沖縄、G8科学担当大臣会議

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6月15日、G8サミットでは初めてのことですが科学技術担当大臣会議が沖縄で開催されました。岸田大臣がホストです。

その前の13・14日の2日間に渡って、非公式のG8+5科学顧問会議が開催され、“Brain Circulation”が話題になりました。EUのErasmusプログラムの拡張版ですね。これからのグローバル時代の課題に対して、将来を担う若い人たちがお互いを知り合うことが大事という認識なのです。

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写真1 米国国務省科学顧問のNina Fedoroffさん

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写真2 中国科学技術担当のWan大臣

大学、大学院、またもっと若いときに、短期で1年程度の相互乗り入れのプログラムが大事だと認識を共有しましたが、特に日本にとっては重要な課題です。ブログで繰り返し述べていますが、今の時代になっても日本の大学は閉鎖的ですし、若者の眼が海外へ向かないことは大きな問題と思います。日本からの海外留学も減ってきているのです。

14日の夕方には沖縄科学技術大学院(OIST)からSteven Chuさんのクリーンエネルギーに関するプレゼンがあり、続いて仲井真知事のレセプション、そして岸田大臣が到着と続きました。

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写真3 岸田大臣、Baughmanさん(OIST)

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写真4 レセプションのショー

Cape Town

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横浜でのTICADが終わり、6月3日午後に成田を出発。シンガポール経由で喜望峰のあるアフリカ最南端のCape Townに来ました。World Economic Forumのアフリカ会議に出席です。今回が18回目ということで、17年前から毎年開催しているのです。すごいことです。

TICAD推進の中心人物の一人でもあるJICA総裁の緒方貞子さんは今回の会議の共同議長の一人。3日間、毎日のようにいくつものパネルに出られ、大活躍でした。本当にご苦労様です。日本のビジネス界からも東京エレクトロン(佐藤社長)、日立、三菱商事、双日など10社程度が参加。また小田野TICAD担当大使も参加され、日本の存在感が見えてとてもよかったです。何ごともビジネスが付いて来なければ成長はありません。アフリカ全体で起こっている紛争の数は減り、経済成長率は5~6%。ここはビジネスチャンスなのです。日本のビジネス界もしっかりして下さいね。

私も2つのパネルに参加し、特にTICADでの成果やG8、MDGへの期待について、エネルギー、食料危機、開発といった切り口から話しをしました。

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写真1 パネルの様子

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写真2 日本からの参加者による会議、緒方さんを中心に

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写真3 左からWEFの土屋さん、JICAの黒川さん、日本医療政策機構の近藤さん

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写真4 日立の八丁地さん、岡田さん

アフリカからの参加者も南アフリカ連邦のMbeki大統領を始めTICADに参加された方が多く、この会議での日本の存在もそれなりに高く、良かったと思います。しかし、なんと言っても緒方さんですね、ここでも。知名度は桁違い、皆さんに尊敬され、しかも発言が実に的を得ていて、本当に「日本の誇り」です。

2日目の午後、天気があまりにもすばらしいので、ちょっと抜け出して喜望峰へ行ってきました。どこもかしこもSanta Monica、Malibuのようなところばかり、まるでCaliforniaです。

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写真5 喜望峰。私の後ろへまっすぐが南極方向。左から日立の岡田さん、八丁地さん

3日間の会議を終えて、Dubai経由でAbu Dhabiへ。波多野大使を訪問した他、政府の大学関係者、医療政策担当者等と会談し、20時間ほどを過ごして帰路につきました。8日の夜、日本に到着。

 

アフリカ週間:Jeffrey Sachs、Bono、Tony Blairとの一日

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私も手伝っている「Table For Two」の活動広報の集まりが、Jeffrey Sachsをお迎えして議員会館で開催されました

このような社会起業家の活動が日本発で世界に広がって、世界の一方で起こっている食糧不足と、他方で起こっている過食の問題に対する一つの運動になることはすばらしいことです。皆さんも参加しましょう。

