Steve Jobs特集と伝記出版

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 Bloomberg Newsweek TIME

Steve Jobs氏が亡くなって2週間が過ぎました。米国でNewsweek, Times, Bloombergなどの有数なWeekly magazineが彼の追悼特集を出したことは、20世紀後半でもJobs氏がそれだけ極めて傑出した人だったということでしょう。

特にNewsweekとBloombergは他の記事のない、全部がSteve Jobsのみの特別扱い、しかも広告もないのです。これはすごい扱いです。それだけ私達の社会を大きく変えた偉大な天才Artistという扱いでの追悼特集です。

Timesの頃からJobsとのお付き合いのあるWalter Isaacsonが、Timesの特集で付き合いのいきさつも書いていますが、彼の書く「Steve Jobs」の伝記が10月24日に出版されます。早速読んでみたい本、皆さんも本棚に入れておきたい一冊です。

Steve Jobsほど、私達の日常生活を、子供から大人まで、見える、触る、楽しむなど、色々な形で変えた人はいないでしょう。しかも、多くのファンのココロを掴まえて離さない、楽しい、うきうきした気持ちにさせながら、、。

Steve Jobs の生涯を短時間で、全体をまとめて想うにはこのビデオはいいよ。

 

 

Steve Jobsが逝く、淋しい。。そして若い人たちへ

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世界の多くの人が、Appleを愛している。そのAppleを創造し、建て直し、Appleをこの数年で米国一番の価値ある企業したその人、Steve Jobsが逝ってしまった。

彼のStanford大学での歴史に残るスピーチにあるように、誰にでも必ず訪れる「死」。でも、これだけ、その死が世界中から惜しまれた人は極めて少ない。 (資料

Steve Jobs(50)  

若い人たち、君たちの将来には広い世界があるのだ。日本社会の常識にばかり気をとられている必要などないのだ。他の人たちと違っていることはいいことなのだ。

あなたたち一人ひとりが、情熱を燃やせるもが必ずある。それは心の中に潜んでいる、でもまだ見つからない、気が付かないのかもしれない。グローバル世界に広がる多様な社会にあって、日本で生活しているだけでは、見つからないのかも知れない。

若いときは2度とこない。広い世界に出てみよう、目的は何でもいいのだ、勉強でも何でも、とにかく違う世界へ行ってみることだ。1, 2週間、1, 2ヶ月、数ヶ月、何年間でも、とにかく広い世界の空気を吸ってくる、生活する、色々な人たちに会ってこよう。そこから、君たちの道が見えてくるかもしれない。いつか、後になって、それらの実体験が、「1つ1つのDots」になることに気が付くときがくる、必ず来る。

Steve Jobsの歴史に残るStanford大学での14分のスピーチを時々聞いてみよう。 私も時々聞いている。 実にいいスピーチだ。 とても感動的だ。今になっては涙も出るけど。

本当に素晴らしい人だったね。私たちの、子供たちの生活を、この10年もしない間にすっかり変えてしまった。

何しろ、2, 3歳の子供がテレビにタッチして、画面を動かそうとするぐらいなのだから。

「世界級キャリアの作り方」、第10刷決まる

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このサイトを訪ねてくれる方には、石倉洋子さんと私の共著の「世界級キャリアの作り方」をご存知の方、読んでくださった方たちも多いと思います。

この本が引き続き売れていて、第10刷が出ることになりました。「2万部の「大台」を突破した」、という報告を受けました。

とてもうれしいです。この本が、それだけ皆さんの関心を惹いているということだからです。

これからの予測できない「グローバル世界」、若い人たちに、そしてお友達にも紹介してくださいね。

きっとお役にたつと思います。

すばらしい若者たち –2

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前回も同じタイトルでの話でしたが、この1週間、またまた素晴らしい若者たちとちょっとした時間をすごしました。

このサイトでも何回も紹介しているGCMP、ことしの夏のBangledeshでの体験記の発表会に参加しました。皆さん、日本とまったく違った現場で苦労しながら、「水、ごみ、健康、教育」などのテーマに取り組んでいます。私もチョッとお話と、いくつかの提案もさせてもらいました。皆さん、視野も広がり、成長していますし、グループの広がりも出来始めています。

