未曾有の大災害、東北関東の太平洋沿岸を襲う

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今回の大災害、現在時点で2万人を超える方々があっという間に命を失い、また多くの方が大事な人たちを失ってしまいました。皆さんの悲しみは、計り知れないものがあります。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りします。本当に悲しいです。

この2週間ほど、blog postingも休んでしまいました。いろいろ情報集などで、議論など、何かを書いている気持ちの余裕がなかったのです。Twitterもあまりつぶやかず、もっぱらフォローばかりで、お役に立ちそうなもの、私が知ってほしいと考えるようなtwitterを「rewteet 」するのがほとんどでした。

それにしても、映像で見る恐ろしい光景。自然のすさまじいまでの威力。人間の小ささ、そして自然に対して改めて畏怖の感を持ちました。

もう2週間になりますね。

あの時、私は自分の部屋で会議をしていました。数分して、2度目のときに皆で外に出ました。私のところは留学生が大部分ですが、皆さん本当にびっくり。そばにある高層ビルの上のほうがゆらゆらと揺れているのがよく見えました。

携帯もだめ、通常の電話もだめ、最初に情報が取れたのがネットでしたね。メール、ウェッブ、twitterこれらのありがたさ、そして従来の情報インフラのもろさも感じました。

皆さんとどうしようかと考えながら、夜中に1時間ほど歩いて帰宅しました。

それからの報道、新聞、テレビなどを注意しながら見ていると、とにかくどのチャンネルも同じ。始めの数日は、どこまでが本当なのか、ネットがなければ、新聞もテレビも大本営発表的でしたね。ネットがなければ、本当に恐ろしいことだな、と感じる毎日でした。

たしかに、ウェブ時代は社会のあり方を根本的に変える力、可能性があると強く感じました。あの、チュニジア、エジプト、バーレーンと続くウェブ時代の威力が、今回は私たちの力になり、大事な情報源になりました。

このような自然災害で、皆さんの国民の力が出ています、それが海外での驚きと賞賛を受けています。素晴らしい国民です。

一方で、原発事故とその対応は、日本社会の「仕組みの本質」の問題を表しているようにも思えます。

たくさんの海外の友人からメールいただきました。ありがたいことです。

 

TED2011から -1

TED2011に参加 してきました。現場での感じとか、中身はなかなか言葉では伝えられないところがあります。

でも、TED  のウェブサイトでいろいろ検索できますし、プログラムはいうまでもないことですが、写真、twitter(#TED2011,#TED)もいろいろ見ることができますし、素晴らしいプレゼンのビデオも順次Uploadされるので、これらを見ることが出来るのはとても素敵なことです。ぜひ、時々このサイトを訪れ、楽しんでください。

今回のプログラムの中でも、「いくつか選べ」といわれれば、個人的な好みですが、私が特によかったと思ったのが2つ出ているので紹介します。現在6つほどUpload (ビデオの横に「filmed March 2011」というサインのあるものです) されています。

ウェブで学ぶ」 でも紹介されているいろいろなサイトの中でも、私が特に注目していたのがSalman Khan のKhan Academy でした。彼の哲学とその内容が素晴らしいのです。

そのSalmon Khanの「ものがたり」のプレゼン です。本当に感動的に素晴らしかったです。この内容も、利用もドンドン広がっているようですし、多様な評価も取り入れています。

もう1人は、今年のTED Prize受賞者、street artistといわれるJRさんの「ものがたり」のプレゼンです。スケール感が大きいし、楽しめるでしょう?

