ジュネーヴ、WHO本部から

2005年に始まったWHOのCommission for Social Determinants of Health(CSDH)で、私がCommissionerをしていることはご存知の方も多いかと思います。これまで、Santiago de Chile、Cairo、Nairobiなどを訪問しています(2006年6月と7月のブログで少し触れています)。今回はGenevaの本部での開催です。1月16日、21時55分発AFの予定でしたが、内閣府の仕事などがあって、17日朝の出発とし、CSDH会議の第1日目は欠席となりました。

CSDHから出されている出版物、Report等はこちらから見ることができます。

Commissioner全員の写真がWHOのサイトに掲載されています。事務局長のMagarert Chan氏(写真中央の女性)を囲んだ記念写真です。私がどこにいるかわかりますか?また、“Commissioners meeting in Geneva, 17-19 January”の報告にはChan局長、Amartya Sen氏、Sir Michael Maremot氏、そして私の4人が写った写真が掲載されています。

今回はCommissionerの一人のAmartya Sen氏も初めて参加しました。2年前に東京でお会いした時に、「たまには、CSDHに出てくださいね」とお声がけしといたのですけどね。皆さんは、彼のことをご存知ですよね?現代の最高の哲学者、知能の一人です。1998年Nobel経済学賞の受賞者、Cambridge大学 Trinity CollegeのMasterを務め、3年前からHarvardに戻られています。読書漫遊 「インドの深みを知り 日本を見つめ直す」(PDF)でも紹介していますので読んでください。日本学術会議の鈴村興太郎副会長(一橋大学教授。私の尊敬する一人です)のCambridge大学時代の先生です。

Sen教授は会議中の意見も実に的確で、夜のレセプションでは話が弾んで実に楽しかったです。鈴村氏のほかにも、わたしの好きな宇沢弘文先生、青木昌彦氏、Lord Martin Rees氏、Asia Pacific UniversityのMonti Cassim氏等、共通の知人も多いし、本当にすばらしい方です。

私の主張のポイントは、「社会的格差(social inequity)はすべてこれまでの社会が歴史的に男性優位だったことにある。どの社会でもごくわずかの例外を除けば男性と女性が半々なのだから、貧富の差別なしでどの国でも、地域社会でも、まず「男女の社会的平等を目標とすべき」というものです。例外なく、達成目標としては優れた指標だと思います。何人かの女性のCommissionersから、「その通りなのだけど、私達からは言い難いのよね、ありがとう」といわれました。

WHOでは、上の写真のように新しい事務局長のDr. Margaret Chanともお会いしました。(私の尊敬する尾身茂さん、本当に残念でした。国家戦略の問題でしたね。)

また、日本人で大活躍しているシブヤDr.、モチヅキ氏、東海大学におられたタムラDr.、厚生労働省から来ているDr. エナミには大変お世話になりました。夜にはこれまた厚生労働省のDr. シノザキ元局長、タナカ、コイケ、タケイ(漢字が違うといけないので皆さんカタカナにしてあります)、そしてWorld Economic ForumのGenevaの本部で活躍しているツチヤ君も一緒に夕食を楽しみました。

明日からLondonですが、ヨーロッパの北部は大変な嵐で、飛行機が飛ぶのかどうかちょっと心配です。