リベラルアーツ教育

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以前から、「リベラルアーツ Liberal Arts」  教育が大事、と盛んに言われたことはありました。最近またそんな風潮があるようにも思われます。この数年、イノベーションの「伝道者」野中郁次郎先生も、繰り返しLiberal Arts教育の大切さを述べておられます。

ICU は基本的にLiberal Arts Collegeといえますが、今年は新しくSummer Courseとして合宿形式の「Liberal Arts」コースを開催しました。私も興味がありましたし、セミナーにもお招き頂き大変楽しい80分を過ごしました。広い、緑の多いキャンパス、私は高校生の頃は、実はこの大学に行きたい、と思っていたのです。

私なりに思うのですが、Liberal Arts とは人生で色々な困難にあったときや迷うとき、自分の選択肢の指針を学ぶことではないかと思います。各論はともかく、多様な文化を超えた普遍的な人間の基本を学ぶということ、と思います。これは去年Harvard大学のFaust学長 が来日したときも同じような趣旨のコメントをしていました。

先日紹介 しましたが、今年の夏にはHarvardの学生さんによる「This is Liberal Arts: Summer Course 2011」 もお手伝いします。高校生を対象にする、1週間という短い時間のコースですが、こういう主体的な取り組みはぜひ応援したいし、内容も素晴らしい企画です。色々苦労しながら進めているようです。私のメッセージ も掲載させてもらいました。

以下のような内容です。

「The aim of the HCJI-LAB Liberal Arts Program is to provide a model for life-long learning, for engaging society in meaningful ways, and for making a difference in the world. Liberal arts education draws on the rich histories of human wisdom common to all cultures, as evidenced by a nation’s philosophical, religious, scientific and social traditions. What are the values that shape the decisions we make, and what new skills are needed to respond to the challenges of rapid technological and social change in an increasingly interconnected world? By emphasizing critical thinking, freedom of expression and experimentation, students will learn to make decisions that positively impact society and to develop meaningful ways of working in a globally connected marketplace. A liberal arts education prepares students for the leadership roles that will shape future generations.」

あまり専門性ばかり強調した大学教育も困ったものです。

 

 

本庄くんからのうれしいメール

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去年4月から、主体的にあまり変われない大学に業を煮やして、学生の主体的な選択として「休学のすすめ」 を説き始めました。このサイトで「休学のすすめ」をサーチすると、4月8日の「慶応義塾大学SFCキャンパス」での講演  以来、機会を捉えては学生さんたちを励まし (資料1)そのような主張を何回かポストしていることをご覧になれるでしょう。

休学している間も結構な金額を徴収する私立大学があることに対しても、学生さんたちを色々な機会に励まし、活動を勧め、一方でしばらく時間がたった今年の1月には、「休学のすすめ:海外出る若者 応援しよう 」という私の意見を出しました。

いくつかの私立大学ではこの休学の学生さんの負担を大幅に減額してくれました。大学当局に感謝です。ありがとう、もっとも、教育機関として当然のことですけど。

ところで、私の話を聞いて、4年生にもかかわらず「就活」を止めて、早速休学してガーナへ行った本庄くん資料1) から、以下のような嬉しいメールが来ました。

「黒川先生

ご無沙汰しております。休学してガーナへ行っていた慶應SFCの本庄です。

ガーナでしてきた様々な体験をもとに考え抜いた結果、就職することにしました。来年から、日産自動車で働きます。

日産は非常に多様性溢れる人材登用をしていて、女性や外国人の社員が中途で多く働いています。

グローバル社会で、自分の価値観にあった生き方をしていく上で大事な考え方を多く学べる環境だと思っています。

外に出て、日本にはない価値観とふれあう事で、自分の物差しを基準にして生きていく重要性を体で理解できました。

これも、「休学のすすめ」を聞いたおかげだと思います。

ちなみに今年の9月に卒業予定なので、来年の4月から働き出すまでの半年間を、ギャップイヤーとして有意義に使いたいと思います。」

このメールからも新しい自信が感じられます。ご両親もご心配をかけましたが、心から「おめでとう」を申し上げます。もっとも、私は怒られているのかもしれませんが。

こういう目覚めた若者を採用する「見る目」のある企業はいくつもあるのです。学生さんたちもあわてて就職活動しているばかりでなく、休学の可能性も考えて見ましょう、AIESECなどもあるし。

