G1サミットへ

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沖縄から帰って1日置いて小淵沢、八ヶ岳と甲斐駒を見上げる「星野リゾート・ リゾナーレ」 へ。堀 義人さんたちの開催する「G1 Summit」 へ。堀さんとは今までも何回も「ダボス会議」関係の会議で、インド、シンガポール、大連、天津などでもお会いしている、今年のダボスでも何度もお会いした。若手の志士だね。

寒いのが気にならない快晴。周りの風景は白。若手が中心だが、日本を動かしたい、、、エネルギーがあふれている感じがする。第1日目は東京で仕事があったの(11日の休日にもかかわらず)で、欠席したが、ありがたいことにtwitterでなんとなく一部ではあるものの雰囲気を感じ取ることが出来る。何しろ政治・経済では渡辺喜美、竹中平蔵、福山哲郎、世耕弘成など、ビジネスではタケダの長谷川さん、冨山和彦、三菱ケミカルの小林さん、ワタミの渡辺さん、グリーの田中さんなどだから。

2日目は昼過ぎに着いて、文部科学副大臣の鈴木寛さん、JAXA理事長の立川さん、iPSの山中さんと「科学技術政策」のパネルの司会。科学技術もすべては人材育成が大事と、基礎研究も、Big Scienceも、つまりはそこから将来の人材、新しい「芽」が出てこないと、と私は考えていますと、、。先輩の「さま」を見ながらどれだけの人が新しい「芽」となるのか、、。21世紀になって日本人ノーベル賞は10人と素晴らしい成果だが、3人は在米研究者なのだが、、。

最後は安倍元総理、桜井良子さんの「誇りある日本人として、、」という対談。夜は、サントリー白洲蒸留所 、ウイスキーの香りで酔ってくる気分。去年、TEDxTokyo に出た神田瀧夢資料1)さんの楽しい話。

翌日は、権丈善一さん、古川元久さん、山本雄士くんのパネル「強い社会保障と経済成長の両立は可能か」の司会。ちょっとタイトルから外れつつ進行で、ちょっとまずかったね、司会としては。あまりパネリストに話させてしまう(5分といっても、皆さん守らないし、、)のもまずかったね。

最後は、野中郁次郎さん、田坂宏志さん、松岡正剛さん、司会の堀 義人さんで格調高く、締めくくり。

なかなかよかったですね、堀さんとスタッフ、そして参加の皆さん、ご苦労様でした。

 

世界に開かれた研究大学院; 沖縄科学技術大学院大学

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写真はこちら(

何度か紹介 していますが、政府は沖縄に本当に世界にオープンな大学院大学を作り上げているのです。

主要な建物も立ち上がり始め、仮の設備にいた研究者の移動も去年から始まりました。今年は大学院大学になる認可の手続きが始まりますし、さらに優秀な研究者のリクルートが続きます。

このサイトを見れば進捗状況がわかると思いますが、中身は本当にグローバルです。とはいってもまだまだですし、いくつもの課題(International School、学生募集などなど)がありますが、はじめから世界に開かれた機関であることを目指していますので、期待したいです。

これが始まったときからの研究機構理事長はSyndey Brenner さん、大学の初代学長もJonathan Dorfan さん、理事もそうそうたる方達です。私もお手伝いできてうれしいです。

ACCJの昼食会の後は、沖縄へ向かい、OIST理事会に参加。いくつもの案件についてかなりの議論が出来ました。理事会の様子や写真などは、こちらです。

最初からこのように国際的に開かれた大学、大学院をつくることは大事です。今まであるものを変える議論はしても、実際にはなかなか進まないのです、出来ない理由を言う人たちが大勢いますから、、。他の大学でも同じことです、NATO (「No Action Talk Only」) ばかりです。日本の大学は世界の潮流資料1) にひどく遅れてしまっていますね、大学の「Ranking」などに文句を言っている暇があったら、実行することです。

若者たちも外へ出てみよう。皆さんも、若者たちの応援 資料1)よろしくお願いします。

「変な外人」から日本人の行動について「10の質問」

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私の友人でもあり、この30年前から日本にも調査などでよく来ている自称「変な外人」、イノベーションの研究者としても知られ、世界中を調査、講演で飛び回わり、いくつもの大学でも教えています。

ダボスでもお会いしましたが、彼から「日本人の行動パターン」について「10の質問リスト」をもらいました。彼は日本ファンなのですが、私は「変な日本人」だそうです。

皆さんは、どう思いますか?皆さんはどんな返事をするでしょうか?

