Bangladesh「ドラゴン桜」、GCMP続報

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Grameen Change Maker Program (GCMP) (資料1)という税所、三好くんなどの早稲田大学の学生さんたちによって、2年前にできたBangladesh で活動しているプログラムがあります。そのひとつが「ドラゴン桜 e-education」をGrameen財団と立ち上げ活躍する早稲田大学(休学中)の税所君 (資料1)。

現場でいくつもの困難に遭遇。そこから貧しい村の高校生を、このプログラムで目標とする超一流大学「Dhaka大学」へバスで7時間かけて連れて行ったことを報告しています。これなどは現場にいないと決して出てこない発想ですね。その辺の背景も書いてある第2報現地の報道などが届きました。

彼の最近のメールでは;

「ダッカ大学受験までいよいよあと一ヶ月です!

ダッカ大学スタディツアーのあとから生徒たちのモチベーションも非常に高く、模擬試験の結果も徐々に上がってきています。

現在生徒は23人。

ダッカ大学模試を参考に
Aチーム5名: 最優秀
Bチーム5名: 優秀
Cチーム女性: 5名
Dチーム13名: 普通

1週間ごとのテストによってクラス間の間を下克上にして競争意識を駆り立てています。

とくにABチームの生徒のモチベーションは高く結果が期待できるのではないかと、チームで話しています。

10月上旬に大学の手続きのため一時帰国します。その際に詳しく報告できたらと思います。」

しかし、このアイデイアは税所くん自身の挫折と、それを乗り越えた体験 から。これは現実の発想力に大事なことです。何でも「現場力」が大事ということは、こういう「現場体験」にあると思います。頭の中での思考だけでは、こうはいかないのですね。

一方の三好くんは、再度Bangladeshへ、さらに昨日からさらに世界へ自分発見の旅へ向かっています。

今日は、今年の夏にBangladeshの現地にいってきた学生、院生などの若者たちが集まって発表会。休日にもかかわらず、大勢が集まり、HIS  、Sunstarなどの協賛してくれている企業の方達も参加してくれています。一橋大学の米倉誠一郎さん、元JICAの阿部英雄さんも参加して講評など。すばらしい4時間でした。

皆さん、現地での実体験からそれぞれのグループテーマを決めて知恵を絞り、プロジェクト提案のプレゼン。現場からいろいろ学んでいます。そして、そのプロセスそのこと自体が、自分自身の発見の機会になっていると思います。「外」に出てはじめて自分を、個人として見つめ、感じ取ることが出来る、そして日本を見始める。その上で、自分の思いと、自分のしたいことを感じ、どう自分のキャリアを選んでいくのか、などについても感じ取っていけるのではないでしょうか?

みんな自分がとても変わったと感じ取っています (資料1)。そして、このような機会が一人ひとりの若者の将来のキャリア形成で、世界へ広がる「dots」になることを確信しています。

 

The Economist、皮肉屋だけど本当のことを書く: ‘Food for Zombies’、 ‘The civil service serves itself’

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世界の経済関係者に最も読まれている週刊誌の1、2位を争うのがThe Economistでしょう。自分の国の英国の問題に遠慮もせず物を言う、皮肉もいっぱいに遠慮しない、国民に、世界に報道する、知ってもらう。これがジャーナリズムの基本的役割だし、信頼の一番の基本です。さすがに、文章も、タイトルも、図表も「ユニーク、クール」なのです。

これがThe Economist、Financial Timesが広い世界で評価 され、読まれている理由と思います。プロの仕事です。

ここが日本のジャーナリズムとの大きな違いがあると思います。「記者クラブ」とか、基本的に体制側なので、世界人口の2%弱の日本人だけに発信しているのです。これでは「グローバル時代」のジャーナリズムなど生まれようもありません。きっと、そんな気概もないのでしょうね。

