ダッカのドラゴン桜、またまたの快挙だ

→English

以前からご紹介しているBangladeshで活躍する、早稲田大学を2年も休学してがんばっている税所くん

貧困の村の若者を一流大学へ合格させよう、そして村の人たちに希望を与えたい、という壮大な計画を推進してきました。

そして2人の合格者を出して現地の新聞にも大きく報道される活躍。その活躍ぶりは日本でも取り上げられています。2年前に彼と仲間たちで立ち上げ、その後Grameen Change Maker Programという壮大な命名から始まっています。

残りの受験生はどうなったのか。昨日、メールが来ました。さらに2人の合格者です。

「黒川先生

村からまた新たに2人の男子学生が国立第5位の教員養成コミラ大学に合格しました!!!

以下中間報告です!

国立No1 ダッカ大学合格
Bhuran Uddian Helal ボラル ヘラル ウデリン (男子)
1276位/36000人中

国立No3 ジョゴンナ大学合格
Jaren Akter ジャレンアクテル (女子)
2000位/70000人中

国立No5 コミラ大学合格(教員養成大学)
Muhamad. Hossian ムハマド ホッシャン (男子)
480位/40000人中

国立No5 コミラ大学合格(教員養成大学)
MD Jafor Ahmed ジャファーアハメッド (男子)
270位/40000人中

どの生徒も素晴らしい成績です!

現地では「ハムチャー村の奇跡」と讃えられています。

「村の高校生がどうやってここまで好成績で大学受験を突破するのか」
ドラゴン桜e-Educationメソッドへの注目が高まっています。

Atsuyoshi Saisho」

「いま時の若者は、、」などといっているおじさんたち、何を言っているのですか? 若者は捨てたものではありません。しっかりしていますよ。

「大学を休んででも外へ出てみようよ」、とちょっと背中を押すだけで、新しい広い世界を知り、自分の課題を見つけ、果敢に挑戦するのです。

失敗を恐れてはいけません。高い目標へ挑戦する志と勇気、試す、失敗してもそこから学び、また試みる。これです。「No Failure, no success」です。

このような若者こそが、「社会」「企業」が、そして日本が求めている「人材」「人財」なのではないですか? いわゆる「社会の常識」から外れている「出る杭」です。

だからこそ「休学のすすめ」 なのです。若者に、可能性に気がつく機会を作ってあげることです。日本ばかりが世界ではありませんからね。

皆さん、いろいろな形で、このような若者をいくらでも応援できます。よろしくお願いします。

Qatar Foundation Annual Research Forum

→English

Tunisでパネルを終えて夕方にホテルを出発。Dubai経由で、朝の6時半にQatarのDohaに到着。今年6月に来たばかり資料1)のSheratonにチェックイン。2022年のWorld Cup開催が決まったばかりです。

ここには2日間にわたって開催されるQatar Foundation Annual Research Forum にお招きを頂いたいたのです。Qatar財団 (資料1) は、教育に実に熱心なQatarの目玉の一つで王妃が先頭に立ってご活動です。Cornell、Carnegie Mellon、Texas A&Mなどの大学が広いキャンパスに研究所を出しており、なかなか活発に活動をはじめています。

今回のForumはこのQatar財団の活動のお披露目とでも言うのでしょうか、第1回ということです。この1年でかなり人も集まっています。何しろ国が若い。一方で教育でもQatar大学などが中心になって人材育成にとても熱心、というところです。しかし、何しろ、ガスと石油をあわせると、この小さな島が世界有数のエネルギー産出国ということで、急速に豊かになっていますが、将来は「人材」しかないということで、熱心なのですね。しかし豊かになると、若者の意欲はどんなものでしょうか。男性は海外へ留学する人も多いでしょう、でも女性の意欲は特に高いようです。

