Joi ItoくんがMIT Media Lab所長に:日本を変えよう!

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世界的の若者の憧れの的の1つ、世界でも超有名なMIT。そこの中でもよく知られたMedia Lab の次の所長に、日本よりは世界中でよく知られた伊藤穣一(「Joi」と呼ばれる44歳)くん(資料1)が決まりました。

この20年、彼の発信力はすごいもので、私のサイトの「Blogroll」にも出ていますが、彼のblogでもMIT就任への意気込みが伺えます。

伊藤くんとはこの10年以来のお付き合い、このサイトが出来た頃から、彼の名前が時々出てくると思います。私が小泉総理の頃から主張しはじめた「大学の大相撲化」を日本のメデイアで紹介したのは日経新聞英語で読まれるメデイアで最初に紹介 したのは彼だと思います。

彼も、私も、私の多くの友人も、どちらかといえば日本社会の「外」のキャリアを歩いた人たちなのです。今回のことでも、ちょっとお手伝い。

「3.11」以来、日本の強さと弱さ資料1)が浮き彫りになったように思います。つまり一言で言えば、「「タテ社会」の弱さ、終身雇用、年功序列の男性社会ヒエラルキー」の弱点です。このサイトでも繰り返し、繰り返し指摘してきたテーマです。

これらの「日本の常識」を破るような出来事が次々と出てきていますね、世界ではそんなにおかしなことではないのですが。うれしいことです。日本が変わるには、やはり「外」からの力が必要なのでしょうか。

Joiは若いときから何でも先生に質問するヘンな生徒、Chicago大2年で中退、学士もない、修士も、博士もない、日本的にはとんでもない「変人」。でも実力は世界では誰でも認めているところ。その彼を招聘するMITのすごさ。

ところで、このニュース、日本の主要メデイアではどこかで取り上げていました?何を言いたくて?

そういえばMicrosoftのBill Gatesも、FaceBookのMark Zuckerberg も、Harvard大学中退、AppleのSteve Jobsは貧乏で中退。稀有な例ですけどね。

大学ではしっかり勉強するとして、「大学4年で就職が内定しないと、落ちこぼれ、、」、なんて日本だけの常識なのです。

 

危機に見える「エリート」の本質

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今回の大災害、そして原発の事故、日本の状況は「国家の大危機」です。

このところ、3月25日からいくつかポストしましたが、未曾有の危機に政府の反応はどうでしょうか。

4月2日の朝日新聞の「オピニオン 耕論 3.11」に何人かの意見が出ていました。その一人が、大惨事があって、すぐに電話があった冨山和彦さん。「すべては子供のために」です。冨山さんについてはこのblogでも何回か紹介、最近は「カイシャ維新」、「挫折力」 という組織、人間の本質に迫る刺激的な本を出しました。このサイト内で「冨山和彦」でサーチしてください。私の尊敬する経営者の一人です。自分が責任を負っている会社の従業員の放射能への懸念についての電話でした。

この朝日の記事には、彼の忌憚のない意見が出ています。とても参考になると思いますので以下に掲載します。

「すべては「子どものために」    冨山和彦さん (株式会社 経営共創基盤CEO)

■ 私も当事者になりました。福島、茨城、岩手の三つの地方バス会社がうちの子会社です。従業員2100人、バス1200台。自ら被災しながら現地はすぐに運行を再開し、原発周辺からの多数の住民退避や、医療チームの搬送にも対応しました。

■ でも燃料が足りない。私は官邸や各省庁、知り合いの政治家に訴えて回った。なのになかなか動かない。

■ 震災は3月11日、政府が石油備蓄の取り崩しを発表したのは14日、さらに大幅な取り崩しの決定は22日でした。この間、全国で買いだめが進んでしまった。寒冷地で広域激甚災害が起きたら、燃料が被災者の死活問題なることは明明白白です。なぜあんなに時間がかかったのか。

■ 私が直接、政治家や官僚、企業と掛け合って痛感したのは、彼らエリート層の資質の問題です。危機に直面しているのに、決めるべきことが決められない。判断することを避ける。なんだこれは、と思いました。

