タヒチ-3 (Captain Cook、Baunty号、Stevensonの灯台)

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写真1

Tahitiはゴーギャン(Paul Gauguin 1848-1903)がよく知られていますが、一方でCaptain Cook(1728-1779)も有名ですよね。

3度の大航海というCookの偉業は本当にすごいものです。彼は1769年にここTahitiに来ます。この時はRoyal Society王立協会の依頼で、“Transit of Venus across the Sun”(金星が太陽を横切る)の観察に来ているのです。

話はそれますが、映画などでおなじみかと思いますが、9年後の1788年に、Cookが上陸したこの場所に到着したのが戦艦Bounty号です。Bounty号上陸の記念碑(写真2)がここにあります。

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写真2: Bounty号の上陸の碑

Cookたちが上陸したこの場所には灯台があるのですが(写真3~5)、100年後の1867年(明治元年)に有名なStevenson社(創設者 Robert Stevenson 1772-1850)によって建てられています。

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写真3: 灯台全景

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写真4: 灯台の前で

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写真5: 灯台の入り口

この灯台でとても面白いものを見つけました。それがトップの写真1で、これは写真5の左側に見えるものを拡大したものです。この「明治維新にかかわる、歴史の偶然ものがたり」は次回にしたいと思います。

同じ頃、つまり明治初期に日本で建てられた主な灯台Richard Brantonという方の設計です。彼はRobert Stevensonの弟子にあたります。

タヒチ-2

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タヒチ(参考)というと、誰もが一度は行ってみたいと思う、太平洋の遥か彼方の素敵なリゾートというイメージでしょう。特にTahiti諸島のBora-Bora島など、新婚旅行の旅先としても人気がありますね。

前回のブログの続きですが、90年もの歴史のある太平洋科学会議という由緒正しい学術会議でここに来られて幸せです。

これからもなかなか来る機会がないでしょうから、少しは珊瑚の海に入るとか、カヌーを漕いでみるだとか、自然を楽しまない手はないですね。

そこで、ちょっと時間を作って、タヒチ島を車で一周り。また、島の中心にそびえるMont Orohena (2,241m)の麓までドライブしてみました。この山の奥にはLe Relais de la Maroto Mountain Hotelというホテルもあり、土着神の野外祭儀場で地元の人たちの祭壇とも言えるmaraeもこの近くにあります(参考 1.)。

ゴーギャンの美術館(中には入れませんでしたが)や、カヌー、離れ小島でシュノーケリングなど、少し楽しみました。

しかし、市田さんがおっしゃっていましたが、ここには蝶や鳥があまりいないようです。種類も少ないとか。

でもブルーの海と空、白砂、緑の樹木、ぜひ行ってみてください。

 Picasaに写真をいくつかアップしました。

タヒチ-1

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写真1

日本から遥か南のタヒチに、初めてやって来ました。タヒチ航空(Air Tahiti Nui)の直行便で成田から11時間。成田-Tahiti島(Papeete)を週に2便飛んでいます。

今回は太平洋科学会議で、会場はTahitiのHilton Hotelです。砂浜のテントの会場(写真1)もあり、これはこれでなかなかいい雰囲気でした。Tahiti的で映画のロケにもよく使われるMoorea島も目の前(写真2)です。2年前は沖縄で開催されましたが、その時のことは以前ご紹介しました。

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写真2: Moorea島

French Polynesiaの一部ですから、フランス政府も力を入れていて、参加者は約800名。初日はやたらとフランスの国威発揚的な挨拶が多く、ちょっとやりすぎと感じるほどでした。

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写真3: Opening Session

気候変動、珊瑚礁、生物多様性、人間社会と自然保護など、太平洋をめぐる演題が盛りだくさんです。これがこの太平洋科学会議の特徴です。

バードウォッチのプロ、BirdLife International市田さんITUのeHealth理事でもある東海大学医学部の中島功教授の2人も参加され、鳥インフルエンザと渡り鳥の関係性やその監視の可能性について、素晴らしい講演がありました。

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写真4: 市田さんと

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写真5: 中島さんの講演

夜は毎晩主催が変わり、最初は学会長・French Polynesia大統領・High Commissioner共同主催。次は学会主催者側とFrench Polynesia大統領の主催、最後は学会主催のフェアウエルで、TahitiとPolynesiaの素敵な踊りが披露されました。

