St. Petersburg、そして出口さんから、ドンキホーテへ

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ロシアは初めてですが、ここは夜の11時になっても日が沈まず、ほとんど暗くならないので調子が変ですね。

IBMの主宰する「The IBM Business Leadeship Forum」という会議で、St. Petersburgに来ています。よくご存知かと思いますが、2006年に発表された「Innovate America」の座長をした、Samual Palmisano(IBM Chairman and CEO)が主宰者です。 4年前ほどから毎年開催していて、一ツ橋Business SchoolのDean、竹内さん(2007/1/26のブログに写真が出ています)は常連のようです。彼は、このような国際会議における、日本人では素晴らしいパネリスト。特にモデレーターとしては最高の方です。今回は、St. Gallenでもご一緒したトヨタの張会長や、社会科学研究センター長の有本さんも参加される予定です。

St. Petersburgについては、www.geographia.com/russia/peter01.htmのサイトを参考にするのがよさそうですね。Baltic海に向かって流れ込むNeva川の河口のデルタにあり、18世紀初めにピヨトル大帝が「ヨーロッパへの窓」として作った素晴らしい都市です。やはり、歴史を知らないとあまり面白くいないですね。革命で1917年にモスクワに移るまでロシア帝国の首都でしたし、18~19世紀の栄耀栄華の香りがどこかしこにします。勿論、ロシア革命発祥の地でもあります。

緑がとてもきれいで、公園も広く、木が多くて素晴らしい風景です。冬はとても寒そうですが、それはそれでみなが楽しんでいるそうです。ここには1週間以上滞在する予定です。皆さんもぜひ訪れてみてください。

Hotel Astoriaは、とても便利な所にあります。今日、4日は月曜なのでHermitage Museumは閉館。ということでこのあたりを3時間ほど歩いてきました。しかし、月曜日にも関わらず街は人でいっぱいです。特に若者が多いです。なぜでしょう、夏休みなのでしょうか?車はそれほど多くはありません。この辺りは古い建物が多く、経済成長はまだこれからということでしょう。

まず、国立ロシア美術館に足を運びました。19世紀の終わりにニコライ2世によって立てられたもので、ロシアの伝統的な美術が最も多く収集されているところです。その隣りにはAlexander2世暗殺の場所に立てられた教会があります(写真1-2)。

写真1-2

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最大の見所は、冬の宮殿 Hermitage(写真3-5)。この宮殿は、Empress Elizabethが18世紀に建て、ロシア革命が起こるまでTzarが住まわれていたそうです。美術館としては世界で一番大きく、4大美術館の一つとされています(他の3つは、Metropolitan in NYC、British Museum in London、それとMusee de Louvre in Parisです)。ヨーロッパのコレクションが数多く展示されており、当時ロシアが超大国であった証でもあります。明日にでも行ってみようと思います。

写真3-5

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ところで、これまでも何度か紹介している、出口さんの「Digital New Deal」についてですが、このサイトで私が座長をしていた内閣の「イノベーション25」の応援をしていただいておりました。このサイトには出口さんの書かれている「DNDメールマガジン」もありますので、是非ご覧になってみてください。ちょうど一ヶ月前のことですが、出口さんがロシアに行かれたことが、4/25、5/9、5/16、5/23のメルマガに書かれていて、素晴らしい読み物になっています。なんといっても元記者ですから、書くのは上手です。しかも、カバーする範囲がとても広いですね。

5/16のメルマガでは、細かく、とても臨場感豊かに、St. Petersburgのことが書かれています。なので、St. Petersburgの話はこの辺でやめておきます。ものを見て、体験して、書いて表現する力の差が歴然なので。

この5/16のメルマガには、先日亡くなったチェロの偉人、Rostropovich氏についても書かれています。また、5/23のメルマガでは、CervantesのDon Quixoteについて議論を展開し、出口さんと私のDon Quixoteについてのやり取りと、私が尊敬する野中郁次郎さんの著書、「イノベーションの作法」について述べられています。ぜひぜひ、出口さんが書かれたロシアからのレポートを読んでみてください。なぜDon Quixoteなのか?イノベーションにとって、とてもとても大事なことなのです。

後は、今日、訪問しましたスナップ、数枚の写真で御免こうむります。

写真6 Neva川の向こうに見るPeter and Paul要塞

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写真7-8 Hotel向かいのSt Isaac Cathedralと、向かい側の広場の光景

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St. Gallenから

スイスのSt. Gallen大学で開かれている、第37回のSt. Gallen Symposiumに参加しています。学生の主催にも関わらず、世界から学生が約200人、スイスはもちろん、ヨーロッパの方が多いようですが、世界のビジネス界でリーダーを務める方々が約400人も参加しています。このシンポジウムは早くも37年目を迎えるということです。私がこの6年間参加している「ダボス会議」と同じ頃に発足しているのです。

1日目の5月31日に行われたKeynote Sessionでは、前イラン大統領のKhatamiさん(去年は国連大学で今年はダボス会議でもお会いしました。写真1)などが話され、私もPricewaterhouseCoopersのCEOであるPiazzaさん等と共に、パネルで講演を致しました(写真2)。

これらの内容はSt. Gallen Symposiumのサイトで、video-streamingで見る事ができます。

写真1-2

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皆さんは主にビジネスの話をしていたのですが、私は若者へのメッセージを主体に話しました。学生さん達からも歓声が上がり、とても好評だったようです。パネルの司会をされた英国のLord Griffiths of Fforestfachからも、「最高だ」と喜んでくれました。この後も何人もの方から「素晴らしい」とのお言葉をいただき、学生さんも沢山集まり、夜まで盛り上がりました。日本からも17人ぐらいの学生さんが参加していますが、その約半分が留学生で、Argentine、Singapore、Malaysia、Poland、US等々、多士済々でよかったです。15年ほど前から日本側のお世話をしてくださっている元財務官の行天さん、現財務官の渡辺さん(去年も参加しているそうです)と会場で撮ったスナップ(写真3)と、学生さん達と撮ったスナップをお見せします(写真4)。

写真3-4

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2日目の夜は、この会議を日本側でお世話されている方々と、St. Gallenでは有名なレストランGupfで会食しました。眺めは最高で、またワインセラーがすごいのです。ところが、なんとその日は雨という最悪の天候で、ガスが多くて山の上まで何も見えませんでした。この会食には、先程もご紹介致しました行天さん、渡辺さんはもとより、在ハーグの小和田さんご夫妻、到着されたばかりの張トヨタ会長ご夫妻、スイス大使もされたことのある国松元警察庁長官、阿部スイス大使ご夫妻、堤さん(三菱商事役員で元通産省事務次官)、NHKの今井さんご夫妻、Credit Swissの鈴木会長ご夫妻等々、素敵な方々が出席されました。この方々が中心となって、日本の立場から、色々とこのSt. Gallenのシンポジウムの応援をしていただいているのです。

この場所からコンスタンツ湖が見下ろせ、その向こうがドイツ。そこの近くで毎年Lindau Meeting with Nobel Laureatesが開催されているのです。参加した日本の若い研究者を何人か知っていますが、Nobels賞受賞者達との交流にとても刺激を受け、日本と全く違う雰囲気だという感想をよく聞きます。去年は化学がテーマで野依さんが参加したと思います。第2次世界大戦敗戦後のドイツが、若い研究者の育成を目的に、50数年前に始めたプログラムのようです。人を育てる教育政策とはこうでなくてはいけません。もっと、若者を信じることです。

St. Gallenでは、明日の最終日も出席して、3日にロシアのSt. Petersburgへ向かいます。