深? (Shenzhen)、香港、元気な中国

→English

Shenzhen (深?市)に香港経由で来ました。車も多く、香港から中国大陸へ入るのにずいぶん時間がかかりました。新しい建築、道路がどんどん進んでいます。

今回の訪問の目的のひとつは「Mission Hills」でゴルフをすることです。ここは18ホールのコースが12もあり、広大な開発がされたところです。世界最大のゴルフリゾー トとのことです。World Cupも開催されたのでテレビなどでも見たことがあると思いますが、これが1995年のことで、このコースの世界への公式のお披露目だったようです。香港が英国から中国に返還されたのが1997年です。今回はWorld Cup Courseでプレイしました。なかなかすばらしいコースでした。このウェブサイトを見て楽しんでください。

やたらと高級な馬鹿でかい家 (1戸建が600平米以上とか、、)がコースを囲んで建っていて(どんな人たちが住むのでしょうか)、会員も募集中です。高価でしょうね、でも多くは投機の対象でしょうか、あまり人影は見えませんでした、、。20年ほど前の日本を思い出しますが、スケールが桁違いです。ホテルの内装などは、日本と比べるとやや緻密さにかけているように思われますが、そんなことより勢いですね。小さなことは気にしない、気にしない。細部にわたってあら捜ししても、意味のないことです。

中国側は北京から参加した方たち4人ですが、一人はアフリカの鉱物資源などを買い付けている企業、コンゴに行ってきたばかりとか。もう一人は船荷輸送の会社、皆さん40代後半ですが、元気がいいですね。

深?の町に食事にも招待されましたが、とにかくすごい勢いで建物、道路がつくられています。この町も10,20年前はどうだったのでしょう。これから10,20年後はどうなっているでしょうね。

帰りは香港のShangri-La Hotelで1泊。好きなホテルのひとつです。雨の香港島を対岸に眺めながら、半日relaxできました。

香港は雨でしたが、中国南部のほうの降雨は大変だったようですね、あまり大きな被害が出ないとよいのですが。

とても刺激的なTEDxTokyo 2010の1日

→English

写真はここにもあります。

5月15日、東京都臨海副都心にある科学未来館で、去年ご紹介した第1回についで、今年も第2回「TEDxTokyo2010」 が開催されました。

すばらしい五月晴れ、さわやかな海風、素敵な会場設定、気持ちのいい、躍動する人たち。

主催、TED本部 や関係者たちの努力と多くの協力のもとで、この1、2年いろいろな関係イヴェント、プログラムを開催、TEDxTokyoをひとつの「目玉」としながら、「アントレプレナ-シップ (=進取の気性)」の育成、「出る杭」(資料)を伸ばす大きな動きを、一連の活動などを通して育てようというものです。

TEDの活動は急速に世界に、若者へ、と広がっています。

プログラム、スピーカー、すばらしい技を見せてくださった方たちについてはTEDxTokyo2010を見ていただくとして、世界同時On-line Liveであり、またblogtwitter、YouTubeなどでのひろがりはすごいものです。

ウクレレの名手Jake Shimabukuro 、(YouTube はここ)、Human Right Watch土井香苗さんなど、皆さんが多くの感動、驚き、笑いと涙、「わくわく」を共有した、すばらしい当日の天気よりももっとすごい気持ちのよい1日でした。

なんといってもTodd, Patrickほかの企画運営、100名を超えるような多くのボランテイアの方たちのすばらしい仕事のおかげ、そして多くのパートナー、支援者たちの援助を忘れるわけにはいきませんね。本当に素敵な1日をありがとう。

ところで、話題の「Tesla」も一台、(赤色ですよ)試乗に出してくれたのですが、私はすっかりそのことを忘れてしまって実に残念、、ムムム、、。

日本銀行での講演; 「日本の経済低迷とその出口」

→English

5月14日、日本銀行での講演でした。このお招きはちょっと驚きですが、約2時間。白川総裁は急用でご出席できませんでしたが、西村副総裁ほかの50人ほどでしょうか。みな優秀な方たちばかり(と思います)でしたが、男性ばかりでした(女性の2人はサイド席にお座りでした、、)。

