Health Summit -2

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2月25日のGlobal Health Forum 2011 の翌日26日(土)、2008,2010年に続いて「Health Summit」(資料1) を開催しました。

ことしは、CSISとの共同作業の紹介もあり、プログラムの毛色がすこし変わったところがありました。

さらに、統一地方選挙を迎えて、民主党を初めとして国会議員の方々は地元に帰っておられる方が多く、去年のような多くの国会議員の参加が得られず、ちょっと残念でした。

このSummitの主な登壇者、プログラムなどについてはHGPIウェブサイト資料1)に掲載されています。

また、報告書などが出来ましたら、ご報告します。

「医療政策」は「健康政策Health Policy」へ、名称変更する時が来ています。

 

Health Summit: HGPI 恒例のイヴェント

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写真はこちら

25日の「国会議員」との懇談の後、「Global Health Forum 2011」を開催しました。

Global Health」にテーマを絞って、UNITAID東京大学国際保健政策学教室との共催です。

プログラムにあるように、この分野の司会では一番のNHK道傳さん、基調講演はUNITAID理事長、革新的資金調達に関する国連事務総長特別顧問、元フランス外務大臣Douste-Blazyさん、パネルは東大の渋谷さんGAVIのTisdallさん(日本はワクチン債での貢献も大きい)、韓国外務省のEun Joo Leeさん、ACSからCristina Parsons Perezさん、厚生労働省の国際保健審議官の麦谷さん、CSIS副所長兼Global Health Policy Center長のStephen Morrisonさん、さらに住友化学会長で経団連会長の米倉さんもお忙しいなかをパネルに出ていただけましした。

現在のGlobal Health関係重要人物が登場し、活発な議論が出来ました。Gates財団のDavid Bowenも参加してくれました。

日本の貢献はどこか、何が出来るのかなどが中心に議論は進みました。財政的に先進各国が苦しいときに、どのようなプロセスで、どのような貢献が、またMDGに向けてできるのか、これが議論の焦点です。日本では、ワクチン債などでは貢献していますが、国からの税金を原資とするのとは違った新しい支援のカタチともいえます。

日本の経済も、ムードも、もう少し活気がでることを期待したいです。
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CSISとの共同事業とCongressional Briefing: 新しい「プロセスのありかた」?

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私たちの主催するHGPI(Health and Global Policy Institute)資料1)は、毎年2月に「Health Summit」 を開催してきました。今年は2月26日でした。

今回は去年からの懸案でしたが、私たちのHGPIとWashington DCの著名なシンク・タンクCSIS(Center for Strategic and International Studies)が共同で健康政策についての共同作業を始めることになりました。

これは、去年のHGPIの主催するHealth SummitにCSISのBrian Bilesさんが参加したこと、さらに去年6月にLondonで、「Transition from G8 to G20: Health and Development」という会議をCSIS、Chatham House(英国の著名なシンク・タンク)と主催 (資料1)したことなどが背景にあります。

そこで、2月25日に国会議員会館の会議場で、有力議員さんたちとCSISチーム、Stephen Morrison , Brian Biles、このプロジェクトに参加する日米識者(病院の支払いについてはJohns HopkinsのGerard Anderson教授  と慶応義塾大学の池上教授、ITではHarvardのJohn Hamelka教授(素晴らしいblog を提供しています)と東京大学の秋山教授)との会合を開催しました。

お忙しい中を、尾辻さん(自民党、元厚生大臣)、坂口さん(公明党、元厚生労働大臣)、世耕さん(自民党)、鈴木(寛)さん(民主党、現文部科学副大臣)、足立さん(民主党、前厚生労働政務官)、梅村さん(民主党)、小西さん(民主党)などの、厚生行政に精通している何人かの国会議員の方々に参加いただき、活発な意見交換ができ、とても有益な時間を共有することが出来ました。

いくつかの民間企業の方達や、メデイアの方達もお呼びしました。Gates財団のDavid Bowenさんも東京にきていたので、お呼びしました。彼は長年Edward Kennedy上院議員の政策スタッフとして活躍していた方で、このような政策と国会議員さんたちの対話のプロセスもよくご存知の方です。

このような政策へのプロセスが開催されたのは初めてのことではないのかと思います。日米での独立したシンク・タンクが、共同の政策への作業をはじめ、しかも超党派の国会議員さんたちとの議論の場を議員会館で設定した、という点です。このCSIS-HGPIの今回の事業は、大きな枠組みが出来る頃、ということで、次回は、7月14日にWashington DCで開催の予定です。

