英国の主席科学顧問のGRIPSでの講演

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英国の科学顧問については、ここでも何回か書きました資料1)。英国政府に対して科学者の代表として政策の立案等についても大きな責任を持っているし、また科学者のコミュニテイーからもとても信頼される人たちです。

現在のこのポストはSir John Beddingtonさんが、3年前からと思いますが務めています。素晴らしい方です。彼の前任のSir David Kingと、その前のRobert May(その後President of the Royal Societyに、Lord May of Oxfordです)とは特に仲が良いというか、信頼する仲で気が合うのです。

この立場は英国政府の中でも信頼の高い地位資料1)ですし、それだけの方が就任されています。これが英国の健全な科学者社会と政策決定者、特に首相(その距離感は首相によって少しずつ違います、Tony Blairは特に熱心で毎週のように主席科学顧問と会っていたそうです、、これらの方をどう使うか、これもトップの見識なのですね結局は、、)の間に見て取れます。

Beddingtonさんの来日の機会に、GRIPSで講演会があり、池上彰さんの司会です。「3.11とフクシマ」のテーマが中心で、大勢の方が参加され、会場との質疑、twitterからの質問を受けたり、なかなか良い会でした。

私もBeddingtonさんのプレゼンの後、最初に質問させてもらいました。これらは、Youtube (part 1)、(part 2) で見ることができますし、またまとめたもの資料1)も読むことが出来ます。

彼のプレゼンは良かったですね、政治的なことには注意に気を使いながら発言していることも良くわかります。彼の立場について、どういう立ち位置で政府と関わっていくのか、などなどよく理解していただけると嬉しいです。日本であったらこのような立場の方がどんな発言、行動をするか想像してみるのも一興です。

私の質問はBeddingtonさんのプレゼン(これはぜひ聞いてくださいね、、)のすぐ後、司会の池上さんの質問に続いて出てきます。

フクシマは世界的な問題であり、ちょうどIAEAの査察の入っていることころであり、その結果の発表を待っているというタイミングでの講演会でした。

会場からもいい質問が出ていました。

 

「オープンエヂュケーション」の飯吉さんと石倉さんと

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いい天気に恵まれ、31日朝8時から衆議院会館の会議室で民主党、自民党の若手議員の集まりで、「3.11」後の日本の状況に対する「今やること、この一手」 (資料1)について話をしました。活発な議論がありましたが、菅総理の不信任案を出すとか、なんとなくざわざわしていました。

私もこの国のありようが心配でいろいろできるだけのことはしようと考えているところです。

10時から厚生労働省で私が主催している会議に出席、昼は私だけが遅れて石倉洋子さん(写真もここにあります)、飯吉透さん (資料1)と「オープンエヂュケーション」 、日本の教育、世界の教育の動向などについて、明るい日差しの中の快適な庭を前にして楽しい時間をすごしました。なにか新しい企画、動きを起こしたいものです。石倉さんも新しい慶応での仕事に意欲的に取り組んでいるようです。

その後は、私の関係しているある教育機関の理事会に出席、どこでも教育改革と既存勢力との間の関係は大変です。

夕方、いったん帰宅し、羽田へ向かい、夜半すぎ羽田を出発、パリへ向かいました。偶然ですが、ダボス会議の日本プログラム担当の土屋君と一緒になりました。行き先は2人ともGenevaにあるWorld Economic Forum の本部です。

忙しい一日でしたが、楽しいランチの時間もあって、気分よく、6月1日午前0時35分発パリ行き夜行便に乗って出発。

AIESECの集まり

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AIESECについては何回か紹介しています。

St Gallenから帰国した翌日、AIESEC (資料1)の会に参加 しました。基調講演をしたのです。ありがとう皆さん。

当日の様子は、AIESECのサイトを見てください。

この熱気、素敵でしたよ、皆さん。

200人ほどの学生さんたち、また数人のOB/OGの方達のお会いし、楽しい午後を過ごしました。

このハイライトは、多くの候補の中から、3つの海外からの学生インターンの活躍の事例と、3人の日本の学生さんの海外でのインターン2ヶ月の活動です。

この日本からの学生さんたち、皆さん日本の常識でインド、ブラジル、フィリッピンでのインターンの始まりから、勘違いの挫折、活路を見出す苦悩、考え考えそこから這い上がる苦闘、人の出会いなど、とても感動的な、皆さん一人ひとりが心を打つ「ものがたり」になっていました。短期間で本当に成長するものだな、と感心しました。このような経験はきっと一人ひとりの世界観を広げ、将来への活動の指標に大きなインパクトを与えていると思いました。