次は、もとSONYの出井さんの主催するAsian Innovation Forum資料1) 。これも4年続けて参加 させていただいています。私は、2年前は過激に、去年はおとなしく、でしたが、今年は再びチョッと過激モードに戻しました。何しろ「3.11」から6ヶ月たって、この有様ですから。総理もまた新しくなりましたし。急速に変わる世界にあって、日本の「リーダー」という人たちは何を考えているのでしょうね。東京都副知事の猪瀬さんの話も本音で、示唆に富むものでした。

今年の私は、「人・企業・社会を変えるイノベーションの仕掛け、さらにClosing SessionでのkeynoteとPanelをしました。この中で出井さんの考えが何回か聞けますが、構想もなかなかのものです。

この2日間、参加した若い人たちとランチとか、会場でもお話をする機会があり、なかなか頼もしい人たちがいるな、と感じました。もっともっと、若い人たちの背中を押し、「外」への目を向かせるなど、活躍の場を作ること、示唆することが大事と思います。多くの「大人たち」は、違った時代を生きてきた、その時代と現在との大きな違いを基本的に理解していないのではないか、と思うことが多いです。

2日間のForumを終わって外に出たら猛烈な暴風雨でした。

16日にはGRIPSの卒業式写真)がありました。例年のことですが、秋の卒業はほぼ全員が留学生です。各国大使、大使館の方達、関係者のご列席、さらにカラフルな国旗がキャンパスにならび、極めて「非日本的」です。

それぞれの国の「リーダー」になっていく若者たちを送り出すGRIPS卒業式、チョッと参加するだけでもひときわ感動的です。

 

すばらしい若者たち

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このカラムを訪れて下さる方達にはおなじみのWorld Economic Forum (WEF)。このウェブサイトを訪ねると、世界の出来事、新しい方向などを感じ取ることが出来ると思います。いわば、世界を「ヨコ」につなぐ重層的なネットワークともいえますし、「超階級」という本にもあるように、世界のリーダといわれる人たちが集まる場所でもあります。

先週は「Summer Davos」(冬のDavosに比べた名前です)といわれる会議が大連で開催されました。100人以上の方が日本から参加したようですが、私は都合もあって参加しませんでした。アジア太平洋の会議がその1ヶ月ほど前にIndonesiaで開催されたばかりでしたが、これも欠席しました。急速に、しかも予測できないグローバル世界の変化を見て取る、感じ取るにはお勧めのサイトの1つです。

この様な動きから、この主催者のKlaus Schwab氏は、新たに「Global Shapers Community」を立ち上げました。20代の、情熱を持って社会で活動をしている若者の活動の場を広げようという趣旨です。日本ではImpact Japanを一緒に立ち上げたWilliam H Saitoさんが日本でのCuratorに指名され、Impact Japan がコンタクトポイントになるのです。

17日(土)の朝、帰国早々のSaitoさん(当日、朝の5時過ぎに羽田に帰国したばかり)、前日来日したKlaus Schwabさんたちと30人ほどの20代の若者達が集まり、90分ほどGlobal Shapers Community立ち上げの集まりがありました。参加の若者達は30歳以下、一人を除いては皆さん自分たちで、なにか社会的に大きな意義のある目標へ向かって活動しながら、新しい組織を立ち上げ、また起業している人たちばかり。苦労しながらも元気一杯な人たちばかりです。

大人たちは「最近の若者は」などという前に、このような若者達がドンドン活躍していることを考え、応援してください。海外での拠点の若者達も何人もいました。このサイトでも紹介している税所クン松田クンも参加しました。みんな、多くの「カベ」にぶつかり、大きな挫折を乗り越えながら苦労に苦労を重ね、元気一杯に高い目標に向かってチャレンジしています。

こういう若者の活動のネットワークを、「ボーダーを越え」て広げるとともに、日本を元気にしたいものです。

 

Sydney Opera House

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<上:Australiaにて、Hayman、Sydney、Bondi Beachの写真>

ADC Forumが終わりHayman島を出ると、時間の都合からSydneyで一泊。

翌日は快晴。次の予定まで半日の時間が。そこで行く先はモチロン、まずはOpera House。そこで、ゆったりした時間をすごしました。

このOpera House。見れば見るみるほど、外側も内側も、このプロジェクトの将来ヴィジョン、それへ向けた全体構想,そして出来た建物だけではなく、そこに現在にも続く、しかも世界を引くつけるコンテンツ、プログラムの素晴らしさ。長期の展望から生まれる、すばらしい「引力」です。