QUESTIONS / ISSUES
 (1)  “Why is it that most Japanese go to conferences and always stay and sit together in a corner and talk to each other, without including any foreigner into their conversation?
… there are no other country citizens behaving that way !!!
 
(2)  “Why is it that the Japanese participants never dare to raise a question or give some comments in a workshop or at the Q&A session in a conference”?
… other Asians from China, Singapore, Taiwan, India, etc. are very different in this regard !!!
 
(3)  “Why is it that many of my Japanese colleagues and friends have to take a vacation when participating in a conference or think-tank overseas”?
… the Western people consider this to be part of the business activities !!!
 
(4)  “Why is it that most Japanese go to international conferences without a specific objective and measurable results in mind”?
… Most other country participants have very clear targets to meet a certain number of suppliers, customers, etc., in order to end up with specific new business proposals !!!
 
(5)  “Why do most Japanese companies not like to see their employees writing and publishing industry articles or even books with other colleagues in their professional domain, even if they do it in their spare time over the weekend and the evenings”?
… in the Western world we consider this to benefit the company and the employee, as it demonstrates domain expertise vis-a-vis potential customers and peers in the industry !!!
 
(6)  “Why do Japanese speakers in international events and conferences only present or ask in Japanese (there are always a few exceptions to the rule)”?
… it is common practice the government officials may speak their own language at an event in their own country, but most of the time, Japanese also do so in international conferences overseas !!!
 
(7)  “Why do all the conference participants or students keep their hands down and lower their heads when the professor or speaker asks a question that everybody is able to answer”?
… there are always a number of Europeans who have good answers or questions, while many Americans will raise their hands even before the question ends, whether or not they have a full or only a partial answer !!!
 
(8)  “Why is it that most Japanese executives only see the differences, risks and threats but never look at the similarities or opportunities?”
… it always leaves a strong sense of pessimism and no optimism, hence, how can you advance personally or as a nation with such an attitude !!!
 
(9)  “Why is it that most Japanese people and senior executives are scared to call for serious changes in their organizations or even in the nation”?
… without constant changes, you cannot adapt to the ever rapidly changing world around us, hence, you are left behind !!!
 
(10)  “Why is it that Japan and its citizens will only be able to change or are willing to change when the country will either hit the wall, or will experience a total market crash, or is about to disintegrate completely”?
… a common answer by some of the highest ranked corporate officers, association or some government leaders, whom I spoke to during the “Japan Night” in Davos !!!
 

 

「若者は内向き」なの? では大人たちは?

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このところ、「内向きの若者」という意見がメデイアなど、そこかしこで見られるようになっています。

本当でしょうか?このサイトでも1月12日付けで書きましたがそんなことはない、さらにほかにも「そんなことはないのでは?」 という意見が出てきています。

1月12日でも書いてあるように、「いまどきの若者の親の世代」を囲む日本の社会状況や、「それよりも上の世代」にしても、自分で決断し、自分で退路を絶って海外へ出かけた方(特に男性)はそれほど多くはないと思います。

経済成長していた1960-90年の間、そしてその後でも、多くの方達は、社命や、役所からの留学、海外駐在が多かったのでしょう。そして、多くは数年で帰国するなりしています。自分の決定で滞在している海外ではないのです。言うなれば、何年海外にいても基本的には「出張」なのです。

Harvard Kennedy Schoolの栗原さんも最近の「Cambridge Gazette」で、同じような見解、体験を発信しています。皆が心配しているのです。(今回の「Harvard Gazette」は少し長めなので、まず最後の編集後記から読むのも面白いと思います。)

