国家のビジョンと新エネルギーと農業政策

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今年に入り、このブログでいろいろと国家ビジョンについて触れています

元旦のブログに始まり、7日20日21日のブログなどがそうです。それから、13日に書いたブログもこれに関連して、オバマ政権の政策について触れました。

そして今日は、22日の朝日新聞記事word file)で、12月と1月に行った講演に関するものです。これらの講演に関する記事が段々と長いものになってきたので、私の言っている“Story”が明らかになってきたのではないでしょうか。

このグローバル社会の大転換期、日本の危機的状況、オバマ新大統領の誕生、日米そして世界の動向を考えると、このように記事などで私の考えを取り上げてくださることは、本当にありがたいことです。

さて、これらをどのように一歩前に進めたらいいか、皆さんも動き出してください。

科学技術振興機構の新春に、「日本の国家ビジョン」を

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Washington DCから帰京して早々の14日、政府、学界、産業界の科学技術関係者の多くが集まる科学技術振興機構(JST)の新春の会合がありました。毎年行なわれていて、会場は満員です。

今年は基調講演をさせていただき、1月13日16日のブログに書いた、ワシントンで感じたアメリカ新政権の感触、そして昨年12月に行なった2つの講演でも話した私なりに考える「日本の国家ビジョン」について話をしました。

20090114jst02dsc_04701写真: 講演する私

講演の要旨は、参加されていた元ジャーナリストの小岩井さん出口さんがそれぞれ紹介してくれています。私の意見を広めてくださり、ありがとうございます。嬉しいです。

講演の全体の概略はこちらで読むことができます。

ワシントンから-2、科学者たちの新しい協力へ

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今回のワシントンでの3日間は、ほとんどを米国科学アカデミーの内部で過ごしました。何人かの方たちとの会談も、アカデミーに来ていただいて行いました。

8日はホテルにチェックインして一休み。午後からは、まずアカデミーの新しい報告書記者発表プレスに参加。共同委員長のJOHN HENNESSY(President of Stanford University)とBRENT SCOWCROFT資料1)、他に3人がプレスに出席しました。すごいメンバーですね。委員会でもアカデミーの会員ばかりでなく、その課題について必要な様々の方々に参加を頂いているのです。

委員会メンバーのJohn GageNorman Neureiter もこのプレスの会場に来ていましたが、私が途中で抜け出したので会えませんでした。John Gageとは翌日、会うことになりますが・・・。

翌日の朝は、NASでHarvard大学のCalestous Juma公開講演に参加。ここでJohn Gageさんに会えたのです。

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写真1-3: 講演するJumaさん;One laptop per ChildのNegroponteのlaptopを持つ女の子;John Gageさん、Jumaさんと

この2日間は、科学アカデミーに立てこもりで、次々といろいろな方たちとお会いしました。アカデミーを構成する3つの組織の各ヘッド、Harvey Fineberg(Institute of Medicine)、Charles Vest(Natl Academy of Engineering)、 Ralph Cicerone(Natl Academy of Sciences)と個別に会談し(Ciceroneさんとは慌しく)、新政権下での両国の科学者たちの協力、計画などについて話し合いました。国際担当局長のJohn Borightさんとほとんど一緒に動き回りました。

また世界銀行Atlantic CouncilFred Kempeさんなど主要なかたがたともお会いし、いろいろと議論しました。

Dsc00467_2写真4: Vestさんと

Dsc00469_2写真5: STS Forum会議、左から私、Rita Colwell さん、Yuan T Lee (資料1)さんなど。

10日は尾身幸次議員の主催するSTS Forumの委員会を開催。活発な議論で一日が過ぎました。ここでもまた、いろいろな友人に会えました。

新しい1年の始まりとして、とてもとても収穫の多い3日間でした。

ここに出てくる方たちは、このblogで何度も出てくるので、「サーチ」してみてください。

ワシントンから-1、オバマ政権首脳人事の「すごさ」と期待

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この3年、正月はじめにワシントンを訪問するのが恒例になっています。今年は例年とはまったく違う雰囲気です。新しい大統領に対する期待が、これまでに彼が人選を行なった閣僚や顧問団が極めて「質」のいいことで、さらに膨れ上がり、希望と期待に溢れているように感じます。