「日本の経済低迷とその出口を探る」というテーマで、ということでした。レジュメ、参考図を数枚、推薦図書リスト、また、石倉洋子さんと共著の「世界級キャリアの作り方」、「イノベーション思考法」を数冊、贈呈。

ご存知の方もおられると思いますが、あまりの人気にHarvard大学が初めてその講義シリーズを公開したというMichael Sandel教授の「Justice」のいうテーマの講義。この講義ははじまりから引き込まれるようにすばらしい講義で、NHKの教育テレビで日曜夕方(深夜にもありますが、、)オンエアー。

そこで、私もこのスタイルの日銀でのセミナーを始めました。皆さん面食らったでしょうね?銀行ですし、難しい雰囲気もあるかとは思いましたが、若い人たちは面食らったかもしれません。みなさんの前で、発言しにくい理由はよく理解できます。

特に、インターアクテイヴには進行させにくい雰囲気があります。そこにこそ日本の閉塞感の基本があるのですけど、これについても申し上げました。

タテの男性社会、年功序列、偏差値から出発する社会的ヒエラルキーを当然と認識する精神的価値構造などが特徴的な日本社会、これがフラットなグローバル世界での急激な変化に対応できない底流にあります。「強さ」を生かす、しかし「弱さ」を認識し行動する力の欠如などなど、これは私のサイトにも繰り返し出てく「底流的テーマ」といえます。これを象徴的に、しかも劇的なかたちで表わしたのが「トヨタ問題」であり、アブダビでの原子力の競り合いだったといえます。

このような講演の機会はとても貴重です。今回は、お呼びいただいただけでもうれしいです。次回もまたチャレンジの機会があるとうれしいです。

 

カナダの新プログラム

→English

5月3日、カナダ政府は「Global Challenge Canada」(資料1)という5年間にわたる新しいプログラムを発表しました。

これはゲイツ財団が実践している「Grand Challenge Explorations」(資料1)とも協力しながら、しかし、(主に)カナダの研究者たちが、プロジェクトに参加する途上国の貧困、健康、公衆衛生、医療などの向上に貢献しようというものです。

これは5年という時限ですが、新しい形の科学技術外交を途上国との「Win-Win」関係を構築しようというアプローチです。この成果を見ながら、さらに国際舞台での存在を高めたいという意図があります。

私も支援していますが、日本でも世界銀行との協力関係 のさらなる推進の可能性、最近での日本のアフリカ支援の再確認 、またJICA-JSTのプログラム協力などが進められることになって、うれしいことです。

多くの国の2国間協力、世界銀行のような多国間機構などと歩調を合わせて、最貧国、途上国の多様なニーズに合わせ、MDGなどへ向けて、多面的な展開をしていくことは、人間の安全保障、またMDG推進へ向けても、とてもいいことです。

さらに、多くの支援国の間の協力、情報交換などは特に大事になっていくでしょう。

まだまだ、日本が世界課題に貢献できることはたくさんあるのです。

私たち一人ひとりに何ができるか、これを考えるのはとても大事なことです。大事なことは、「日本から見る世界、そして世界からみる日本」の視点です。

「Asia Vision 21」、Singaporeから

→English

4月29、30日のことですが、「Asia Vision 21」会議がNational University of SingaporeのLee Kwan Yew School of Public Policy  とHarvard UniversityのAsh Centerの共催で開かれました。このAsh Centerのプログラムには数年前からお招きを受けていたのですが今回初めて参加しました。今回はBiotechのパネルに出るのです。

Lee Kwan Yewの学部長は、いくつかのよく知られた著書もあるKishore Mahbubaniさん。長い外交官歴とその識見はたいしたもので、世界中で活躍しています。わたしのblogにも2,3度、出てきます (資料1)。 