若者のことには意見を言っても自分たちのことはタナに上げている。若者たちは直感的に「そうかな?」、と気が付いているのでは、と思います。この点については、白洲次郎も指摘 しています。

若者を励まし、応援することこそが、大人たちの役目です。

OIST Symposiumへ参加、チャレンジしてみよう

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風光明媚な、沖縄の恩納村の海辺を見下ろす陸に位置するOIST(Okinawa Institute of Science and Technology)は、日本に出来たまったく新しい科学研究機構ですが、いまや大学院大学へ変身中。

建築も進み、素敵な概容を見せ始めています。多くのSymposiumが、海辺の会議場で、世界一流の科学者たちが集まって開催されています。

一度参加してみませんか?

そんな機会へのご招待です。春休みの3月14-18日。あなたのすることは、エッセイコンテストに応募することです。英語で500字。締め切りは1月31日、On-lineで送ればいいのです。

「日本在住の自然科学分野の学生または修士課程の院生を対象に、英文で懸賞論文を募集中。論題は「学際的アプローチの有効性について」。副賞は3月の入選者限定ワークショップに招待です。詳細はこのサイトで

締切りも間近ですが、大丈夫。集中し、考え、整理しつつ、まず書き始めること。

意欲ある応募者を広く募っているのです。チャレンジのときだ。

 

「Design Thinking」、新しい時代の動き

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明けましておめでとうございます。

2011年こそは、日本ももう少し活性が感じられるといいですね、期待したいですが、、。

この2,3年のことでしょうか、「Design Thinking」という言葉が広がりはじめたように思います。人によってその解釈は違うと思いますが、グローバル世界になって、問題の複雑さへの多くの知恵の結晶かもしれません。

私のサイトでも、紹介していると思いますが、「Design」という言葉が、単なる、物や形のDesignという次元を超えて、多様で、異質な考えなどを広く、多角的に取り入れながら、複雑な問題 complex problemsを分析、理解し、「現実的な解」 practical solutionsを提示するという考え方がその背景にあるように思います。「Design Thinking」というプロセスと理解するとでも言うところでしょうか。

これは多くの分野で見られる現象だと私は感じていて、科学研究のアプローチから言えばSonyの所マリオさんの「Open Systems Science」 という考えかた、Harvard, Stanford大学などのGraduate School of Design, dSchool、また東京大学の「i.School」が出てきた背景なのだと思います。

さらに問題を整理するうえで、しばしば図示するプロセスが取り入れられます。World Economic ForumでのIdeasLabもそんな感覚でしょうか、また最近Dubaiで参加した「Global Redesign Summit」(資料1)「Global Risk Response Network」(資料1)などでも「Design、Innovation」 などのCouncilが素敵なヴィジュアルのデモを作成してくれているのも、複雑な問題の「見せる」、「見える化」することの大事さを示しています。

ここ数年、いわゆるdesignerという方達のビジネスでの活躍が目立っているのも、時代の流れと情報を図示化してみせる技法が、デジタル技術の発達で多様になっていることにも関係しているのかもしれません。奥山清行さん (資料1)、三宅一生さん 資料1)、佐藤可士和さん 資料1)などの方達です。

皆さん国際派でもあり、人間の心の本質をいつも考えているからこそ、「Open- and Demand-driven Innovation、新しい価値の創造」という時代に要請にこたえるべき視点が、自然に身に染みついているからなのかもしれません。

2009年に続いて開催した2010年のGlobal Entrepreneurship Week (GEW)でも「Impact Japan : Design Thinking」(資料1)をテーマに、若い人たちのグループをお招きしてWorkshopを開催したものそのような意図があったからです。ここから始まって「Impact Japan」という組織を立ち上げましたが、このGEW企画の活動「Design Thinking」が日経新聞の年末12月29日朝刊に、広告記事として掲載されました。

新しい時代へ対応すべく、世界の知恵が動いているように感じます。今年の日本はどうなのでしょうか。

 