特に科学者たちの間ではエネルギー省長官にNobel物理賞のSteve Chu(Director, Laurence Berkeley National Laboratory)、特に科学に関係ある案件ですが、主任経済顧問にLawrence Sommers(Harvard U.)、科学顧問John Holdren (Harvard U.)、さらにNobel医学生理学賞のHarold Vamus (元NIH長官、現Sloan-Ketteringガンセンター総長)とEric Lander (MIT)、Ocean and Atmospheric庁長官がJane Lubchenco (元ICSU会長)等々、超一流の学者達、しかも従来から低炭素、環境問題等々で発言、活動をしている人たちばかりで固めています。科学者社会でも彼らに対する尊敬、信頼はきわめて高い人たちばかりです。すごいリストです。

今週あたりから、議会のヒアリングが次々と始まるようで、一切のコンタクトは禁じられているということです。猟官運動などと疑われかねないですからね。

エネルギー、環境等についてオバマ政権の方向は明白です。さて、日本は技術だけは「一流・最高」(?)。しかし、政治も、財界産業界も、役所も、メディアも、大学も、利害関係者と大きな抵抗勢力などとの調整ばかりで、「できない理由ばかり」です。もたもたしているうちに世界の潮流から取り残されてしまのでは?とても心配です。日本でも「新しい潮流」の出現が待たれるのですが・・・。

この2・3日、オバマさんの経済政策の一部の発表がありました。この歴史的なグローバル規模の大困難と大転換の時に、この国がすばらしいリーダーを持ったという誇りに近い雰囲気が、国民の間に(といっても直接に聞いたのは私の周りにいる方たちが主ですが、)広がっているようです。時間はかかっても、この問題を、協力しながら乗り越えようという自信がじわじわと湧き始めたというところでしょうか。課題はとてつもなく大きいのですが、世界のリーダーであろうとする国家の意思と国民の意識でしょうか。

日本ではこんな動きが現れないのでしょうか?兆しはありますかね?もどかしい限りです。

しかし、オバマ政権の困難は極めて大きいと思います。国内経済は言うまでもなく、Pakistan、Afganistan、Palestine-Gaza等々、難題は限りなく、しかも急を要することばかりです。

日本は国内問題で手いっぱい。世界への影響も、世界からの期待もそれほどでないので、まだ救われているといったところでしょうかね。本当に大丈夫でしょうか?

新年を迎えて、日本の国家ビジョンを

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去年は本当にひどい年でした。アメリカは新大統領を迎えて、経済危機にさしあたりどう対処するでしょうか。

地球温暖化の問題に対しエネルギー政策はどうあるべきか?これはどこの国でも大きな課題です。福田前総理のときにこの課題についての特別懇談会が設置され、トヨタの奥田さんを座長に、洞爺湖サミットに向けてまとめを準備することになりました。今の政権ではそれどころか、京都議定書の動き自体止まってしまっているようです。“それどころでない”ということもあるでしょうが、ここで誤ってはいけません。これはある意味で日本のチャンスなのです。

私の低炭素社会へのエネルギー政策の考えの一部をまとめた資料があります。皆さんはどうお考えでしょうか?

 ・総理懇談会第2回(4月5日)資料
 ・総理懇談会第3回(4月22日)資料
 ・自民党の農業委員会(加藤紘一座長)資料

私なりに考える日本の国家ヴィジョンは「2030年までに、食糧とクリーンエネルギーの輸出国になる!」というものです。

そのために、10年、20年後の目標を立て、まず第1次、そして第2次5ヵ年計画を書き上げるのです。学者、官僚、企業など多くの参加を得ながら、「ミッション、戦略的ロードマップ、1年ごとの目標」を、省庁横断的に従来の構造を無視して書き上げるのです。

大蔵省も、より革新的な予算を作れ、構造改革への政策推進できるでしょう。もちろん、定期的国民への報告、プロセスの透明性は重要です。

また、これは長期将来計画ですので45歳以下の人で作成していくのです。もちろん、外国人も入れましょう、ヒアリングもいろいろ入れましょう。

以上のような趣旨で、去年の12月8日(月)に資源エネルギー庁主催のエネルギー政策で基調講演を50分、また、12月11日(木)には日本経済新聞主催のエコプロダクトの会議で、両方とも1,000人近い多くの熱心なかたがたがにお話しする機会があり、私の考えを聞いていただきました。講演の全体の概要はこちらで読むことができます。

2030年までにそんなことは不可能だというかもしれませんが、それでは1年前にオバマさんが米国大統領になると予想した人がいますか?