このような機会が、日本の新しい一歩のひとつになるとうれしいのですが、、。

世界のシンク・タンクのランキング: HGPIが2年続けてトップ10入り

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グローバル化が進むとともに、「世界ランキング」が何かと話題になります。世界Top 500企業、国のDGPや競争力、大学、富豪などなどです。

去年のことですが、なんと「シンク・タンク」のランキングもあるのに気が付きました。Pennsylvania大学の研究成果です。

そして、なんと2009年度には、私たちの「Health and Global Policy Institute (HGPI)」 2004年設立、2011年に「Health Policy Institute Japan日本医療政策機構」から改称)が、「Health Policy」分野で、Harvard大学、Johns Hopkins大学、RANDなどの世界に名だたる「政策研究機関」として認識されている著名どころと肩を並べて「Top 10」 入りしました資料1 p.42)。

今年はどうか、2009年は何かの間違いかも、とも思っていたのです。例年2月に開催する「Health Summit」を前に2010年度の評価が気にかかっていたのですが、2010年度も「Top 10」入りしました(資料1 p.34&35 )。自分たちで言うのも変ですが、すごいことと思います。

英米以外で,政府機関とはまったく独立して活動しているシンク・タンクは数少なく、私たちの活動を支援してくださっている方達、またここで活動している方達の皆さんに心から感謝しています。

 

G1サミットへ

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沖縄から帰って1日置いて小淵沢、八ヶ岳と甲斐駒を見上げる「星野リゾート・ リゾナーレ」 へ。堀 義人さんたちの開催する「G1 Summit」 へ。堀さんとは今までも何回も「ダボス会議」関係の会議で、インド、シンガポール、大連、天津などでもお会いしている、今年のダボスでも何度もお会いした。若手の志士だね。

寒いのが気にならない快晴。周りの風景は白。若手が中心だが、日本を動かしたい、、、エネルギーがあふれている感じがする。第1日目は東京で仕事があったの(11日の休日にもかかわらず)で、欠席したが、ありがたいことにtwitterでなんとなく一部ではあるものの雰囲気を感じ取ることが出来る。何しろ政治・経済では渡辺喜美、竹中平蔵、福山哲郎、世耕弘成など、ビジネスではタケダの長谷川さん、冨山和彦、三菱ケミカルの小林さん、ワタミの渡辺さん、グリーの田中さんなどだから。

2日目は昼過ぎに着いて、文部科学副大臣の鈴木寛さん、JAXA理事長の立川さん、iPSの山中さんと「科学技術政策」のパネルの司会。科学技術もすべては人材育成が大事と、基礎研究も、Big Scienceも、つまりはそこから将来の人材、新しい「芽」が出てこないと、と私は考えていますと、、。先輩の「さま」を見ながらどれだけの人が新しい「芽」となるのか、、。21世紀になって日本人ノーベル賞は10人と素晴らしい成果だが、3人は在米研究者なのだが、、。

最後は安倍元総理、桜井良子さんの「誇りある日本人として、、」という対談。夜は、サントリー白洲蒸留所 、ウイスキーの香りで酔ってくる気分。去年、TEDxTokyo に出た神田瀧夢資料1)さんの楽しい話。

翌日は、権丈善一さん、古川元久さん、山本雄士くんのパネル「強い社会保障と経済成長の両立は可能か」の司会。ちょっとタイトルから外れつつ進行で、ちょっとまずかったね、司会としては。あまりパネリストに話させてしまう(5分といっても、皆さん守らないし、、)のもまずかったね。

最後は、野中郁次郎さん、田坂宏志さん、松岡正剛さん、司会の堀 義人さんで格調高く、締めくくり。

なかなかよかったですね、堀さんとスタッフ、そして参加の皆さん、ご苦労様でした。

 

世界に開かれた研究大学院; 沖縄科学技術大学院大学

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写真はこちら(

何度か紹介 していますが、政府は沖縄に本当に世界にオープンな大学院大学を作り上げているのです。

主要な建物も立ち上がり始め、仮の設備にいた研究者の移動も去年から始まりました。今年は大学院大学になる認可の手続きが始まりますし、さらに優秀な研究者のリクルートが続きます。