最近のThe Economistの記事を紹介しましたが、その中に注目すべき皮肉 (1)、さらに「On-line」版でもう一つ (2)。

全文は読んでいただくとして:
(1) では、中見出しが、なんと 「Food for zombies」(日本語訳はこちら)。政府はだめ企業をいつまでもサポートする、新しい企業が出てきにくい、だめ企業はもちろん「zombies」になるだけ。本当ですね。
(2) では、タイトルが「The civil service serves itself」では日本の官僚の「天下り」(Descent from Heaven) の無責任さの実態を書く。

世界に知られる日本の実態。 国家の信用はいかに。

政治は党内のいざこざのみの様相。 4年間で5人目の総理という トンデモ国家で、6人目の総理となるのか?

「政官産」、そして「学」など、国の「知」のエリート (Ref.1) たちはどうなっているのだ?

どっちにしても国民などはどうでもいいと思っているのか。

いよいよ日本はピンチへ向かう ?

 

Yunusさんとお会いする

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Muhammad Yunus さんはBangladeshでMicrofinanceという方式で貧しい女性たちを自立させるプログラムを始め(Grameen銀行)、今やこのMicrofinance手法は世界中に広がっています。

2006年のNobel平和賞を受賞されましたが、その意義について、私も2008年のG8サミットの環境大臣の会議での基調講演の機会にも触れています。また、このサイトでもYunusさんのことを何回か紹介しています。資料1) 

皆さんもご存知かと思いますが、先日Yunusさんが来日され、UniQlo の柳井さんも協力することが発表されました。 その他のいろいろな活動もメデイアでごらんになった方も多いでしょう。九州大学立教大学資料1)などもYunusさんとの協力を始めています。

Yunusさんと皆さんで夕食の機会があり、いろいろお話を伺うことができました。お話は常に情熱的で明快。最近では米国の貧困問題へも協力をされていますし、貧困、教育、医療などなど、活動範囲はどんどん広がっています。「なぜ、女性なのか?」等についても実に明快な、説得力のある意見を伺うことができました。

私たちが後押しして始まった早稲田大学の学生さんたちの話にもなりました。これらのうち、2人が休学して、現地のGrameen銀行で、日本人発の新プロジェクトを始め、活躍しています。彼らは日本でもGrameen Change Maker Project (資料1)を立ち上げ、多くの日本の大学生、若者たちを巻き込んで活動しています。すばらしい、主体性ある、いかにも若者らしい活躍です。うれしくなります。

彼らのサイト資料1)も尋ねてください。熱いですよ。若い人たちは「熱く」なければいけません。

Yunusさんとその学生さんたちの話題のまさにその時に、Dhakaからその学生さん三好くん、税所くんからのメールが入り、すぐに返事を送りました。Yunusさんにも「CCしておきましたよ、、」と伝えました。これも世界が広くつながっている世界ならでは、のことです。

世界はどんどん狭くなっているのです。若い時にはどんどん飛び出してみることです。「休学のすすめ」 (資料1)です。視野を広げ、自分を見つめ、日本を外から見てみる、自分を発見するいい機会なのです。大学も、当事者に応援と励ましを、よろしくお願いします。これが世界の主要大学の動向でもあり、グローバル時代のリーダー育成に大事だ、との認識があるからなのです。

目覚める若者たち、世界に出て自力で始めたプロジェクト

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写真:Yunus博士のゴーサインをいただいたときの税所くん, プログラムに参加する女子生徒達

以前から紹介している若者たち資料1)がいよいよ,本格的に活躍を始めました。

これは最近の朝日新聞 にも出ました。

大学を休学して自分たちで現地に向かい、国内でも活動をアッピールしながら、問題解決を模索し、企画し、活動しながら、とうとう「Grameen銀行」内では初めての日本人発ソーシャルビジネスを始めます。早稲田大学の税所くん (資料1) の「E Education Project」です。同じ仲間の早稲田大学の三好君  も今年は大学を休学してBangladeshへ、次のプロジェクトへ余念がありません。

