12月9日、Nobel Museumに行きました。ストックホルム旧市街にある王宮の裏です。このミュージアムはノーベル賞100周年の2001年に出来ました。
当時、私は日本学術会議の副会長として、吉川弘之会長の下で国際関係も担当していたので、日本でのノーベル100周年関係の活動や、ミュージアムの海外展開などのお手伝いにも関わりました。初代館長はLindqvist博士でした。
2002年の春には、ノーベル賞100周年を記念して、日本学術会議が東大安田講堂で記念の講演会を開催しました。前々年(2000年)にノーベル賞を受賞の白川先生、2001年の野依先生、また利根川先生などのパネル、特にノーベル賞授与機関の方々をお招きしてのセッションは記憶に残っています。NHKで特別番組も作られました。
ミュージアムの海外展開の第1弾が東京になったのも、会長の吉川先生をはじめ、関係者の力が大きくありました。私にとっていい思い出です。
2001年には野依先生、2002年には小柴先生と田中さんが受賞されました。それ以降16人もの受賞者(南部さん、中村さんは米国籍)を出す、「異次元」的なノーベル賞お祝い続きの15年の始まりでした。
このミュージアムについては、ぜひウェブサイトなどを尋ねてください。大村先生、梶田さんのサインのある椅子、今年の受賞に関する展示、アート展示などもありました。ノーベル賞受賞式の週ですから、関係者をはじめとする多くの人で混んでいました。特に小学校の子供たちの団体なども印象に残りました。
私も、twitterでいくつか写真のを掲載しましたが(12月9日、10日のツイートをご覧ください)、カミオカンデ展示で「水と重水の重さの違い」を一目瞭然にした写真への反応が良かったです。
夜は、Nordic Museumでのレセプション。「いかにもノルウェイ」という感じに加えて、16世紀の建国の王といわれるグスタフ一世バサ王(King Gustav I Vasa)の巨大な像があります。その写真を撮って、即座に”いかにもノルウェイ...(Nobel reception at Nordic Museum. Awesome and NORDIC!!!)”(twitterの12月10日付から見ることができます)とツイートしてしまいました。
そのレセプションの時、なんとそのLindqvist博士とばったり。実は、二人にとって忘れられない思い出があったのです。
それは2004年、第1回のEU Science Open Forumで、ご招待を受けて”European science policy in a global context”というパネルに登壇しました。
その時のことですが、当時の大塚清一郎大使に昼食のお招きを受け、今回と同じThe Grand Hotelに行った時のことです。そこのレストランにLindqvist博士が、ご家族10人ほどとおられたのです。それは博士のお母様の80何歳かのお誕生日ということでした。そのことを聞いた大塚清一郎大使(1、2)(多芸で「歌う大使」の異名も、特にバグパイプはすごいらしい)は大きな声で、「では、皆さん!」と、スウェーデン語でお誕生日の歌を歌い始めたのです。皆さんもびっくり。でも皆さんが声を合わせ、盛り上がりました。この話を、Lindqvist博士が周りのご友人の皆さんにご披露して、この夜も盛り上がりました。「お母様はいかが?」とうかがうと、なんと「95歳です、元気です」と。
何気ないご縁と素敵な一日でした。