ダボスから(4)

もうひとつダボスから。

帰りはアメリカ人の友人夫妻とZurichまで一緒に車で移動しました。しかし、そこでまた変な話を聞いてしまいました。というのは、あるセッションで日本人パネリストが「中国は犯罪者やSARSを持っているような人を日本に送り込んでくる」との発言をし、これに対して中国人のパネリストが「日本人は中国で虐殺を行った」だとかの口論になり、その人の友人である司会者が困っていたというのです。「誰ですか?」と聞かれたので、プログラムを調べたところなんと都知事ではないですか。国内でも同じような発言をしていますが、まさかこんなところに来てまでとは、と感じた次第です。

ほかにもいくつか極めて“場違いなこと”があったようですが、ご本人たちはまったく感じていないのでしょう。都知事は承知して発言しておられるのでしょうから、かまわないと思いますが。この辺のこととか、来年に向けてちょっとした計画も考えなくてはと感じています。

この後は、去年も参加したInterAcademy Council(IAC)の会議でAmsterdamに滞在しました。このIACの「教育、人材育成」についての報告書(「Inventing a better future: A strategy for building worldwide capacities in science and technology」)が出来上がり、2月6日(日本時間)に国連のアナン総長のお招きで各国大使等の前で発表されます。

29日の朝に成田に到着。午後は慶応大学で行われた産学連携プログラムで「教育」について話をしました。慶応4年に福沢諭吉が慶応義塾を設立したことから始まって、どの国でも無条件で与えられるのは「人と空気」だけである事を強調しました。だからこそ、人材育成、教育が大切なのです。本当に福沢諭吉は立派な方ですね。

このブログでも案内していますが、講演する機会も多いので、時間があったら是非お出かけください。お会いできるのを楽しみにしています。