山中さんのノーベル賞、私のコメント

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山中伸弥さんのノーベル医学生理学賞受賞、素晴らしいですね。10月にSTS Forum出席で京都にいるときに山中さんにお会いしました。このことにはちょっと触れましたね

とてもインパクトのある素晴らしい業績ですし、世界からも期待されていたのです。はじめの論文が2006年ですから、どれだけ山中さんのiPSの発見のインパクトが大きかったかが理解されます。本当にうれしいです(1)。

私はノーベル賞について、このサイトでもいくつもコメントしていますし、今回も新聞などからもコメントを求められ、私の従来からの意見と同じコメントをいたしました。

私の意見の中心は日本の大学を含んだ、皆さんが当然と考えている日本の社会制度の課題です。つまり「タテ」社会についての意見です。

以下のようなポストで私の意見を理解していただけると思います。

1. 「東大とノーベル賞」

2. 「なぜ東大からノーベル賞が出にくいか」

3. 「ノーベル賞とアカデミー賞」

4. 「人材育成は国の根幹」

5. 「ノーベル賞100周年を記念して」

6. 「我が国の研究者養成の現状と緊急課題」

7. 「「出る杭」を伸ばす他流試合」

山中さんのような研究のインパクトは「インパクトファクター」ではないのです。世界でのインパクトなのです。

それらは多くは反骨精神であり、本流からはなかなか出てこない、“Crazy Ones”1)のすることなのです。

21世紀になって、日本の方は11人のノーベル賞になりましたが、南部さん(物理)、下村さん(化学)、根岸さん(化学)は、米国でキャリア作ってきた方たちです。利根川さんもそうです、San Diego、Baselですね。

「出る杭」「Crazy Ones」であることを恐れてはいけません。「出る杭」こそが世界を変えるのです。

 

沖縄の科学技術大学院大学で学ぼう、そこはすでにグローバル世界なのだ

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私が何度も紹介しているOIST、来年度の大学院生を募集しています。

さっそく資料を見る、ウェブで調べる、応募を考え、コンタクトする、訪問も考えよう。そこは全く違ったグローバルキャリアの始まり、グローバル世界の大学院なのだ

OIST Brochure 日本語(PDF)

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2013年度博士課程願書受付中 (締切:平成24年12月31日)

沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、現在2013年度博士課程の願書を受け付けています。OISTは発見・革新を奨励する環境の中で活躍できる優秀な学生を世界中から求めています。本学では教員と学生の半数以上が外国人であるため、真に国際的な環境で最高レベルの教育を受けることができます。OISTの中核を形成する約50の最先端ラボでは、幅広い分野の研究が行われています。基礎科学を基盤とし、高度に学際的な教育を推進しています。プログラムは、研究論文準備のための、個別指導などを含むインタラクティブな授業を特色としています。コースは学生個々のニーズに合わせカスタマイズされます。学生は入学してすぐに、最先端の研究機器が完備されたラボで、世界トップクラスの教授や研究者と肩を並べ、研究に取り組みます。

現在、次年度の学生を選考中です。OISTの博士課程プログラムの機会をより多くの方々に知って頂きたいと思っています。
本学の学生受け入れ数は年20名に限り、優秀な学生を選抜します。全ての学生は国際的にみても充実した経済支援を受けられ、キャンパス内の家賃補助宿舎に居住します。

プログラムやオンラインの願書申請方法の詳細は下記よりご覧になれます。
http://www.oist.jp/graduate-school

博士課程に興味がある学生で、締切に願書提出が間に合わない方は下記までご連絡下さい。
study@oist.jp

Jeff Wickens
Dean, OIST Graduate School

 

京都のSTS Forum、広がる世界、山中さんのノーベル賞など

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STS Forum1)では、例年のことですが、たくさんの友人に再会し、新しい知人もできます。

私は前日午後に開催された「EU-Japan」で国会事故調の成果と意味について講演、趣旨、内容、意義について話しましたが、皆さんとても喜んでくれました。特に世界各国の原子力発電事業者連合 WANO (World Association of Nuclear Operators)のLauren Stricker会長がとても大事な報告だ、大変参考になる、とコメントしてくれました。

夜はフランスの高等教育大臣Genevieve Fioraso さんを迎えてMasset駐日フランス大使はじめとしたフランス関係者20名ほどのディナーにお招きを受け、大臣とWANOのStricker会長に挟まれた「一等席」に座ることになっていました。ありがたいことです。しかも初めに挨拶もするように頼まれました。フランスの関係者の私たちの国会事故調の認識であり、評価ともいえます。

STS Forumの公式プログラム第1日目はいくつかのPlenary Panelがあり、みな素晴らしものでした。フクシマ原発問題があったのでエネルギーは注目の案件です。

Global HealthではiPSの京都大学の山中伸弥さん もパネルに。司会者はKarolinska Instituteの学長のHarriet Wallberg-Henrikssonです。 翌日の夜のレセプションの始まる時に山中さんノーベル賞受賞の発表とは、予測はしていた人も多かったでしょうしょうけど、素晴らしいことでした。もちろん山中さんはその場にはいませんでしたけど。

