2008年1月に世界銀行で講演(参考 1 、2 )をし、また直後の2月には東京でGlobal Health Summitが開催されましたが、これらから双方向で大きな信頼関係を築くことができました。今回のWashington DC訪問にあわせて、30日の朝から4時間にわたって、科学技術政策と特にアフリカの開発について議論する機会がありました。
日本では、昨年のTICAD4 (参考 1 、2 )やG8 Summit 関連会議などを通して、アフリカ支援の強化と、さらに「科学技術外交」(この数年主張し続けていることです。参考 1 、2 )を展開しようという政策が、日米その他各国のアカデミーでも策定されるようになり、それぞれが協力体制を作りつつあります。
大きく動く世界の中で、グローバルな課題に対して世界銀行の科学技術政策はどのような役割が果たせるのだろうか?これは大きな課題です。ちょうど、日本の科学技術の視察団がアフリカを訪問し、その報告会が東京で開催されたばかりでしたので、こちらとしても日本の政策の宣伝にもなるいい機会でした。国際投資銀行(JBIC)や国際協力機構(JICA)など、日本からの参加もあり、活発な議論が行われました。なかなか好評でした。
写真1: 世界銀行で、大使館の上田書記官と
以下、世界銀行での朝食会とパネル「Science, Technology and Innovation Capacity Building Partnership Meeting」の様子です。
写真2: 朝食会
写真3: Dr. Nina Fedoroff (参考 1)と Dr. Peter McPherson
写真4: 世界銀行のDr. Alfred Watkins (参考 1)とUNAIDのDr. Andrew Reynolds
写真5: 左から、Drs Victor Hwang (T2 Venture Capital)、Christian Delvoie、Phillip Griffiths
世界の日本に対する期待も大きいですし、日本が世界に貢献できることも大きいはずなのですが、何か内向きの国内事情が寂しいです。この「100年に一度」といわれる危機的な世界の状況に対して、なかなか変われない日本を大改革するという覚悟を示すような、明確な国家ビジョンを政治のリーダー達が示すことが大事です。
それでなければ、いくら国際交渉やトップ外交をしたところで、冷徹な世界では本気で相手にはされないのです(船橋主幹による、註)。世界第2の経済大国といっても、どの程度、日本の国家の意思とその政策が世界に発信され、世界からどの程度信じられているでしょうか。世界は“Japan Missing”と感じているのです。
註: 日本語は「脱力状態の日本外交」(朝日新聞 4月27日 朝刊3ページ)