午後は慶応大学へ。今年は150周年でいろいろな行事が開催されています。ロックバンドU2のBonoさんの法学博士号の授与式(写真1~3)、そして授与記念講演がありました。授賞式会場は福沢諭吉が推進した演説の講堂で、慶応でも由緒あるところです。今回、Bonoさんから招待を受けたのですが、彼とは今年のダボス会議で会って から、緒方貞子さんたちのお手伝いをとおして協力しているのです。

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写真1 法学博士授与式のBonoさんと安西慶応義塾長

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写真2 Bonoさんと

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写真3 Jeffrey Sachsも参加

この講演は慶応大学の渋沢栄一記念寄付講座の講演シリーズで、「Civil Society」の動きを推進するものです。

その後、先日ご報告した前英国首相Tony Blairのスタッフと会って打ち合わせ

全てが今週から横浜で始まるアフリカ開発会議(TICAD)と、7月の洞爺湖G8サミットに関するものです(参考)。日本に対する注目度、期待度は非常に高いのですがね。

G8環境大臣会合で開会の基調講演

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5月24日に神戸で行われたG8環境大臣会合で開会の基調講演 を依頼されました。大変名誉なことです!しかしそのあと、頭の痛いことに日本語、英語、仏語、中国語、スペイン語の同時通訳が付くと言われてしまいました。そこで、英語で原稿を作り、英語で話すことに決めました。

同時通訳でスピーチを聞くといつも思うのですが、翻訳という作業の性格上、実際のスピーチよりもやや遅れがちだったり明らかにいくつかの言葉が省略されているために翻訳の精度に疑問を感じたりして、聞き取りにくくフラストレーションが溜まります。とはいっても、当然のことながら、数ヶ国語に精通でもしていない限りこのプロセスは国際会議では避けて通ることはできません。

そこで考えた末、スピーチの作成・校閲・読み直しを自分でしてから、原稿を通訳の方々に送る際に「私はこの原稿をそのまま読むので、あなた方はそれぞれの言語に翻訳して読んでください。勿論、パワーポイントは使用しません。」というメモをつけました。

写真 1 ・ 2  会場の雰囲気 Dsc_0247g8kobe05240801_2

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話し終えた後にUKのHilary Benn環境大臣が演台に近寄っていらして、私の講演が大変よく練られ、構築され、話されていて感心したとお褒め下さり、とても嬉しく思いました。イギリスの要職にある政治家であり正真正銘の英語のネイティブスピーカーからそのようなコメントを頂くとは!感激です。Benn大臣とはしばし演台で会話がはずみました。

このような光栄な場を与えてくださった鴨下環境大臣に感謝します。それにしても3日間という長い会期は参加者の方々にとって大変だったことでしょう。私は講演の後すぐに東京に戻りました。皆様も良くご存知のIPCC議長Dr. Pachauriにお会いするためです。私たちはこの2月にもNew Delhiでお会いしました。

「グリーンIT」講演からのメッセージ

ITも多くの電力を使います。サーバーであり、ルーターであり、端末です。また、発熱を冷やすのに使う電力も大変なものです。モーターも多くの電力を使うのです。こういったことについても色々と工夫や新しい技術開発などが行われています。

このような背景から、第4回の日経環境シンポジウム「経済と環境の共生を実現するグリーンIT投資」が開催され、基調講演をさせていただきました。その記事が3月26日の日経新聞朝刊(24面)に広告特集として掲載されました。基調講演の概要も掲載されましたのでご紹介します。

1時間の講演でしたが、大事な点は「2050年までに食料とエネルギーの輸出国になろう(この2つがいつも国家の存続と独立の基本であり、争いや戦争の原因になってきたのです)というぐらいの大きいな国家ビジョンを、政治のリーダーシップで打ち出し、国民と共有することだ」という点です。そこからの社会構造、政策を変え、グローバル世界の“日本”を打ち出していかないといけないということです。

