言ったことが本当に良かったのです。「いろいろ迷い、医師を離れ、自分の一生の仕事を捜し求めていたのですが、高齢化の進む都会の医療の現場に戻って、これこそが心から私がやりたかった仕事だと感じました」、と。

武藤さんと私の対談が出ましたのでご覧ください。

素敵な気持ちですね。ほんとうに素晴らしい門出です。心からの祝福を送りつつ、彼を応援しています。

 

「休学して学ぶ」、Ghanaからのメール

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休学してGhanaに行った学生さん資料1)は、100カ国を超える学生たちの国際交流ネットワークAIESEC資料1)を通じて紹介されたGhanaでのプログラムに参加する目的で現地に行ったようです。Ghanaの首都Accraに10日ほど滞在しましたが、この間に感じたこと、得たことは想像を超えるほど大きかった、とメールで教えてくれました。このあと、3週間ほどGhanaの北部へむかい、またAccraに帰ってメールをくれました。私の経験資料1)でもAccraで一流のhotelでもネットのつながりは不十分なのです。

彼からのメールは以下のような内容でした。
●ガーナ北部の農村に滞在して、現在はアクラにいます。もっとガーナを知りたいと思い、恐らく最も所得が低いであろう農村で生活してみると、行ってみないとわからない途上国、援助の姿が見えました。

●ガーナで貧困地帯というくらいだから、NGOの援助を頼りにしているのだろうと思っていました。しかし彼らは自給自足で生きています。村中を歩いているにわとりを捕まえ、とうもろこし、ヤム、野菜、豆などを栽培して食べ物には全く困っていません。お金はどこから調達するのかといえば、たまに通りかかるバスの乗客に売ったりして得ています。男性は働かずに、ボードゲームに熱中したり、ボーとして1日を過ごします。女性は畑仕事や食事作り、洗濯で忙しそうなのですが、、。

●小学校は村の中にあるのですが、2人の先生で6学年分を教えているので大変そうです。学校に通う為の経費は微々たるものらしいのですが、学校に行かない子供たちも中にはいます。本当にお金がなくて学校に行けない子供は少数で、家の手伝い(ほとんどが洗濯) が忙しくて行かない子が多いようです。外からきたよそ者の私には、「学校で公用語の英語を学ばないと村の外に出れず将来の可能性がなくなってしまうのでは」と思えたのですが、昔から自給自足で村で一生を、という暮らしをしている彼らにとっては、村の言葉さえわかれば問題ないだろうと思っているようです。

●この現場体験を通して最も衝撃だったことは、僕がお世話になったNGOが村人からあまり感謝されていないと感じた事でした。このNGOの資金源は、全て創設者のポケットマネーから出ています。ローカルスタッフもポケットマネーで雇用しています。

●活動としては、農業を通じて自立を図るというもので、今は稲作に力を入れています。今後は村人を巻き込んで稲作をしようとしています。中古の農業機材を寄付したり、学校に教科書や制服の支給もしています。

●これだけ多くの援助をしているのに、どの村人も心の底からNGOに感謝しているとは思えませんでした。「特に生活に困っているわけではないが、何かくれるならもらおう」といった状況です。というのも、オーナーがポケットマネーで経営している為、オーナーが外から見て必要だと思う事を自由に援助しているからだと思います。本当に村人に必要で、外国人がすべきことは何か、という視点が欠けているような気がしてなりませんでした。実際に、現地NGOスタッフや村人に「NGOはとってもいいことをしているね!」、と話しかけても笑うだけでほとんどの人が同意してくれませんでした。

●先進国の人間が途上国に足りないものを見出すのは簡単だが、彼らの価値観に照らし合わせてすべきことをするということの難しさを痛烈に感じました。先進国の人間が途上国と関わる以上、「宣教師的態度」になっていないか、いつでも顧みる必要があると学びました。

●あと1つ、現場体験をして気づいた事があります。アフリカ人は「違い」を否定的にとらえないということです。日本にいると「そんなこともできないのか、情けない」だとか、自分が出来る事は他人にも出来るものだとおもいこみ、出来ないと否定的にとらえる風潮があると思います。「自分達と違う」=「マイナス」というイメージが付きまといます。しかし、アフリカ人はいつでも涼しい木陰を探して僕に教えてくれたり、食べ物のこともよく気にかけてくれます。「君は日本人で、アフリカとは食べ物も気候も全然違う。」と口にし、違いを認めたうえで、外国人と付き合ってくれます。決してその違いを否定的にはとりませんでした。

●多様な価値観を理解し、人と付き合うという点では、日本人はまだまだアフリカ人にはかなわないと感じました。

この学生さんは、こんなことを感じてくれて、メールをくれたのです。多くのODAでは、この様なことを検討した上で活動を推進していることも多いと思いますが、現場の感覚が最終的にどこまで理解されて実施されるのか、いろいろ課題があるのが現実です。