他には、最近の中東の出来事についてのGoogleのW GhonimとAl JazeeraのW Khanfarの2つのプレゼン、そしてDr Atalaの再生医療(3D印刷技術を使っている)、Bill Gatesの教育についての話を見ることができます。

W Ghonim 
W Khanfar 
A Atala 
Bill Gates

皆さんのお好み、評価はいかがでしょうか。楽しんでください。

 

TED2011

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2年前からTEDxTokyo (資料1) を応援しています。

その本体のTED2011 (資料1) にきています。13年ほど生活したLos AngelesからLong Beachへ。2月末ですが、天気はいいけど、夜は10度以下とちょっと寒いです。

2日を終わって、なかなか充実したプログラムです。全部ではないと思いますが、とても楽しめると思います。

セッションを見ていると、話をするほうもいかに内容のある、心を打つ物語りが必要だと思います。さらに、いかに素晴らしいプレゼンになるか、主催側の「Curators」との共同作業がしっかりしていることがうかがえます。そして、素直に世界にはすごい人たちがいるものだ、と感じます。

一緒に参加しているのはTEDxTokyoで協力しているPatrick Newell, William Saitoさんや、SONYの所真理雄さんと茂木健一郎さん、また奥山清行さんとか、ほかにも日本からの参加者も10人ほどおられるようです。

Twitter(#TED、#TED2011)もあるし、私たちの写真 もいくつか見ることが出来ます。

2日目が終わったところです。

 

Vabel Conference、その後

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1月に開催した「Vabel Conference」のことをお話しました

そのVideoが出来ました。参加の皆さんのスピーチヴィデオを聞くことが出来ます。石倉さんのblogはここ資料1)。

ほとんどの参加者は日本人、演者も日本人、でも全部英語(皆ブロークンです、石倉さん、斉藤さんは別格ですが、、)というのですから、ちょっと変わっているかもしれませんが、盛り上がりましたね。雰囲気作りと、慣れてしまうれることですね。

企画し、主催した「パリパリ」キムくん、英国の大学を休学して世界を回って、しばらく日本にいましたが、また外へ出かけます。

若者はこのくらいの元気でいいのですよ。

ダボスから-4

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今年もダボスは最終日を迎えましたが、いろいろ考えさせることがいくつもありました。

チュニジア、エジプトで急激な政変がおこり、ネット時代のパワーシフトです。WikiLeaksと同じ現象といえます。

一方では、世界経済の不透明さです。これについてはDavid Cameron が国のリーダーとして素晴らしいスピーチをしました。彼らの政府は、この困難なときに大胆な政策を次々と進めています、実に困難な仕事と思います。国内外に、いろいろ批判的意見はあると思いますが、大変なときにこそリーダーの本質が問われるのです。

オバマ大統領も、この時期にWashington DCで年頭の一般教書State of Unionの演説をしましたが、直後の支持率は55%であり、立派なものです。誰もが納得する政策などありません。長い歴史を知り、時代の流れを感じ取り、しかし、まったく新しいグロ?バル世界の変化に、するべきことをする知性と勇気、それを進めていく政策の明確なPriority、国民と世界への説得力ある語りかけ、この辺が世界で見られているところが、この世界なのです。

また、「WHAT IF: there is reunification on the Korean Peninsula? 」はとても考えさせられる議論でした。

今年の会議の最後「Inspired for a Lifetime」 ヴィデオサマリーも見れます。

しかし全体でいえば、日本のメデイアは存在していないかのようです。ダボス会議の報道は、HPの初めにもありますが、Huffington Postまで出ているのに。国内だけではなく、もっと世界にも発信するジャーナリスト、ジャーナリズムはあるのでしょうか? 世界第3位の経済大国ですけれど。また、何人かの記者さん(たいした数ではないですが、、)もおられましたが、国内の「記者クラブ」のような「しきたり」が時には出るようですね。もっとも、参加者からのtwitterが結構威力を発揮し始める兆しもありました。結構なことですね。

今回は、Zurich-Davosの往復は、ともに川口順子議員元外務大臣とご一緒させていただき、ラッキーでした。ありがとうございました。

31日に帰国すると、日本では、政治、経済等々、どんなものでしょうか。

ダボスから -1

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25日の朝、成田からFrankfurt経由で、Zurichへ。夜遅く、ダボスに到着。

26日は朝からいろいろなセッションに出る。特にIdeasLabは面白いし、いろいろなインスピレーションを得られることが多いので、「Design for the New Reality」に参加。ここは、日本からの仲間では石倉洋子さん、西山浩平さん(「Product Design」のdiscussion leaderとして)、またHarvardのToshiko Mori教授が「Scarcity-driven design」。私はGACでこの数年「Innovation」で一緒に議論をしているAdam Blyのがとても面白かったので、この議論に参加。とても面白い、そして新しいドメインを開拓しつつあります。このように指摘レベルのきわめて高いプレゼンの議論に参加するのはとても楽しいです。