内向きの日本の若手研究者へ、若手研究者が立ち上がる

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若者の海外への留学志向が、減っていることはずいぶん指摘されています。これは、科学者の世界でも同じことのようです。特にグローバル時代へむけてアジアの若い研究者は英米へと多くがキャリアを求めて学びに行っています。それが、世界のトップの目指すキャリアを開いてくれる可能性が高いからです。

2,3年のPost-Doc留学後、出身の大学、研究室に戻る人が多いのですが、PhD取得への留学、さらにそこからの海外でのキャリアを求めて活動することは、日本にはない別の厳しさもありますが、しかし、世界のどこでも通用するプロになる道です。

しかし、最近では日本からのPost-Doc研究者の留学も、もともと数少ない海外でのPhD取得者も減っているようです。これが最近の多くのアジアの若者が海外留学をするのと比べて、きわめて顕著に違う傾向です。特にグローバル世界に向かって、若手研究者の内向き志向、鎖国志向は困ったことです。

「日本のえらい先生」たちとは違って、米国で活躍している数少ない方達 (Princeton大学の小林教授など)(資料1)もこの傾向にはずいぶん心配をされています。が、日本の既得権者たちである「教授先生」は総論賛成でも、実際には「自分たちの手足」である若手研究者を手元から手放そうとしません。ほとんどの大学人が「鎖国マインド」 (資料1)であることは明白です。官尊民卑のヒエラルキーの「タテ社会」では、国立大学の教授職にいれば、これがなにかと1番有利ですし、何しろ自分の業績第一、と考えているからです。総論ではわかったようなことを言っても、「改革、変化」に抵抗するのはいつもそのような、いままでの社会制度の「日本での高い地位」の人たちです。その方たちの立場を考えてみれば、すぐにわかることです。自分たちの利益、不利益を考えているとしか思えません。

ところで、1年前のpostで、Bostonで活躍する日本の若者たちと話す機会のあったことを報告しました。ここで私の気持ちにとても響いたのは、1人のPost Docが「私の短い人生で1番の失敗は、日本で博士PhDを取ったことだ」(この方は有名国立大学のPhD、この件について相談したところ、教授に日本で大学院進学を強くすすられたと、、) という言葉です。自分で自立してキャリアを求める気持ちで来ているので、いっそう、その思いを強くしたのでしょう。

最近では、数少ない米英国等でPhDを取得し、海外で活躍している若い世代も同じような懸念を持って、実際の行動をはじめている人たち(資料1, , )もいます。

そのような1人が杉井しげきくん  資料1)です。そして具体的に米国でPhDを取得するにはどうしたらよいか、またそのような希望をもっている可能性のある若い方達にも呼びかけ始めています。

そのような活動の1つが、私もちょっとお手伝いした「理系大学院留学」 の出版であり、「科学者ネット」 の構築です。また、いろいろ日本での活動も展開していますが、こんなことは本来ならば大学の先生たちがもっともっと自発的に若者を激励し、留学をすすめ、若者の選択肢を広げ、支援を惜しまないことでしょう。彼らが明日を開く人材、人財なのですから。

先週、この杉井くんたちが、東京大学で開催したのが「第1回、博士キャリアシンポジウム「グローバル時代に博士号を生かす方法 -就職難の時代だからこそチャンスを勝ち取る!」資料1)です。私もお招きを受けて、JST理事長の北沢さんと基調講演をさせていただきました(講演の後、残念でしたが、税所くんに会うことになっていたので、会場を後にしました)。

この杉井くん、UCSDで活動していますが、来年からSingaporeのA*STAR 資料1)に活動の場を移すそうです。いいですね。このように世界各地で活躍する日本の若手研究者がもっともっと増えることを期待しています。

大人たちは若者に広い世界を見せ、実体験の機会を広げ、推進し、グローバル世界で活躍する人材へと成長するよう、積極的に応援してください。

世界は広いのです、世界は若者のキャリアのためにあるのです。「かわいい子には旅をさせよ」。

 

Qatar Foundation Annual Research Forum

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Tunisでパネルを終えて夕方にホテルを出発。Dubai経由で、朝の6時半にQatarのDohaに到着。今年6月に来たばかり資料1)のSheratonにチェックイン。2022年のWorld Cup開催が決まったばかりです。