■ 「上と相談する」「県からの要請が来ていない」「要件に該当しない」。そんな反応ばかりです。保身とメンツと責任転嫁。

■ 指示や命令も、いろいろなところがばらばらなことを言ってくる。行ってみたら、その通りになっていない。こちらからの問題を提起したら、ピンボールマシンのボールのようにあちこちに飛んでいってしまう。

■ 燃料や物資については、政府が早々に被災地でない地域に向けて「しばらく我慢してほしい」と訴えればよかった。原発から30キロ圏内の扱いや、野菜、飲料水の汚染についても「絶対安全とは言えないが、かなり安全」なんていうのは全然だめ。白か黒か言わないと人は動けません。でも、びびったんでしょうね。

■ 私たちはこういう「リスクを取れない、判断できない」人たちを長い間、「エリート」として政と官と民のリーダー層に据えてきた。その結果、この国は頭から腐っているんじゃないか。そんな実感があります。

■ 彼らの多くは東大をはじめ一流大学出です。成績優秀、人格温厚、調整力があり、みんなにいい顔をして組織の階段を上がっていった。でもいざ危機に面したら、批判をこわがり、決められない。逃げる。だから物事が進まない。

■ 決断とは一部に犠牲を強いることです。できない人にリーダーの資格はありません。有事に判断を先送りする人間が、平時に決断できるわけがない。官公庁、企業、政党は人の評価をやり直したらどうでしょう。

■ 修羅場の中で、政官財の誰が役に立ち、誰が役に立たなかったか、逃げたか。記者のみなさんは見ていますね?国民はそれを知りたい。あとで総括して報道してほしい。

■ これからの日本再興で一番大切なことは、すべての政策やプランを「子どもたちにプラスかマイナスか」で判断することです。「国は何をしてくれるか」ではなく、「あなたは国の未来のために何ができるか」を問うこと。それを国民に問う勇気のあるリーダーを選ぶこと。

■ だから町づくりも、さらには国づくりも30代までの若い世代に任せたい。50年後にも生きているだろう彼らが、未来を決めるべきです。

■ それより上の世代は、子どもたちのためにどれだけ犠牲になれるか、当然と思っている既得権益をどれだけ捨てられるか、が問われる。年金受給権も、医療保障も、あるいは年功序列や終身雇用も。それが大事です。すべての政策や復興計画は、子どもたちの未来を軸に考えていく。

■ うちのバスは止まらずにすみました。少数ですが、結果が出るまでやるべきことをやり通した政治家や官僚がいた。さらに、心ある運送業者が自分たちの分を分けてくれるなど、現場の助け合いのおかげです。

■ 現場は立派です。うちの連中のやる気と献身には涙が出ました。震災からわずか5日後に、盛岡から激甚被災地の宮古に路線バスを復活させたんです。その第1号に、いかにも今どきの若者が、支援物資をたくさん抱えて乗り込んできた。満席です。草食系なんてとんでもない。

■ 日本の強みは、我慢し自己犠牲をいとわない、一般の人々です。そして現場の力。自衛隊も消防も立派です。役所も課長以下や自治体の現場がよくやっている。

■ 会社も国も、破滅的な事態が起きると、隠れていたいろいろな問題がいっぺんに出てくる。これはある意味チャンスです。日本の未来へのテコにしたい。勝負はこれからです。」

(聞き手 編集委員 刀祢館正明)
2011年4月2日(土)朝日新聞13面より

 

日本の強さと弱さ; 危機のときに浮き上がる本当の姿

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今回の地震津波の大災害、そしてその被害を拡大している福島原子力事故。こういう、予期しないことが起こったときに、国でも、組織でも、本当の姿が浮かび上がり、それぞれの本当の強さ,弱さが浮かび上がります。情報を隠せない世界で、これは世界中に隠せないのです。

皆さんはどのように感じましたか?