このように「当たり前の採用をしている企業」もあることを知りましょう。こういう企業が価値を持っていくでしょう、グローバル世界ではこれが普通のことなのですから。

企業の方々も、大学部3,4年生で「一括採用、内定」などはしない工夫をしましょう。まして「内定取り消し」 など、企業の評判を社会のみんなが見ていますよ。これは「CSR」の大事なポイントの一つです、ジワジワと評判に効いてきます。

若い人たち、自分の仕事の場所は日本に限っているのではないよ。まずは短くてもいいから、「外」へ出てみよう、「休学」を考えよう。

 

東大が変わる?東大の社会的責任

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最近のことですが、東京大学が秋卒を検討するというニュースがありました。

これは何を意味するのでしょうか?勿論、世界の多くの国の主流大学での入学・卒業に合わせるという意義があるでしょう。特に大学間の国際交流を推進する、国境を越えた大学途中での転校Transferを可能にする、とか、いろいろな意味合いがあります。

実はこのような試みは行政当局も全面的に容認したわけではないですが、セメスター制度の導入を可能にし、したがって秋卒(秋入学も)を可能にしていたのです。一部の大学では、一部の学生に秋卒(卒業式も、、)、秋入学を導入していましたが、これらの大学は日本社会に所詮は大きな影響を与えません。しかも、そのような大学での秋卒の学生はどのような就職状況になるでしょうか?

新卒の一括採用などという旧態依然とした大企業のドグマに対して、大学は大して抵抗できませんでした。せめて、内定の決まらない学生を1年間卒業延期して「新卒」というタイトルにするとかくらいです。このところ大学生でも(高卒は言わずもがな、、)就職難(中身は「就社」ですが、、)なのです。大学が大々的に秋卒検討など出来るわけがありません。

社会制度が「4月入学、3月卒業」で出来てきているので、国際化などと言っていても、所詮は出来ない相談なのです。大学と国際社会のミスマッチです。

その意味で、東大が秋卒の検討を始めることは、このグローバル化、日本社会と秋卒ミスマッチへのチャレンジともいえるのです。本当の理由は違うところから始まったのかも知れません。でも、結果としてはそのようなインパクトがあるのです。

この点を指摘している考察が、その「反骨精神」「若者への本物の気持ち」に私も感心して私もこの何年か影で応援 している城 繁幸さんから出ています。さすが城さんですね。鋭い考察です。

つまり、日本の大学とその制度、社会への変革の圧力を与えるには東大が始めることが大事なのです。同じことを他の大学が検討を始めてもニュースにもならない、だからメデイアも取り上げない、だから社会へのインパクトもほとんどないのです。

つまりは、グローバル世界への日本社会制度の適応は、それぞれが出来ることをする、しかもそれが従来の日本社会での「一番の権威」、大学であれは東大、が動かなければ、何も起こらないのです。これが「リーダー」と思われている機関の責任なのです。私が「東大総長機関説」などという言葉を講演などでも使っているのも、これが理由です。

医療制度改革(「健康制度改革」というべきですが、、)での大学病院の役割についても、同じ理屈で、拙著「大学病院革命」で提言しているところです。ほとんど話題になりませんが、、、。

さてどうなるか。日本改造の旗手になれるか、学の頂点、東京大学。

沖縄の新しい研究大学院の芽、OIST

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このカラムで何回か資料1)沖縄に出来つつあるまったく新しいグロ-バル世界に開かれた研究機構OIST を紹介しています。

これを大学院大学へと移行する計画を進めています。私もその責任者、また応援団の一人です。先日のカラムで、私がKuala Lumpurから理事会に電話会議で参加したのですが、うまくつながらなかったことをお伝えしました。

そのときの理事会でさらに一歩前進の様子になりました。

この画期的な大学院への移行の可能性は、「そんなことが本当に日本でも起こるのかな、、」と、世界でも注目を受けており、今回の理事会については、Natureに2つの記事が掲載されました。