Harvard側は皆さんおなじみのEzra Vogelさん、Asia Center所長のArthur Kleinmanさんをはじめとした面白い顔ぶれです。Kleinmanさんとは1月にBostonに行ったときに、美味なMartiniで私もけっこう出来上がってしまいました。

2日間のセッションは、特にアジア政治や経済など、世界の一流の論客、専門家が多いので、私にとってはとても刺激的な討論の場であり、大いに勉強になりました。新しい友人もできたし、こういう会への参加はとても楽しいです。

この会の記録はウェブにも掲載しないルールなのだそうで、演者、参加者などについて長々とご紹介できないのがちょっと残念。

ただ、2日目のBreakout Sessionでは「Flashpoints in Asia」に出ました。参加は10人ほどでしたが、Co-ChairのAstrid Tuminez さん、Huang Jing さん、とてもよかったです。多くの方のアジアを見つめる鋭い視点はとても参考になり、とても刺激的でした。Harvard大学は人材豊富ですが、Singapore大学も多彩な、すばらしい教員を集め、とても活気があります。

 

借金漬け、日本は崖っぷち

→English

世界、特に「先進国」では公的出費が増え続け、しかも経済の回復が遅いので(日本ほどではないにしても、、)、国の債務が増えることに対して懸念が問題にされています。

EUではギリシャが債務超過になり、ついでスペイン、ポルトガルも債務過剰になりそうでユーロの価値の危機です。

日本の経済はあいも変わらず調子が悪いですね、この20年、ほとんど成長できないのです。今年の予算は、税収より国債のほうが多く、打ち出す政策は公費の出費が多くなるばかりです。国の債務(借金)がGDPの200%近くになりました。

しかし、日本ではあまりにも債務が巨額(GDPの200%)だからでしょうか、国債発行にもまったく規律が欠けていますし、よそに比べても国内ではこの債務への懸念が、学者も、報道などもあまり大声では叫ばれていません。「麻薬中毒」状態です。しかも、高齢化が進み、借金返済はほとんど不可能ですね。将来の世代はますます暗い気持ちでしょう。この世代は実に無責任です。

日本の「偉い人たち」などが、日本には国民の貯金その他で1,400兆円ほどあるから、国全体としては債務過剰ではないから大丈夫、などといっていましたがさすがにそんな発言は、最近は不思議に減っているように感じませんか?なぜでしょう。

今年1月末、格付け機関Standard and Poor’s (最近のGoldman-Sacks問題などに関して、企業格付けでまた不正を働いたようなこともあるようですが、、)が日本の国の信用を1ランク下げました。日本の報道では、不思議なことにちょっとしか扱われなかったですね、こんな大問題なのに。

思い起こせば前回の格下げは2002年5月でしたか、そのときの日本は大騒ぎの報道と、財務省まで抗議文、広告を送りつけなどしました。次の記事などがあります。覚えていますか?今回とはずいぶんな違いです。なぜなのか、考えてみましたか?

本当はどうなのでしょう。確かに日本の借金は返済不可能でしょう。国の信用は低下していくでしょう、経済成長もなかなか難しそうですね、、、。来年度は日本が発行する国債が国内だけでは売れさばけず海外に購入してもらうより仕方ありません(普通は国内だけで売っているほうがおかしいのですけどね)。このときは金利が4-5%程度には上がる、借金の返済はさらに苦しくなり、国の借金は急速に増え、インフレになり、国民の生活はさらに苦しくなるでしょう。

今の政治のひどさ、今までの「政産官の鉄の三角」もひどいものです。政治財務省などの「エリート」の考えていることは大体想像できますね、自分たちは責任を採らない、政治の貧困のせいだと。国民、特にこれからの世代は困窮というシナリオでしょう。ひどいものです。その先の手も読めそうな気もしますが。

最近、亀井大臣が郵便貯金の上限を2,000万円にあげました。不思議ですね。来年の国債を国内だけで買いきれるようにしようとの陰謀にもみえます。だから金利の上昇、インフレをさしあたり1年延ばそうという、いつもながら「問題の先送り」、「陰謀」でしょうか。あまりにも突然ですしね。では、その翌年は予算が成立するのでしょうか?