また、文化、芸術をとても大事にしています。先日も紹介したイスラム美術館などもその良い例です。

Forumは朝9時から開始。王妃のスピーチでプログラムが始まり、休み時間はポスターなど(特に学生さんのポスターを中心に尋ねました)を回りました。また、研究発表の審査もあり、私はElias Zerhouni(前NIH所長)、 Peter Agre (水チャネル発見でNobel化学賞)、 Monsef Saloui(GSKのRDのトップ)と一緒にBiomedical Scienceを担当  しました。EliasとMoncefとはお互いに良く知っているのですが、Agreさんの研究も、講演も何度か聞きましたが、一緒に何かするのは初めてでした。若い活気を感じる1日でした。特に若い女性の活躍が目に付きます。

夜は土屋組(12月1日から社名はTsuchiya Corporationとして新事業の展開を図っています、、)の土屋さんと社員数人と在Qatarの門司大使を公邸に尋ね(以前Abu Dhabi大使館でお会いしたアラビア語が上手な西田くんにもお会いしました、、)、そのあとは最近まで9年間にわたって駐日Qatar大使のReyad Ali Al-Ansariさん のところで夕食にお招きいただきました。いろいろな人脈が広がるのは楽しいものです。Al-Ansariさんの息子さんは米国へ留学、帰国して石油関係の仕事。でもお嬢さんの留学には反対のようでした。

翌日は午後に科学政策などのいくつものセッションもあるので、昼にちょっとQatar財団本部に王妃の官房長官を訪問。このような研究所との交流にも、もっと日本の研究者や若い人たちも参加して欲しいと思います。若者の交流を広げたいのです。

夕方のレセプションでは受賞者の表彰、私たちの部門ではこのあたりに見られる難聴について、その原因遺伝子を明らかにし、それが毛細胞hair cells機能不全であることの研究で、とてもいい研究でした。Q/Aにもテキパキと返事があります。彼女の上司の病院の事務長の立場の方(これも女性です)がとても喜んでいましたーーこの方がまたとても優秀な人で、ずいぶんいろいろお話をしました。食事では同じテーブルにMIT、UCLAの教授たち、当地のTexas A&MのDeanの方などと一緒で、これも共通の話題が多く楽しかったです。私は、途中で退席、22:50時発でAbu Dhabiへ、40分のフライトです。

若い人たちの意欲とエネルギーに接すると、いつも応援したくなります。日本との交流も期待しています。

Tunisへ、日・アラブ経済会議

→English

11,12日にTunisで開催される第2回、日・アラブ経済会議に出席することになり、10日の夜に成田からDubaiへ、さらにTunisへ。昼過ぎに到着しました。

飛行場から外へ出ると涼しい風が吹き、気持ちのいいところです。Dubaiで前UAE大使の波多野さんたちと一緒になりましたので、Tunis到着後はそのままCarthage(カルタゴ)の遺跡へ向かいました。三井物産で長く中東を担当しておられる大橋さんに解説をいただきながら(また、いろいろよく知っておられるのです、最近ご当地に1週間おられたとか、、)案内していただき、とてもいい見学が出来ました。

ここで、大畠経済産業大臣の一行とお会いしました。

ご当地のいくつかの名所を尋ね、最後はSidi Bou Said参考1)の町をたずねました。とても美しい、古い町なみで、白い家々の壁に美しいブルーの窓や扉です。世界で一番古いというカフェでお茶を頂き、ゆったりとして時間を過ごしました。ここは歴史的にも、まさに地中海文化圏です。時間がゆったりと流れています。あくせく急いで、仕事しごとの人生、GDPの競争の生活などというだけなのは確かに変ですね。長い文化の歴史が感じられます。

会場も宿泊もほど遠くもないRamada Hotel で、レセプションに参加。日本のご一行は300人ほどでしょうか。トヨタの奥田さんが団長で、財界のお歴々にお会いしご挨拶など。今回は前原外務大臣もこられます。レセプションは日本の企業関係のかたがたが多かったですね。

翌日の会議は、これは会場が満杯。日本側の前原、大畠両大臣の挨拶に始まり、アラブ諸国側も多くの大臣などの重要人物が多いので、時間の進行が大変です。事務方はさぞ大変な思いをしたでしょう。いろいろな共同事業の調印などが発表されました。何年かの後には、いくつも成果を出してくれると期待しましょう。