1.‘Okinawa goes recruiting’

2. ‘Made in Japan’

このような記事がさらに増えていくと期待しています。

ここまで来るだけでも本当に大変でした。 Drs Sydney Brenner, Jonathan Dorfan, Torsten Wiesel 以下の錚々たる世界を代表する支持者、応援団としての関係者、そして国内関係者に、心から感謝です。

でも本当のチャレンジはこれからです。「開国日本」の研究大学院として世界の科学者に認められるよう、皆さんと一層の努力ですね。ある意味で、日本国の意思と科学者たちの信用がかかっている、と思います。

皆さんの応援をお願いします。

とても嬉しいです。

 

野中郁次郎さんとの対話: UCB-UCLA同窓会のイヴェント

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日本のイノベーションの大御所ともいえる野中郁次郎さん。世界的にも高く評価され、私も尊敬している学者です。多くの素晴らしい著書があり、私もいくつも好きな本があります。「失敗の本質」、「イノベーションの本質」、「イノベーションの作法」、「美徳の経営」などなど、調査分析と聞き取り、そこから「ことの本質」を見つけていくところがすばらしいのです。

つまり、先生の本や講義では、通常のビジネススクール的な分析と「ノウハウ」だけではなくて、むしろ本質を追及する人間らしさに裏打ちされた「リーダーシップ」と「共通の哲学」の追及があるからだと思います。いわゆるアリストテレスの言っている「フロネシス」の大切さです。言って見れば、日本のPeter Drucker的な方です。事実、野中さんは「First Distinguished Drucker Scholar in Residence at the Drucker School and Institute, Claremont Graduate University」 なのです。

以前からちょっとご相談していたことですが、野中さんがUniversity of California at Berkeley (UCB)の日本同窓会長になられ、私がUCLAの日本同窓会長ですので、色々な企画をご一緒に、とお話していたのです。

7月1日、それが実現しました。「3.11震災後のイノベーション」をテーマに「野中さんと私」の対談を企画しました。大勢の方の参加を頂き、とてもExcitingで盛り上がった会になりました。夕方6時半から開始で、レセプションが10時まで続きました。野中さんは明日から大連、ということで早めにお帰りになりました。

一橋ビジネスレヴュー、最近出た「夏号Summer Issue」 は「野中郁次郎大いに語る: 知識経営の最前線」が特集です。

私がまず30分、「Setting the tone」的に、私がこのサイトでも繰り返し述べている「3.11で世界に丸見えになった日本の強さと弱さ、その原因の本質」資料1)について話しました。

野中さんは、一橋大学「ビジネススクール」を立ち上げて10年、去年Harvard大学へ戻った竹内弘高さんとの共著論文「The Wise Leader」がHarvard Business Review、May issueに出たばかり。これで30分の話を始め、その後は参加者とも60分ほど質疑応答があり、とても知的興奮に満ちた時間が経っていったと思います。

野中さんも私も、知識ではなく、「リベラルアーツの大事」から感じ取っている志(こころざし)、思想と共通善といった価値観、そして実践、行動、判断から学ぶ英知、経験知といった点を強調していたように思います。

ちょうど「Voice」7月号が「菅政権、失敗の本質」という特集であり、その筆頭に野中さんが「リアリズムなき政治家が国を壊す」という論文を書かれています。野中さんは話の途中で、「3.11」以後、何故か「失敗の本質」の議論が盛り上がったんですよ、といわれました。「今回3.11 後の日本の対応は「失敗の本質」と同じことを繰り返している、「リーダー」たちは何も学んでいない」と私を含め何人かが指摘し、twitterなどで発信していましたよ、とお答えしました。

いずれビデオなどの形でこの対談をお見せできると思いますのでそのときにまたお知らせします。

参加者からもいくつものtwitterやメールをいただきましたし、またBlogにも書いていただいています。

DSCN1825 

「This is Liberal Arts: Summer Course 2011」の発案者で去年この構想をBostonで始めた小林くんとその仲間の鹿野くん、さらに安居くん、UCLA OBの横山さんたちと、その後一杯(写真)。