結局、国債の金利が上がり、返済額が増え、日本円は安くなり、ひどいインフレになるでしょう。ひどいことですよ。

選挙を前にして政治家は消費税上げることを言えず、役所に大鉈を振るえず、決断できず、役所も、学者もね。報道も政府に操作されているのか、広告料で企業に遠慮しているのか、あまりつらいことには意見を広く発信しません。

大体、日本はバブルがはじけて、1998年ごろから超低金利、私たちの預金はみんな国外へ出て行ってしまって、結構「サブプライム」の引き金の1部になっていた可能性は高いのです。サブプライムでバブルがはじけて、私たちの預金は実はもう返ってこない、と思いますが。

日本国の財政状況は極めて危険水域(資料)です。政治は選挙を前にして減税はできない、企業も集中と選択がなかなかできない。外人や女性を重要なポストにつけたくないとか、希望ないですね。「あれもこれも」と議論しているのは結構なのですが、問題は実行です。大企業も内向きで元気ないですね、もっともっと「M&A」など積極的な、厳しい経営が必要と思います。

世界では日本への信頼はガタ落ちで、できれば相手にしたくないという雰囲気も出始めていますね。日本経済は「弱い」のではなく「麻痺している」のです。

今回も、もっぱら「The Economist」の記事を引用している理由は、2月15日のカラム「トヨタの問題と苦悩」 に書いた通りです。

カナダ: 朝日「Globe」から

→English

朝日新聞では数年前から、毎月2回「Globe」という8ページ特集を組んでいます。内容といい、取り上げるトピックスもなかなかユニークで、とても楽しめるものです。

タイトルからもわかるように大きな視野で「グローバル世界と日本」をいろいろな角度で分析している、素敵な特集です。船橋編集主幹の企画と思いますが、彼らしい企画です。

さらにすばらしいのは、すべてが「On-line」で読めることです。新聞に出てから何日かかけながら全体の記事が読めるようになっています。

最近の4月21日号は「カナダ」がテーマでした。私も大学関係者と広く交流 (資料1)、(ほかにもこのサイト内で「カナダ」「Canada」で「search」してください)があるので取材を受けました。このカナダ特集は「日本とカナダは超大国のそばで見えない国になるおそれがある。どう対応するかが21世紀の挑戦だ――。両国の大学関係者の会合で、こんな話が出たという」で始まります。これは読んでのお楽しみです。カナダの人口は隣の米国の10%、日本も中国の10%。お隣の大国、米国との協調と自分の独自性の維持、などなど、興味ある記事です。

私もカナダは好きですね。一言で言えば、「英国のいいところを受け継いで、階級社会を引き継がなかった国」でしょうか。「英国のいいところ」はやや社会主義的要素を持ち、民主制度がよく機能している、教育程度が高い、いくつかのすばらしい大学がある、医療制度はマイケルムーアの映画に見るように国の機能ですが、質がいい、患者の負担は少ない、信頼が高いのです。医師も大学教員の質も高いです。

2008年からの金融危機の影響を最も受けなかったのがカナダでした。銀行がサブプライムに巻き込まれなかったのです。

昨日からTorontoに来ました。ディナーの席では、130万の都会Calgaryでも、多くの人たちは自宅のドアのロックをほとんどしないそうです。いい昔の姿が残っているのですね。この話はマイケルムーアの映画でも出てきます。

ひとつだけ朝日新聞に注文。こんなすばらしい特集をせめて「On-line」だけでも英語で出してくれないものでしょうか?日本人対象だけでは、本当にもったいないです。

休学のすすめ -3: 「留学しない東大生」

→English

4月になって、このサイトで2回続けて「休学のすすめ」(資料1)の大事さ、これからの時代の人材育成を担う大学への要請の変化について書きました。

世界にビジネスを展開しようにも、特に新興国などの新しい経済成長圏では、個人的コンタクトがないとなかなかアプローチも難しいものがあります。

この個人的コンタクトができるのが高校生、大学生時代です。英米ではいわゆる「ボ-デイングスクール」、大学学部時代などもあります。大学院留学は基本的に同じ業種の人たちですから、横への広がりは弱いのですが、日本からの大学院留学も減っているようです。