今までの既得権のある人達やその業界自体がその既得権にしがみついて抵抗する、だから変われないのが今の日本です。グローバル世界は日本がどうなっても、どんどん変わっているのです。

 地球温暖化、環境技術、そして日本(PDF)
 出典 2008年3月26日(水)24面より ※広告特集に掲載されました

洞爺湖で、ちょっと感じ、考えたこと

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少し前のことですが、4月5日の土曜日にG8サミット開催予定の洞爺湖 The Windsor Hotelで、総理大臣、経済産業大臣、環境大臣も参加する「地球温暖化問題に関する懇談会」が開催されました。トヨタの奥田さんが座長です。前日の夜遅くに到着、翌日はいい天気になりました。ホテルから観た洞爺湖の展望は素晴らしく、なかなかのものでした。

洞爺湖周辺のホテルの数や質はどんなものでしょうか?随行者、プレスも含めるとどのくらいの人が来られるのでしょう?最近ではG8のような国際的な会議には、政府関係者ばかりでなく、NGO関係者の方々も多く参加されるようになりました。参加の形は違っても、ゲリラ的ではなく、会議の一部になってきました。これだけ大勢だと、宿泊は札幌も使うことになるのでしょうか?ちょっと不便かも知れませんでしょうね。G8ばかりでなく、G5も含めた他の国の元首も何人も来られます。今、日本を訪ねている胡錦涛中国国家主席も当然来られます。政府関係者ばかりでなく、シークレットサービスなどなど、かなりの人数が集まるのでしょうね。

会場とその近辺の保安等は大丈夫でしょうか?ホテルへのアプローチは一本ですが・・・。警察も自衛隊も一緒になって一生懸命考え、シミュレーションを繰り返していることだと思いますが、各国の国家元首が来るのですから、その辺りは別途、それぞれの国が日本側とも連携を取りながらも、当然のように個別に対策を考えていることと思います。ホスト国に国家元首の安全と保安を全部任せるなど、とても考えられませんしね。

Bill Gatesとの会談

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7日の朝からJakartaへ。Microsoftが主催する「The Government Leaders Forum- Asia」のパネル、“IT and Healthcare”のKeynote Lectureにお招きを受けたのです。日本からも慶応大学副学長でネットと言えばの村井純さん(パネル素晴らしかったです)、広島市長の秋葉さん他、約20人ほどが参加されました。

(※Microsoft「The EDGE」(7月号)にGovernment Leaders Forum Asiaの記事が掲載されました。)

この会議はMicrosoftがアメリカでスタートさせ、次いでヨーロッパ、そしてアジアでは4年目になるようです。Indonesiaの担当大臣はじめ、ASEAN事務総長のSurinさん(この2ヶ月間で3回も会っています)などの講演のあと、第1日目は3つのパネルがありました。Indonesia大統領、そしてBill Gatesの講演は2日目に予定されていましたが、私は残念ながら1日目の夕方にホテルを出発し、帰国の途に着きました。ちょうど44時間ほど、日本を離れていたことになりますね。

私のパネルのあと、Gatesさんとの会談がセットされていて、先日のGlobal Health Summitのこと、G8を始めとするグローバルな課題、教育や医療の“IT化”の課題などについて話をしました(写真、さすがに周りはピリピリしていました)。
とても切れますね、黙っているときも資料に目を通していました。日本Microsoftの大井川さんの話では、いつももっと気難しそうにしていて、あんな表情のGates氏を見たことがないと言っていました。

誤訳?いえいえ!