皆さんと充実した数時間で一日が終わりました。

 

女子大生への応援メッセージ

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私が常日頃から、女性応援団の一人であることは、このサイトを訪ねてくださる方は良くご存知と思います。このテーマでの講演会 (資料1)などの話もよくでてきます。

「女性の品格」などで知られている坂東真理子さん が学長をしている昭和女子大学で講演をしました。会場の人見記念講堂 が一杯になるほどで、約2,000人の方が、ほとんどが学生さんですが、来てくれました。

若い人たちにお話しするのはいいですね。皆さん元気があって。

このサイトでも何回も出てくるコメント (資料1, , )ですが、「3.11」の大災害が起こって、男性中心の日本のタテ社会構造の弱点が世界に丸見えになった話から始めました。情報時代の怖さです。そして女性に期待するところが大きいという話です。

「休学のすすめ」や、グローバル世界での女性の活躍の動向や実例などを紹介しながら、話を進めました。皆さんが、それぞれに素晴らしい人生のキャリアを見つけて欲しいと心から思っています。

学長、理事長に、学生の休学時の学費などを徴収しないようにも、お願いもしてきました。

いくつかtwitterでもメッセージをもらいましたが、こんなメールが来ました。

「昭和女子大学人間社会学部心理学科4年のMと申します。

本日、昭和女子大の女性教養講座を拝聴しました。貴重なお話をありがとうございました。どうしても、本日の講演の感想をお伝えしたく、メールさせていただきました。

お話を伺い、今の私たちに必要なことは、まず自分自身に挑戦の許可を与え、それに対する情熱を持ち続けることだと感じました。

そして、今まで私たちが生きてきた日本という国を外側から見て、今までとは違う新しい視点を持つべきだと思いました。

3.11が起きてから、漠然と、今まで当たり前と思っていたさまざまなことが、信じられなくなった様な感覚を覚えています。

しかし、こんな風になってしまった日本を変えて行くのは私たちの仕事だと、今日強く感じました。

自分から動かなければ、何も始まらない、変えられないという、先生の力強いお言葉を胸に、自分のやるべきことに尽力したいと思います。

拙文、どうかお許しください。

本日は本当にありがとうございました。」

学生さんからのこういう反応と「つながり」の始まりが一番うれしいのです。

 

Harvard大学生たちによる「This is Liberal Arts: Summer Course2011」のご案内

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日本からの米国有力大学への留学生が減っている」 (資料1)ずいぶん騒がれています。これは事実ですが、問題は「最近の若者は外へ出たがらない」から、というのは間違いです。見当違いです。

これについては、私も何回か指摘 (資料1)し、その理由も説明しているところです。また別の機会にも議論しましょう。

私が機会あるたびに海外で活動している若者達と積極的に交流していることはこのサイトからもご存知かと思います。Bostonあたりでは、主にHarvardやMITで勉強したり、研究をしている若者達とやり取りしていることもご存知と思います。

そのようなご縁で、去年Harvard Collegeの2年生の小林亮介くんが、リベラルアーツ教育がとても大事だ、これを日本の高校生に感じとって欲しい、と熱心に議論していることからこのコースの計画が始まりました。

メールや彼が帰国したときに会ったりして、具体的に実現していく方策を議論していましたが、いよいよ今年の夏、8月の終わりの1週間(20日ー27日)に実験的コース「This is Liberal Arts: Summer School 2011」を開催します。

主催は私たちが去年から始めた「Impact Japan」。いろいろな方達の応援、支援を受けながら、Harvard学部生25名ほど、日本の大学生が30人ほどで、対象は高校生80名ほどでの「合宿Summer Camp」です。これらのリンク を見てください。

やる気あふれる高校生の参加を募っています。

場所は私の所属しているGRIPS他の六本木付近を中心に開催する予定です。

なぜリベラルアーツなのか、これはどんなことなのか、色々と工夫が凝らされたカリキュラムを構築中です。

とても楽しみです。

 