ここには2日間にわたって開催されるQatar Foundation Annual Research Forum にお招きを頂いたいたのです。Qatar財団 (資料1) は、教育に実に熱心なQatarの目玉の一つで王妃が先頭に立ってご活動です。Cornell、Carnegie Mellon、Texas A&Mなどの大学が広いキャンパスに研究所を出しており、なかなか活発に活動をはじめています。

今回のForumはこのQatar財団の活動のお披露目とでも言うのでしょうか、第1回ということです。この1年でかなり人も集まっています。何しろ国が若い。一方で教育でもQatar大学などが中心になって人材育成にとても熱心、というところです。しかし、何しろ、ガスと石油をあわせると、この小さな島が世界有数のエネルギー産出国ということで、急速に豊かになっていますが、将来は「人材」しかないということで、熱心なのですね。しかし豊かになると、若者の意欲はどんなものでしょうか。男性は海外へ留学する人も多いでしょう、でも女性の意欲は特に高いようです。

また、文化、芸術をとても大事にしています。先日も紹介したイスラム美術館などもその良い例です。

Forumは朝9時から開始。王妃のスピーチでプログラムが始まり、休み時間はポスターなど(特に学生さんのポスターを中心に尋ねました)を回りました。また、研究発表の審査もあり、私はElias Zerhouni(前NIH所長)、 Peter Agre (水チャネル発見でNobel化学賞)、 Monsef Saloui(GSKのRDのトップ)と一緒にBiomedical Scienceを担当  しました。EliasとMoncefとはお互いに良く知っているのですが、Agreさんの研究も、講演も何度か聞きましたが、一緒に何かするのは初めてでした。若い活気を感じる1日でした。特に若い女性の活躍が目に付きます。

夜は土屋組(12月1日から社名はTsuchiya Corporationとして新事業の展開を図っています、、)の土屋さんと社員数人と在Qatarの門司大使を公邸に尋ね(以前Abu Dhabi大使館でお会いしたアラビア語が上手な西田くんにもお会いしました、、)、そのあとは最近まで9年間にわたって駐日Qatar大使のReyad Ali Al-Ansariさん のところで夕食にお招きいただきました。いろいろな人脈が広がるのは楽しいものです。Al-Ansariさんの息子さんは米国へ留学、帰国して石油関係の仕事。でもお嬢さんの留学には反対のようでした。

翌日は午後に科学政策などのいくつものセッションもあるので、昼にちょっとQatar財団本部に王妃の官房長官を訪問。このような研究所との交流にも、もっと日本の研究者や若い人たちも参加して欲しいと思います。若者の交流を広げたいのです。

夕方のレセプションでは受賞者の表彰、私たちの部門ではこのあたりに見られる難聴について、その原因遺伝子を明らかにし、それが毛細胞hair cells機能不全であることの研究で、とてもいい研究でした。Q/Aにもテキパキと返事があります。彼女の上司の病院の事務長の立場の方(これも女性です)がとても喜んでいましたーーこの方がまたとても優秀な人で、ずいぶんいろいろお話をしました。食事では同じテーブルにMIT、UCLAの教授たち、当地のTexas A&MのDeanの方などと一緒で、これも共通の話題が多く楽しかったです。私は、途中で退席、22:50時発でAbu Dhabiへ、40分のフライトです。

若い人たちの意欲とエネルギーに接すると、いつも応援したくなります。日本との交流も期待しています。

Global Agenda Council、Dubaiから

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11月27日からWorld Economic ForumのGlobal Agenda Council  (資料1)でDubaiに出かけていました。大半の方達は別のCouncilのメンバーでしたが、竹中平蔵さん、田中明彦さん、石倉洋子さん 資料1)などなど、20名ほどの方が日本から参加しました。述べ4日間で丸3日間の予定ですが、今回のプログラム構成は、各Councilに分かれた議論が中心で、プログラムの進め方がいつもと違って、かなり細かく決まっていることと、最終的には世界にいろいろ存在する、起こりうるGlobal Risk Responseに対応する「Network」構想の提案も視野に入れているので、結構タイトなスケジュール。