ODAについては山本敏晴さんがたくさんのとても貴重な情報、現場の課題等々を発信しています。この学生さんが感じたようなこともいくつも記載されています。しかし、最後は、現地を知っているかどうか、現場感があるのかどうか、実行するのか、これがいずれ自分の勝負を決める時がくると思います。

若いときにこのような現場感を体得することは、この学生さんの将来のキャリアに大いに役に立つことでしょう。勿論もっともっと調べてから現地に行くことも可能でしょう。なんでも「詳細に検討してから動く」ということも大事ですが、これは慎重になりすぎて結局は何もしないことになることが多いのです。この学生さんの行動力、これが今の日本には決定的にかけているのだと思います。

自分で行動してみて感じ取れることの価値の大きさ、特に若い人たちにはこのような行
動を起こすことが大事だと思います。このような現場感、現地感はなかなか身につくものではありません。いつの間にか、この若者も、自分の世界観が変わり、違った視点で自分の目標を探りつつ、大きく成長していくでしょう。

Ghanaに到着して1週間して、この学生さんからメールをもらいました。「たった1週間で、自分が多くの人と知り合いになり、繋がり、世界が違ってくるような感じがする、本当に不思議です」と。

このようなウェブの時代だからこそ感じられるメールや携帯電話の便利さ、すばらしいです。まさに世界は1つにつながっています。

Dhakaから、ドラゴン桜の大快挙!

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昨日の夜中にBangladesh「ドラゴン桜」 の税所くん  (資料1)からメールが来ました。

「村からの電話が鳴り止まず殺到しています。多くは驚き!!!とおめでとう!!!の電話で、村中で大騒ぎしているようです。

「今回はダッカ大学Bコース(文系)、全受験者は3万6千人 合格者は3000名。ドラゴン桜からは13人受験しました。そのうちボラン・ウディン・ヘラル1名が1276位で合格!

「ダッカの名だたる名門校の子が2300位、ダッカの名だたる有名予備校の生徒が1500位で合格のところ、村出身のヘラルは1276位での合格!快挙です!

「われらがドラゴンは13名が受けて1人合格。
大手予備校UACは1000人受けて50名合格。
大手予備校UCCは2000人受けて180名合格。
大手予備校からみてもまったくひけをとらない合格率です。

「ダッカ大学受験
Cコース(11月26日)
Dコース(12月3日)
それぞれドラゴン生徒がチャレンジします!

「ヘラルはこの世界に不可能はないと証明しました。来年以降の村の子供たちのロールモデルになり、数千、数万人の学生が彼に続くでしょう。

「ヘラルはバングラデシュで初の映像授業による勉強でのダッカ大学合格者です!パートナーのマヒンは「e-education change human life!!!!!!!!」と興奮しています!」、と。

● この受験競争の背景は

「現地大学生チームと大手新聞の教育担当記者と会ってきました。
バングラデシュでは高校卒業試験HSCを受験する生徒が73万人、
卒業試験を合格し、大学にチャレンジできるのは53万人、
53万人のうち成績優秀A取得者は29万人、
しかし、大学のキャパは10万7千人分しかないことがわかりました。

「この10万7千のうち、7万人分は私立大学。学費が高く農村の生徒は通えません。

「非常に多くの優秀な生徒が、国立大学の少ない席を取り合っていることがわかりました。

「以上ダッカより報告!税所です。」

2年前に私を訪ねてから、早稲田大学を2年間休学、その間にいろいろ苦悩し、試行錯誤 してでの大快挙。

この世界に不可能はないことを、税所くんは、その熱い思いを、実践して証明しました。

若い人たち、決して捨てたものではないのです。

 

海外で企業説明会、現地からのメール

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10月20日付けで、日英両語bilingualの方達を対象として、日本にある企業の説明会がBostonで開催される「ボストンキャリアフォーラム」を紹介しました。

それに対して、去年と今年、その場にいた人の感想がまったくもって違う、というメールをいただきました。「それにビックリしました。ボストンの街中を歩いていても、様子が少し変です」、さらに以下のように続きます。

「このフォーラムは日英バイリンガルの方を対象にした日米のキャリアフォーラムだったと記憶しているのですが・・・。街中では中国人や韓国人でキャリアフォーラムの袋をもった人ばかり。また、中には欧米系の方もいらっしゃっていて、既に日系企業が海外の人材を獲得する場になっているというのが現状のようでした。話によると、別に日本語をしゃべれる訳ではないようです。」と。

『確かに面接に呼ばれた人に話を聞いてみると、日系企業でも、「面接に並んでいた日本人は私一人だけだった」ということがあったそうで、優秀な人材であれば誰でも採用したいという企業側の要望から、日本人留学生にターゲットを絞っているわけではなく、国を問わず、優秀な人を採用するというスタンスに変わってきているように思えます。』