この「E Education Project」の目標は;

1.未来のバングラデシュのリーダーを村から輩出する。
2.農村部の貧しい家庭に生まれたが、それでも学びたい生徒に「Eラーニング」で最高水準の教育を届け、国内最高峰ダッカ大学へ合格させる。

税所君の「ものがたり」は以下のようです。
1.20歳の最年少グラミンコーディネーター税所篤快は高校時代、学年順位最下位の落ちこぼれでした。

2.親を学校に呼び出され、担任の先生に「2浪して3流大学に行け!」といわれた日に予備校 東進ハイスクールに入学。

3.すべてDVDのデジタル授業で、3年間のシラバスを3ヶ月で学び、早稲田大学合格。

4.そんなことはすっかり忘れていたグラミンの日々で、ある日村の小学校で深刻な先生不足に出会う。

5.「4万人先生が足りないこの国で必要なのは、東進のモデルではないのか?」

6.「誰でも、どこでも、何回でも、最高の先生の授業を受けることができる教育モデル」

7.このビジョンをグラミン総裁ユヌス博士に話したところ「DO IT!DO IT!GO AHEAD!!」とゴーサイン!

7.グラミンと一橋大学イノベーション研究所(米倉誠一郎教授)合同による、ソーシャルビジネスを立ち上げる。

このプロジェクトの概要は:
ダッカの最高水準の先生の授業をデジタルコンテンツにし、グラミンのネットワークで村の子どもたちに届ける。

1.プログラム:
1.1.ダッカ大学受験コンテンツ:
バングラデシュ最高の先生たち3名(国語、英語、社会)の集中講義
1.2.リーダーシップコンテンツ:
ハーバード大学ハイエッツ先生の一番弟子のバングラ若手社会起業家EJ Ahmedによるリーダーシッププログラム
1.3.未来キャリア育成コンテンツ:
ダッカ大学現役学生による、毎週のスカイプ将来面談
ダッカ大学教授による未来のキャリア授業

2.期間と目標:
2.1.2010年6月より授業スタート
2.2.同年11月のダッカ大学受験までの5ヶ月

3.対象:
農村部エクラスプールの高校三年生20名(うち女性7名)

4.将来への構想:
4.1.2010年成功モデルをひとつつくる。
4.2.2011年より、全国600のグラミンネット支店でソーシャルビジネスとして順次拡大。
4.3.2015年には6000人の子どもたちに教育を届ける。
4.4.バングラデシュで成功の後には「教師不足で悩むアジア諸国」にモデルを拡大させる。

5.ものがたり:
5.1.農村部ではなにより子どもたちに希望が欠けています。
5.2.彼らの周りには、将来目指したいと思えるようなモデルがないのです。
そんな彼らに、将来「あんなかっこいい仕事をしたい」「こんな風な将来の歩み方もあるのか」と思わせるようなモデルを提示する。

税所君たちの思いは:
「未来への可能性を届ける」
これが一番の成し遂げたいこと。

いかがです。すばらしいと思いませんか?輝いています。皆さんも応援しましょう。
でもそれより、自分一人ひとりは何ができるか?
世界は広いのです、世界へ出てみよう、世界は皆さんをまっているのです。
だからこそ、「休学のすすめ」(資料1)、 なのです。

ところで、このプログラムの募集をかけたとところ、10名の枠に直ちに20数人の応募があり、なんとイスラムのこの国で7名の女子生徒(トップ写真)が集まってくれました、と。

これは快挙です!地元の人は「一種の革命だ」と。優秀な女子生徒を引きつれてきた地元の高校の先生は「この子たちはこの村のHidden Treasureだ。私たちではダッカ大学にすくいとってやれない。E educationですくってやってくれ。」といってくれました、と。この6月に授業開始です。

