「無鉄砲娘」の大活躍、「避難弱者」を上梓

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20130908-1

福島の原発事故から30ヵ月、国会事故調の報告書が国会に提出されて14ヵ月の時が過ぎました。日本は、世界は、どんなことになっていくのでしょう。

2020年のオリンピック、東京に決まりましたね。良かった。-これを一度提出してから決まったので、加えました-

この「憲政史上初」の国会事故調に参加して、大きく、仕事・キャリアのありさまを変えた人たちもいます。 国会議員になった椎名つよしくん。「わかりやすいプロジェクト 国会事故調」を立ち上げた石橋哲さんなどなどです。

相川祐理奈さんもそのような一人です。彼女は大手新聞社に就職して2年、福島原発事故の調査に参加していたようですが、国会事故調に参加したいといってきたのです。この8月30日、彼女が独自に続けた調査をもとに書いた本、「避難弱者: あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?」が上梓されました。

私も、最後に「本書の刊行に寄せて」を書きました、とても感動したので。その一部を紹介させてもらいます。

まずはカバーの折り返しに引用されている部分ですが、

「現場感にあふれて入念なインタビューから、いろいろな事例があぶりだされてくる。多くの人たちの深い悩みと選択、もてあそばれる弱者たち、その人たちを支援する人たちの苦悩は計り知れない。ここかしこに1人ひとりの現場の人たちの生き様があぶりだされてくる。苦悩がある、多くの感動がある、そして多くの悲劇がある。
相川さんの一貫した現場からの取材によるこの報告から、何を学ぶのか。このような現実にどう対応してゆけばよいのか。これは私たち1人ひとりに突き付けられた課題である。」

そして、相川さんについて、

「国会事故調が終わった後、せっかく就職した新聞社も辞めて参加した彼女に、「本当にごくろうさま、これからどうするの?」と聞くと、なんと「私はこの調査を自分で続けます、あの人たちのことをもっと調べて記録しないと」というのだ。無鉄砲といわれようが、この様な決断をする若者がいるのだ。私たちは、相川さんが私たちのチームに参加するときの決断にも驚いたが、終わってからの決断にもさらに驚き、何か言い知れない感動に包み込まれた。
そして、相川さんの1人の戦いが始まる。協力、支援してくれる人たちも出てくる。この「無鉄砲娘」の調査の記録が、この本だ。-中略-。うれしい、ごくろう様、心からほめてあげたい。それがこの本なのである。」

皆さんも、本屋さんで見たら手に取って、よさそうだったらお買い上げください。勿論、アマゾンでもね。

前回、紹介した国会事故調をヴィジュアルにした素晴らしいビデオ1)も、若者たちの自発的な作品だ。

こういう独立精神あふれる若者たちがいるのだ、皆さん何か明るい気持ちになりませんか?

国会事故調をヴィジュアル化する若者たち(皆さんも見てね!)

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福島原発事故が起こってもう30ヵ月、2年半の時間が過ぎました。東京電力、日本政府の動きはどうでしょうか?世界も心配している一方で、あまりに情報開示と伝える力のお粗末さにあきれているでしょうね。このところ海外のニュースでもシリア問題とともに大きく扱われています。

私たちの「憲政史上初」という「国会事故調」報告書が国会に提出されてからも14ヵ月の時間が過ぎています。

さて、この報告書を国民の間にわかりやすく広げることは、私たちに任じられた事柄ではありませんが、そのような行動を始める若者たちもいるのです。素晴らしいことです。

その第一弾ともいうべき作品が「わかりやすいプロジェクト 国会事故調」という活動です。

最近、この報告書をヴィジュアルで説明するシリーズができました。

1.国会事故調ってなに?

2.事故は防げなかったの?

3.原発の中で何が起こっていたの?

4.事故の後の対応をどうしたらよかったの?

5.被害を小さくとどめられなかったの?

6.原発をめぐる社会の仕組の課題ってなに?

各2~3分でよくわかる、全部で16分ほどのヴィジュアルの素晴らしい作品です。

New York Times からびっくりする「贈り物」

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最近の福島原発事故の周辺は、極めて不安定な状況です。世界にも広く知られています、今の時代、何事も隠せないのです。

最近の福島の状況は世界でも大きな事件として扱われています。New York Timesも例外ではありません。 9月4日の朝刊「Late edition」のトップ記事(PDF)として扱われ、私のコメントの一部も入っています(電子版でも読むことができます。日本語訳はこちら 前半後半)。このNew York Timesの記事は日本の一部のメディアでも伝えられました。

驚いたのは、私のコメントが“Quotation of the Day(今日の引用)”となっていることです。うれしいというか、驚きですね。それだけインパクトがあるということなのでしょう。

“Water keeps building up inside the plant, and debris keeps piling up outside of it. This is all just one big shell game aimed at pushing off the problem until the future.” というものです。

