去年に続いて京都大学の100周年記念時計台を会場にして、京都大学の福原俊一教授の主宰で米国内科学会 (American College of Physicians; ACP)(1、2)の日本支部 (Japan Chapter)の学術総会が開催されました。
臨床教育、症例検討、臨床研究の在り方など、福原先生の思い切った企画と小林支部長の強い支援で、初めての2日間のイベント。多くの医学生や若い医師が参加しています。講演者は臨床現場の教育にとても熱心な方が多く、米国で臨床研修の経験者が何人も登壇していることが、その背景にあるのでしょう。参加の方は600名弱ということです。うれしいですね。
第1日目、どの会場も満員、みなさんの熱気であふれていました。特に若い方たちの皆さんが、素晴らしい臨床の教育、研修の機会に飢えているのかもしれません。レセプションでももっぱらそれぞれのセッションの話題で盛り上がっていました。プログラムの全部に参加することはできませんでしたが、Drs 徳田、須藤、高杉、岸本、柴垣、長浜さんなど、大いに盛り上がっていました。
2011年には東北大震災の直後であり、福島原発の事故もあって参加できなかった当時ACP会長のVirginia Hoodさん(University of Vermont、私と同じ腎臓が専門、その年の秋には台北でご一緒しました)、そしてMitchell Feldman (Chief Editor, J of General Internal Medicine, Univ Calif San Francisco)も参加、セッションも英語、日本語のものが混在しています。多分、予算のことなどもあり、同時通訳はなかったように思います。
第1日目の最後はDrs Feldman (UCSF)、Ishiyama (St Louis)、福原教授のみなさんから素晴らしい講演があり、次いで感染症対策など広い分野で大活躍されていて、若くして亡くなられた沖縄中部病院の「遠藤和郎先生(1)を偲ぶ」セッション、そして私の‘100 Top Global Leaders 2012’(Foreign Policy)、AAASの受賞のSpecial Session、そしてとても活発なレセプションで第1日は終わりました。
グローバル化していく世界で十分に評価されるような内科医を育成したいという期待があって10年前にようやく設立にこぎつけたACP日本支部。南北米国大陸諸国以外で初めてできたというACP支部、これが日本支部だったのです。
どの分野でもそうですが、グローバル時代へ向かって、既存の日本の組織を変えることは、その歴史、構成員の背景を考えても、なかなか無理な話なのです。このような、違った、しかし平行した選択肢を提示することは、将来を担うグローバル人材育成を育成する一つの方策と思います。
今回、ACP日本支部での若者たちの熱気を感じて、設立10年、ようやくこの活動もこれからだな、さらに伸びてくれるといいのだが、、、と祈るような気持ちになりました。人材の育成はとても時間のかかるのです。
第2日は、所要があるため、後ろ髪をひかれる思いで失礼しました。