これからのグローバルの時代にはこの「横の広がり」は業種や国境を越えた、世界のネットワークになります。この認識があるからこそ、多くの大学では世界の若者、将来のリーダーの育成に学部学生の留学・海外経験や交流を増やす工夫をしています。

これからさらに広がるグローバル世界では、一人一人の若者たちにとって将来の仲間となるべき世界の次世代との「職業、組織を超えた」「個人としての信用」を基本にしたネットワークはきわめて大事な財産になるでしょう。

グローバルな世界での成長は、自分の強さと弱さを認識した、国境を越えた「顧客志向」の企業の活動にあります。特に「単線路線」「終身雇用」「年功序列」のタテ社会の男ばかりの「身内組織」では、違う意見も出にくくなり、変化、異変の時にはうまくいかないことも多いのです。日本の大企業、組織に共通する弱さでもあるのです。ましてや日本人ばかりでしょうから、ますます弱いのです。口先では多様性、異質性などといっていてもこの有様です。

最近も、これらの要因が背景にあると思われる事件 「トヨタ問題はトヨタ固有のものか?」について指摘しました。

ところで、日本では東京大学が大学のトップとして変化への牽引車であることを期待されているのでしょうが、東京大学が新入生を迎えて1週間後の4月19日の朝日新聞に、いつも核心を突いたコメントを出している辻 篤子 論説委員から、私のこの趣旨を共有するカラムが出ていました。

以下のようです。

「●留学しない東大生   ―「窓」  論説委員室からー <辻 篤子>

●日本の若者は海外に出たがらない。そういわれて久しい。とりわけ外に出たがらないのが東京大学の学生らしい。

●東大が発表したデータによれば、学部学生のうち留学経験者の割合は理系4.6%、文系4.1%、これに対して他大学の平均はそれぞれ8.1%、14%で、とくに文系の差が大きい。

●「授業が忙しいこともある」と浜田純一総長はいうが、自ら「外国語でコミュニケートする能力」が身についていないと認める学生が7割を超える。「国際化」を最優先課題の一つに挙げる東大にとってはかなり悩ましい現実だ。

●米ハーバード大学を卒業後、東大に1年半留学したベンジャミン・トバクマンさんも「東大生はもっと留学すべきだ」とするが、それには別の理由もある。

●経験をもとに両大学の教育を比較した著書「カルチャーショック ハーバードVS東大」(大学教育出版)によれば、ハーバードの教授は、学生に質問させ、考えさせることで教えるのに対し、東大では、答えを与えることで教える。これでは、自立的に考える学生が育たない。

●東大にも学生の質問を歓迎する教授はいるが、その多くは外国で学んだ経験があり、教授と学生が対等に議論することの価値を知っている。学生がもっと留学し、東大に戻って教えられるようになれば、学生はもっと考えさせられ、勉強の意欲も高まるはず、というのだ。

● 問題はどうやら、学生だけ、東大だけにとどまりそうにない。」

浜田総長は学部学生の国際交流推進への意識が高いと聞いています。期待していましょう。

このトバクマンさんの本が出版された直後に彼にもお会いしました。中国に行くといっていましたが、まだ中国なのでしょうか?

世界銀行と日本の「科学技術と開発」、Win-win協力のチャンスだが

→English

4月16日、京都での「ISN Nexus」から早朝に出発。10時から世界銀行の東京事務所で、世界銀行のAl Watkinsさん一行と「科学技術と開発」の会議です。

私は世界銀行のこのプロジェクトには2008年1月から関係していて、これが日本で開催されたTICAD4 Toyako G8 Summit、またG8科学顧問会議 (資料)などの「場」へつながり、「タテ、ヨコ」につながりながら成長しているのです。

2008年1月の講演から世界銀行へは2回ほど(2009年4月) (資料1)、2009年12月とWashington DCへ出かけ、この会議とワークショップなどに参加しました。