このサイトを見れば進捗状況がわかると思いますが、中身は本当にグローバルです。とはいってもまだまだですし、いくつもの課題(International School、学生募集などなど)がありますが、はじめから世界に開かれた機関であることを目指していますので、期待したいです。

これが始まったときからの研究機構理事長はSyndey Brenner さん、大学の初代学長もJonathan Dorfan さん、理事もそうそうたる方達です。私もお手伝いできてうれしいです。

ACCJの昼食会の後は、沖縄へ向かい、OIST理事会に参加。いくつもの案件についてかなりの議論が出来ました。理事会の様子や写真などは、こちらです。

最初からこのように国際的に開かれた大学、大学院をつくることは大事です。今まであるものを変える議論はしても、実際にはなかなか進まないのです、出来ない理由を言う人たちが大勢いますから、、。他の大学でも同じことです、NATO (「No Action Talk Only」) ばかりです。日本の大学は世界の潮流資料1) にひどく遅れてしまっていますね、大学の「Ranking」などに文句を言っている暇があったら、実行することです。

若者たちも外へ出てみよう。皆さんも、若者たちの応援 資料1)よろしくお願いします。

「挫折の体験」と「イノベーション」

去年の秋ですが、新しく経済産業省の官房長に就任した上田隆之さんと「イノベーションクーリエ」誌(6号)対談しました。勿論、テーマはイノベーションです。

中見出しを見るだけでも結構に刺激的と思います。
・ イノベーションとはなにか
・ 需要サイドと供給サイドの最適点を見つけることがイノベーション
・ 需要側から創造する
・ 長期的な視点と、戦略的思考で推進
・ 途上国では、相手が払えるお金で作る
・ 日本でベンチャービジネスが育たないのはなぜか
・ 人材イノベーションこそが重要
・ 休学のすすめ
・ 挫折のストーリーが参考になる
・ CO2削減の評価システムを作る
・ ブランド戦略が大事になる
・ 感動的なイノベーション事業
・ グリーン技術の広がり

という構成です。私が従来から言っていることと、それほど違うわけではありませんが、、。上田さんとは意気投合して、盛り上がりました。なにか政策として実現し、成果がでてくるとうれしいのですが、、。一番のコアはやはり「出る杭」(資料1) をのばし、育てることです。後はすべて2次的なことです。

ところで、冨山和彦さんが「挫折力-一流になれる思考・行動術」 という本を上梓しました。まだ読んでいませんが、趣旨は同じところを見ているのでは、と思います。

「FaceBook」の映画「The Social Network」を見ましたか?やはり「人」と「出会い」です。

 

「変な外人」から日本人の行動について「10の質問」

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私の友人でもあり、この30年前から日本にも調査などでよく来ている自称「変な外人」、イノベーションの研究者としても知られ、世界中を調査、講演で飛び回わり、いくつもの大学でも教えています。

ダボスでもお会いしましたが、彼から「日本人の行動パターン」について「10の質問リスト」をもらいました。彼は日本ファンなのですが、私は「変な日本人」だそうです。

皆さんは、どう思いますか?皆さんはどんな返事をするでしょうか?

QUESTIONS / ISSUES
 (1)  “Why is it that most Japanese go to conferences and always stay and sit together in a corner and talk to each other, without including any foreigner into their conversation?
… there are no other country citizens behaving that way !!!
 
(2)  “Why is it that the Japanese participants never dare to raise a question or give some comments in a workshop or at the Q&A session in a conference”?
… other Asians from China, Singapore, Taiwan, India, etc. are very different in this regard !!!
 
(3)  “Why is it that many of my Japanese colleagues and friends have to take a vacation when participating in a conference or think-tank overseas”?
… the Western people consider this to be part of the business activities !!!
 
(4)  “Why is it that most Japanese go to international conferences without a specific objective and measurable results in mind”?
… Most other country participants have very clear targets to meet a certain number of suppliers, customers, etc., in order to end up with specific new business proposals !!!
 
(5)  “Why do most Japanese companies not like to see their employees writing and publishing industry articles or even books with other colleagues in their professional domain, even if they do it in their spare time over the weekend and the evenings”?
… in the Western world we consider this to benefit the company and the employee, as it demonstrates domain expertise vis-a-vis potential customers and peers in the industry !!!
 