私は人材育成や科学技術のパネルでいろいろ日本とアラブ諸国のこと、STS Forumの紹介も含めて手短かに説明、出来るだけ日本の活動をアッピールするように勤めました。少し遅れた昼食のあと、荷物をまとめて、飛行場へ。Dubai経由で Dohaに向かい、12日の早朝に到着。

なんだか、とてもあわただしい旅です。

慶応SFCのクラス、Roos大使をお迎えする

→English


 

私の慶応SFCのコースについては、そのつどOn-lineでビデオ報告などをしながら、お知らせしています。皆さんも楽しんでくれていると思います。

12月8日のクラスは、Roos米国大使をお迎え (IMPACT Japan  posting of 2010/12/08)しました。さすがに大使ですから私の100名ほどのクラスだけでは申し訳ないので、慶応SFCとしては、出来るだけ多くの学生も参加できるように、θ館の講堂で開催するように計らってくれました。清家塾長、村井さん、国領さん、阿川さん、徳田さんというSFCの研究科長も来てくださいました。NHKも取材に来てくれました。

Roos大使の経歴はStanford大学、同じくLaw Schoolで学び、大使就任前はSilicon Valleyの特許関係の弁護士事務所の経営という方ですから、entrepreneurshipに大きな関心を持っておられます。そこで今回はこれをテーマとして私との対話の形でセッションを進めました。講堂ですので、私のクラスの学生さんからあらかじめ「したい質問」を1つ聞いた上で、20人ほどは大使と一緒の壇上に上がってもらいました。

セッションの最中にも聴講する学生さんたちからのtwitter が、うしろの大きなscreenに映されるように工夫もしました。

Roos大使のお人柄がよく現れた、とても素敵なセッションになったと思います。私との対話のあとは、このクラスの私のPartner (2人ともしょっちゅう海外にいっているので、、)、William Saitoが学生さんと大使の質疑応答を進行させました。はじめの質問は「特別のお客さま」 (IMPACT Japan Posting of 2010.11.22)の、Ecotwaza 大塚玲奈さんをお招きしていましたので、その方にしてもらいました。このクラスのサイトでもこのセッションは見れるだろうと思います。

講演の後、大使はInnovation Labを訪ね、大いに興味を持っていただけました。2,3年の間に、ここからいくつかのSilicon Valleyへ直接つながる成果が出るといいですね。

Roos大使のセッションの一部は2日後の12月10日の夜10時から50分のNHK-BSの一部としてOn Airされました。私はといえば、10日の夜にTunisへ向けて出発したので、これを見ることが出来ませんでしたが、、、とても残念。

参加した学生さんたちにとっては、忘れられない、とても素敵で、刺激的な1日になったと思います。

 

Global Agenda Council、Dubaiから

→English


 

11月27日からWorld Economic ForumのGlobal Agenda Council  (資料1)でDubaiに出かけていました。大半の方達は別のCouncilのメンバーでしたが、竹中平蔵さん、田中明彦さん、石倉洋子さん 資料1)などなど、20名ほどの方が日本から参加しました。述べ4日間で丸3日間の予定ですが、今回のプログラム構成は、各Councilに分かれた議論が中心で、プログラムの進め方がいつもと違って、かなり細かく決まっていることと、最終的には世界にいろいろ存在する、起こりうるGlobal Risk Responseに対応する「Network」構想の提案も視野に入れているので、結構タイトなスケジュール。

私はといえば「Japan Council」のChairという役を振り当てられていたので目いっぱいスケジュールが詰まっていて、Chairは一日早く到着して全体構想のbriefingなどがあり、全体の自由時間もなく、全体の動き、システムの動かし方、Briefing sessionなどなど、また他の大事なCouncilへ出かけるとか、結構大変でした。

特に北朝鮮の問題などもあるタイミングでしたので、気の使いようもあって、とても疲れた感じがしました。

でもこれがなかなか大事な経験の機会をくれたことになりました。特に中国、韓国Councilとの意見交換は、政治的課題、経済の行方、中国の経済成長などなど、大変に良い意見交差が出来たと思います。中国Council ChairはHe Yafei 在Geneva国連大使資料1)ですし、韓国Council Chairは旧知のYonsei大学のMoon Chung-In政治学教授  資料1)。このCouncilばかりでなく、この2人のChairからも実に示唆に富む、しかも一部の本音も聞けてともてよかったです。