最初の1、2週間、日本のテレビ、新聞などを見ている人たちには、現地の惨状が次々と繰り返し出てきます。今のネット時代、利用しないと本当の姿、有様を想像することも出来ないような状態でした。ありていに言えば、戦時中の「大本営発表」とほとんど違わないのです。最初は新聞もテレビもどこでも同じ、「専門家」の意見もその背後が見え見えです。枝野さんの記者会見が政府の公式見解です。がんばって会見していますが、いろいろ事情はあるのでしょうが、何しろ内容と政府の意思がはっきりしていないためでしょう、わかりにくいのです。そして東京電力、保安院などの記者会見も世界中で見られているのです。

メデイアもひどいものです。基本的に横並び。「記者クラブ制度」も時代遅れのひどいものですが、限られた時間で場違いな質問も結構あって、記者会見では質問するほうへもテレビカメラを向けるべきです。

政府の対応も世界中に丸見えです。元来、日本語がロジカルでなくわかりにくいことは知られていますが、内容が貧弱というのが世界の見方。

世界は日本の原発対処をとても気にしていますが、日本の対応は透明性が低く、理解不可能とあきれている、というところでしょうか。私は国家の信用がメルトダウンという状況になりつつあるのでは、と危惧しています。

政治の「リーダーシップ」はどこに行ってしまったのでしょうか。

日本の弱さと強さは?現場の人たちは強い、「リーダー」たちは秀才かもしれないが修羅場をくぐっていないので危機には弱い、ということでしょう。

以前から言っているように、私はもっぱら「The Economist」など、さらに今回は「New York Times」などをフォローしています。たくさんの意見が出ていますが、一般の国民や消防、自衛隊などの現場の方達の強さ、NGOの活躍、創業者達のすばやい行動には賞賛の声が多いのです。世界中の注目は政府、東電、保安院など日本の組織トップたちの危機管理能力です。
1.http://www.voanews.com/english/news/asia/VOA-Reporters-Reflection-on-Japanese-Tragedy-119013669.html
2. http://www.economist.com/node/18441143?story_id=18441143
3.http://www.economist.com/blogs/babbage/2011/03/post-earthquake_nuclear_crisis&fsrc=nwl 

皆さんと力を合わせて、「失われた20年」から新しい日本を創生することこそが、お亡くなりになった方達へ報いるために私達がするべきことです。

 

 

被害地への医療チーム、沖縄の少女の恩返し

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今回の大被害を受けて、多くの医療関係者たちが動いています。ニュースよりは、メールなどの情報源は大いに役に立っています。

医師会、大学、病院などの関係者、厚生労働省、日赤など、また関係学会、病院協会、徳洲会ネットワークなどもすばやく対応しています。皆さん、阪神・淡路大震災などの経験もあり、透析医療関係者(これは患者さんの移送、受け入れなどに緊急性が高い)なども含めて総動員でした。仙台、一関、盛岡などの岩手県、宮城県、福島県などの、被災地に近い主要拠点にある大学病院、日赤はじめとする基幹病院など、皆が本当に大変だったと思います。

海外からの応援団も駆けつけ、また海外で活躍している日本人医師たちも連絡しあって、いくつかの災害医療ネットワークなどで、一時帰国、被災地へはせ参じています。

一番大事なのは現地の状況です。今回は、津波の被害が主でしたから、いくつもの病院や診療所なども一瞬に消え去り、地震だけとは大きく違う様相です。イスラエルからもまさに戦時のようなセットで派遣されているようです。今度は、海外の医師免許の件などの対応も早かったようです。皆さん本当にご苦労様です。

米国でも「Operation Tomodachi」で人員から、物資まで、応援に大活躍しています。

私たち(日本医療政策機構IMPACT Japan)も米国のDisaster Relief NGOであるProject HOPEから要請を受けて、この数日対応に追われていました。関係者のご協力に感謝しています。

現地から帰ってきたばかりの医師にお会いしたり、現状の把握、情報収集も大事ですが、まとまった「地域の情報収集の核」が見えないのです。致し方ないところも多いのです、この被害は甚大さ、広がり、アクセス、天候など、悪条件ばかりですから。

また原発の事故対応もあり、福島地方はまったく別の問題を抱え、医療のニーズも慢性化のステージに移行しつつあるようです。子供、特に孤児たちやお年寄りの精神面への対応など、社会的要因も大いにかかわる、大事なところが表面化してくるでしょう。

ひとつうれしい話。以前から紹介されていたUCLA小児科Critical Care Fellow、沖縄出身の島袋さん。ちょうど沖縄へ帰っていたときに今度の大災害がおこり、早速、沖縄から、東京での学会で講演の後、岩手のほうへ行く災害医療チームに加わって現地に行ってきました。