第2日、出席できなくなった方がいて、代理で私が「Capacity Building」のセッションの司会を任されました。場所の設定、パネリストの背景、どの程度の人が参加してくれるのか、いろいろ考えながら、その場でかなり違ったやり方を工夫して運営しました。皆さんとてもハッピーで、「よかった、、」という実感で過ごせたようでした。しかし、皆さんそれぞれが違う背景で、違う課題を持っているので、この辺が苦労するところです。ケニアの科学技術担当大臣ほかの関係者も何人かおられたので、私が数年前に訪問したNairobiのKiberaスラムのOlympic Schoolについてもちょっと触れ、私が今月の22日からナイロビへ行く予定であることもお話ししました。「ぜひ、、」と言って頂きましたが、その時にお会いできるかもしれませんね。

いろいろな機会に人との出会いが、大きく変わりながら広がる世界とどうつながっていくのか、そういう意味でもこのような機会はとても貴重です。

 

沖縄科学技術大学院大学、そして京都のSTS Forumへ

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沖縄科学技術大学院大学は日本では全く新しい研究大学院で、世界から応募した多くの学生さんから、はじめて34人が入学しました。私はこの活動をはじめから応援しています。全く違う日本の大学で、先生たちも、研究のスタッフも、学生も、半分以上は海外からの方達です。もちろん公用語は英語です。

建物も新しい試みが随所にみられ、週に1回、4時には皆が集まるお茶の時間があるのです。

Harvard Club of Japan での講演の翌日に、沖縄へ向かいました。この大学院大学の理事会に参加なのです。理事会での活動の報告、いくつかの案件の議論し、いくつかの研究室訪問、また、新しい学生さんたちの懇談の時間をすごしました。

素敵な研究室、オフィス、講堂、宿舎などなど、とてもよい天気と青い海。研究者の道を進んでみたいという若者のみなさん、ここでのいろいろなプログラムに参加してみましょう。

2泊して最終便で東京へ。翌日の朝は京都へ向かい、STS Forum1)へ参加です。たくさんの友人に再会し、新しい知人もできるので、毎年参加しています。

早いもので、STS Forumも今年で9年目となりました。

 

野中郁次郎さんと私の対談のお誘い

去年にも、このカラムでお知らせしましたが、イノベーションで著名な野中郁次郎さんと私の対談をご案内します。

タイトルは、「改めて「震災後」・「日本の将来」を問う」です。

前回と同じようにUniversity of California at Berkeley (UCB) と at Los Angeles (UCLA) の日本同窓会主催の企画で、9月18日(火)、夜7:00開始、東京の新丸ビル内で開催します。

詳細はこちらです→ 
9月18日UCLAイベントのご案内 (PDF)

UCB, UCLA同窓会員でない方も、特に若い人たちの参加を歓迎します。

 

Media Lab in Tokyo -2

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先日、MIT Media Lab in Tokyoについてカラムでお話しました。この様子はそのカラムにあるリンクでも感じられたと思います。

MIT Media Labのような自由で闊達な雰囲気の環境を、若い人たちに、短期でもよいので実体験してもらいたい、何か出来ないかと相談しています。

ところでこのときの様子を朝日新聞 (資料1)が書いてくれました。

この記事の中での私のコメントにあるように、その時代、時代で「Crazy Ones」 と思われるような人たちが時代を変えていくのです。近代科学の基礎を築いたGalileo、Darwinであり、時代の変革者たちです。最近では、というか20世紀を変えた変革者といえば Steve Jobs がいますね。

一年ほど前まで、若い人たちが「内向き」、とか「元気がない」とよく言われていたものですが、ちょっと違うと思います。多くの若者達にとっての目標となるような、日本の社会でも広く受け入れられている「お手本 (role model)」があまりいなかったのではないかと思います。

時代を変えていくのはいつも「時代の異端者(misfits)」、「出る杭」です。40-50年前の日本で言えばSONYの井深さんと盛田さん、Hondaの本田宗一郎さん、クロネコヤマトの小倉さんなどなどです。皆さん、その時代では異端者、misfitsと思われていたことでしょう。

最近では、Uniqloの柳井さん、楽天の三木谷さん、SoftBankの孫さん、ローソン(LAWSON)の新浪さんなどなど。彼らも異端者misfitsとつい最近まで思われていたのではないでしょうか?MIT Media Lab所長のJoi Itoさんもそのような一人です。

今回の大震災でも、これらの方達の対応はとても思い切りのよい、また素早いものでしたね。

そうです、世界は広いのです。若いときに、自分が情熱を持って突き進みたいと感じるような、大きな目標を持てる、大好きなことを見つける機会を増やすことですね。大学生には例えば「休学のすすめ」 とか。

「3.11」は、「日本の第3の開国」 を、若者達こそが主導していく機会になる、と私は期待しているのです。

MIT Media Lab in Tokyo

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MIT Media Lab  は世界でも日本でもよく知られた、「未来を構築しよう」という、いわば極めて「尖がった」存在です。その存在は、この(理念の)特徴で世界でも高く評価されています。

