日本女性の意欲とパワー、再び「アジア青年の家」プログラムから

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つい最近ですが、「L’Orealと女性研究者」、そして沖縄で始まった「アジア青年の家」についてブログに書きました。

「L’Orealと女性研究者」のブログでは、北京オリンピックのソフトボール、野球、サッカー、柔道、レスリングなどの活躍に、日本の男女の違いが明示的に出ているのではないか?と書きました。

「アジア青年の家」は、私も関わった「イノベーション25」の政策を一部実現した安倍総理、高市大臣の企画で、新らしく始まった素晴らしい政策だと思います。全国的に広がり、継続されるといいですね。プログラムへの資金は必ずしも公的なものだけを考えないでも、税制とかいろいろ工夫できるし、学校も、地域社会も、企業もどんどん自発的に貢献し、参加して欲しいものです。これこそが「社会イノベーション」であり、「人材イノベーション」なのです。

その「アジア青年の家」に参加したアジア太平洋大学のインドネシア留学生、Ivannantoさんが、Flickrのページで沢山の写真を載せてくれています。皆さん楽しそうですね。ありがとう。

この「アジア青年の家」の資料を調べていて気がついたのですが、海外から参加した30名は男女それぞれ15名ずつでした。日本からの参加は45名でしたが、女性が30名に男性が15名。「おや?」と思って、事務方に、国内ではどれだけ応募があったのか聞いたところ、女性の応募者数が圧倒的に多く、しかも女性のほうが結果として競争率が高かったということでした。応募要項にはある程度の適性を考えた資格に関することが書いてあるのですが、それにしても参加への積極性がずいぶん違いますね。なぜでしょう。

皆さんも考えてください。私の意見は、このブログでしばしば述べていますけど。

創造的資本主義 - Creative Capitalism-

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お気づきかもしれませんが、今年は“一つの包括的な社会”(参照:)に向けた社会的な動きの裏にあるグローバルな課題や根本的な変化について話す特別な機会に何回かお招きいただきました。

それらのスピーチにおける重要な主題の一つは資本主義の変わりゆく側面、すなわちCSR、“corporate social responsibility (企業の社会的責任)”についてです。そこでビル・ゲイツ氏が使う“Creative Capitalism(創造的資本主義)”という言葉を引用しました。みなさんはゲイツ氏がこの言葉で何を言わんとしているのかと思われることでしょう。

最近のTIME誌では“資本主義の解決策”と題したビル・ゲイツ氏との特別インタビューが特集されていますが、そこでは創造的資本主義のコンセプトについて議論され、現在の世の中の状況は既に古くなった20世紀の反映であると彼は見ています。記事は大変面白い個人的見解ですが、ビジネスのリーダー達には強いメッセージを発信し、私のスピーチで伝えたいメッセージとも一致しています。

皆さんがビジネスその他でやっていること、やろうとしていることを考える際に、このコンセプトや活動についてちょっと考慮していただけると嬉しく思います。

ビル・ゲイツ氏は今度11月に東京に来ます。

輝く女性研究者たちと赤いバラ

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以前にも紹介しましたが、化粧品会社として著名なL’Orealは、「For Women in Science」(ここのウェブサイトはなかなか綺麗ですので、いろいろ探索してみて下さい)というプログラムをUNESCOと共同で主宰し、世界にその存在感を示しています。このプログラムは今年で10周年を迎え、この春パリで、今までの受賞者たちをお迎えしてお祝いの会がありました。

日本でも3年前から国内の若手女性研究者を表彰する企画が始まりました。去年もこの表彰式と祝賀会に出席したのですが、今年も素晴らしい方たちが表彰され、式にはご家族、指導をされた先生や研究者仲間たちも出席して、とても素敵なお祝いの会になり、うれしい気持ちになりました。

今年は4人の素晴らしい方たちが選ばれました。晴れやかで、また楽しいひと時を皆さんで共有することができました。

女性誌の「Marie Claire」も活動に参加し、受賞された皆さんには赤いバラのブーケ(写真)が手渡されました。2日前に沖縄でご一緒した大隅典子さん、そしてやはり高名な科学者である大隅さんのお母さまにも、お会いしました。