グローバル時代の人材育成の必要条件: 「外」へ出る実体験の大事さ

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私がこのサイトでも、またいろいろなところで繰り返し主張していることに「若者を外へ出そう」という命題があります。世界の「フラット」化が進む中で、実体験を通して「外から見た日本」を直感的に感じ取れる人を多く持つことはとても大事なことです。

つまり、「日本から見る、感じるグローバル世界」ではなく、「グローバル世界から見る、感じる日本」を直感的に感じ取る力のある人たちです。

若いときの友人のネットワーク、人脈はとても大事な財産であり、若いときの海外体験で得られる人のつながりは、これからの時代ではグローバルな価値を持つ財産になります。そのような人材をどれだけ持っているのか、これは国力の基本です。

それには、若いときに「独立した個人」の資格で、海外生活を体験することが大事なのです。企業とか組織からの出向や留学での海外生活体験は、特に従来の日本社会では、終身雇用が常識と感じていたわけですから、長期の海外体験であっても、多くの場合、所詮は「日本の組織の中」からの日本を見ていたのです。

反論する方も多いかもしれませんが、ご自分の体験からも、「もし」日本の組織から離れて「個人」として留学をしたり、仕事に行くとしたらと想像しただけで、かなり違う感覚を覚えるでしょうし、生活の計画にしても、もっと違った覚悟で臨むに違いありません。

大学卒業、就職、同じ組織の中で基本的に年功序列の単線路線、これが日本の多くの人にとっての常識だったのです。

だからこそ、私や多くの同じような体験をして来た方たち、例えば石倉洋子さん 資料1)ですが、まだ高校生、大学生のうちに、留学でも良いし、休学でもいいので、海外の生活を体験することをすすめているのです。日本社会は「ギャップイヤー」などと言っていても掛け声ばかりで、社会一般には、大学などを卒業して2-3年たった人たちを普通に採用するほどの対応、変革はしていないのです。

最近、教育系の方たちに広く読まれる「IDE」に「医療系人材育成の革新- 社会制度と人材のイノベーション」、また化学系の大学や企業人に広く読まれる「化学と工業」に「若者は外で出せ: 国際交流がなぜ大事か」という寄稿文を書きました。

私の意見に皆が賛成するわけではないでしょうが、まず「出来ない理由」を言うような人は、日本の将来を担う若い人たちにとって迷惑な話です。これらの実体験は、若者の選択なのであり、それをサポートすることこそが大人たちのすべきことと思います。

しかし、このサイトでも再三指摘資料1,, )していますが、「3.11」によって従来型の日本社会の構造的弱点が、一気に浮き彫り にされたのです。

一人でも多くのグローバル世界「志向」をもつ人材の育成こそが、基本的には日本の将来への唯一の道だと思います。

野中郁次郎先生との対話へのお誘い

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University of California (UC) はCalifornia州の10箇所にキャンパスを持つ米国西海岸、いや米国でも屈指の名門大学です。特にこの中でもBerkeley校とLos Angeles校は日本の同窓生も一番多いキャンパスです。

UCLA日本同窓会とUCバークレー日本同窓会・共同幹事による「震災後の日本のイノベーションはどうあるべきか」という「野中郁次郎先生とわたしの対談」に参加しませんか? 7月1日、6:30pmから「東京21c Club」です。

UC同窓会員である必要はありません。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています、
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● 第4回 「Berkeley知の広場」   
震災後の日本のイノベーションはどうあるべきか
対談:
UCバークレー日本同窓会長  野中郁次郎
UCLA日本同窓会長       黒川 清
■ 日時: 2011年7月1日(金曜日) 6:30PM~9:30PM
■ 場所:東京21c Club (新丸ビル10F)
      http://www.tokyo21c-club.com/open/info/access.html
■ 参加費: UCB・UCLA会員 3,000円 (食事付き・飲み物なし)        
UCB・UCLA会員以外 4,000円 (食事付き・飲み物なし)        
セミナー後、野中先生・黒川先生も参加の懇親会有り        
(飲み物は、キャッシュ・オン・デリバリー)
■ スピーチは原則日本語。英語でのパワー・ポイント表示(英語での質問ももちろん可)
■ RSVP(お申し込み締め切り):6月28日までに下記登録フォームにご登録ださい。
http://tinyurl.com/ucevent0701  