石倉さんのblogもたずねてください。

いくつかのセッションにも出ましたが、1日の最後はGACのデイナー。先日Dubaiであった方々が多いので、話は弾みましたが、ゲストはLawrence SummersAmy Chuaという「すごい」お2人。ここでリンクしたお2人のwikipediaを読んでみてください。Lawrence Summersは皆さんよくご存知でしょうが、現在Yale大学で法学を教える教授Amy Chuaは、特に今年の初めに出版した本が特に大きな話題になっている人で、議論が盛り上がりました。デイナーの後で、ちょっとの間でしたがお話できてうれしかったです。

この本は「Battle Hymn of the Tiger Mother」で、2人の娘の育て方を「Chinese mother」として、多いに問題提起の本になっていたのです。

以下に、子供には「してはいけない、許さない」ルールがあるのです。
? attend a sleepover
? have a playdate
? be in a school play
? complain about not being in a school play
? watch TV or play computer games
? choose their own extracurricular activities
? get any grade less than an A
? not be the No. 1 student in every subject except gym and drama
? play any instrument other than the piano or violin
? not play the piano or violin
このほかにもいくつか大事な原則があります。まだ、本は読んでいませんが、さすがというか、彼女によれば「20年前のJewish motherともいえる」ともいっていました。

いろいろ議論が盛りあがるのも無理もないですね。

 

Vabel Conference、パリパリのKimくん

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日曜日の午後、GRIPSで「Vabel Conference」が開催されました。先日紹介したパリパリの元気じるしKimくんの企画です。

学生さんたちが主要なお客さんでしたが、南篠さん、石倉さん、林さん、齋藤さん、わたし、茂木さんと、皆さん話もうまいし、若い人たちが大部分だったので、感動する、元気の出る話ばかりでした。このあたりは石倉洋子さんのblogによく書いてありますので、そちら資料1)をどうぞ。

皆さんプレゼンも英語、質問も答えも、全部英語。誰かがtwitter(#vabel)で「ほとんど全員が日本人なので、始めは変な感じだったけれど、なんだか慣れてしまった」、と発信していました。やはり雰囲気と、慣れることが大事ですね。

Kimくんは、自分でドンドン考え、この企画を進めていたので、いろいろうまくいかないところも多かったのですが、何とか無事に終わりました。案の定、Ustreamもあまりうまく行かず、ちょっと残念でした。私もGRIPSですから、ホスト側の裏方で、会議の計画、スピーカーへの連絡など、意見を言ったり、会場他の手配、設定とかしていたのですが、皆さんが楽しんでくれてよかったです。

GRIPSでの数人の「裏方さん」には本当にお世話になりました、ご苦労さま。無事終了、とても活気のある半日でした。

パリパリの説明はこの記事が楽しいので、紹介します。

 

税所くんの正月、Dhakaから

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Bangladeshで大活躍する早稲田大学の税所くん については、何度もポスト (資料1)しています。

最近では日本のメデイアでも取り上げられていますが、今年も早速、正月3日の朝日新聞朝刊の2面「ひと」にも取り上げられています。

記事を読んでいる朝10時ごろ、Dhakaにいる税所くん本人からメール。「本日の朝日新聞朝刊のひと欄に僕が掲載されているらしいです。ダッカにいるので記事を見れないのですが、 笑」と。

すぐに、新聞記事の内容をそのまま書いて、メールで返事。

「全文ありがとうございます!感謝です。
さっそく、今日ユヌス博士に報告してきます。
行ってきます!」、と税所くん。

私からは;
「My Hello to Yunus-san.
We may meet in Davos (Ref.1) later this month」

こんなことが30分でやり取りできるのですから、世界のどこにいても狭いものです。

ドラゴン桜の税所くんとワタミの「夢アワード2010」

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前回12月21日付けで「ダッカのドラゴン桜、またまたの快挙だ」 という記事を書きました。これは20日に投稿されたものです。