この国家ビジョンは政治と国民の意志の問題なのです。

「Yes, We Can」です。

2009年、日本は、世界はどのような年になるでしょうか。

熱い若者たちの訪問

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最近、2組の若者たちからぜひ相談したい、というメールがありました。

午前に5人の大学生たち(慶応大学の方が主ですが)がきました。みんなそれぞれが熱い思いで、これからのグローバル時代、自分たちの可能性と進路について、という相談でした。いったい世界に何が起こっているのかなど、いつもの私のメッセージの理由とか、どんなことができるのか、したらいいのか、いろいろ議論しました。

ちょうど終わりのころにWilliam Saitoさん杉田典子さんが来たので(お二人とは、最近、京都へご一緒しました、と紹介しました)。明らかに日本人では「超変わった」経歴です。こんな経歴は身近には想像もできなかったでしょうね。

Kurokawaandstudents_20081写真1: 午前の5人組とSaitoさん(私の隣り)と杉田さん(左端)

午後も、同じように熱い思いの6人の若者たちが来ました。早稲田大学の2年生の3人が中心です。かれらは、今年Bangladeshに行ってあまりの違い、ひどさにびっくりし、短い間でしたが、いろいろできることを試したそうです。グラミン銀行のことも知っていて、このような状況を変えることに努力し、日本を変えたい、と。しかし、帰国して大学などで、いろいろ聞きまわっても、納得できるような返事が得られないと。さらに思いを強くしていたころに私のこのサイトにであい、どうしても会いたい、ということでメールをくれたのです。

20081216c6l写真2: 午後の6人組

これらの皆さんには、「社会起業家」Social entrepreneursへの認識があって、あまり日本では聞きなれないキャリアであるので、どんなことをしたらいいのか等、迷っているのでした。

このブログにあるような話しをしながら、議論をし、みなとても元気に帰っていきました。

要するに、何か根源的なことに気がついているのですが、どのようにすればいいのか、何かわからないことだらけ、ということなのですね。当然ですが、迷うのです。この根源的なことは、今まで教えられていた、常識と思っていた日本の社会的価値とはあまりにも違うので、戸惑うのは当然です。でも、世界では多くの若者、将来のリーダーがこのような進路(Peace CorpTeach For Americaなど)から社会人としての活動を始めることも人気が高いのです

皆さんに、まずAppleのSteve Jobsのスピーチを見る、聞くことを薦めました。何人かから、早速メールの返事がありました。

私もこのような「ウェブ時代の手法」で発信しているので、このような若者たちと会えるのです。うれしいですね。

時々、会うことになるでしょう。

‘From Japan With Love’ (日本から愛をこめて)

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最近TIME誌に掲載された巻頭記事、From Japan With Love (日本から愛を込めて)”に気づかれましたか?

表紙のデザインもとてもセンス良くできていますね。記事を読めない方でも、この記事に込められているメッセージのフィーリングはこちらから感じ取っていただけるのではないかと思います。

ソフトパワーの威力に乾杯!

自分の力に誇りを持つことは大切です。ただし、弱点もきちんと自覚すること。

「毎日フォーラム」(2008年12月号)の記事

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「毎日フォーラム」(2008年12月号)の「視点」に私の記事が掲載されました。

小学校を核に「全員参加型PTA」で地域力向上
研究者や大学生は地元学校でボランティア活動を

健康であるためには健康なファミリーが必要で,健康なファミリーには健康な地域コミュニティーが必要だ-。昨年4月に政府の新健康フロンティア戦略会議の座長として「新健康フロンティア戦略」をとりまとめたが、この基本理念を強く訴えている。

