お久しぶりです。
先月26日からStockholmで開催されたEuroScience Open Forumに招かれ、“The Future of European Science Policy in a Global Context”で、“Asian Perspective”という演題で話をしました。この会議では、もっぱら米国に対してのECの科学政策に話題が集中しており、よく知られていることですが、ECの中心であるBrusselの官僚的対応についてちょいちょいと話が飛び火しました。かなりの危機感と人材育成への配慮の不足が話題に挙がりました。これらについてはちょうどNatureの8月19日号に、英国科学アカデミー会長のLord Mayのコメントが載っていたので、彼に私も同感だという旨をすぐにメールで送っておきました。
StockholmではRoyal Swedish Academyを訪問しました。18世紀にかの有名なLinneらによって設立され、毎年、物理、化学のNobel受賞者が発表されるところです。ところで、Linneが私たち哺乳類の名前を“mammal”とした人であることを知っていますか?このことをちょっと前にお話しましたが、皆さんあまりご存知なかったようでしたね。
さて、Stockholmには尾身前科学技術担当大臣もいらっしゃっていて、お会いする機会がありました。それから、大塚在スウェーデン大使らとホテルで昼食をとっていた時に、偶然Nobel博物館館長のLindqvistに2年ぶりにお会いしました。お母さんの85歳の誕生日とかで一家総出でランチに来ておられたとのことです。どこにいても誰かに会いますね。
Stockholmに2泊してからSingaporeへ飛びました。Nobel医学賞受賞者のBrenner博士と沖縄大学院プロジェクトについて3時間ほど打ち合わせた後、内科医・腎臓専門医として以前から良く知っているシンガポール国立大学(NUS)のTan学長を訪問しました。まだお若い方ですが、今年4月に就任されたばかりで、それまでは厚生省に4年いらっしゃいました。
また、ここで活躍している元京都大学教授で現ウイルス研究所長の伊藤教授、そして腫瘍内科のWong教授とも夕食の席でお会いしました。Singaporeでは何事にも前向きで、決断が早く、人のつながりを介しながら国の将来の戦略を進めている事をひしひしと感じます。