これは取材した東京支局長Martin Facklerさんの腕です。彼は福島原発事故で明らかになった「「本当のこと」を伝えない日本の新聞」(双葉新書)という本も書いています。

世界は注目しています。世界有数の経済大国、しかも、科学や技術、エンジニアリング、製造業で高い評価を受けていた日本で起こった、地震・津波で引き起こされたとはいえ、まさかの福島原発事故。そして、2年半たっても中長期の計画も立たない、東電や政府の反応などに。

世界の英知を集め、透明性に徹することです。心配です、何とかしたいですね。

夏かぜで1週間ダウン

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8月29日(土)、日帰りで軽井沢へ出かける、昼に到着。旧軽井沢ゴルフクラブへ。なんとなく疲れるので、ゴルフ参加は辞めて、クラブハウスで休憩。きれいなコースを見ながらラウンジで過ごすのも変な気もち。

夕方みんながゴルフから上がってから、私が当日のゲストとして1時間ほど講演をした。GRIPSの同僚ともいえる竹中さんとご両親にもお会いした。元東大総長の小宮山さん他にも知人がいろいろ。

夜帰るとやはり疲れる。早く寝る。翌日の日曜日から熱が出る、時に40度になる。ご近所の主治医さんへ行って、診察してもらい、点滴を受け、一日寝る。翌日の月曜日も40度ほどの熱が出る。また主治医のところにも行く。元気がないわけではないのだが。今週の面会等はすべてキャンセルさせていただき、水曜日を迎えた。ちょっとよくなってきた感じ。

木曜日、朝からEUの代表の大臣の方々とのセッションがあり、約1時間を過ごす。もっぱら福島原発事故と今の状況などが主たるテーマ。それはそうだろう。あとは、ちょっとした会議等で、午後3時には帰宅。寝る。本当は今週は伊勢神宮に行く予定だったのだけど残念ながらキャンセル。

金曜、土曜と寝て過ごす。かなりよくなったが、今度のカゼはちょっとひどかった。

9月1日(日)、新幹線で広島へ。広島大学新診療棟のお披露目の祝賀会で記念講演。久しぶりの医学関係の多くの方々にお会いした。日がえり。

9月2日(月)、湘南国際村へ。「国連大学グローバルセミナー」主催の3日間のプログラム。David Malone 学長、そして資生堂名誉会長の福原義春さんに久しぶりにお会いした。そして私が「基調講演1: Global Agenda of Post-Fukushima」。ほとんどが大学生、大学院生で、女性が70%ぐらいか?いいね。留学生、学国人教員も多く、雰囲気はいい。楽しく話をすることができました。質問もいろいろ。もちろん全部英語。

この「オープンな雰囲気」とはどう定義できるのかわからないけど、いいですね。私は好きですよ、堅苦しくなくて、意見の交換も盛んで。

私の後の基調講演はUNDP日本代表の弓削昭子さん。歯切れがいい。質疑にもバンバン答える。

私はレセプションに参加した後、帰宅の途へ。皆さんは合宿らしい。

やっと、1週間が過ぎて、1週間が始まった感じ。ゆっくり休んだ感じでした。

HLABへ再び

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先日紹介した、驚愕の成果を上げているHLAB。

2011年の夏が初めでだけど、この2年で受講した高校生の40%が、自分の選択として海外の大学へ進学するのだから、すごい。

今年の夏、HLABがまたやってきた。私もまた参加。2 日休んだ蓼科から帰京し、みなさんと合流、そして30分ほどお話をしました。

これに参加しているHarvardの学生さんたち、2011年から3回続けて参加の方もいるなんて、とてもうれしい。彼女は今年のHarvard卒業式でラテン語の語りを見せてくれました。メキシコの貧しい村からお母さんがSan Diegoへ移住して、苦労して育ててくれた話をする男子学生。祖国の教育へ貢献したいと、、、。みんな素晴らしい。

その後はみんなでレセプションへ。応援してくださっている三菱商事のHarvard Alumniの槙原さんも参加。毎回このプログラムを支援してくれています。

数日後、再びGRIPSでのセッションへ。一橋大学B-Schoolを立ち上げ、今はHarvard B-School教授として活躍する竹内弘高さんのWise Leaderのセッション。さすが世界で一流の先生はすごい。授業の内容もさることながら、これが一流のエンターテイメントなのだよ。竹内さんはHarvardで日本企業のケースをいくつも紹介しています。

翌日の夜は、参加みんなが合宿している本郷の古びた旅館でのリフレクションに参加。いろいろな方が参加していて、お会いできて、私ももちろんですが、学生さんたちも本当にうれしそう。

こんな若者を見ていると、日本の将来も結構いける、と感じます。

幹事の皆さん、ご苦労様、ほんとにありがとう。