2日目の夜のレセプションは世界で一番高いという「Burj Khalifa Tower」のテラスで。高い建築物を見上げ、周りをみまわし、多くの方に会い、なかなかのものでした。 

3日目にはBBC World News Debate、70分程度の討論をNik Gowingさんの見事な司会で、素晴らしい出来だったと思います。この番組を皆さんもどこかで見る機会があると思います。つい7月までAustraliaの首相だった、今の新政権では外務大臣のKevin Ruddとのやり取り、またHe中国大使、Malini Mehraさん、International Crisis GroupのLouise Arbour、Climate Change CapitalのJames Cameronさんなど、なかなかのものでした。特にRuddさんの即興での20秒のテレビカメラを通した「呼びかけ」は素晴らしかったです。この辺は、優れた政治家に必要な素養の1つです。

この3日間で学んだことの1つが、いかにヴィジュアルに問題を描きながら議論を進めていくことの大事さです。Design CouncilではHarvard University Design SchoolのToshiko Mori教授の素晴らしい仕事の片鱗にも触れることが出来ました。そして、いろいろCouncilの問題解決プロセスに「Design」「Innovation」のCouncilメンバーがいろいろサポートをしてくれたということで、なかなか見事な出来でした。

これからは来年へ向けて、宿題、課題がたくさんできました。

学ぶことの多い、4日でした。無事に、12月2日夜に成田に到着しました。

 

 

ドラゴン桜、またまた快挙

→English

早稲田大学の税所くんが休学してがんばっているBangladeshで貧しい村の若者を、不可能と思われる高い目標へ挑戦する「ドラゴン桜」 (資料1)。

11月30日の日経新聞「挑む」という特集にも税所くんの挑戦が紹介されました。

ちょうどこの記事が出たとき、私はDubaiにいましたが、彼から記事の話は聞いていました。記事を読んだ人たちは、さすが早稲田大学、と思われたかもしれませんね。しかし、これは税所くんとその仲間たちの力です。早稲田大学を休学 (資料1)したこと、そして大いに悪戦苦闘したことが良かったこともあるでしょう。

このよう挑戦する学生、未来の「世界のリーダー」を輩出することこそ、グローバル時代の大学の大きな使命のひとつでもあるのです。このような人が「Human Capital、人財」になる可能性を秘めているのです。大きな「Impact」を社会に、世界に与えるのです。

今日、帰国したところへ税所くんから、以下の朗報が入りました。

「黒川先生

ドラゴン桜。 初の 女子生徒合格!ジェレン アクター 18歳 女性

国立第2位 ジョゴンナ大学に合格!!
7万人の受験生のうち、2,038位の順位での堂々合格です!!

村の女子生徒が、村のe-Educationで勉強して、日本でいう一橋大学に合格したのです!

ヘラルに引き続き第2の奇跡!!それにしても70,000人中 2,038番。

現地からはまたも、「信じられない!!!」の声が続出しています。

イスラム教の下、村の女子生徒は人生の選択において厳しい環境にいる女性が多い中、新しい希望のロールモデルが本日バングラデシュに誕生しました。

ジェレン アクター    革命をありがとう!

彼女はヘラルに引き続きこの国で2番目の映像授業による大学受験合格者になりました。

速報でした。」

熱いですねえ、、。彼の新しいサイトは「ここ」

これが今の「内向き」といわれる若者たちに対して、大人が出来ることなのです。若者一人ひとりの心の底にある熱い思い (資料1) に気づかせ、暖かく応援、支援することです。

これが教育の真髄と思います。

 

「内向き、鎖国マインド」の日本人はいつから?