Lorealjapan200801写真: 坂東さんと4人の受賞者

レセプションでは内閣府男女共同参画担当の坂東局長が、日本の科学者で、女性の割合がOECD諸国で最低であることなどについて述べられ、エールが送られました。私は乾杯の音頭を任されたのですが、日本では女性の開発指数(Gender Development Index)は世界でトップ10内なのに、女性の社会進出(Gender Empowerment Index)は世界70数国でも40番程度と低いこと、この差は実力主義でないオトコ社会であること、そして、今回の北京のOlympicでの野球とソフトボールの日本選手の違い、そしてサッカー、レスリング、柔道などに、日本の男子と女子の根本的な違いが見てとれはしないか、という話をしました。皆さんも考えてみてください。ここに日本社会の問題があるのも事実と思うのです。

受賞者の皆さん、ご家族の皆さん、支えあった研究仲間の皆さん、審査に関わった先生方、その他関係者すべての方々に、おめでとうと言いたいですね。

しかし、このような賞を作るところに、世界企業の戦略が見えますね。受賞者の一人ひとりが、これからの長い間、L’Orealの大使として、国内ばかりでなく、広い世界にスポンサー企業の広告塔として、世界の女性の心をつかみ、男性の心を動かす、素晴らしい役目を果たしてくれるのです。これほど素敵で、美しい広告媒体はなかなかないと思います。日本企業も、もっともっとこのような視点で社会貢献を考えてもらいたいと思います。これこそが、企業の社会的責任(CSR)なのですよ。

企業トップの人事、門外漢の素朴な疑問?

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日本経済新聞の「領空侵犯」というコラムの取材を受けました。インタビュー記事ですが、専門外のことについて素朴に疑問を呈してもらうという趣旨のものです。私なりのテーマがいくつかありましたが、企業統治の一面を取り上げてみました。2008年8月4日の朝刊5面に出た記事は“経営者に「任期」は不要-能力・実績に応じて決めよ-”というタイトルでした。記事は以下のように進みます。カッコの中が私の発言の要旨です。

■企業経営者の「任期」について疑問をお持ちとか。
「昔から、社長の在任期間は二期四年とか三期六年までといった慣例や、内規が存在する企業が多いようです。でも、それに何の意味があるのでしょうか。任期をあらかじめ決めておいたからといって、これまでの日本企業のガバナンス(統治)がしっかりしていたとも思えません」

■最近、大企業トップの在任期間は短くなる傾向があるようです。取締役の任期を従来の二年から一年に短縮する企業も相次いでいます。
「経営者の任期をあらかじめ短く設定してしまうと、目先のことしか考えず、長期的な視野に立った経営ができなくなるのではないでしょうか。それにもし自分の在任中に何か問題が起きたら、自分で解決しようとするより問題を後継者に先送りするようになります」「これは役所や、かつて私がいた大学の世界でも同じことです。役人は次々とポストが替わるから、問題については自分で何かするより先送りしようとする。大学の学部長や学長も任期が短いために、長期的な視野に立った人材育成ができません」

■逆に、経営者の在任期間が長期化することの弊害や「老害」批判もあります。
「『老害』を言うなら四十歳代の若いうちに社長にすればいいだけの話でしょう。そうすれば社長を十年やってもまだ六十歳前です。シャープやホテルオークラなど四十歳代の方が社長になった例もありますが、日本の大企業には若い経営者が少なすぎます。リーダーに必要なのはビジョンと、そのビジョンを人に伝える能力、知力と体力、それに揺るぎのない信念。年齢は関係ありません。もっと若い人材を抜てきすべきです」「それに『長期政権』はすべてダメなわけではありません。ソニーの盛田昭夫さんのように、長期間にわたって素晴らしい手腕を発揮した創業経営者は日本にもたくさんいます。サラリーマン経営者でも、長期政権で優れた業績を残せる人はいるはずです」

■問題なのは在任期間の長短ではないと。
「最初から任期を決めておくのではなく、その経営者の能力と実績を客観的に評価して、問題があればすぐに辞めさせる仕組みを作っておくことの方が重要です。でも実際にそういう仕組みが機能している日本企業がどれだけあるでしょうか。いったん就任したら慣例の在任期間を全うするまで辞めさせることができないのなら、ガバナンスが存在しないと言われても仕方がないでしょう」