Picasa上でいくつか写真を公開していますので、みてください。

オオワシとオジロワシ

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写真1

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写真2

写真1はオオワシ、カムチャッカから北海道の北の海を中心に生息する世界でも2番目に大きなワシです。そして写真2は、少し小さいオジロワシです。

これらの写真は、私の友人が1週間前に撮影したものです。
(下のリンクから他の写真も見ることが出来ます。)
 ・オオワシ
 ・オジロワシ

今の時期、このような猛禽類がオホーツク海から北海道の知床半島のほうへ流氷とともにえさを求めて集まり、このあたりは世界一の集積地になるんだそうです。

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写真3

動物写真を撮る大勢のプロカメラマンも、この時期船をチャーターして写真を撮りに集まるそうです。BBCのクルーも来ていたとか。

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写真4

素晴らしい写真です。本当に美しいですね。

日韓の将来。佐藤剛蔵に学び、その遺産の継承へ

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先日のブログで、20世紀の前半、韓半島の医学教育に貢献された佐藤剛蔵先生について少し触れました。2007年の10月、ソウルへ同行してくれたジャーナリストの出口さんの名文があります(参照 12 )。

このソウル訪問から約1年と4ヶ月を経た2月20日、佐藤剛蔵先生から私たちが何を学び、将来へ向けて何をするか、そのような趣旨の会を私の所属する政策大学院大学で開催しました。

素敵な会でした。その詳細はまた出口さんの取材力とプロの素晴らしい筆の力にお任せしましょうJSTサイエンスポータル編集長の小岩井忠道さんも素敵な報告をしています。

不思議なご縁ですね。集まった皆さんが、想像もできない不思議なご縁で繋がるのです。

つい2日前の18日にCanada大使館でお会いした参事官のChristine Nakamuraさんのご両親もいらっしゃいました。

感動の一日でした。皆さんありがとう、そして明るいお隣同士の将来へ、共同作業を始めましょう。歴史に学び、行動するのです(参考)。

Canada and France大使館

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カナダから、前科学技術顧問のArthur CartyさんをリーダーとするNanotechチーム一行6名ほどが来日され、18日にCanada大使館でレセプションがありました。活気のある時間でした。去年9月に着任したFried大使ともお会いし、5年前、私が日本学術会議会長のころ、日本-Canada国交75周年を記念して「Young Woman Scientists Exchange」をはじめたことなどお話しました。いろいろ新しい知己があり、旧交があります。

翌19日は、フランスの将来予測と情報経済担当大臣のNathalie Kosciusko-Morizetさんをお迎えして、フランス大使館でディナー。2日続けて英仏語が入り混じりの会話に包まれていますが、私はフランス語が全然ダメなのです。

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写真1: 右からKosciusko-Morizet大臣、Philippe Faure大使、私、Dr Jean-Louis Armand科学技術担当公使

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写真2: 大臣と私

このカメラマンはセンスがいいですね。彼のblogも素晴らしいですよ。

大臣もblogで情報発信 ( 12 )、私たちとのことも書いています。

別途報告しますが、この日は日韓の近代医学教育史に貢献した佐藤剛蔵先生について考え、今後の日韓関係を考える企画のレセプションもあり、挨拶をしました。明日が楽しみです。

「神の雫」 150年物のChateau Lafite、究極の贅沢

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150年前の日本は明治維新(1867年)直前の大変化の時でした。英仏との公式な国交が始まったのもそうですし、慶應義塾の創立も150年前でした。去年はいろいろと150年の記念行事が開催されました。

もう一つ、Darwinの「種の起源」の出版も150年前です。

その150年前にあたる、1858年のChateau Lafite を2本味わうというとてつもない経験をさせていただきました(当たり年なのですね、しかもRothschild男爵家の所有になる10年も前のものになるそうです。)。

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写真1~3: 1858年のChateau Lafite

ロンドンへ向かう前日、1月24日のことでした。集まったのは20数人ほど。誰が集まったのかは言わないことにしましょう。こんな経験は、招かれても、関係なくても、恨まれるかもしれませんから。Gibraltarで見つかったのを、どうにかして手に入れたとか。(ご参考までにアンティークワインを取り扱っている会社のサイトをご紹介します。)