海外からの3人のインターンにしても、受け入れを世話する大学の学生さんたちの苦労話、受け入れの企業(中小企業ですが、、)の苦労と感動的な変化などなど、これも本当に感動する「ものがたり」でした。

この日のことについては、このblog とか。

ところで、最優秀賞は慶応SFC、私のクラスに出ていた高橋 諒くん、インドでの経験でした。

受け入れでは、震災を受けて仙台の「一の蔵」、ここの名酒1樽が提供され、レセプションでその美酒をみんなで楽しみました。

こんな素晴らしい若者たち、日本の学生さんたちは世界への宝だ、海外からの学生さんたちは大事な日本の宝だ、心の底から感じました。

日本の企業はもっともっとこのような海外からの学生のインターンを受け入れることです。海外からbの学生さんたちのすばらしい経験は、企業のグローバル世界での企業PRと活動にどれだけ貢献するか計り知れないものがあります。

また、日本の学生さんたちがこのような活動を通して大きく成長する姿を見れば、大学の先生達も、こんなに素晴らしい教育の機会があることに気が付くでしょう。日本の企業も、このようなプログラムは惜しみなくすべきです。

日本社会がこのような若者の活動に積極的に参加し、支援することこそが、日本の将来へもっとも大事なことの1つなのです。

Malaysia首相が「科学とイノベーションのグローバル顧問団」を結成

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写真はここ

世界中が科学、そしてイノベーション「新しい社会価値の創造」を政策の中枢にすえています。

教育に重点をおき、最近では科学研究などに強くコミットしている、成長が著しくなりつつあるMalaysiaも例外ではありません。

この国の首相Dato' Sri Mohd Najibがこのほど「GLOBAL SCIENCE AND INNOVATION ADVISORY COUNCIL」の発足を、5月17日にNew York Cityを訪れた機会を捉えて発表しました。

今回の首相就任とともに科学顧問に就任したZakriさん。東京にある国連大学とその高等研究所(IAS)所長を務めた長い間の友人です。去年、東京にこられたときに応援を依頼されていましたが、今回の発表になったという経過です。今回はNew York Academy of Sciences (資料1)が中心になって活動することになります。

以下の記事があります。
1. BBC                                                             2. New Strait Times

この発表を見ると、Jeffrey Sachs, Rita Colwellさんなど、何人かのメンバーはよく知った方達のようです。このサイトでも何回が出てくると思います。楽しみです。

6月中旬にKuala Lumpurへ講演に行く予定ですので、Zakriさんの都合と調整がつくといいな、と考えています。

このようなお手伝いが出来ることは光栄です。

 

ドラゴン桜、さらなる奮闘、「休学のすすめ」

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このサイトで何回も紹介しているドラゴン桜、その始まりは3年前の12月でした。そのときに休学してダッカに行って来なさい、と私が勧めたのです。税所くんはそこですぐに決心したようでした。皆さんとても元気になって帰っていきました。そのあとは、三好くんたちの国内チームとGCMPを形成するなど、進展していったのです。

大変な苦労をしながら、そのインパクトが、急速に日本につたわることになりました。うれしいことです。

その税所くんの本、「前へ、前へ、前へ」 を皆さんご存知と思います。再度ご紹介しますが、現地でなかなかの苦労しているようです。早稲田でも、もちろんいろいろな苦労があるでしょうけど。