私はといえば「Japan Council」のChairという役を振り当てられていたので目いっぱいスケジュールが詰まっていて、Chairは一日早く到着して全体構想のbriefingなどがあり、全体の自由時間もなく、全体の動き、システムの動かし方、Briefing sessionなどなど、また他の大事なCouncilへ出かけるとか、結構大変でした。

特に北朝鮮の問題などもあるタイミングでしたので、気の使いようもあって、とても疲れた感じがしました。

でもこれがなかなか大事な経験の機会をくれたことになりました。特に中国、韓国Councilとの意見交換は、政治的課題、経済の行方、中国の経済成長などなど、大変に良い意見交差が出来たと思います。中国Council ChairはHe Yafei 在Geneva国連大使資料1)ですし、韓国Council Chairは旧知のYonsei大学のMoon Chung-In政治学教授  資料1)。このCouncilばかりでなく、この2人のChairからも実に示唆に富む、しかも一部の本音も聞けてともてよかったです。

2日目の夜のレセプションは世界で一番高いという「Burj Khalifa Tower」のテラスで。高い建築物を見上げ、周りをみまわし、多くの方に会い、なかなかのものでした。 

3日目にはBBC World News Debate、70分程度の討論をNik Gowingさんの見事な司会で、素晴らしい出来だったと思います。この番組を皆さんもどこかで見る機会があると思います。つい7月までAustraliaの首相だった、今の新政権では外務大臣のKevin Ruddとのやり取り、またHe中国大使、Malini Mehraさん、International Crisis GroupのLouise Arbour、Climate Change CapitalのJames Cameronさんなど、なかなかのものでした。特にRuddさんの即興での20秒のテレビカメラを通した「呼びかけ」は素晴らしかったです。この辺は、優れた政治家に必要な素養の1つです。

この3日間で学んだことの1つが、いかにヴィジュアルに問題を描きながら議論を進めていくことの大事さです。Design CouncilではHarvard University Design SchoolのToshiko Mori教授の素晴らしい仕事の片鱗にも触れることが出来ました。そして、いろいろCouncilの問題解決プロセスに「Design」「Innovation」のCouncilメンバーがいろいろサポートをしてくれたということで、なかなか見事な出来でした。

これからは来年へ向けて、宿題、課題がたくさんできました。

学ぶことの多い、4日でした。無事に、12月2日夜に成田に到着しました。

 

 

慶応SFCクラス、所 眞理雄さんを迎える

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私の慶応SFCのクラス前回の10月29日は西山浩平さんをお迎えして、 とても楽しいユニークな「空想空間、Elephant Design」というビジネスの話をお聞きしました。

10月27日はSony Computer Science Laboratory の創設者であり社長、そして慶応大学の教授でもある所 眞理雄(Marioとつい言ってしまいますが、、)さんを お迎えしました。所さんは慶応義塾の矢上キャンパスでの大学院生のコースを持っていて、私も参加させていただきました。

トピックスは「Open Systems Science」というもので、所さんがこの何年か、これからの科学研究の課題を考えていた成果といえましょう。「オープンシステムサイエンス-原理解明の科学から問題解決の科学へ」というタイトルの著書を日本語 、英語で出版されています。

また 「天才・異才が飛び出すソニーの不思議な研究所」という本も出ています。この研究所の特徴とユニークな人財の話です、とても面白い本で、ぜひ読んでください。現所長の北野宏明さんは、去年Nature誌のMentor Awardで受賞した2人のうちの1人、とてもユニークな、私も大好きな「Crazy Ones」です。

ちょうど、この講義の1月前にStanford大学で同じテーマのセミナーを(これは英語で)されているので、今回は日本語で話をすることになりました。

クラスのサイトで楽しんでください。近代科学の歴史の背景から、これからの科学のあり方について、とても示唆に富む話です。私もいくつか補足的なのコメントさせてもらいました。

これからの科学研究のあり方と、科学教育のあり方にも関係することです。