(6)  “Why do Japanese speakers in international events and conferences only present or ask in Japanese (there are always a few exceptions to the rule)”?
… it is common practice the government officials may speak their own language at an event in their own country, but most of the time, Japanese also do so in international conferences overseas !!!
 
(7)  “Why do all the conference participants or students keep their hands down and lower their heads when the professor or speaker asks a question that everybody is able to answer”?
… there are always a number of Europeans who have good answers or questions, while many Americans will raise their hands even before the question ends, whether or not they have a full or only a partial answer !!!
 
(8)  “Why is it that most Japanese executives only see the differences, risks and threats but never look at the similarities or opportunities?”
… it always leaves a strong sense of pessimism and no optimism, hence, how can you advance personally or as a nation with such an attitude !!!
 
(9)  “Why is it that most Japanese people and senior executives are scared to call for serious changes in their organizations or even in the nation”?
… without constant changes, you cannot adapt to the ever rapidly changing world around us, hence, you are left behind !!!
 
(10)  “Why is it that Japan and its citizens will only be able to change or are willing to change when the country will either hit the wall, or will experience a total market crash, or is about to disintegrate completely”?
… a common answer by some of the highest ranked corporate officers, association or some government leaders, whom I spoke to during the “Japan Night” in Davos !!!
 

 

日本の現状は?

経済同友会主催の「日本再生のビジョン」というパネルに参加しました。同友会は1月に「2020年の日本創生  -若者が輝き、世界が期待する国へ」という報告書を発表したところです。

いつも忌憚のない意見を言われる桜井正光代表幹事(リコー)資料1)と元日本副総裁の岩田一政さん 資料1)の基調講演、この2人に加えて翁 百合さん と私が加わるパネル。司会は日経新聞編集局次長の実(ジツ) 哲也さん。

いろいろ議論は出ましたが、いずれ日経に出ますので、そのときに報告します。

その時のデータの1つ(下表)「各主要国と日本の地方の人口とGDP比較」を見て皆さんは何を考えるでしょうか?
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                   人口(万人)          名目GDP (兆円)
北海道/Denmark           550/557             18/37
 東北/Sweden             937/924              43/53
 関東/Spain            4,205/4,490         204/170
 中部/Australia         2,177/2,129           82/112
 近畿/                2,268                     81
 中国/Swiss               756/756             30/51
 四国/New Zealand               399/428            14/15
九州・沖縄/The Netherlands  1,456/1,659       49/92
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ダボスから-4

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今年もダボスは最終日を迎えましたが、いろいろ考えさせることがいくつもありました。

チュニジア、エジプトで急激な政変がおこり、ネット時代のパワーシフトです。WikiLeaksと同じ現象といえます。

一方では、世界経済の不透明さです。これについてはDavid Cameron が国のリーダーとして素晴らしいスピーチをしました。彼らの政府は、この困難なときに大胆な政策を次々と進めています、実に困難な仕事と思います。国内外に、いろいろ批判的意見はあると思いますが、大変なときにこそリーダーの本質が問われるのです。

オバマ大統領も、この時期にWashington DCで年頭の一般教書State of Unionの演説をしましたが、直後の支持率は55%であり、立派なものです。誰もが納得する政策などありません。長い歴史を知り、時代の流れを感じ取り、しかし、まったく新しいグロ?バル世界の変化に、するべきことをする知性と勇気、それを進めていく政策の明確なPriority、国民と世界への説得力ある語りかけ、この辺が世界で見られているところが、この世界なのです。

また、「WHAT IF: there is reunification on the Korean Peninsula? 」はとても考えさせられる議論でした。

今年の会議の最後「Inspired for a Lifetime」 ヴィデオサマリーも見れます。

しかし全体でいえば、日本のメデイアは存在していないかのようです。ダボス会議の報道は、HPの初めにもありますが、Huffington Postまで出ているのに。国内だけではなく、もっと世界にも発信するジャーナリスト、ジャーナリズムはあるのでしょうか? 世界第3位の経済大国ですけれど。また、何人かの記者さん(たいした数ではないですが、、)もおられましたが、国内の「記者クラブ」のような「しきたり」が時には出るようですね。もっとも、参加者からのtwitterが結構威力を発揮し始める兆しもありました。結構なことですね。

今回は、Zurich-Davosの往復は、ともに川口順子議員元外務大臣とご一緒させていただき、ラッキーでした。ありがとうございました。

31日に帰国すると、日本では、政治、経済等々、どんなものでしょうか。