これは始まりで、この活動をさらに広げ、社会を変えるようになるまでには、とてつもない「壁」がいくつもあることでしょう。

粘り強く、みんなを巻き込んで進んでいく、多くの若者たちの「ロールモデル」の税所くん、今からがもっと大変だと思いますが、みんなと一緒に応援しているよ、、。

ところで、このサイトでも繰り返し叫んでいる「休学のすすめ」 ですが、いくつかの私立大学では、「休学中」にもかかわらず授業料などの「学費」を払わなくてはいけない、という教育機関では考えられないようなことがあるようです。

でも、学生さんたちのがんばりもあって、明治大学では休学中の学費を大きく減額していただいたようです。良かった、良かった。でも、これは帰ってからの学費の一部に取り込んで欲しいですね。

他の私立大学でも、このような対応をお願いします。学生さんたちも、もっと力を合わせてお願いしよう。

これはあなた達の将来を築くための権利なのだよ。

 

「3.11」からの日本の信用失墜へすることは: 日本記者クラブで講演

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日本記者クラブ ではいろいろなゲストをお迎えして講演会を開催しています。最近では米国議会の大物、ダニエルイノウエ議員が来日されましたが、この方の講演も聞くことが出来ます。

私ですが、5月20日にお招きを受け、前日に民主党議員の集まり(これはメデイアには公開でしたので、、)で配布した資料をお渡しして講演しました。ここに記載してある講演の内容はここでは簡単にまとめてあります。

この講演はOn-lineで公開 されるということで、控え目に、出来るだけおとなしく話をしました。

質疑応答になると、やはりもともとはほとんどが記者さんたちですし、お互いに知らないわけでもないし、皆さんも私の背景をよくご存知の方も多いので、質問もそのような背景を反映したものが多かったと思います。

でも、それなりに私もきついことを言いますので、まあこの辺はビデオを見てください。

また、別にこのとき参加していた小岩井さんもこの講演の要旨をScience Portalに掲載してくれましたので、こちらも紹介します。こちらでは、私が報道機関も批判の対象にしていることも書いてくれています。これはほかでも繰り返し発信資料1)していることですけどね、、。

「時代刺激人(シゲキビト)」を自称するジャーナリスト牧野さんも参加でしたが(いろいろよくお会いするのですよね、、)、彼のblogにも「G8サミットで原発事故不信の解消を日本が世界に表明する最後チャンス」というタイトルで書いていただきました。

国会議員の中にも私の有用な提案への動きがあります。健全な立法府と行政府の関係構築にも良い機会でしょう。

 

TEDxTokyo 2011

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2009年に始まったTEDxTokyo資料1)。今年で3年目を迎えました。

この親組織に当たるTEDについてもいくつか報告資料1)しています。

でも、今年は「3.11」の後なので、急遽、テーマを変更。素晴らしい集まりになりました。

参加していただいた皆さんも、とても楽しんでいただけたし、また、これからの日本への期待が、少しずつにでも出てきたのではないかと思います。

プログラムもウェブ(このサイトで’TEDxTokyo2011’ でサーチしてみるとか、、)で見ることが出来ます。皆さんのお好みはそれぞれだと思いますが、個人的な好みもありますが、私が特に楽しめたのは、例えば;

Black A Yo Yo
Dr Ueno
Gunter Pauli
Kathy Matsui
などなど。

皆さんも、一人ひとり楽しんでください。

企画、実行を預かるTodd and Patrick、この開催には100人を超える素晴らしいvolunteersの活躍がありました。

ありがとうみんな。

 

 

 

 

日本の将来へ向けて、それはこの一手から

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「3.11」は、その衝撃の大きさ、またFukushimaの国際社会での重要性からも、世界の注目を一身に集めました。

でもそれは、世界ではせいぜいはじめの1-2週間。日本の強さと弱さをすっかり世界に見せてしまったことは、このポストでも何回か (資料1)、また新聞など資料1)でも指摘しているところです。

海外のニュースはFukushimaをはじめほとんどマイナーです。世界のニュースをフォローすれば政府が何を言っても「言い訳」としか取られていないのは、明白です。

では、どうしたらこの国家全体の信頼を回復できるだろうか、ここが大事です。国内メデイアなどで見るところでは、この点での日本の「リーダー」の意見、発言がほとんど見られません。