内容は子供の健康、女性の健康、働き盛りの健康、高齢者の健康寿命を延ばそうというのが柱で、その中で私が主張したのは、予防を重視した健康作りを進めるうえで、家庭の役割を見直し、地域コミュニティーを強化することだった。都市化、核家族化、少子化、女性の社会進出の進展で文化や伝統とともに家庭や子育てなど世代を超えた知恵の伝承が難しくなり家庭力は弱まり、崩壊しかけている。若い夫婦は子供の突然の発熱に戸惑い、いきおい救急センターに駆け込むことになる。一番の問題は子育ての知恵が継承されておらず家庭力が崩壊しているということだ。

木に例えるなら家庭力、地域力を高めることが根と幹であり、個別の政策はその先の枝であり、葉の部分だ。そうした大局観のない論議をしているから、政策も小手先の対応になりがちだ。

現代社会でこの家庭力を補うのが、地域コミュニティーだ。都市も田舎も、日本はコミュニティーの一体感、結束力がなくなっている。一体感を失ったコミュニティーは、何か起きた時に一番リスクが高い。逆に、普段から一体感があるところは、一人暮らしのお年寄りの異変にも気づきやすく、災害など何かが起きた時に強い。家庭力を作るためには普段から地域力を付ける必要がある。

ヨーロッパは、街中に人が集まる広場があり、価値を共有するような教会など、もともと集まる場所があるが、日本にはそれがない。まずは全国に約2万2000校ある小学校の活用を提言したい。1年生から通う場所なので都会でも地方でも、人の集まる場所として比較的近い場所にある。これを核に時間のあるときにはお年寄りや若者、地区の母親などが集まる。みんなが見ているから先生はより授業に集中できるし、子供たちを先生に任せきりにすることもなくなる。常設の「地域全員参加型PTA」だ。子供が病気になった時も「こうすれば大丈夫」とか、母親同士で教え合う。子どもが病気なら気の合う知り合いに預けたりもできる。普段からそうした関係があると「お医者さんは誰がいい」という話も出て、地域の医師もみんなの仲間になる。自治体は巡回ミニバスなどを提供し、土日もこれらの自発的な地域活動を支援する。

コミュニティーの中では子供の健康、食事などをいろいろな人が見ていて、「朝はご飯をちゃんと食べなさい」とか、学校でお年寄り、他人が注意する場面も出てくる。しかられた経験のない子供が増えている現状では、周りとのこうした関係の構築は大切だ。街でもみんなが子供たちに自然に声をかけるようになり、子供たちも見られているから態度や姿勢もよくなる。多くの人が参加する学校に子供を6時まで留め置くと、大人のいるところで自習、復習、読書、運動、遊びといったさまざまな時間の過ごし方ができるし、親も安心だ。先生も自分の仕事に時間をさけるし、父母との関係もよくなるだろう。

一体感で予防医療に貢献

核家族の中で育った女性は(これは男性もだが)、兄弟姉妹や祖父母との接触が少ない、子供を抱いたりあやしたりする経験は、結婚して出産するまでほとんどしていない。コミュニティーの中では、妊娠時から「子供ができたのね」とか声がかかり、普段から周りが応援するようになると安心できるし、もっと明るい社会になるのではないか。たばこをやめた人や、運動でメタボから脱却した人がいればお互いの話題になり、試してみる。行政のトップダウン施策ではない、一体感のあるコミュニティーが予防医療も充実させる。

また、全国には保健所が約500ヵ所あるが、保健師や看護師などが積極的に地域に出ている地域は比較的には一体感があるという。それらの人たちが地域コミュニティーに入り込み、普段から交流することも大事だ。

もう一つは、大学の教員、大学院生、学生、事務スタッフのみんなが、自分の住んでいるところの近くの少、中、高校に行き、年間20時間程度の地域ボランティア活動(土日も含む)をすることを提唱している。学校の先生と一緒に授業をやれば、院生、大学教員も自分の発揮できる専門性に自信を持つし、先生からは子供たちの教え方を学ぶことになる。さらに大学生、院生にはインセンティブとして将来、学校の先生になれる資格を付与する。ボランティアをやった大学生には学校の先生を志望する人も多く、そういう人たちを30代からでも先生に登用するシステムを作れば教育現場も様変わりするだろう。流動性のある仕事やキャリアのあり方も、小学校を中心にした地域コミュニティーを強固にすると思う。こうしたプログラムは中高校、幼稚園、老人施設、病院などでも展開できる。全員参加型地域社会の形成であり、これを自治体が支援する。