日本の国家政策は、どちらかといえば、このOpera Houseのような、世界での自分達の存在とその将来を見据えた大きな構想力に欠けているように思います。なんのかんの言っても基本的には各省庁由来の「ムラ社会発想」であり、そこが内田 樹さんによれば「日本辺境論」(資料1)である所以(ゆえん)なのだと思います。

残りの時間はあまりないので、Bondi Beach へ出かけてイタリアン・レストランでランチ。経営者はIsraelから来たユダヤ人の若者、いろいろな話が出来ました。Bondi Beachは Life Saving Club Icebergs などでも有名な海岸です。

ホテルで荷物をPick-upして空港へ、Singaporeへ向かいます。

8月6日; ヒロシマ、フクシマ、そしてグローバルヘルスサマーコース

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 8月6日、ヒロシマの日です。

日本はヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ。例年、暑いヒロシマでの式典、菅総理の言葉は皆さんに、ヒロシマの方々に、フクシマの方々に、そして東北の被災者の方々にどのように響いたでしょうか?

日本はどんな国になっていくのか、なにか悪夢の中をこの5ヶ月が過ぎていったような気がします。フクシマの処理は目処も付きません。東北をどうするのか現場への対応も、計画も、国の役割もはっきりしません。もっぱらコップの中の争いと、旧体制の抵抗勢力とスキャンダル、経済産業省の人事もありました。なんと言うなさけない国家なのでしょうか、と愚痴をいいたくもなりますね。

世界中で、金融の大崩壊がまた起こるのかもしれませんね、不気味です。日本はどうしようとしているのでしょうか?

政治の体たらくを国民のせいにする人も多いと思いますが、この50年間の「知の鎖国」の抵抗勢力。大学、メデイア(テレビといえばタレントと食い物ばかり、というのが直感なのでは?)、大学の責任も重いと思います。経済成長ばかりに浮かれていて、この20年のグローバル化の世界に、ほとんど適応できなかった産業界などなど、このサイトでも繰り返し指摘している、そして最近でも自民党、公明党の機関紙に一部を書いた通りです。

さて、数日前に「Global Health人材育成講座「グローバルヘルスサマープログラム2011」資料1)について紹介しました。

6日(土)の午前はこの2週間コースの最終日。本郷にある東京大学の福武ホールの素敵な講堂で、4つのチームが世界の「ポリオ撲滅」へ向けての政策提案のプレゼンです。これが今年の課題でした。皆さん、ずいぶん考えた政策の提案、それぞれユニークで、採点はとても難しかったですね。4チームの成果を色々組み合わせると、何かよい企画になるかもしれません。

私はこの2日間、ひどい風邪で寝込んでいたので、ようやく朝になって間に合って参加できた感じでした。

でも、皆さん現場感を得ることや取材やら、がんばりましたね。「このような問題を自分自身で考えたこともなかったので、考え方も、視野もずいぶん広がりました」というような感想、意見を色々聞きました。

学生さんも、支援してくれた多くの方達も一緒にみんなでランチへ。次のキャリアは、ちょっと違った視点で考え始めている、という方もいました。将来を担う人たちとの交流はいつも楽しいものです。

20人ほどの学生さんたちは米国、フランスなどで学んでいる方、また、アフリカなどで現場の活動していた方もおり、とても熱心な方達の集まりで、ここでも、「世界的キャリア」を作ろうとしている人たちが多く、楽しい時間をすごしました。

私は帰宅早々、荷物をまとめて、成田へ。Qatarへ向かいます。Academic Health System Initiativeお披露目へ参加です。この暑いとき、しかもRamadanが始まっているのに、皆さん熱心ですね。

Qatarについてはまたご報告します。

 

日本の将来、輝く「なでしこ」たち

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「3.11」以後、グロ-バル世界のなか日本のエスタブリッシュメント、つまり政府も、政治も、大企業も、科学者たちもなんとなく元気がないというか、存在感がないように思います。国を揺るがすような大事件にも右往左往しているという感じですね。問題に遭遇すると、「出来ない理由」がいくつか頭に浮かぶ人たちはだめですね。特に今回のような大問題ではなおさらのことです。

日本のメデイアをみているだけではわからないかもしれませんが、世界ではいくつも大きな変化が起こっています。戸惑う日本にとって、そこで起こったことが「なでしこ日本」の大快挙でした。

元気な「なでしこ」達にお会いする機会が、最近2つありました。

1つは、例年のことですが、L’Oreal日本主催の若手女性科学者への奨励賞 の表彰式です。私はL’Oreal-UNESCO女性科学者賞の委員でもありますし、この何年かこの表彰式にも出席しています。