最後に三好くんの熱い思いと決意 を聞いてください。一人ひとりのこのような思いこそが日本を変え、世界を変えていくちから(力)となっていくのでしょう。

Singaporeの水事業

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Singaporeは小さな島です。歴史的に水の供給の大部分はMalaysiaに依存しており、Johor Bahrから水を送ってもらうことになります。ここの水プラント、管理等はすべてSingaporeが負担です。これは交渉ごとであり、国の弱みでもあるので、長期的には当然のことですが、国の生命線として致命的になる可能性もあります。

日本でも同じですが、1960年代までは川や海は、生活廃棄物も含めて工業排水さえも流していました。水俣病などの公害もこのような結果のひとつです。1962年のRachael Carson著「Silent Spring」も大量規格工業製品生産と消費社会の環境破壊への警告書です。Singaporeの川にも生活排水も、ごみもたくさん捨てられていました。

そこで、長期の国家計画のひとつが水計画 です。

今回、19日に定例のA*STAR会議 (資料1)終了後にMarina Barrage資料1) 、を見学、すばらしい建造物の全体もさることながら、その歴史、計画、実現へ、ほかの水関係事業など、ビジョン、戦略、事業計画などなど、総合力の優れた国家事業です。

2009年のSingaporeでもWater EXPOでもSingaporeの水事業のpackageの展示が注目を集め、日本の展示は質のよい「部品」展示ということで、この視点はNHKでも報道されていました。これでは国際競争にも負けてしまいます。システムの「トータルパッケージ」の提示ができないからです。

今年の6月末にもSingapore International Water Week も大々的に計画、発信され、水事業システムの新興成長国への売り込み計画にもぬかりありません。

日本の水処理技術には定評があり、「水の技術は日本」などと最近まで認識されていたようですが、これはいつのことでしょうか?これも所詮は海水の脱塩膜処理など、所詮は水システム全体を事業として見れば、5%程度以下の部分としての部品の性能と品質なのです。

携帯電話、原子力発電、ソーラーパネルなど数多くの例と同じように、水もまたまた「ガラパゴス部品屋さん」 (資料1) として下請けになって活動していくつもりなのでしょうか?

ガーナ、アクラから-2: 野口英世アフリカ賞シンポジウム

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3月9日は、1日「Hideyo Noguchi Afriza Prize Symposium」です。会場もこのHotel内の会議場です。

今回の訪問は、このサイトでも何回か報告しましたが、2年前に始まった日本政府の主催する唯一の賞、「野口英世アフリカ賞 資料1)シンポジウム」委員長としてきたのです。皇太子殿下もご臨席です。Sub-Saharaへは初めてのことですが、うれしいことです。第1回の受賞者のDrs Greenwoodさん、Wereさんも参加。

私の開会の挨拶、Ghanaの副大統領John Mahamaさん、そして皇太子殿下のお言葉です。その後、Drs Greenwood、Wereさんの講演と続きます。ここで、皇太子殿下と副大統領はご退席。

午後は活発なパネル、最後にWereさんの主催するUZIMA財団の若者たちが作った「野口英世ものがたり」の「紙芝居」で2人の若者がせりふをつけ、最後にこの2人が詩を朗読する、という感動的な終わり方でした。この最後のセッションをぜひ撮影してUZIMAのホームページに掲載してくれるようWereさんにお願いしました。できたときには「リンク」しましょう。

夕方に皇太子殿下が再度お見えになり、まず演者、パネリスト等に謁見、その後、皆さん参加のレセプションでした。パネリスト日本財団の笹川会長のblog、3月9日分も見てください。