■もう一言
大学教授は、いったんなれば定年まで身分安泰。これもおかしい。

■聞き手から
経営トップをどう選び、どう評価するのか。企業統治の根幹にかかわる重要な問題だ。帝人や花王など、社外の油脂記者や社外取締役が社長後継者の選出を審議する例もあるが、こうした先進的事例はまだ少数派。経営トップのあり方について黒川氏が抱いた素朴な疑問に、日本の経営者たちはどう答えるのだろうか。(編集委員 宮田佳幸)

この記事の内容についてはいろいろと意見、言い分はあるでしょう。もっと長くお話ししたのですが、少ないスペースでまとめていだきました。しかし、このグローバル経済の時代に自分たちの理屈だけでは通用しないと思います。特に世界第2の経済大国の企業なら、なおさらです。企業の信用、国家の信用でもあります。情報の時代、透明性を担保した企業統治は会社の価値の基本と思います。企業に限ったことではありませんが、隠そうと思っても世界から見えているのです。これが「フラットな時代」の怖さです。

さてそこで、この記事についての議論が日経ネットPLUSにいくつか出ています。これらは会員登録(無料)すれば見ることが出来ます。皆さんはどうお考えでしょうか。

シアトルから

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4年前から毎年6月に開催されているPacific Health Summitに参加しています。4年前の最初の会議には出席したのですが、第2・3回は他の所用と調整がつかず欠席しました。

今年のテーマは「Nutrition」ですが、食料価格の高騰もあって「食料価格高騰、MDG(Millennium Development Goals)」というパネルが行われ、私はそれに参加しました。旧友トロント大学のPeter Singerの司会でした。栄養と食料の問題は世界的な課題です。2週間前にローマで行われたFAO会議が不調でしたので難しいところですが、7月の洞爺湖サミットでもアジェンダのひとつになるでしょう。

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写真1 HPI の近藤さん、Sunil Chackoさん

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写真2 私が参加したパネル、私の向かって右がDr. Peter Singer、左がGAINの事務局長 Marc Van Ameringenさん、2月の会議でご一緒しました

このところTICADをはじめ、G8サミット、温暖化、エネルギー、貧困、開発、アフリカ問題などを中心に、どっぷりと浸かっています。頻繁に会う人もいれば(参考12)、新しい人たちとの出会いもあって、いいことだと思います。世界が“フラット”になり、問題も世界的なものとなり、日本にとっても、私たち一人ひとりにとっても、これからの課題は大きなことを実感します。去年以来ですが、WHOの事務局長Margeret Chanさんとも会えました。彼女もなかなかのリーダーシップを発揮しています。

シアトルは水と森のきれいな街で、滞在期間中は天気も良く、すばらしい時間を過ごせました。少し時間が取れたのでMarinersの試合も見に行きました。今年は調子が悪くてダメですね。球場も4分程度の入りでした。イチローも2三振。チームに“勝とう”という気持ちが見れず、つまらない試合でした。でも、イチローはご当地では拍手が一番多いですし、今年もAll Star Gameに出る でしょうね。去年はMVPでしたし。城島は出場せず、残念。やはり、翌日監督交代が発表されました。

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写真3 Marinersのゲーム

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写真4 イチローの打席

「グリーンIT」講演からのメッセージ

ITも多くの電力を使います。サーバーであり、ルーターであり、端末です。また、発熱を冷やすのに使う電力も大変なものです。モーターも多くの電力を使うのです。こういったことについても色々と工夫や新しい技術開発などが行われています。

このような背景から、第4回の日経環境シンポジウム「経済と環境の共生を実現するグリーンIT投資」が開催され、基調講演をさせていただきました。その記事が3月26日の日経新聞朝刊(24面)に広告特集として掲載されました。基調講演の概要も掲載されましたのでご紹介します。

1時間の講演でしたが、大事な点は「2050年までに食料とエネルギーの輸出国になろう(この2つがいつも国家の存続と独立の基本であり、争いや戦争の原因になってきたのです)というぐらいの大きいな国家ビジョンを、政治のリーダーシップで打ち出し、国民と共有することだ」という点です。そこからの社会構造、政策を変え、グローバル世界の“日本”を打ち出していかないといけないということです。

