原発事故の教訓を世界の共通財産に

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今回の大災害、三陸の被災地の方達のご苦労はまだまだ続きます。時間はかかりますが、できるだけ最低限でも早い日常生活の回復へ向けた政策が進むことを期待します。

それに加えて、今回の原発は大変な事故です。世界が注目しています。10年などよりはるかに長く、大きな課題を突きつけています。原発を増やす方向へ世界が動いていたわけですから、世界からの注目はいっそうのものがあります。

最近、公明党の斉藤鉄夫幹事長代理 との対談 が出ましたので紹介します。今するべき「もっとも大事なこと」も提示してあります。

タイトルは「危機を乗り越え、世界に貢献する日本へ」、サブタイトルは「原発事故の教訓を世界の共通財産に」というものです。

中見出しは;
1. 日本の本当の姿
2. 危機に弱いリーダー
3. 震災復興の青写真
4. 世界の中の日本

今するべき「もっとも大事なこと」も最後に提示してあります。

私の意見は、基本的にこのサイトでも繰り返し出ていますので、ご理解いただけると思いますが、いくつかの例をご紹介しますと;
http://bit.ly/isIrsA 
https://kiyoshikurokawa.com/wp-content/uploads/typepad/201103301040.pdfhttp://bit.ly/jtSIpw 、http://bit.ly/g2YwVU 、http://bit.ly/jKPZo1http://bit.ly/lFdQH5 

日本が世界の一大リスク因子になっていること、その理由、というメッセージも加えてあります。

 

大災害の後に現れた、科学者・技術者たちの対応と「社会的責任SSR」

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大災害に対して私達科学者、技術者たちもいろいろな状況に置かれました。いろいろな専門家がテレビなどでコメントしました。皆さん何を感じたでしょうか?それぞれの専門家として。これで多くの人が納得するような説明になっているとお考えでしたか?

勿論、政府の記者会見、東電や保安員の記者会見はあまりに「拙劣」なので、これはひどいと思うことが多かったと思います。「科学者」といってもそれ以上のコメントが出来ない状況もあったでしょう。

基本的には、実際のデータを何も見せずに、解釈や根拠を示さずに、結論だけを、しかも多くの場合、明確に判りやすく言わなかった、いえない理由があったからでしょう、と多くの方たちが感じたでしょう。たぶん、それは本当でしょうね。当事者としては、不確実である、直接確認していないとか、言い逃れと思われても致し方ない対応が続きます。

この情報の時代、後出しのデータが出てくれば、信用はドンドン失われるのです。

主要メデイアも、自分達の今回の初動対応を反省し、将来への特集を出し始めましたね、はじめは皆横並びで、ひどかったですけどね。日経新聞朝刊では、「新しい日本へ」シリーズ第1部「危機からの再出発」が始まりました。なかなかよいシリーズになりそうです。

その第2回が「「井の中」の技術立国」で、私のコメントも引用されています。このカラムでも以前から繰り返し指摘し、使っている「知の鎖国」 資料1(2005)資料2(2005)資料3(2006)、 資料4(2006)資料5(2009)資料6(2009)、、資料7(2010) のコンセプトも引用されています。

科学者も技術者も、日本社会ばかりでなく、世界への対応によって、世界の科学者の間での力量(研究ばかりが科学者の責任ではないのです)が評価されることをしっかり認識して欲しいものです。

ちょっと我田引水ですが、日本学術会議で吉川会長の下で、皆さんと作成した「日本の計画Japan Perspective」は、時代の世界の動きを見据えて、日本の科学者と社会との関わりについて、課題の本質を「タテ割り」ではなく、「横グシ」を刺す形で、明らかに指摘した報告書 だと思います。

科学者も技術者も、自分達の強さと弱さをしっかり認識し、時代の変化と要請、そして社会のあり方への対応する意識をしっかり認識し、行動することが大事です。

グローバル世界にあっての、科学者の社会的責任 SSR 「Scientists’ -as a community- Social Responsibility」です。

 

TED -5: サーチで出るサイトは誰が決めるか?iPad本の可能性

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タイトルは面白そうでしょう?いかにもTEDらしい話です。今年、私が楽しんだプレゼンからです。

あなたがGoogleでサーチするとき、どんなサイトが出てくるでしょうか?その問題は?その話です。

今回の大災害、原発についての報道、広報にも通じることです。Eli Pariser、9分のプレゼンです。

iPadを使うと、どんな本を作れる可能性があるでしょうか?Mike Mata、4分のプレゼンです。

楽しんでください。

Joi ItoくんがMIT Media Lab所長に:日本を変えよう!