私は島袋さんとお互いに連絡しあっていましたが、島袋さんがちょうど帰京したので、米国から夕方に到着したばかりの3人の「米国チーム」の「先遣隊」と皆で夜の会議。

結局、米国チームは翌日朝早くから岩手へ、夜中の2時に東京へ戻り、翌朝また会議。その後関係者への電話、メール連絡等でこの2日間、これからの可能性などを議論したところです。

いろいろな皆さんが関わりあいながら、どうしたら一番、役に立てるかを模索しています。ありがたいことです。

ところで、Dr島袋、すぐに今回の経験の原稿を書き、いいタイミングでLA Times、そして、UCLAの新聞である「Bruins」に投稿記事が出ました。

Los Angeles Times

UCLA Bruins

かつて沖縄で少女時代を過ごし、高校から留学して米国で医師として活躍している彼女の、強い恩返しの気持ちがこれら一連の行動に良く現れています。

「ハダカの日本」、Cambridge Gazette、Harvardから最近の便り

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このカラムで何度か紹介しているクリハラジュン(栗原潤)資料1, )さん、Harvard大学Kennedy SchoolのSenior fellowです。博識、何ヶ国語も理解し(たぶん「話す」もする)、本も資料も、その読み方もすごいのです。

The Cambridge Gazetteという彼の月報 を送って頂いています。毎月、これを読むのを楽しみにしています。彼の感性と知力が感じられるからです。彼が帰国するときに、時間を作ってもらって、お会いできるのはとても楽しみなのです。

今回の東日本大震災、津波のすさまじさ、本当に皆さんが悲しみを超えてがんばっています。でも原発事故への対応には明らかにいくつもの人的要因が見え見えです。何が背景にあるのかはよく理解出来ないとしても、何かヘンだと皆さんも感じ取っておられるでしょう。ウェブの威力はたいしたもので、いろいろな情報や、見方を知る、比べる、自分で選んで見ることが出来ます。

クリハラさんは海外で「個人の資格」で何年も活動しているからこそ、この10数年もの変わり行く日本の状況をよく感じ取れるのです。だからこそ、最近のCambridge Gazette のクリハラさんの意見は、母国日本社会のありかたにかなり手厳しくなっています。彼の愛国心から来る、日本への心の叫び、呼びかけともいえます。

昨日配信のCambridge Gazetteでは、今回の原発対応と危機管理、そして日本の「知的レベル」の高い人、社会的により大きな責任のある立場の方たちについての、あちらからの忌憚のない見方にも触れています。私も彼には同感するところが多いのです。

じっくり考えてみてください、いま、私たち一人ひとりのすべきこと、出来ることを。

福島の原発事故はどうなっているのか?大前研一さんの解説

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今回の地震と津波、数万人とも思われる命が一瞬のうちに失われ、一瞬のうちに町ごと消えてしまいました。多くの映像は津波の恐ろしさ、自然の力の恐ろしさをまざまざと見せ付けています。

現場の方々は黙々と、涙をこらえながら、お互いにできるだけのことをしている姿が心を揺さぶります。

一方で原発での対応は、はじめからきわめて不明瞭、複雑怪奇の様相を見せています。私たちの殆どは枝野官房長官の、東電の、そしてテレビ、新聞などの報道の中からうかがうばかりでした。

かなりの部分で人為的側面、一言で言えば危機管理対応の不手際が目立ちます。専門家のコメントもテレビなどを見ている限りでは、わかりにくいところが多いですね。

ここで、元来は原子力の研究者であり、日本の原子力にもかかわった経験もある大前研一さん が、早くからビデオで、わかりやすい、遠慮のない意見を3回にわたって出しています。

1.3月13日 (

2.3月19日 

3.3月27日  

さすがMIT博士、日立製作所で原子力の研究と現場に、さらにMcKinseyで活躍した専門家らしく、素晴らしい企画と思います。大前さんの原子力に対する卓越した科学面、技術面の知識と、今回の事件の解析、誰にも遠慮しない、しかもとてもわかりやすい話し方、ぜひ皆さんにも見ていただきたいです。

これらのビデオの見られた回数から、相当多くの方がたずねていることがわかります。このような視点から、皆が力を合わせてこの65年前の大戦争敗戦の終わりの悲惨な状況とも比較できるような国難、これを乗り越える知恵を、一緒に考え、行動に移すことが大事と思います。