いつものようなL’Orealらしいミルク色調の美しい会場設定。入り口にいつもより大勢のメデイア、カメラが集まっているので、さすがにL’Oreal、広報にも力を入れているなと、感じました。

L’Oreal日本支社長さん、UNESCO事務局長時代にL’Oreal女性科学者賞のUNESCO協力を始められた松浦さん他の多くの方達がご出席。4人の素晴らしい受賞者たち、また特別賞として東北大学Science Angelが表彰されました。この表彰式に黒木メイサさんをお呼びしていたのです、だからいつもよりはるかに多くのカメラが来ていたのですね。

もう1つは、e-Woman佐々木さんの主催している国際女性ビジネス会議 です。土曜日の朝8時に始まりました。ビジネスで活躍する石黒不二代さん、国際機関ILOで活躍する荒井由希子さんのお2人のすばらしい講演のあと、私は石倉洋子さんとの対談資料1)という形式の30分、とても楽しめました。その後のパネルセッション「日本の発信力」に石黒さんと参加、多くの元気一杯の女性達にお会いすることが出来ました。男性の参加者は全体の5%程度でしょうか、でも男性も楽しい方たち、ほとんどが「出る杭」ですが、にお会いしました。

日本の将来にとって、私は女性たち特に若手に大いに期待したいのです。「なでしこ」たちです。

この会議のblogの感想(123)もありました。

 

Washington DCで、CSISとの討論 -2

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CSISとの討論の2日間 (資料1)では、公開のパネルもありました。Michael Green日本部長、石川公使の挨拶に始まるセッションは約2時間。ちょっと長いですが、その様子はヴィデオでご覧になれます。

こうして「外から自分を」みると、英語は仕方ないとして(まだ練習すべきですが、、)議論の仕方がまだまだです。反省です。

CSISのような世界でもよく知られた「Think Tank」などとこのような関係を築けることは、私達のHealth and Global Policy Institute (HGPI) の皆さんの活動と支援してくださっている多くの関係者のおかげです。

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第2日が終了した夕食は、Project HopeのFred Garberさん、HGPIの乗竹くんと3人で(上の写真)、気持ちよいそよ風に吹かれながらのItalianでした。

これからもいっそうのご支援をお願いします。日本を世界の責任あるパートナーとするためにも。

 

リベラルアーツ教育

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以前から、「リベラルアーツ Liberal Arts」  教育が大事、と盛んに言われたことはありました。最近またそんな風潮があるようにも思われます。この数年、イノベーションの「伝道者」野中郁次郎先生も、繰り返しLiberal Arts教育の大切さを述べておられます。

ICU は基本的にLiberal Arts Collegeといえますが、今年は新しくSummer Courseとして合宿形式の「Liberal Arts」コースを開催しました。私も興味がありましたし、セミナーにもお招き頂き大変楽しい80分を過ごしました。広い、緑の多いキャンパス、私は高校生の頃は、実はこの大学に行きたい、と思っていたのです。

私なりに思うのですが、Liberal Arts とは人生で色々な困難にあったときや迷うとき、自分の選択肢の指針を学ぶことではないかと思います。各論はともかく、多様な文化を超えた普遍的な人間の基本を学ぶということ、と思います。これは去年Harvard大学のFaust学長 が来日したときも同じような趣旨のコメントをしていました。

先日紹介 しましたが、今年の夏にはHarvardの学生さんによる「This is Liberal Arts: Summer Course 2011」 もお手伝いします。高校生を対象にする、1週間という短い時間のコースですが、こういう主体的な取り組みはぜひ応援したいし、内容も素晴らしい企画です。色々苦労しながら進めているようです。私のメッセージ も掲載させてもらいました。

以下のような内容です。

「The aim of the HCJI-LAB Liberal Arts Program is to provide a model for life-long learning, for engaging society in meaningful ways, and for making a difference in the world. Liberal arts education draws on the rich histories of human wisdom common to all cultures, as evidenced by a nation’s philosophical, religious, scientific and social traditions. What are the values that shape the decisions we make, and what new skills are needed to respond to the challenges of rapid technological and social change in an increasingly interconnected world? By emphasizing critical thinking, freedom of expression and experimentation, students will learn to make decisions that positively impact society and to develop meaningful ways of working in a globally connected marketplace. A liberal arts education prepares students for the leadership roles that will shape future generations.」

あまり専門性ばかり強調した大学教育も困ったものです。