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世界的の若者の憧れの的の1つ、世界でも超有名なMIT。そこの中でもよく知られたMedia Lab の次の所長に、日本よりは世界中でよく知られた伊藤穣一(「Joi」と呼ばれる44歳)くん(資料1)が決まりました。

この20年、彼の発信力はすごいもので、私のサイトの「Blogroll」にも出ていますが、彼のblogでもMIT就任への意気込みが伺えます。

伊藤くんとはこの10年以来のお付き合い、このサイトが出来た頃から、彼の名前が時々出てくると思います。私が小泉総理の頃から主張しはじめた「大学の大相撲化」を日本のメデイアで紹介したのは日経新聞英語で読まれるメデイアで最初に紹介 したのは彼だと思います。

彼も、私も、私の多くの友人も、どちらかといえば日本社会の「外」のキャリアを歩いた人たちなのです。今回のことでも、ちょっとお手伝い。

「3.11」以来、日本の強さと弱さ資料1)が浮き彫りになったように思います。つまり一言で言えば、「「タテ社会」の弱さ、終身雇用、年功序列の男性社会ヒエラルキー」の弱点です。このサイトでも繰り返し、繰り返し指摘してきたテーマです。

これらの「日本の常識」を破るような出来事が次々と出てきていますね、世界ではそんなにおかしなことではないのですが。うれしいことです。日本が変わるには、やはり「外」からの力が必要なのでしょうか。

Joiは若いときから何でも先生に質問するヘンな生徒、Chicago大2年で中退、学士もない、修士も、博士もない、日本的にはとんでもない「変人」。でも実力は世界では誰でも認めているところ。その彼を招聘するMITのすごさ。

ところで、このニュース、日本の主要メデイアではどこかで取り上げていました?何を言いたくて?

そういえばMicrosoftのBill Gatesも、FaceBookのMark Zuckerberg も、Harvard大学中退、AppleのSteve Jobsは貧乏で中退。稀有な例ですけどね。

大学ではしっかり勉強するとして、「大学4年で就職が内定しないと、落ちこぼれ、、」、なんて日本だけの常識なのです。

 

自分たちで出来る「消エネ」をまず実践する; 新しい動きをおこそう

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福島原発以来、電力供給、計画停電などで見るように、エネルギーは社会すべてを巻き込む大事件です。エネルギー政策は国家の基盤です。原子力以上に、「省エネ」が大事です。

今回の事件をきっかけに、通常のメデイア、書物のほかにもFaceBook、blogなどいろいろな情報、アイデア、知恵、市井の知恵、技術者たちのいろいろな提案などがあります。今までの、電力にしても「供給側の論理」で進んできた社会が、CO2と気候変動の課題、石油の価格高騰もあり、さらによりフラットな「オープン、受益者側」対応可能な社会へ変換してきたところが「ミソ」、知恵のしぼりどころです。

今の状況で、すぐ出来る、簡単なアイデアがいくつも出てきます。米倉誠一郎さんのFBからHidefumi Nishigaさんの提案として、こんなのがありました。
「家庭での電力削減の第一歩、30A(アンペア)を超える契約をしている人は、30A契約に戻そう。ピーク電力を30A超えて使えなくなる。
まず、配電盤を見て、何アンペアになっているか確かめ、40A、50A、60Aだったら、早速電力会社に30Aにしたいと申し込もう。
30A契約のイノベーションを起こそう! ?
理由と効果; 居間にエアコン1台くらいなら30A契約で大丈夫(我が家)。ピークで40A以上使っている家庭が30Aにすると、ブレーカーが落ちないように気を使います。ピークで平均10A、1kW下げる家庭が100万世帯増えれば、原発一基分です。」

これで、それぞれが自分たちで電力の使い方を工夫できる。

些細なことでも、実行してみることです。[チリも積もれば山となる」、「継続はちから」など、世界共通のことわざですね。

このような「省エネ」は世界共通の問題ですから、対策への知恵、選択肢は世界でも通用することです。いいアイデイアはせめて半分ぐらいは英語で発信し、また探して欲しいものです。他の国で、都市で、社会で、すでに行われている「省エネ」政策の現状、そして同じような知恵が実践されているところもいくつもあるのです。皆さんが、世界との交流の輪を広げることが可能になっているのです。そのような広がりこそが、社会を、世界を動かす原動力になりうるのです。日本語、英語用の「App」も作れるかも。

この4ヶ月で起こっている変化、Tunisia, Egypt, Bahrain, Syria, Libyaなどなど、日本を変えるきっかけがきているのです。これを逃してはいけません。
まずあなたの家の配電盤を見て見ましょう。

 

TED -4; Google Carなど技術のすごさ

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話には聞いていましたがGoogleがドライバーレスで安全な自動車を作ったということです。その話が今年のTEDでプレゼン(4分)されました。これでSan Francisco–Los Angelesも走ったようです。

この車が2台、TED会場にデモに出ているのです。これは「ぜひ」ということで試乗しました。狭いコース取りにセットした狭いコースを50-60Km/h程度の早いスピードで走るのです。その様子はここにお見せします。2台ともトヨタのプリウスでした。

もう1つの話はメジャーリーグの大打者ルーゲーリックがかかったALSという、だんだん筋肉が使えなくなる病気にかかったグラフィテイ絵描きさんと彼の友人達の話です。安い寄せ集め機器システムで、彼の絵描きの仕事を可能にしたプロジェクトです。