働く女性を支援する組織で、病児保育の「フローレンス」というNPO法人があり、加入者が年間数万円を出し合って運営している。病気の子供を登録した人たちが1日預かってくれて、場合によっては医師に連れて行ってくれる。このようなボトムアップの活動を社会事業といい、担い手を社会起業家と呼んでおり、世界的に広がり始めている。こうした事業の広がりは地域コミュニティーの形成にもいい影響を与える。

コミュニティーは地方自治体などの上から与えられるのではなく、自分たちで作るものだ。世代を超えた交流の場を作っていかなければ、都会も地方も「地域社会のないこと」から日本は崩壊していく。健康も医療も「Back to Basics」で基本に立ち返ることが大事だ。すべての政策は健康な地域のコミュニティー作り、家庭力の回復から始まるということを強調したい。

 小学校を核に「全員参加型PTA」で地域力向上
 研究者や大学生は地元学校でボランティア活動を
 (毎日フォーラム 2008年12月号)

日本を開国へ、My Editorial in Science

グローバル時代、いよいよ不況に突入するのか、先が見えない時です。

さて、世界はどう動いていくのか?日本の課題は何か?

このブログでも多くの発言、提言しています。しかし、日本の動きはゆっくりですね、なぜでしょうか?どんな政策が必要なのか?「学」の世界は何をすべきか?それぞれが考えて、行動しなくてはいけません。

雑誌Science(11月21日号)のEditorial を書きました。日本語訳が出ましたので紹介します。Scienceを購読している方はすでにご存知かもしれませんね。

この記事はScience Portalでも紹介されています。

ローマから

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11月1日、Bellagioを朝早く出発。何かのストライキとかで道は込んでいて、Milanoの空港まで3時間。向かったRomeは快晴で、正午ごろ、スペイン広場のすぐ側にあるホテルにチェックイン。昼食をとりながら打ち合わせを行なった後、イタリア外務省へ。外務省の建物はファシスト党本部として計画され、でも建築が間に合わず本来の目的では使われなかったとか。

来年のG8サミット担当のシェルパ、Massoloさん他の政府高官と、日本で行なった「track 2」プロセスの成果と意義、それに基づいたBellagioでの議論の成果、そしてイタリアG8サミットでのGlobal Healthに関する期待などを中心に、1時間ほど討議しました。これほど多くの時間をとっていただけたことに感謝。夕方から大雨です。

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写真1~2: イタリア外務省での会議、SherpaのMassoloさんと

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翌日の2日も雨。午前中は、10年ぶりでしょうか、あわただしくVatican Museumへ行きました。入口の部分が新しい建物になっていました。いつもながら贅を尽くしたすごいコレクションです。いろいろ複雑な歴史、政治と宗教、富と庶民、芸術の力、RaffaelMichelangeloなどなど、人間の活動と宗教、そして歴史の背景について考えさせられます。Sistine Chapel(参考 1 2 )ではほとんど時間切れでしたが、2年前、British Museumの特別展示でみたMichelangeloのデッサンの下絵の一部もありました。想像するだけでも圧倒される大偉業ですね。そして、世界で一番大きいSt. Peter大聖堂にも圧倒されます。次回機会があればもっとゆっくり訪ねたいです。

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写真3~7: Vatican Museumから

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写真: St. Peter大聖堂、坂野、田辺さんと

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私が内閣顧問をしていた時の内閣官房副長官補の安藤さんがご当地の大使で赴任したばかりです。洞爺湖G8サミットのこともよくご存知なので話は早い。遅めの昼食で魚料理を頂きながら、私の今回の訪問の目的、大使からはご当地の様子などを伺いました。経済産業省から大使館に来ておられる戸部さん、私のスタッフの坂野君も参加。来年2月に再びRomeで今回のフォローアップ会議を開催予定ですので、大使のご協力、ご指導もお願いしました。

夜の便で帰国に発たちました。グローバル化時代の各国の政治のあり方の違い、一方では金融、気候変動、食料問題等々があり、各国の政治とグローバル課題の隔離をどう折り合いをつけていくのか、難しい課題です。いろいろ日本とイタリアの政治について考えることのあった旅でした。

米国ではClinton氏の国務長官就任が決まりました。