皇太子殿下には、本当にハードスケジュールで大変です。これからの旅先のお疲れが少ないことを願っています。

今回の訪問についてGhanaでも、日本でもいくつかテレビ、新聞、On-lineなどで報道されています。ほかにもあるでしょうが、以下にいくつか紹介します。

Ghana news coverage;
http://www.graphicghana.com/news/page.php?news=6722
http://www.graphicghana.com/news/page.php?news=6705
http://mobile.ghanaweb.com/wap/article.php?ID=176510
http://mobile.ghanaweb.com/wap/article.php?ID=178171
http://www.afriquejet.com/news/africa-news/japanese-crown-prince-urges-int%27l-effort-against-infectious-diseases-2010031045535.html                                          http://www.breitbart.com/article.php?id=D9EB5MCG0&show_article=1

日本:
<Japan Times Online>
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20100311a7.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+japantimes+%28The+Japan+Times%3A+All+Stories%29
<皇室ニュース> http://worldtimes.co.jp/today/photonews/100310/100310-1.html
<日刊スポーツ>
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20100310-604410.html
<山陰中央新聞>
http://www.sanin-chuo.co.jp/newspack/modules/news/article.php?storyid=1030617011
<47 News> http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030901000989.html 

ガーナ、アクラから-1

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3月7 日、パリからロンドン経由で夜10時にGhanaの首都Accraに到着。ここは赤道直下、「緯度4゜33’00’’ North、経度0゜12’00’’ West」で、とても「0、0」に近いところです。機内から出たとたん、とても「蒸し暑い」 。海岸沿いの「La Palm Royal Beach Hotel」。宿泊も会場もここです。

今回の訪問は、このサイトでも何回か報告しましたが、2年前に始まった日本政府の主催する唯一の賞、「野口英世アフリカ賞 シンポジウム」委員長としてきたのです。皇太子殿下もご臨席です。Sub-Saharaへは初めてのことですが、うれしいことです。第1回の受賞者のDrs Greenwoodさん、Wereさんも参加。

世界を精力的に駆け回っている日本財団の笹川会長、さらに東京大学の北 潔 教授、久しぶりです。頼もしいですね。

8日は打ち合わせと、今年のCanadaでのG8 Summitでの「Global Health」へのAgendaつくりも視野に入れてNIH Fogerty Program、日本(外務省、厚生労働省、JICA等)、、東京医科歯科大学の太田伸生教授ほか野口研究所にきている日本の研究者、アフリカの関係者などとの議論。

今年1月のダボス会議でHarper首相がG8 Summitで「母子の健康」を打ち上げているのです。日本がホストした2000年の沖縄九州でのGlobal Fund設立提案以来、2008年の洞爺湖サミットでのフォローなど、「Global Health」での日本の貢献はとても大きいのです。特に今年のSummitがG8としては最後かもしれませんし、「MGDs」の進捗状況を考えると、G8 Summitがなくなると「Global Health」はどうなるか、懸念がありますし、、、。

夕方は2人の受賞者、Africa、Ghanaなどの参加者、日本は内閣府、外務省、厚生労働省、JICA関係者とのレセプション。とにかく蒸し暑い。汗がでる。

韓国に学ぼう? いいことですね

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前回でも触れましたが、韓国に学ぼうという社説が日経に出たそうです。結構なことです。原子力、サムソン、現代自動車、Vancouver Olympicと、このところ立て続けにまともにパンチを浴びていますからね。

日本でも、私が時に触れるJBPressなどのネットニュース。これが結構「イケル」のです。そこに出ているのが、JBPress、野口 透さんのサムソンの「ヴァンクーヴァー五輪、真の勝者はサムソンだった; 半導体や液晶だけでない長期事業育成策がここにも」です。

日本の新聞も大丈夫でしょうか?時代の流れの方向は確実ですけどね。発行部数を競争したり、いまだに「記者クラブ制度」にこだわったりとはね。

一方で韓国での報道もあります。

中央日報が、その日本語ネット版で、「日本はいま“快速コリア”研究中」 という記事を掲載、日本経済新聞の社説に触れ、さらに私が前回触れた日経ビジネスの特集を紹介、私のコメントも入れ込んでいます。私の取材は私が滞在中のパリまでの電話でした。

「環境後進国ニッポン」、ついに明らかに?