国家の信頼がこの危機的状況では、過去の事例に学ぶのもいいでしょう。ですが、要は「リーダーたる人」たちの識見と決断、何をするべきか、なのです。ヘンなプライドなどはどうでもいいことなのです。

その基本はどれだけ国民のことを考えているのか、この一点に尽きるのです。政府にしても、企業にしても同じことです。

それは、Fukushima原発については、政府とは完全に「独立」した「国際的」タスクフォースを、政府、あるいは議会が発足させることです。それをしない限り、日本の信頼は回復へ向くことは始まらない、と断言できます。

これに関しては、Obama大統領に対する3月25日付けのNatural Resources Defense Councilなどの文書でも見てとれます。

「風評被害」にしても、このステップからでないと、なかなか信用回復は始まらないでしょう。英国の1886年に始まったBSEと政府の信用失墜の回復に20年以上もかかっていることからも、学ぶべきことは多いのです。「独立」した、「外」(国際的信頼のある)の特別委員会です。そして、すばやい情報の全面公開です、これがかなり遅れてしまっています。

最近、上のような趣旨をこの図とともに、民主党の議員さんが開いてくださった会議で(メデイアに公開の会)でお話しました。同様の考えは、かなりの国会議員も意識しておられます。

世界が注目しているのです、日本は’Fukushima’ を「事故の教訓を世界の共通財産に」する気がないのか、と。

 

WEFのRisk Response Network: 世界が注目する日本の対応

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World Economic Forum (ダボス会議) は、ますます相互依存を深めつつ、一方で多くのリスクの広がりが進む世界での「危険」について議論し、その対応を構築しようと「Risk Response Network (RRN)」 資料1)の会合を続けています。

私も参加しているのですが、なんと今回の「3.11」の大震災と原発事故は、そのような大事件が、まさに日本で起こったのです。

4月にNew Yorkで会合があり、5月18日には、特別に今回の大災害の日本の対応にフォーカスしたWorkshopが、東京で開催されました。

多くの方の参加、まだ枝野官房長官の挨拶等がありました。会議の要約 、また関連資料資料1)、などいろいろと見ることが出来ます。RRNのCOOであるKevin Steinbergのサマリー も見ることが出来ます。

この3日間に、この公開の会合に加えて、いろいろな主要人物との面談、議論の場がもたれました。

日本の対応は世界注目の的です。

 

原発事故の教訓を世界の共通財産に

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今回の大災害、三陸の被災地の方達のご苦労はまだまだ続きます。時間はかかりますが、できるだけ最低限でも早い日常生活の回復へ向けた政策が進むことを期待します。

それに加えて、今回の原発は大変な事故です。世界が注目しています。10年などよりはるかに長く、大きな課題を突きつけています。原発を増やす方向へ世界が動いていたわけですから、世界からの注目はいっそうのものがあります。

最近、公明党の斉藤鉄夫幹事長代理 との対談 が出ましたので紹介します。今するべき「もっとも大事なこと」も提示してあります。

タイトルは「危機を乗り越え、世界に貢献する日本へ」、サブタイトルは「原発事故の教訓を世界の共通財産に」というものです。

中見出しは;
1. 日本の本当の姿
2. 危機に弱いリーダー
3. 震災復興の青写真
4. 世界の中の日本

今するべき「もっとも大事なこと」も最後に提示してあります。

私の意見は、基本的にこのサイトでも繰り返し出ていますので、ご理解いただけると思いますが、いくつかの例をご紹介しますと;
http://bit.ly/isIrsA 
https://kiyoshikurokawa.com/wp-content/uploads/typepad/201103301040.pdfhttp://bit.ly/jtSIpw 、http://bit.ly/g2YwVU 、http://bit.ly/jKPZo1http://bit.ly/lFdQH5 

日本が世界の一大リスク因子になっていること、その理由、というメッセージも加えてあります。