さらに、「何年か採用担当をしている方とお話をする機会がありましたが、今年の印象は?と聞くと、日本人より別の人を、という形になってきているようです。」

『海外に行き、見聞を広めるというだけでは済まされないのだと思います。どこにいても「個の価値」を高める人材を欲しいという傾向が益々強くなっているのではないか?ということだと思います。』

『ということは、おそらく問題は「量」ではなく「質」の問題なのだと思います。最近、日本から流れてくるニュースは数だけの問題を気にしていますが、私が思うに、「留学してからが大事。」ということに気づかなければならないのだと思います。』

このような意見は、貴重なものです。現場からの感覚ですが、日本での就職と採用の制度にもいろいろ課題があります。

日本の大学は東京大学が一番ということになっていますが、これは単に1発の入学試験偏差値での判断ですから、入学後にそれぞれの可能性を見つけ出させ、どんな人材、人財に育てていくか、が課題です。「東大までの人、東大からの人」 とも言えます。

一方で企業側の3年生での一括内定とか、新卒でなければ、などという価値はもうなじまないのです。そしてこのような方達を、特に「一流」企業がどのように扱うか、これもフォローしたいところです。

学生さんたち、若い人たち、国内だけに引きこもっていても、先は見えないかもしれません。思い切って「休学のすすめ」資料1)で、1,2ヶ月から数ヶ月でもいいので海外へ出てみてはどうでしょう。自分発見のたびになる可能性は大きいと思います。1年程度は、いろいろ見聞を広め自分を磨くことも大事です。

若者は将来がある人たちです。若者を大事にしない社会、国家には将来はありませんね。大人たちは若者の支援こそすれ、彼らの将来を抑える、邪魔することだけはしないで欲しいものです、いろいろ理由はあるでしょうけどね。

 

熱い若者たち、自分で進路を開拓する

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今までも機会があるごとに紹介していますが、いまどきの若者はすてたものでもないのです。

何度も紹介していますが、早稲田大学を休学してBangledeshでGrameen銀行と「Dragon桜 E-education」を立ち上げて大活躍する税所くん。彼も2年の休学を終えて早稲田に復学しています。休学の時期には大学では1学期に5万円、年間10万円を払うのだそうです。マアマアですね。

早速、2人で会いました。苦労話、いろいろな計画、とてもチャレンジングですが、やりがいのある仕事。2年間のBangladeshに比べると、早稲田の授業は先生と生徒のあいだに緊張感、真剣味がないと、強く感じたそうです。

もう一組、「Learning For All」の松田くんと、深沢事務局長代理の武藤さんを連れて、文部科学省の国立教育政策研究所主催での会議で2時間話をしてもらいました。

この「Learning For All」は、私も2年前に紹介している米国大学学部卒業生に大人気の「Teach for America」の活動を日本に立ち上げる準備として2年間、いろいろトライをしながら、準備をして行くというものです。この夏からはじめましたが、この猛暑、とても大変だったと思います。

文部省側から参加の皆さん、はじめは何でそんなことをするのか、予算は、などなど質問されてあまりよく理解されないようでしたが、松田君の熱い返事に次第に理解が進み始め、理解が深まったようで、良かったです。皆さんご苦労様でした。

熱い若者たちを応援することは、私たち人生の先輩の責務です。決して邪魔をしてはいけません。がんばれ、がんばれ。皆さんも応援をお願いします。

海外で企業説明会

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10月22-24日の3日間、Bostonで日英両語Bilingualの方達を対象にした企業説明会が開催されます。ボストンキャリアフォーラム (DISCOインターナショナル主催) という集会です。20年の歴史があるので、「知る人ぞ知る」会のようです。需要があればビジネスがあるのです。 以下のような案内です。

●今年は10月22日(金)~24日(日)までの3日間に渡り、130社の企業・団体が世界で活躍する大学生、大学院生、研究者、プロフェッショナルの方を採用しに参ります。

●研究職、教授職として大学に残る方も多くいらっしゃるとは存じますが、当フォーラムには世界・日本を代表する企業が多く参加し、新卒の学生のみならず多くの専門職、技術職、研究職の募集をしています。

●民間企業での活躍も将来、視野に入れている皆様には大変有意義なフォーラムになると思います。

●また、遠方からの参加者のためのトラベルスカラシップ(交通費補填)も行います。詳細・登録は以下のWebサイトからご覧ください。

●皆様の将来の選択肢として、少しでもお役に立てれば幸いです。

そしてこのフォーラムのサイトには参加企業リストトラベルスカラシップについても案内されています。また、同じような説明会は今年はLondon, Tokyo (Summer and Winter), Los Angelesで開催されています。 20年の成績はどうなのでしょう。ここから就職した日系、外資系企業でのキャリアはどうだったのでしょうね。