→English

最近、日本人の内向き志向、鎖国マインドについて、多くのコメントがなぜか急速にメデイアで取り上げられています。

なにか変ですね、何かのサインなのでしょうか?そんなことは、私を含めて一部の人たちは以前から言っていたことです、「知の鎖国」(資料1)とかの言葉でね。この国の多くの「立派な立場」の人たちが、まじめに考えて、しかも気がついていなかったのか、一部では気がついていても認めたくなかったのでしょうか。

最近、日経朝刊の11月28日号で取り上げたそうですが、Dubaiに来ているので、直接は読んでいないのですが、「ニッポンこの20年;長期停滞から何を学ぶ」という特集の第3部の「薄れた存在感」(1)という1ページの特集記事です。「消えるグローバル人材: 語らぬトップ、内向く若者」という記事が出たそうです(論説副委員長の脇 祐三さん記事)。ほかに囲み記事で行天豊雄さん、山本 正さん、ダボス会議を運営するLee Howellさんのインタヴュー記事が出ています。日経On-lineでも読むことが出来るようですが、これは無料では読めないのです。(ちょっと一言、日経On-line版、先日「On-line」版が賞を取ったようですが、どこが新鮮なのでしょうかね?賞をとれた理由を知りたいものです)

まあ、当然といえば当然ですが。ちょうど11月27日付けで、同様の趣旨のことと私の提案をポストしたばかりでしたが、、。

なにかさびしいというか、情けないというか、今頃になって「なぜ?」、という感じです。

 

「休学のすすめ」、海外インターンシップ支援AIESEC、文部科学省高官の応援

→English

社会制度の改革などを待っていられないぐらい、日本の「鎖国度」「鎖国マインドセット」は明白になってきています。最近の報道や社会のいろいろな意見がこの「内向き、鎖国マインドセット」について繰り返し指摘しています。本当のことを言えば、今に始まったことではないのですけどね。

これは明らかに若者だけではなく、大人たちに共通のことなのです。今の大学生の「内向き」を指摘する識者は多いのですが、これは親の世代の経験から来る影響が強いと思います。

「Japan as Number One」などといわれてちょっと「いい気」になっていた団塊の世代までとその後の世代は、日本のバブル崩壊(1999年)、冷戦の終結(1991年)とグロ-バル市場経済の始まり、インターネットの普及の始まり(1991年、wwwなど)、その後に起こった14の都市銀行の大再編、山一證券破産、急速につみあがる国の借金、成長しないGDPなどを見れば、親の世代は心理的に「守りの姿勢」になるわけです。

ですから、今の大学生の世代は、物心ついた頃から、親から景気のいい話をあまり聞いたことがないままで育ってきたのではないでしょうか?

ここに書いてあることは、このサイトで以前から、繰り返し、述べているところです。

さて、「休学のすすめ」 を実践する大学生たちの素晴らしい活躍 (資料1, , , )。

また海外でのインターンを紹介する学生たちのネットワークAIESECについても、ちょっとですが紹介しました

しかし、これらの活動をさらに進めるには、いろいろな障害があります。例えば、多くの私立大学では休学する学生に対しても、結構な額の「学費」をいろいろな名目で支払わせているのです。とんでもないことです。でもこれが当然と思っていたところに、日本社会の非常識があるのです。大学関係者は出来るだけ早く、知恵を絞って、こんなことは止めてください。

ただでさえ景気が悪く、しかも教育費が高い日本の国のあり方では、将来の人材を粗末にしているということです。こんな国に明るい将来はあるとは思えません。政府もしっかりしてください。

最近は学生の留学を支援する学生の世界団体AIESEC(ここからJapanサイトに来るとこれが日本語だけなのだ、、、)を運営している日本の学生さんたちとも会いました。AIESEC活動をどのように活性化し、社会に広く知ってもらう、支援してもらうか、を一緒に考えているところです。このような学生の活動を支援するのは企業にとってもいろいろと大きなメリットがあることは明白なのです。

AIESECの日本サイトが英語でも書かれていて、日本からの留学ばかりでなく、日本への留学、日本の企業インターンシップなどを紹介するなど、いろいろ出来ることがありますね。「相手のニーズ」を考える視点が欠けています。これについても具体的に議論しました。