これらの3回の会議は、これら私のサイト以外にも、世界銀行の「科学技術政策」サイト で詳しく見ることができます。

2008年1月の講演 

2009年4月の会議 

2009年12月のフォーラム 

世界銀行のサイトも進化しているのが見てとれます。

その間に日本の科学技術政策も「科学技術外交」の政策テーマで「日本-アフリカの架け橋」を作るなど、進化していきます。これはとてもいいことです、世界も変わっていくのですから。

2国間で行われる2国間支援(ODA)、世界銀行のような多国間組織を通した支援などをどのように調整、協調していくのか、これは大きな課題です。

このようなプロセスを経て、世界銀行の政策を、日本の政策とどうすり合わせできるか、これが今回の会議の目標の一つでした。去年12月の世界銀行のフォーラムにも出席した内閣府の岩瀬審議官、JICA後藤さんをはじめ関係各省担当者の参加もあり、難しいですが、意味のある時間をすごせたと思います。日本のODA政策の評価は、世界銀行でもとても高いのです。すばらしいことです。もっと国内外への宣伝も必要です。

世界銀行では、出資額に比べて、日本人職員が余りに少ないことはよく知られています。最近、日本からの4,5人の公募に対して400人ほどが出願したとか、いい傾向です。このような機会だけでなく、もっともっと「外」へ、「国際機関へ」、多くの日本人が積極的に参加してほしいです、日本のためにも、若者のキャリア形成のためにも。

世界は広いのです、数多くの機会が、将来の友人やパートナーとともに、あなたたちを待っているのです。

「外から見る」方たちの懸念、「外へ出る」元気な若者の「GCMP」

→English

今日4月13日の朝から、すでにこのサイトでもご紹介しているPrinceton University名誉教授の小林久志さんと、東京大学理事に就任した、もともとはHarvard Business Schoolで学びそこと日本の関係構築にかかわってきた江川雅子さんと朝食。

東大の入学式の翌日で、小林先生は大学院生入学式でのスピーチのお招きでこられたのです。

小林先生は、私も同じですが、このグローバル時代にあって日本の大学生の内向きさかげんに、本当に心配をされています。ここにリンクしてある先生のメッセージを、特に大学の教員に、そして大学生にしっかり読んでほしいです。

江川さんも何とか役に立とうと思って考え、行動しようとするのですが、まあ例によってなかなか難しいのですけどね。

午後は、以前からこのサイトでも紹介している早稲田大学の学生さんの1人、税所くんがたずねてきました。1年前から休学してBangladeshで活躍し、「GCMP」(資料1)としていろいろなプロジェクトを立ち上げ、Grameen BankのYunusさんの支援を取り付けるところまできました。本当に大きく成長するものですね。すばらしい企画、ビジネスモデル、現場での経験はとても貴重です。みな燃えています。今回は休学が1年経過したので6ヶ月の延長の手続きで帰国したのです。アイデアもたくさん持っています。

国内で事務局をとりまとめていた三好くんもいよいよ休学してBanlgadeshにまもなく出発です。さらなる事業の展開、進展があるでしょう。このGCMPでは去年は日本の大学生20人をBangladeshで3週間生活、活動させるプログラムを企画しましたが大成功でした。

かれらの企画の一つに「日本の大学生をBangladesh」に迎え、3週間ほど生活してもらい、仕事もしようというのがあります。参加している学生には海外に行くのは初めてという人たちも結構いますね。去年の夏に20人ほど3週間。参加した学生さんもずいぶん変わったようですよ。もうすでに3,4人が南米、インドなどいろいろと出かけて仕事をしながら事業を計画しているようです。今年の2月には10人ほどの学生を10日ほど連れて行ったようです。これにはなんと一橋大学のあの米倉誠一郎先生も参加、学生みんなが体重を減らすなかで、先生お一人だけが体重が増えたという、さすが先生。

世界の課題を変えるには、このような現場に出てみる、現場感を身につけることが大事なのです。