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日経ビジネス3月1日号の特集を見ましたか?(ネットでは有料のみで見れるようですが、なぜでしょうか)。

はじめには「今週の焦点」で、経済同友会代表幹事、リコーの桜井正光会長。いつも財界のうち向きさ加減に鋭い異論を唱えていましたが、この特集との組み合わせは編集者の意図があるのでしょう。よい選択です。

特集は22-39ページ。タイトルは、ずばり「環境後進国ニッポン」です。世界の動きについていけない、内向きの「技術過信」日本の産業界。特に大企業は会社内の理屈ばかりで、グローバルな世界の動向を「実感」として知らない、議論すると「できない理由」ばかりをいう。

環境技術、日本は世界一、とずいぶん言われていましたね。省エネルギー、水処理、電池等々、でも世界の市場ではどうでしょうか?

技術が進んでいても「グローバルの横への展開」思考と、その「ノウハウ」がわからない。「ガラパゴス」 (資料1)、といわれてもなかなか新しい展開ができない。世界の人脈が薄い、英語もだめ、過去の「成功」にとらわれている精神的鎖国の上層部、責任者に運営される大企業群。国内事業で満足していた「ツケ」ですね。そこへ入社したい若者たちの10-20年後の将来は?そこでの中間管理職をはじめとする「人材」を見ることでしょうか。

具体例もいろいろ、大きく「こと」を見れない、「ものがたり」 を構想し、語れないのでは、いくら技術があっても、宝の持ち腐れです。

これは電気製品ばかりでないのは明白でしたが、なぜか国内の抵抗勢力の力が大きく、また横並び企業が多くて大転換できないでズルズルここまで来たのでしょう。

少々明かりが見えてはいますが、規模が小さい、スピード感に欠ける、何度も指摘されているとこところです。いつまで「単線路線」の従来型のキャリアパスが邪魔なのです。

このように、紙面、報道、ニュースなどなど、しっかり、繰り返し、国民へのメッセージの発信が大事です。それこそがメデイアの役割、そこでこそ政策の施行が可能になるのです。もう「黒船は来ない」 (資料1) のです。

今年1月に何報か報告した韓国の原子力 、さらに産業界ではサムソンをはじめとする、LG、現代、ポスコなどの躍進、最近ではVancouverでの韓国選手の活躍、そこへのトヨタの問題です。

ニッポンがんばれ。ニッポン企業がんばれ。大学も

人材、人財の育成、教育こそが国の根幹です。どんな教育なのか、これは別のことですが。

中国ばかりでなく、韓国にも学ぼうという素直な機運は結構なことです。何事にも謙虚であることは、昔からの知恵であり、教えです。

トヨタ問題はトヨタ固有のものか?

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トヨタ車リコール問題は1月終わりから急激に広がりました。この問題はトヨタという日本を代表する、そして日本が世界に誇る、世界から高く信頼されている企業だからこそ、トヨタにとっても日本にとってもとても深刻な問題です。

トヨタ問題については、このカラムで2度も触れていますので資料1)、この辺で発言を控えておきたいところです。基本的には、従来型日本の「常識」を反映した「タテ社会」、「男社会」、「年功序列」、「横に動きにくい」、「終身雇用と大きな退職金」、「ものづくり信仰」などなどを背景にした日本大企業の課題が根底にあるのです。

この点について、Economist誌がその最新版で指摘 (資料)しています。フラット化するグロ-バル社会へ日本の対応の共通課題であり、私も繰り返し指摘していることですが。

トヨタばかりでなく、ほかの大企業もここに指摘される同じ問題を抱えています。

産業界も大変革のときです、がんばってください。政治にも大きな課題がありますが、産業界にも思い切った改革が必要です。「失われた30年」の始まりになるかもしれません。時間はあまりないと思います。