最近、私と一緒に仕事をしたこともある文部科学省の「高官」(特に名前は出していませんが)がblogをはじめました。私の主張を支援してくれていること、このような学生を実際に励ましている資料1)ことを知りました。とてもとてもうれしいです。最近の会議でも自分の意見を中心に素晴らしいスピーチ をしてくれました。自分の主張がはっきりしていて、あまり役人らしい挨拶ではなかったね、と好評だったと聞いています。いろいろご支援ありがとう。

他の文部省関係ほかの方達の中にも、私の主張を認識し、支援しているかたが多くいることは知っていますが、全体としてなかなか政策にはなりにくいところもあります、いろいろの都合もあるのでしょうが。

さらに問題は大学、中高等学校など、教育関係者が、グローバル人材育成に対して、自主的にできるだけのことをしているとは思えない、(資料1, , , )ところにも問題があるのです。世界の潮流はドンドン動いているのです。

現役官僚がblogを書くことの如何ですが、個人の見解ですから結構なことです。秘密のことを書いているわけでもありませんし。

 

活気のあるORF2010

→English

去年も参加した慶応義塾湘南キャンパス(SFC)の「ORF2010」 が、今年も三田祭の期間中に六本木のアカデミーヒルズで22日、23日に開催されました。去年のORF2009にも参加しましたが、今年はさらに会場の熱気、多くの研究の成果の展示、実演など、実に活気があふれ、多くの学生の作品が展示されています。いろいろな試作品に触ったり、学生さんに説明を受けたりとても楽しい時間をすごしました。

SFCについてはこのタイミングで中西 茂さん著「異端の系譜」 (中公新書クラレ、756円)という本が出版され、大変な異才、起業家などが数多く出ていることに感銘しました。先生の学生につかう時間、学生同士が教えあう制度もすばらしいと思います。また、設立最初の学部長の加藤 寛先生資料1)が始めての卒業生を送る素晴らしい、愛情のこもった言葉「ミネルバの森からの旅立ち」など、本当に教育に打ちこむ教員の姿も、学生の活動も素晴らしいものがあります。

SFC設立の中心的役割を果たされた加藤 寛先生に、久しぶりにお会いできてとてもうれしかったです。

23日の最後のパネル「これからのKEIOを考えるー慶応義塾大学SFCのゆくえ」に北城恪太郎さん、藤原 洋さん、そして私3人で登壇、SFC第1期生で今はAbu Dhabiで仕事をしているYogo Mariaさんの司会で進みました。

実にいろいろな意見が出ましたが、皆さん、SFCが海外との学生や教員相互交流をもっともっと推進しなければならない、という結論になったと思います。私は、いつもながらの自分自身で「外を見る、知る、感じとる」の「休学のすすめ」です。

終わった後のレセプションでは多くの方に喜んでもらえたようでした。課題は一人ひとりの行動です。

WHO事務局長Margaret Chanさんと会見

→English

Margaret Chanさん(資料1)が神戸WHO Centerでの会議に来日、そのあと東京にもこられました。久しぶりにお会いする機会をもてました。

私たちの医療政策機構で「Global Health」を担当している4人のスタッフと一緒に30分ほど、活発な意見交換が出来ました。彼女とはいろいろ会う機会資料1)がありましたが、今回は久しぶりのことでした。WHOのAssistant Director の一人の中谷さんも、厚生省の方と陪席してくれました。

Global Health、Chatham Houseでの会議、慢性疾患増加の問題、健康の社会的因子、来年1月のDavos会議のことなど、いくつかの課題について話が弾みました。

Global Healthにかかわる若いスタッフには、WHOを引っ張る女性Topとの会見に同席することはとてもいい刺激になったと思います。

若い人たちに、世界のリーダーを身近に接する機会を作ってあげることは、とても大事なことです。若者へのいい刺激になり、また若者たちが自分たちの目標をより高く持てるようになるでしょう。

「なぜ一番でなくてはいけないのか?」ではなくて、高い目標を感じ取れるからこそ、自分の仕事への励みになるのです。

これが若者たちへのAspirationになるのです。