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最近参加したパネルで‐おおよそ20人くらいのパネリストだったでしょうか‐日本人と外国人の割合が6:4の中、気候変動について熱い議論が戦われていました。何人かの日本の政治・経済のリーダー達は日本の省エネ技術こそ最も効率的で1973年中東戦争のオイルショック以降エネルギー効率を上げるために”サムライの精神”で取り組み、二酸化炭素排出量を減らすには革新的な技術こそが鍵であると訴えました。
一方、その他の日本人や外国人はそれでは不十分であり、”キャップアンドトレード”を含むルールや規制が実行されるべきだと主張していました。日本側はセクターごとに各国がベストプラクティスを追求する”セクター別アプローチ”を主張しています。
EUはもとより、アメリカまでもがさまざまな政策の実行や革新的な技術を導入するだけでなく“キャップアンドトレード”に向けて動いているように思えます。日本が独自にイニシアティブをとらない限り、新たな世界のルールを追随せざるを得なくなり、この種のビジネスから取り残されるかもしれません。
ビデオスクリーンでは本来「侍」を意味する“Samurai Warrior”と翻訳すべきところ、“Samurai Worrier”(心配する侍)となっていました。アメリカ人がこの誤りに気づいたのですが、間違いではなくこの方がむしろ正しいメッセージを伝えているかもしれないと言っていました。時には翻訳の方が本来の意味が伝わることもあるものですね。

Blair首相との会見、そして「ブレアプロジェクト」参加へ

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3月14~16日、「G20エネルギー、環境担当大臣会合」が幕張で開催されました。

13日の朝はJeffrey Sachs教授とお会いして、先日のGlobal Health Summitのこと、Bush大統領がAfrica訪問中に発表された、AfricaのHIV、Malaria、結核以外の感染症への支援に関する発表などを受けて懇談しました。いろいろな形のODA貢献や、目に見え、成果の挙げられる貢献、資金援助のあり方などです。夕方からはColumbia大学の上海会議があり、私もお招きを受けていましたが今回は残念ながらご辞退しました。

その後すぐにGIES 2008に参加。これが第3回目です。GIES 2007は去年6月に開催され、私の「Innovation 25」の話もwebcastで聞くことができます。

14日朝は、「G20」に参加している英国のMalcolm Wicksエネルギー大臣と会談。15日の午前は去年まで英国首相であったTony Blair氏と会談(写真1)。Blair氏はこの日の朝に「G20」で基調講演を行っていて、気候変動に関するG8 Summitの政策、中国政策、そして他の途上国への対応等について意見交換をしました。彼は2005年のGleneagles G8 Summitで始めて気候変動を主要テーマにしたのです。だからこそBlairさんは、フォローアップの努力を今も続けているのです。Davos会議もよく活用していて、今年行われた福田総理の講演の座長もしました。チームを作って活動を進めるとのことで、今回から私もそのチームに参加することになりました。楽しみです。Blairさんはこの後に北京、New Delhiと訪問予定で、その間にもスタッフとメールで、早速やり取りをはじめています。また、忙しくなりそうです。

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写真1 Tony Blair氏と

16日の午後は、環境省、東京都などと日本経済新聞主催の「温暖化シンポジウム」で昼食会(写真2)。その後、Blair氏の基調講演、さらに鴨下大臣、石原都知事などのパネルが行われました(写真3)。詳細はいずれ日経新聞に出ると思います。

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写真2 昼食会で、左から、私、首都大学長西沢さん、並木環境大臣政務官、Graham Fry在日英国大使、Blair氏、石原都知事

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写真3 左から鴨下環境大臣、Blair氏、石原都知事

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写真4 Fry在日英国大使と、講演会の開始前に

「国際保健で主導権発揮を」・「イノベーションの課題」

日本経済新聞(2008年3月11日)に掲載された記事「経済教室 国際保健で主導権発揮を」を、記事講演録一覧に追加しました。

 「経済教室 国際保健で主導権発揮を」

2007年10月18日に開催されたエンジニアリングシンポジウム2007での講演録を、記事・講演録一覧に追加しました。

 「イノベーションの課題」
 

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