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写真4~6: 慎重に、慎重に

日本ソムリエ協会長の小飼さん(写真8)もこんなワインは初めてでしょうけど、解説を聞きながら、2本を1時間ほどの間隔で。同じ2本でもけっこう味は違うのです。

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写真7~9

ほかのワインは以下のリスト(写真10)。料理は京野菜あしらいフランス料理。

Gemurztraminer Vendange tartives 1998, Louis sipp
Puligny-Montrachet 1er Cru Champ Canet 2006, J.M. Boillot
Pommard 1er Cru Grand Clos des Epenots 2005, Courcel
Chateau Mouton Rothschild 1996
Tokaji Aszu 5 Puttonyos 2002, Torley
Philipponnat Reserve Rosee N.V

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写真10

食後酒は、75年のChateau d’Yquemを。

いやいや、究極の贅沢を、ありがとうございました。

3週間ほど前とは思えないほど、はるか昔のこと、まだ夢のようです。

ローマから、G8 SummitのGlobal Health Agenda作りへ

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11日は、例によって成田21:55発、Air Franceの最終便でパリへ向かいました。この3~4年、何度もこの便を使っています。1日仕事をしてからゆっくり成田に行けますし、ヨーロッパに行くのにはとても都合がいいのです。ロンドンなど、上手くいくと、朝から会議があっても、9時半ごろには着いていますから。

12日の朝9時半にローマにつきました。St. Regis Hotelという素敵なホテルにチェックインです。New Yorkから来ている坂野君と合流して、明日の「Global Health Forum」の打ち合わせ。私たちが運営する日本医療政策機構Aspen Institute Italiaの共催で行ないます。Rockefeller財団などの後援も受けています。

これは、去年私たちが開催した「Global Health Summit; Toward TICAD, G8 and Beyond」と同じプロセスを、今年Italyで開催されるG8 Summitに反映させようという試みです。準備会議として去年の12月にも開催しました。

会場はこの豪華なホテルの中です。私たちと共催母体になっているAspen Institute ItaliaのPetroni教授と私の「Welcome Speech」 で始まりました。スピーチの最後に、日本とItalyの2000年、2001年のサミットの功績で「Global Fund」ができたこと、そして2001年のGenoa Summitは現首相のBerlusconiがホストであったことについて触れました。

会場は皆が囲んで議論する形を取っていて、テレビスクリーンが配置されています。写真ができてきたら、もっとお見せしたいと思います。

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写真2、3: 会場の雰囲気

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写真4: SherpaのMassoloさん、WHOのDr Chanさん

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写真5: 私の隣だったTremonti大臣

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写真6: 右からMinister of HealthのHatem El Gabalyさん、WHO Executive Director, Global Health Workforce AllianceのSheikhさん、Executive Secretary of GAVI AllianceのJulian Lob-Levytさん、ActionAid International代表のNoerine Kaleebaさん(Ugandaの方です)

WHO Director GeneralのMargaret Chanさん、またAspen Institute Italiaの会長で現在の大蔵大臣のTremontiさん、ItalyサミットのSherpaのMassoloさん等々が参加してくださいました。私と一緒に洞爺湖サミットでお世話になった武見敬三さんも参加されて、とにかく皆さんで熱心な議論が展開されました。この経済状況のひどい中、今年の夏に開催されるイタリアのG8サミットに少しでも役に立てると嬉しいですね。日本のプレゼンスをあげるためにもね。

ちょうどこの日にThe Lancet, February 14th, 2009; volume 373, number 9663, p.526-7 : に私たちが投稿した「日本でのGlobal Healthへの経験」を中心に書いた記事「Italian G8 Summit: a critical juncture for global health」 が出ました。The Lancetは誰でも登録すればかなりの部分を無料でOn-lineで読むことができます。ぜひ登録されるといいと思います。ここにはOn-line版PDFをリンクしておきます。

RomeではあすからG7財務大臣会議があるということで、今晩はレセプションが開催されるそうです。来週にはG8で医療に関して議論するH8会議、さらにはG8のSherpa会議があるので、関係者はいろいろ忙しそうです。

夜はPeter Singer(Univ. Toronto) (参考), Gates FoundationのDr. Rajeev Venkayya、坂野君とで、この辺では有名なレストランへ。

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写真7: 右から私、Peter Singer (Univ. Toronto), Gates FoundationのDr. Rajeev Venkayya、坂野君

Vankayyaさんは10数年前にも、私に会っているそうです。私がまだ東大の医学部教授のときに、Michigan大学とChief Resident Exchange Programをはじめ、そのときに来たんだそうです。奇遇ですね。

 

再びニューデリーから

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ダボスからミュンヘン経由し、2日の早朝にニューデリーに到着。この1年の間に3回目の訪問となります。