この主人公、税所くんですが、翌日21日に開催された「夢アワード2010」で大勢の予選候補の中から書類選考から最終候補の5人に選ばれていて、21日がこの5人によるスピーチでの最終審査だったのです。前日、会場の日比谷の近くで一緒でしたので、その話も聞いていました。

主催者の話では、5人の最終候補は皆さんともに素晴らしい方達で、とても感動的な会であったようですが、なんとこの税所くんが「ワタミ 夢アワード最優秀賞」と「ワタミ特別賞」ダブル受賞となりました。税所くんのプレゼンはヴィデオで「01:57:55-02:12:33」の時間帯、そして受賞者の発表は「02:19:15-02:25:30」で見ることが出来ます。感動を共有しながら、楽しんでください。

税所くんのインターヴューもあります。

この「ドラゴン桜」は、そのスケール感、目標へのギャップの大きさ、そして実行力からも、とてもすごいことだと思います。

Bangladeshの貧困の村の人たちと若者に、大きな夢は可能であることを実践で示したことで、そのインパクトは計り知れないものがあると思います。

早速、税所くんに「しかしすごいね。最近は、あまり、いろいろありすぎるので、おだてられないように気をつけないとね。」とメールしましたが、翌日に「「賞賛は最大の罠」の精神でいきます!」と返事が来ました。いいですね。

彼は暮れの26日からまたダッカへ向かいます。

「正月はあちらですが、元気でね。」とメールしました。

 

ダッカのドラゴン桜、またまたの快挙だ

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以前からご紹介しているBangladeshで活躍する、早稲田大学を2年も休学してがんばっている税所くん

貧困の村の若者を一流大学へ合格させよう、そして村の人たちに希望を与えたい、という壮大な計画を推進してきました。

そして2人の合格者を出して現地の新聞にも大きく報道される活躍。その活躍ぶりは日本でも取り上げられています。2年前に彼と仲間たちで立ち上げ、その後Grameen Change Maker Programという壮大な命名から始まっています。

残りの受験生はどうなったのか。昨日、メールが来ました。さらに2人の合格者です。

「黒川先生

村からまた新たに2人の男子学生が国立第5位の教員養成コミラ大学に合格しました!!!

以下中間報告です!

国立No1 ダッカ大学合格
Bhuran Uddian Helal ボラル ヘラル ウデリン (男子)
1276位/36000人中

国立No3 ジョゴンナ大学合格
Jaren Akter ジャレンアクテル (女子)
2000位/70000人中

国立No5 コミラ大学合格(教員養成大学)
Muhamad. Hossian ムハマド ホッシャン (男子)
480位/40000人中

国立No5 コミラ大学合格(教員養成大学)
MD Jafor Ahmed ジャファーアハメッド (男子)
270位/40000人中

どの生徒も素晴らしい成績です!

現地では「ハムチャー村の奇跡」と讃えられています。

「村の高校生がどうやってここまで好成績で大学受験を突破するのか」
ドラゴン桜e-Educationメソッドへの注目が高まっています。

Atsuyoshi Saisho」

「いま時の若者は、、」などといっているおじさんたち、何を言っているのですか? 若者は捨てたものではありません。しっかりしていますよ。

「大学を休んででも外へ出てみようよ」、とちょっと背中を押すだけで、新しい広い世界を知り、自分の課題を見つけ、果敢に挑戦するのです。

失敗を恐れてはいけません。高い目標へ挑戦する志と勇気、試す、失敗してもそこから学び、また試みる。これです。「No Failure, no success」です。

このような若者こそが、「社会」「企業」が、そして日本が求めている「人材」「人財」なのではないですか? いわゆる「社会の常識」から外れている「出る杭」です。

だからこそ「休学のすすめ」 なのです。若者に、可能性に気がつく機会を作ってあげることです。日本ばかりが世界ではありませんからね。

皆さん、いろいろな形で、このような若者をいくらでも応援できます。よろしくお願いします。