この自然大災害と人災、この20年、「変われない、変われない」、といっていた日本が新しい将来へ向けて「新しい日本」へ大転換のチャンスとすることこそが、今回の災害で亡くなった方達へ私たちができる一番大事なことと思います。

大前さん、ありがとう。Blog もあります。

 

未曾有の大災害、東北関東の太平洋沿岸を襲う

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今回の大災害、現在時点で2万人を超える方々があっという間に命を失い、また多くの方が大事な人たちを失ってしまいました。皆さんの悲しみは、計り知れないものがあります。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りします。本当に悲しいです。

この2週間ほど、blog postingも休んでしまいました。いろいろ情報集などで、議論など、何かを書いている気持ちの余裕がなかったのです。Twitterもあまりつぶやかず、もっぱらフォローばかりで、お役に立ちそうなもの、私が知ってほしいと考えるようなtwitterを「rewteet 」するのがほとんどでした。

それにしても、映像で見る恐ろしい光景。自然のすさまじいまでの威力。人間の小ささ、そして自然に対して改めて畏怖の感を持ちました。

もう2週間になりますね。

あの時、私は自分の部屋で会議をしていました。数分して、2度目のときに皆で外に出ました。私のところは留学生が大部分ですが、皆さん本当にびっくり。そばにある高層ビルの上のほうがゆらゆらと揺れているのがよく見えました。

携帯もだめ、通常の電話もだめ、最初に情報が取れたのがネットでしたね。メール、ウェッブ、twitterこれらのありがたさ、そして従来の情報インフラのもろさも感じました。

皆さんとどうしようかと考えながら、夜中に1時間ほど歩いて帰宅しました。

それからの報道、新聞、テレビなどを注意しながら見ていると、とにかくどのチャンネルも同じ。始めの数日は、どこまでが本当なのか、ネットがなければ、新聞もテレビも大本営発表的でしたね。ネットがなければ、本当に恐ろしいことだな、と感じる毎日でした。

たしかに、ウェブ時代は社会のあり方を根本的に変える力、可能性があると強く感じました。あの、チュニジア、エジプト、バーレーンと続くウェブ時代の威力が、今回は私たちの力になり、大事な情報源になりました。

このような自然災害で、皆さんの国民の力が出ています、それが海外での驚きと賞賛を受けています。素晴らしい国民です。

一方で、原発事故とその対応は、日本社会の「仕組みの本質」の問題を表しているようにも思えます。

たくさんの海外の友人からメールいただきました。ありがたいことです。

 

「挫折の体験」と「イノベーション」

去年の秋ですが、新しく経済産業省の官房長に就任した上田隆之さんと「イノベーションクーリエ」誌(6号)対談しました。勿論、テーマはイノベーションです。

中見出しを見るだけでも結構に刺激的と思います。
・ イノベーションとはなにか
・ 需要サイドと供給サイドの最適点を見つけることがイノベーション
・ 需要側から創造する
・ 長期的な視点と、戦略的思考で推進
・ 途上国では、相手が払えるお金で作る
・ 日本でベンチャービジネスが育たないのはなぜか
・ 人材イノベーションこそが重要
・ 休学のすすめ
・ 挫折のストーリーが参考になる
・ CO2削減の評価システムを作る
・ ブランド戦略が大事になる
・ 感動的なイノベーション事業
・ グリーン技術の広がり

という構成です。私が従来から言っていることと、それほど違うわけではありませんが、、。上田さんとは意気投合して、盛り上がりました。なにか政策として実現し、成果がでてくるとうれしいのですが、、。一番のコアはやはり「出る杭」(資料1) をのばし、育てることです。後はすべて2次的なことです。

ところで、冨山和彦さんが「挫折力-一流になれる思考・行動術」 という本を上梓しました。まだ読んでいませんが、趣旨は同じところを見ているのでは、と思います。

「FaceBook」の映画「The Social Network」を見ましたか?やはり「人」と「出会い」です。

 

日本の現状は?

