新生日本学術会議

第20期日本学術会議が10月からスタートしました。日本学術会議法の一部を改正する法律が認められた後の「新生学術会議」として、第19期に引き続き私が会長に選出されました。

今回は従来の会員の8割が交代し、今まで7部制だったものを3部制としました。特に目を引くのは、全くいなかった40歳代以下の会員を14名選出し、女性会員の割合を6%から20%へと増やし、会員の若返りを行ったことです。若い世代から現場の声を吸い上げて、科学技術、その他の政策等について提言を行うことが目的です。また、日本の科学者コミュニティーとしての社会に対する責務を真剣に議論し、日本の科学者コミュニティーの代表機関として、海外アカデミーとの連携について新生日本学術会議が今後どのように活動していくか、国内のみならず、海外でも注目されています。

私自身は1年弱の任期ですが、下記3名の副会長と共に、これまでの活動を踏まえ、将来への躍動する、自律した社会的責任を果たす科学者コミュニティーの核としての機能体となる会議体を構築していきたいと考えています。

日本学術会議 副会長
 浅島 誠    (東京大学大学院総合文化研究科教授)
 大垣 眞一郎 (東京大学大学院工学系研究科教授)
 石倉 洋子   (一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)

関連記事が朝日新聞10月11日(火)夕刊他に出ています。是非ご覧下さい。

読書漫遊「日本の外交政策が欠く俯瞰的な視座」

読書漫遊 「日本の外交政策が欠く俯瞰的な視座」

 「通貨燃ゆ」 (谷口智彦著、日本経済新聞社)
 「日本の禍機」 (朝河貫一、講談社学術文庫)
 「アメリカ外交」 (村田晃嗣、講談社現代新書)
 「岩倉使節団という冒険」 (泉三郎著、文春新書)

出典: WEDGE(2005年9月号)

日本の科学技術政策の要諦

9月7日に東大先端研教授会の中で行っている15分間のセミナーで、講演をしました。

これは先端研に所属する研究者間の情報公開と意見交換がその目的となっており、私はこの4月に日本学術会議から発表された「日本の科学技術政策の要諦」について講演を致しました。その模様を動画で見ることができますので、ご紹介します。

 先端研 教授会セミナー 「日本の科学技術政策の要諦」

細胞再生医療シンポジウム-臨床応用への道筋

去る8月18日(木)にフォーシーズンズホテルにて、私たちが主宰しているNPO日本医療政策機構と東海大学の共催による「細胞再生医療シンポジウム-臨床応用への道筋」を開催し ました。今回のシンポジウムは、日本医療政策機構としては「少子化と女性の健康」、「女性の雇用と健康政策」、「患者が求めるがん政策:わが国で整備すべき患者向け情報は何か」に次ぐ第4弾となります。

日本の再生医療の専門家(大学・企業)と米国のベンチャー企業、政府関係者、報道関係者をシンポジストとしてお招きして体性幹細胞をめぐる特有の制度整備の問題を討議し、4部に分けてシンポジウムを進行しました。

第1部 再生医療を取り巻く日本の制度について、日米比較を交えて問題提起
第2部 実務に携わる専門家によるディスカッションを通じて問題点の洗い出し
第3部 制度を構築する視点からの議論
第4部 会場全体でのディスカッション

議論が進行するにつれて論点が浮かび上がり、異なる立場の間での活発な意見交換 が行われました。最後に元科学技術担当大臣の尾身幸次氏より、日本の科学技術政策全般を 俯瞰した問題提起がなされ、シンポジウムは終了。このシンポジウムでの討論を元に、日本医療政策機構が近いうちに政策提言をまとめます。

 

2005年10月

2005日米医学医療交流セミナー(2)《米国の医学教育と臨床研修留学への道》
How to 海外留学/How to 医学留学

日程: 2005年10月2日(日)
会場: 順天堂大学 有山記念館
演題: 「米国における臨床能力向上のための教育とシステム」

日本医療政策機構:朝食会
日程: 2005年10月6日(木)
会場: 青山アンデルセン
演題: 「国民の医療:何が課題か」

第35回日本腎臓学会東部学術大会
日程: 2005年10月8日(土)
会場: 新潟・朱鷺メッセ
演題: 「これでいいのか日本の学会」("Academic societies: Quo Vadis?")

第64回日本矯正歯科学会大会
日程: 2005年10月12日(水)
会場: パシフィコ横浜
演題: 「臨床科学の果たすべき社会への役割」("Social Responsibility of Professional")

ヘルスケアシンポジウム
日程: 2005年10月13日(木)
会場: 明治安田生命本社ビル MYPLAZAホール
演題: 「医療制度の行方と疾病予防」

「江戸のモノづくり」 第7回 国際シンポジウム
日程: 2005年10月23日(日)
会場: ホテル国際21長野
演題: 「日本の伝統、日本の未来」

「医療白書 2005年度版」が日本医療企画から出版されました。

東京慈恵会医科大学名誉教授/酒井紀先生、東京女子医科大学名誉教授/桜井靖久先生、千葉大学法経学部教授/広井良典先生と一緒に監修した、「医療白書 2005年度版」が日本医療企画から出版されました。

日本で常識だと思われている医療の仕組みの特異性や、日本の医療制度の問題点を諸外国の制度との比較も交えながら明らかにし、改革の指針を示したものです。現代医療の背景にある流れと展望を考えながら、本書を参照していただければと考えています。

Iryouhakusho

『医療白書2005年度版徹底検証、日本の医療力―創造と変革への「指針」と「戦略リポート」』