TED2011から -1

TED2011に参加 してきました。現場での感じとか、中身はなかなか言葉では伝えられないところがあります。

でも、TED  のウェブサイトでいろいろ検索できますし、プログラムはいうまでもないことですが、写真、twitter(#TED2011,#TED)もいろいろ見ることができますし、素晴らしいプレゼンのビデオも順次Uploadされるので、これらを見ることが出来るのはとても素敵なことです。ぜひ、時々このサイトを訪れ、楽しんでください。

今回のプログラムの中でも、「いくつか選べ」といわれれば、個人的な好みですが、私が特によかったと思ったのが2つ出ているので紹介します。現在6つほどUpload (ビデオの横に「filmed March 2011」というサインのあるものです) されています。

ウェブで学ぶ」 でも紹介されているいろいろなサイトの中でも、私が特に注目していたのがSalman Khan のKhan Academy でした。彼の哲学とその内容が素晴らしいのです。

そのSalmon Khanの「ものがたり」のプレゼン です。本当に感動的に素晴らしかったです。この内容も、利用もドンドン広がっているようですし、多様な評価も取り入れています。

もう1人は、今年のTED Prize受賞者、street artistといわれるJRさんの「ものがたり」のプレゼンです。スケール感が大きいし、楽しめるでしょう?

他には、最近の中東の出来事についてのGoogleのW GhonimとAl JazeeraのW Khanfarの2つのプレゼン、そしてDr Atalaの再生医療(3D印刷技術を使っている)、Bill Gatesの教育についての話を見ることができます。

W Ghonim 
W Khanfar 
A Atala 
Bill Gates

皆さんのお好み、評価はいかがでしょうか。楽しんでください。

 

TED2011

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2年前からTEDxTokyo (資料1) を応援しています。

その本体のTED2011 (資料1) にきています。13年ほど生活したLos AngelesからLong Beachへ。2月末ですが、天気はいいけど、夜は10度以下とちょっと寒いです。

2日を終わって、なかなか充実したプログラムです。全部ではないと思いますが、とても楽しめると思います。

セッションを見ていると、話をするほうもいかに内容のある、心を打つ物語りが必要だと思います。さらに、いかに素晴らしいプレゼンになるか、主催側の「Curators」との共同作業がしっかりしていることがうかがえます。そして、素直に世界にはすごい人たちがいるものだ、と感じます。

一緒に参加しているのはTEDxTokyoで協力しているPatrick Newell, William Saitoさんや、SONYの所真理雄さんと茂木健一郎さん、また奥山清行さんとか、ほかにも日本からの参加者も10人ほどおられるようです。

Twitter(#TED、#TED2011)もあるし、私たちの写真 もいくつか見ることが出来ます。

2日目が終わったところです。

 

Health Summit -2

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2月25日のGlobal Health Forum 2011 の翌日26日(土)、2008,2010年に続いて「Health Summit」(資料1) を開催しました。

ことしは、CSISとの共同作業の紹介もあり、プログラムの毛色がすこし変わったところがありました。

さらに、統一地方選挙を迎えて、民主党を初めとして国会議員の方々は地元に帰っておられる方が多く、去年のような多くの国会議員の参加が得られず、ちょっと残念でした。

このSummitの主な登壇者、プログラムなどについてはHGPIウェブサイト資料1)に掲載されています。

また、報告書などが出来ましたら、ご報告します。

「医療政策」は「健康政策Health Policy」へ、名称変更する時が来ています。

 

Health Summit: HGPI 恒例のイヴェント

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25日の「国会議員」との懇談の後、「Global Health Forum 2011」を開催しました。

Global Health」にテーマを絞って、UNITAID東京大学国際保健政策学教室との共催です。

プログラムにあるように、この分野の司会では一番のNHK道傳さん、基調講演はUNITAID理事長、革新的資金調達に関する国連事務総長特別顧問、元フランス外務大臣Douste-Blazyさん、パネルは東大の渋谷さんGAVIのTisdallさん(日本はワクチン債での貢献も大きい)、韓国外務省のEun Joo Leeさん、ACSからCristina Parsons Perezさん、厚生労働省の国際保健審議官の麦谷さん、CSIS副所長兼Global Health Policy Center長のStephen Morrisonさん、さらに住友化学会長で経団連会長の米倉さんもお忙しいなかをパネルに出ていただけましした。

現在のGlobal Health関係重要人物が登場し、活発な議論が出来ました。Gates財団のDavid Bowenも参加してくれました。

日本の貢献はどこか、何が出来るのかなどが中心に議論は進みました。財政的に先進各国が苦しいときに、どのようなプロセスで、どのような貢献が、またMDGに向けてできるのか、これが議論の焦点です。日本では、ワクチン債などでは貢献していますが、国からの税金を原資とするのとは違った新しい支援のカタチともいえます。

日本の経済も、ムードも、もう少し活気がでることを期待したいです。
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