経済同友会主催の「日本再生のビジョン」というパネルに参加しました。同友会は1月に「2020年の日本創生  -若者が輝き、世界が期待する国へ」という報告書を発表したところです。

いつも忌憚のない意見を言われる桜井正光代表幹事(リコー)資料1)と元日本副総裁の岩田一政さん 資料1)の基調講演、この2人に加えて翁 百合さん と私が加わるパネル。司会は日経新聞編集局次長の実(ジツ) 哲也さん。

いろいろ議論は出ましたが、いずれ日経に出ますので、そのときに報告します。

その時のデータの1つ(下表)「各主要国と日本の地方の人口とGDP比較」を見て皆さんは何を考えるでしょうか?
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                   人口(万人)          名目GDP (兆円)
北海道/Denmark           550/557             18/37
 東北/Sweden             937/924              43/53
 関東/Spain            4,205/4,490         204/170
 中部/Australia         2,177/2,129           82/112
 近畿/                2,268                     81
 中国/Swiss               756/756             30/51
 四国/New Zealand               399/428            14/15
九州・沖縄/The Netherlands  1,456/1,659       49/92
   ________________________________________________________________

 

ダボスから-3

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ダボス会議の状況はそのサイト  (いろいろなビデオはここ)でいろいろと見ることが出来ます。楽しんでください。

今日は11時過ぎから菅総理のスピーチがあります。スタッフの皆さんは大変でしょう。

私は、まずHarvard大学の「IdeasLab」に参加。Dr David Ellwood, Kennedy SchoolとDr Mohsen Mostafavi, Graduate School of Design と2人の学部長 (Business School DeanのDr Nohriaは参加できず)、GACの「Ageing Council」Chairの Dr David Bloom、司会はSingapore Management UniversityのAnnie Kohさん、という布陣です。「Breaking Education’s Boundaries」、いろいろ議論に参加して楽しい時間でした。

11時半過ぎから菅 総理のスピーチ。さすがにその前のパネルがFinancial Times、Martin Wolf 司会の「The Global Economic Outlook」 ですから、これが終わるとかなりの方々が退場し始めるのは致し方ないです。

菅 総理のスピーチはかなり良かったです。 内容もエジプトの騒動のことから始まり、話し方もなかなかでしたし、質疑への回答も良かったです。これはOn-lineで見ることも出来ます(英語も日本語も選べます)。スピーチの内容の課題をどこまで、いつから、どのように、はじめられるか、この戦略と決断しだいですね。

このスピーチの日本での報道の仕方には結構、課題があります。具体的にはどう書かれているのか、各新聞などの報道と、映像でじかに見る、聞ける時代ですから、スピーチを各自で比べてください。これが、ネット時代の怖いところです。総理のスピーチと日本のメデイアの皆さんの評価はどうでしょうか?

その後、直ちに総理を迎えての昼食会、カルロス・ゴーンさんの司会で、質疑応答もよくマネージできたと思います。

その後すぐに「Re-inventing Japan」(同じようなタイトルで何度もパネルがありましたがちっとも変わらないのは知られているのですけどね、、)のパネルで、総理の挨拶、海江田大臣、緒方貞子さん、三菱商事の小島会長、AflacのCharles Lakeさん、そこで司会はNY Timesの支局長もしていたKristofさんです。日本のメデイアの問題(「記者クラブ」など、ご存知ですね、、)は承知している方ですので、始めにちょっとチグハグがありました。勿論、Kristof側の問題ではないのですけど。

いくつかのセッションに出ましたが、アイデイアもいくつも出てくるし、素晴らしい人たちに会えますし、話も弾むし、新しい分野の新しい友人も出来るのは楽しいことです。いつか、何が起こるかもしれませんからね。Design、Arts and technology、Science frontierなど、グローバルな課題に対してかなり面白い展開が見えてきています。

夜のソワレは「‘Inclusive India!’」は元気いっぱいのショウもあり、人いきれで、早目に失礼しました。

しかし、今回のダボスでは、国際金融など、国と企業の役割にもひずみがあり、一時的には落ち着いているように感じられるが、この2,3年に大きな事が起こる可能性は高いのだと思います、あまり表立っては話題にはなっていませんが。ある有名な誰でも知っている経済ジャーナスリストとのまったく私的な場での会話でも同じ意見でした、EUにしてもこの20年の日本のようになる、これが懸念だ、という意見です。

グローバルに危機的状況を引き起こす状況がいくつもあるのです。チュニジア、エジプトがその1つの始まりかもしれません。