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企画の趣旨は以下です。
● 第4回「Berkeley知の広場」をUCLAとBerkeley同窓会の共催でおこないます。
● 私たちは現在、片やUCLAのProfessor of Medicineの経歴の黒川清先生、他方バークレーの Fuji-Xerox Professor of Knowledgeの野中郁次郎に同窓会の会長をお願いしていますが、お二人はともに世界的にも名の知られたイノベーション論の大家です。
● 一方が国家予算を使った科学技術の政策策定に深く関与すれば、他方はR&Dの大宗を握る企業のイノベーションに鋭い目を向けて暗黙知・形式知のスパイラルからなるSECI理論で広く知られています。
● イノベーションなくして震災後の日本の再建はありません。そこで同窓会の事務局は、そうしたお二人に大震災後の日本のイノベーションのあり方について語っていただこうと「Berkeley知の広場」の拡大版を企画しました。
● お二人はすでに現場力の凄さと、リーダーのあり方に問題があることをメディアでも指摘しています。知識社会におけるリーダーシップのあり方では、野中さんのフロネシスというキーワード、黒川さんの「出る杭」は、福島原発の事故をもってより妥当するように見えます。
● お二人には射程を短くした議論もして頂く予定です。会の進め方としては、最初に野中・黒川さんにそれぞれ30分程度、問題提起的なお話をいただき、それぞれがコメントし、さらに参加の皆さんと議論を深めていく形を採りたいと思います(ですが、議論好きの黒川先生ですから、いきなり議論へと展開するかもしれません)。
● 使用言語は日本語です(ですが、参加者の介入によっては英語のモードに変わることもあるかも知れません、、)。
● このセミナーの後には立食ですが食事の用意をし、出席者の懇談ができる時間を設けています。ただし飲み物の代金は含まれていないので、キャッシュアンドキャリーでお願いします。
● セミナーの純益は全額東日本大震災の被災者の義援金に当てられます。

 

新しいフロンテイアを拓く「異端児」たち

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17日の朝早く、Kuala Lumpur(KL)から成田空港着。

16、17日はOkinawa Institute of Science and Technology (OIST) 新しい大学院大学への最終段階に入り、理事会が開催されました。KLからTeleconferenceの接続具合が悪くて、ほとんど参加できませんでした。17日午前の最後のセッションに、東京からちょっとだけ参加できましたが、ここでも接続の具合があまりよくなくて、残念でした。

これは新しい時代を先取りする世界の研究機構になれる可能性が大きい、日本にとって「異端」でしょうけど、これからの日本にはとても大事な計画です。なんとしても、支援しなくてはいけません。

午後はKavli財団CEOのDr Robert W Conn、東京大学IPMU(本当の意味でのグローバルな研究所です、、)所長の村山 斉(ヒトシ)さん他との懇談です。村山さんは本当の意味での数少ないグローバルな研究者資料1)です。この機構を数年間で、とてもユニークで、世界に広く知られる素晴らしいものに育て上げました。これは世界でかなり認められていることです。村山さんにはTEDxTokyo2010でも話をしてもらいました

Kelviさんも、Connさんも「異端児」なのです。ちょうど10日前にWhite HouseでObama大統領 と会っていたばかりです。

Connさんは私のblogなどを読んでいて、UCLAでもちょっと重複していた、ということでたちまち意気投合して話が盛り上がりました。世界の主要大学の研究所を支援する、また宇宙、ナノ科学、脳研究を支援するKelvi財団のミッションなど、いろいろお話をうかがうことが出来ました。ぜひ、日本との関係構築の役に立てるといいな、と考えています。

その後、先日ご紹介したMIT Mediaラボ所長に就任した伊藤ジョイさんと、村山さんもある意味では「似たもの同士」ですのでご紹介し、しばらく楽しい懇談の時間をすごしました。

Media Labにも日本からの院生などをもっともっと行かせたいです。

村山さんも伊藤さんも、日本では「異端児」です。このような「異端児」をもっともっと増やすことこそが日本の活性化に必須の課題です。