インドは理解し難い、不可思議な国と感じる人も多いでしょう。面白いblogがありますのでご紹介します。ユーモアたっぷり、なかなか面白いです。

さて今回の目的は、去年の夏と同じくJeffery Sachsさんのチームとともに、年に2回開催される(去年の2月は欠席しましたが)インド厚生大臣による国際諮問委員会です(参考12)。ここでの中心テーマは、「農村の医療」です。

The Taj Mahal Hotelにチェックインして早々に、インドの研究者とNGOの方々から、進捗状況や分析の報告があり、そこでの課題等について討論を行ないました。夕方に一休みして、レセプションへと続きました。

翌朝は厚生省の会議室で、大臣を中心に約5時間弱(昼食時も食事を取りながらでした)にわたって、役所からの報告と討論。前回のときも同じでした、大臣は殆どの状況を把握していて、ご自身で解説され、討論にも参加します。この「農村医療」という分野の専門で、事態を良く理解されています。データに見ても、この1年で計画が素晴らしく(といってもまだまだですが)進捗していることが明らかです。感心しました。

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写真1: 諮問会議の様子。インド側、前列左から5人目がRamadoss大臣

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写真2: 同じく、委員会側。右からNorwayの首相顧問Dr. Tore Godal、私、Health Minister of Kenya、Dr. Sachs、Health Minister of Malawi、Health Minister of Rwanda他の方々

インドの状況は、背景が違うとはいえ(インドでさえもがまだましかもしれない部分が多いのですが・・・)、アフリカでも当てはまることが数多くあるだろうということで、Kenya(Professor Peter Anyang’Nyong’o, Minister of Medical Services)、Rwanda(Dr. Richard Sezibera)、Malawi(Minister Khumbo Kachali)から厚生大臣が参加されました。この会議の内容は大変参考になったようで、ここでも活発で建設的な意見交換ができました。

夕方にホテルを出発し、飛行場へ。成田へ向かいました。

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Dsc00566 写真1

31日は英国のGordon Brown首相の後に、麻生総理の力強い演説がありました。特にAfghanistanでの学校や医療施設の建設や援助、Kabul国際空港の復興支援、Palestineでの日本の活動、またAfricaへの援助の増加など、世界から高く評価される話題に触れられたのがよかったです。これらのことはもっともっと積極的に国内外へ政府が広報すべきですが、こういうところで私たちにも新鮮に感じられてしまうのでは、ちょっと残念に感じました。でも、全体に力のある講演でした。

その後、総理はいくつかの面談をこなされて昼食を取られましたが、ここにお招きを受けました。ここでも海外の要人たちとの活発な議論がありました。積極的な会話は大事です。

Dsc00561_pmaso 写真2~3: 麻生総理の講演と昼食会

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Dsc00575_ogata 写真4: 昼食会場でJETRO林理事長、緒方ご夫妻、UNESCO松浦事務局長と

会場での昼食はなんとユニクロ(UNIQLO)がSponsorで、大変好評でした。気の利いた展示、いくつもの映像が流れていて(最初の写真など)きれいでした。またお弁当もとてもおいしかったようで、これも大好評。この日のお昼前後は、日本の存在がとても目立ちました。皆さんご労様でした。

斉藤環境大臣も総理に同行されたようで、私の友人でもあるYale大学のDaniel Esty教授と歓談されました。

Dsc00579_three_with_kk 写真5: 斉藤大臣、Esty教授と

最終日の2月1日は、Global Agenda Councilへ参加。

最後のセッションは南アフリカのTutu大主教(Apartheidの廃止などで活躍。その後も人権問題などで活動を続けて、1984年ノーベル平和賞 を受賞しています。)と若者達の対話が、なかなか面白く、さすがに宗教家、人権問題の活動家ですね。とても話が上手です。

Dsc00599_panel 写真6: Tutuさんと若者達の会話

今回の世界の転換期を象徴するダボス会議の締めくくりは、こちらのWebサイトで見ることが出来ます。

帰りがけにホテルのロビーで、Microfinanceをはじめて、Bangladeshの女性の自立を支援したGrameen銀行のYunusさん(ノーベル平和賞受賞。グローバル時代の社会起業家という大きな存在として何度も講演などで紹介しています)にお会いしましたので、日本の若者たちの意欲などについてお話しました。3月にも来日されるそうです。またお会いできると嬉しいです。

Dsc00604_india_and_kk 写真7: Yunusさんと

この後、Zurich空港へ移動し、これからNew Delhiです。