つい先日ある方から聞いた話ですが、まだ最近でも日本企業に採用された方達は、特に能力で抜擢されるわけでもなく、「日本の組織に慣れる」とか言う理由で、はじめのうちは毎日、朝9時から夕方5時まで、何の仕事を与えられるわけでもなく、ずっとデスクに座っているような扱いをされていた、とも聞きました。ありそうにもないことですが、以外に本当かも、と思われるところがありますね。

企業リストにある外資系はともかく、日本本流の企業で、これらの方がどの程度の「年功序列」とは別の入社年次、昇進などの扱いを受けたのか、知りたいところです。まさか、今でも、「○○年、入社」などという「年功序列、タテ組織」扱いなのでしょうか?

一方で、国内学生の就職状況は極めて困難な状況といえます。これについてもいろいろな意見があると思いますが、きわめて基本的な認識を広げることが大事です。企業も3年で内定して、残りの月日を、大学でどんな勉強をすることを期待しているのでしょうか?まさか、就職準備の実務であるとか?

ところで、東京大学でさえも大学院進学について親までが出かけ、大学側が就職の確立の説明までしなくてはだとか。どちらもどちら、なんという自立できない甘ったれ社会なのでしょうか。ここには最近「ウェブで学ぶ」を著した教育についての研究を進めるMITの飯吉教授の意見 が参考になるでしょう。もはや、「終身雇用、大きな退職金」などの日本社会は終焉しているのです。

いまや研究者の留学も減少 とか(この理由のついては別の機会に考察しましょう、、、)。いっそのこと、大学院で留学して、上に紹介した海外での企業説明会なども含めたキャリアへの選択肢もいいと思いますよ。 若いときこそ可能性も大きいし、選択肢も多いのです。

先が見えないからこそ、勇気が出せる」  のです。

健康・医療政策の話

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少しずつ遅れ気味の報告ですが、10月5日からのちょっと長めの旅から14日に帰国。

翌日は朝から都内のDenmark大使館で、Denmarkの国会議員ほか30人ほどの訪問を受けて、「高齢社会への健康・医療政策」についてお話しました。Melbin大使 (資料1)、を始め、皆さんとても喜んでいただけたようでした(4月頃でしたか、大使とはWorld Cupの日本とDenmark戦についてもお目にかかってお話する機会がありました、、、)。Seattleでの議論がとても役に立ちました。

Denmark大使館から羽田へ向かい松山に飛びました。松山にあるPanasonic四国がヘルスケアに特化する、というので「高齢社会への健康・医療政策」といった話題で話しに行きました。

ここ連日、この話題でいっぱいで、私もずいぶんと勉強になりましたし、新しいアイデアもいくつも出てきました。

先進国はどこでも、「1.さらに進む高齢社会; 2.慢性疾患; 3.そしてこれ以上、医療には公的資金を投入できない」という共通の課題なのです。私の考え方の枠組みはいくつも書いていますし、この考え方はずっと変わっていないのですが、最近でもOn-lineでも見ることが出来ます

もっとも大事な政治課題の1つです。

 

Swedish Hospital 100周年、美しい街Seattle

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このところ Seattleからの報告が続きましたが、ここに来たのは米国北西部で歴史的にも最も古く、またその評価も高いSwedish Medical Center 創設100周年行事のSymposium (資料1)にお招きを受け、以前からこのMedical Centerの活動には注目していたので、いい機会と思い参加しました。Program(最終プログラムはちょっと変更ありますが、、)もすばらしいものでした。

この会は、このビデオ  資料1)から始まりました。このあとのビデオで最初に出てくるLisa Cohenさんとは朝から同じテーブルで何人かの共通の友人のいることもわかり、話が弾みました。本来はジャーリストなのです。

皆さんとてもすばらしかったのですが、私の医療・医学専門分野でない人たちで、特に印象に残ったのは開会の基調講演をしたGEのJeffrey Immelt会長、パネルでJim McDermott資料1)、Jay Inslee資料1)の地元選出の両議員です。

ここではいろいろ議論されましたが、最終的には12のアイディアにまとめられたようです。(資料1

これらの講演ビデオ等がウェブ上で見られるようになりましたら、お知らせください。皆さんとシェアしたいので。会議の様子は「ここ」で見られます。

会議の合間を縫って、とてもいい天気のSeattleの街をちょっと散歩。すばらしい景色を楽しみながら、Public MarketのStarbucks発祥の店、水族館(結構、好きなのです)などをたずねました。そして、もう報告しましたが、休学して、こちらで勉強にきている学生さんたちともお会いし (資料1)、2晩の夕食の楽しい時間をすごしました。

Seattleはきれいで、落ち着いた街です。