今までの既得権のある人達やその業界自体がその既得権にしがみついて抵抗する、だから変われないのが今の日本です。グローバル世界は日本がどうなっても、どんどん変わっているのです。

 地球温暖化、環境技術、そして日本(PDF)
 出典 2008年3月26日(水)24面より ※広告特集に掲載されました

St. Gallenから

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Familynewyear2008000St. Gallenの南にあるMt. Santis (2503m)

去年も参加したので報告しましたが、今年もSt. Gallen Symposiumにやって来ました。これは38年前にSt. Gallenの学生達が始めた企画で、いまでも学生が企画、運営を行っています。すばらしいですね。世界から200人ほどの学生と400人ほどのビジネスなど広い分野の方(ヨーロッパの方が多い)が参加します。初めてのことですが、今年は日本からも競争倍率5倍という中、20人ほどの学生さんが参加しています。日本からの学生枠は日本人だけでなく、半分ほどは留学生です。この選抜は英語での論文の審査で行われます。

今年のテーマは“Global Capitalism – Local Values”、タイムリーなテーマですね。開会はPascal Couchepin Swiss大統領、Dr. Heinz Fischer Austria大統領お二人のすばらしいOpening Addressesで始まりました。

今年は、去年もいらしていた方々の他に、1日目には林芳正議員がPlenaryで、一ツ橋大学の石倉洋子さんがFacultyで参加し、Workshopをリードしました。

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写真1 Lord Griffiths(右)、Financial TimesのMartin Wolf(左)と。二人ともすばらしい。

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写真2 日本から参加した学生達。鈴木さん(Credit Swiss Japan会長、左から3人目)と石倉さん(右端)と。

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写真3 鈴木さん、私のスタッフの原くん(左端)、St. GallenのPhilipp Kuhn-Regnier君(右端)と。

私は2日目のWorkshopに出ました。去年は最初のPlenary Panelに出たのですが、その時の話と学生に向かって送ったメッセージがとてもよかったとかで(全体座長の英国のLord Griffithsに会場で言われました。うれしいことですね。)、今回はエッセイコンテストで表彰された南アフリカの学生、さらにRhodes ScholarCillierくん(9月からOxford大学へ留学するそうです)と、それと対照的な意見を書いたSt. Gallenの学生Klaassenくんに私がコメンテーター、BBCのPeter Dayの司会で進めようという企画でした。テーマは“Global Capitalism and Local Cultures of Innovation”。これは大変楽しかったですね。会議のサイトで見てください。

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写真4 原くん、Philipと。

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写真5 すばらしいEntrepreneurであり、Social entrepreneurのY.C. Deveshwarさんと。

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写真6 小和田さん、安部大使、明石さん、元気な学生さんMs. Imaiさんと。

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写真7 パネルのCillierくん、私、Klaassenくん、Bayさん。

14日の夜はレセプション、15日は去年と同じレストラン、Der Gupf(ワインセラーとそのコレクションでも知られたレストラン)で。Lake Bodenseeを見下ろす場所にあり、今年は天気もよく初めて周りの景色を見ることができました。

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写真8 Gupfで石倉さんと。

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写真9 Gupfで小和田ご夫妻、明石さん、安部大使と。

日本は島国

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最近Newsweek誌に“This Nation Is An Island”という記事が掲載されました。その主旨は、日本人の考え方が昔からいかに島国根性で、今も日本社会のあらゆるところにそれが残っているかというものでした。このメッセージは主要な外国雑誌(例えば2008/02, 2007/12)の過去の記事と良く呼応しますし、私の近著“イノベーション思考法”でも数例取り上げたように、いくつかの日本人による最近の著作のメッセージとも合致しています。
ブログのあちこちで言及していますが、私もこの意見に同意します。

このレポートでは日本は過去に何世紀も閉ざされてきており、外国人にとってはオフリミット(立ち入り禁止)で、このグローバル化が進んだフラットな時代にあっても、今も根本的には鎖国状態が続いていると強い調子で述べています。人類共通の利益に貢献するような新しい世界的秩序を追求すべく、日本が世界規模の活動の一員、プレーヤーとして参加することを助けてくれるような幅広い活躍の機会を持つ優秀な人材が沢山いるのに、日本がグローバルな場に出て行かないのを見るのは悲しすぎます。