去年のことですが、このMedia Lab所長に日本人とは言っても、むしろ「グローバル市民」としてよく知られたJoi Itoさん(資料1)が就任して、日本でも色々なメデイアにも取り上げられて、話題になりました。

私のこのサイトでも紹介しました。

1月17日に「MIT Media Lab@Tokyo 2012」が東京で開催されました。Media Labを1985年に立ち上げたNegroponteさんも来日、日本企業の支援の歴史などを語ってくれました。彼はアフリカ支援のOne Laptop Per Child資料1)でも知られていますが、今度は新しい「Tablet」もみせてもらいました。

こういう「破天荒」なことをするメジャーな大学、これが世界を変える人材、「出る杭」、「Change Maker」を作り出すのでしょう。

副所長の石井さん資料1)も参加。

皆さん熱く語り、デモもありのアツアツの1日。私もJoiとのパネルに出ました。その後は、国会事故調の仕事に戻り、また夕方にMedia Labレセプションへ戻り、楽しい夜を過ごしました。

この企画は Ustream資料1)で見ることができます。

ここではJoiのOpeningで始まり (このUstreamでの大体の時間ですが「00:00:00–)、Hilgadoさん「00:23:20–」、Ishiiさん「00:45:55–」、Joiと私の対話 「01:00:50–」、Joiと日本の大企業の「変人」のパネル「01:22:45–」と続きます。それぞれを楽しんでください。

Media Labへ行ってみよう。あなたの中で何かが変わるかもしれない。もっと多くの日本企業も応援しましょう。

 

Botswanaとの交流

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去年の初めにBotswana政府の要請で現地を訪問 (資料)、政府各省高官等と会合、視察の機会がありました。そのときの私の提出した「科学技術とイノベーション政策」に関する報告書の提案を受けて、先日、大統領ご一行の来日のときに、外務大臣とお会いする機会がありました。

今回、BotswanaのKedikilwe大臣が旭日大綬章の受勲を受けられ、Botswana大使館主催のレセプションがありました。こじんまりとした、しかしうれしい会でした。

大臣ご滞在中に、ご同行の何人かの局長クラスの方達と1時間ほどの会談の機会を持つことが出来ました。去年の私の提案が議会を通過したので、その報告と今後の相談も、というお話です。できることは、政府レベル以外にも、色々な角度で協力することは大事です。そのような世界になってきているのです。

日本もアフリカ支援を積極的に始めています。特に2,3年前から始まったODAを担当するJICAと、科学技術政策を担当するJSTの協力 (資料)などはなかなかいい政策です。

多層的な人材の交流 はグローバル世界ではとても大事な外交手段の基本です。

 

ドラゴン桜、1年後にまた快挙

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去年の快挙 (資料1)に沸いた早稲田大学の学生、税所くんからBangladeshの貧困の村で始めたe-Education「ドラゴン桜」、今年もまた吉報が届きました。

「たったいまダッカで今年のダッカ大学Cコースの合格発表がありました。

ダッカ大学経済コース2012年 受験生45000人、合格定員1200人。今年のe-Education タンガイル校舎から10名の高校3年生がチャレンジ。そのうちOpurboくん19歳が783番の順位で堂々合格です。

まだまだ受験は続きますが2年間連続でダッカ大学生輩出です!

これもかれも現地パートナーのダッカ大学マヒンのリーダーシップとコミットメント、ご指導していただいた先生方のおかげです。」

去年の快挙は、現地や日本国内のメデイアにもいくつもとりあげられました。その後、彼にもまたその周りにもあらたな課題が次々と出てきました。しかしがんばって乗り越えてきているようです。これらの苦労はいずれ、いつかとても役に立つことでしょう。「挫折力」とでも言うものです。「苦労は、買ってでもしろ」とかの言葉がありますね。長い人生、若いときの苦労は必ず、報われてくるのです。

若者たち、それぞれが頑張っていますね。皆さんの応援、ご支援をよろしく。

 

 

Global Entrepreneurship Week (GEW) のお誘い

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この3年にわたって11月半ばの1週間、GEW (資料1)が世界で同時開催されています。今年の参加国とそれぞれの主なイベント (資料1)をご参考まで。

わたしのサイトでも紹介 (資料)していますが、日本でも私たちをはじめとして全国的に、もっともっと広げたいのです。

このような活動の仲間たちがこのサイトでも紹介している「Impact Japan」 の設立の背景にもあるのです。

この3年は本田財団  が、このグローバルな活動の中心になっているKauffman財団 の日本側のホストをしていましたが、来年からImpact Japanが対応する予定です。

今年のGEWは11月14-20日にわたって開催されます。東京と京都で、皆さんも参加できる多くのプログラム (資料)があります。ぜひ問い合わせて、よかったら参加を考えてみませんか?素晴らしい仲間達に会えると思います。

来年へ向けて、もっと全国展開を、そして世界へ繋がりを広げる活動です。