日本は依然として世界で2番目に大きな経済力を持っていることを忘れないで下さい。ローカルに考え(ローカルな価値観や個性)グローバルに行動する起業家がもっともっと必要です。最近1960年代のソニーの盛田さんを想起させるようなビジネスマンを見たことがありますか?テクノロジーだけでは充分ではありません。世界の人々の心を捉えるのは全体としての企業活動なのです。

Singapore、Paris、そしてCassisへ

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24日の午後、Singaporeへ向けて出発。日付の変わる頃にホテルにチェックイン。25日はA*STAR理事会です。いつもながらテキパキとした議事と議論が進み、午後には新しく設立された免疫研究室を訪問しました。日本はこの分野は強いので、若い研究者が独立するにはよい場所だと思います。ここで活躍している元京都大学ウイルス研究所の伊藤教授とも電話でお話しました。

Singaporeに滞在して24時間もたたない25日の夜遅く、Parisへ向けて出発。1日ゆっくりしながら、夜はParisにいるフランス人の知人から、SONY Computer Science LaboratoryMario Tokoro社長北野さんのお二人と一緒にご招待を受けて、5人でSt. Honoreの日本大使館と英国大使館の間にある素敵な会員制のクラブで食事をしました。いろいろと話が弾みましたが、やはり、一緒にいる人たちと場所の雰囲気や伝統、環境といったものは大事ですね。これはマネをしようとしてもなかなか無理ですが。

Parisは素晴らしい天気。空気はからっとして、木々は濃いミドリ。一年で一番いい季節ですね。とても気持ちいいです。去年もこの時期にParisに滞在しました。たまには、ゆっくり海外で時間を過ごすのは素敵です。とはいっても、結構忙しい日程です。

26日、Gare de Lyonを出発し、Marseilleへ。そこからCassisへ向かいました。SONY研究所の主催する“Sustainability”をテーマにした、こじんまりとした会議です。去年はCamargueで開催されました

3月にはUNESCO-L’Oreal 、4月にはPecresse大臣の来訪、さらにフランスのテレビ局の取材などが続き、このところどっぷりとフランスに浸かっているような気分です。

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写真1 Cassisの港

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写真2 泊まっているホテル

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写真3 Cassisの海岸線

写真1?3はCassisの風景です。白い崖に囲まれたリゾート地で、日本でいうと逗子のような雰囲気ですね。最近ニュースにもなりましたが、ここはあの「星の王子様」で有名なサン・テクチュぺリ の飛行機が撃墜されて沈んだ場所でもあるのです。

科学新聞、「グローバル化とイノベーション」

科学新聞という週刊の新聞があります。それほど発行部数が多いわけはありませんが、主に科学技術関係の記事を扱っていて、科学者や科学に関わる人たちに広く読まれています。これは科学技術庁設立を強く推進した、当時の国会議員であり、また東海大学の創設者である松前重義先生の肝いりのものです。この先生のすごいところはその見識、実行力等々。沢山の貢献があるので、ウェブで検索してみてください。「二等兵物語」は自伝の一部ですが、あの戦争中に政府内にあって堂々と東条英機首相の政策を批判し、40歳を超えて「二等兵として徴兵」され、それに従うのです。本当にすごいことです。これは読んでみるといいと思います。

この科学新聞では時々、「対談」や「放談」をさせていただいたりしていますが(このブログでも検索してみてください)、今回は「“科学技術立国”日本の課題」というタイトルで、シリーズを企画することになりました。その第一回(3月28日号)「グローバル化とイノベーション」 で、私のインタビュー記事が掲載されました。大見出しは「個人力引き出す教師の熱意」というものです。人材育成がなんと言っても一番大事ですから。

ちょうど2週間ほど前に「イノベーション思考法」(PHP新書)という本を出しましたが、これも参考にしていただければうれしいです。イノベーションとは何か、日本の課題も含めて理解していただけると思いますし、実際に行動を起こしていただけるとうれしいです。「イノベーション25」の発表、そして閣議決定以後も、世界は待ったなしでさらにドンドン動いている実感があります。