MIT Media Labの2人、Itoさんと石井さん

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MIT Media Labといえば、世界でもよく知られている研究センターです。1985年に発足、多くの日本企業が共同研究などに参加していたので、日本では特によく知られているのかもしれません。

最近、この所長にJoi Ito (伊藤穣一)くんが就任 したことは、明るいBig Newsです。先日、Joiと、もう一人、Media Lab副所長も勤める石井裕さんと一緒に夕食の機会を持ちました。石井さんは今年のTEDxTokyoにお招きして、素晴らしい熱いスピーチをしていただきました。

話題は色々でしたが、要は日本の若者をもっと世界と交流させたいということです。Joiは「3.11」以後、フクシマを中心にした放射能測定も積極的に実施しているので、この件についても意見交換。

今年のAERA、4月25日号で石井さんが「現代の肖像」で紹介され、また8月8日号でJoi Itoが「表紙の人」になり、「「世界の未来を作る場所」の未来」という記事が掲載されました。

Joiは10年来、世界のalpha-bloggerの一人、石井さんはtwitter (@ishii_mit)のとおり、いつも熱い2人です。

 

Doha, Qatarへ再び

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QatarのHamad Medical Corporation Academic Health System という構想を打ち上げ、そのお披露目にご招待を受けたのでDohaへ出かけてきました。

外は45℃程度、とても暑いし、またラマダンのさなかのことです。

せっかくの機会ですから、再びQatar財団 (資料1)へ。ここではCornell Medical College in Qatar Texas A&M University in Qatar 、またQatar Science Technology Parkも訪問してきました。

これらの大学は米国の本校と同じcurriculumで、教材も一緒、教員の同じ資格で採用しているので、卒業生は本校と同じ資格とみなされています。医学部卒業生の臨床研修でもmatchingでJohns Hopkins, Cleveland Clinicなどの有力な研修先を見ることができます。ほかにもQatar財団のサイトからわかるように、いくつもの大学と特別なプログラムの提携をしています。

最近では、BrookingsRANDなどの一流Think-TankもDohaに進出しています。

このような教育や研究の場は、設備も最新であり、きわめてオープンで国際的ですので、日本の研究者とのプログラムや学生や院生フェローの交流を進める機会を構築していくとよいと思います。

Hamad Medical Corporationも新しい病院群を次々と建築中ですし、また研究設備も整えつつあります。25年ほど前に出来た病院を拡張しながらの中でも活発な医療が行われています。救急、特に外傷は大きな部門で、交通事故、工事現場での外傷などが多いのです。

多くのスタッフもDoctorも海外からですが、皆さんバリバリと仕事をしています。

Academic Health Systemもなかなか意欲的なプログラムです。「Healthy Community」の構築と「Globalへの広がり」を強く意識したものです。

Tunisia以来、色々不安定要素のある中東ですが、Qatarはグーッと落ち着いています。もっと、交流してみませんか?

8月6日; ヒロシマ、フクシマ、そしてグローバルヘルスサマーコース

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 8月6日、ヒロシマの日です。

日本はヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ。例年、暑いヒロシマでの式典、菅総理の言葉は皆さんに、ヒロシマの方々に、フクシマの方々に、そして東北の被災者の方々にどのように響いたでしょうか?

日本はどんな国になっていくのか、なにか悪夢の中をこの5ヶ月が過ぎていったような気がします。フクシマの処理は目処も付きません。東北をどうするのか現場への対応も、計画も、国の役割もはっきりしません。もっぱらコップの中の争いと、旧体制の抵抗勢力とスキャンダル、経済産業省の人事もありました。なんと言うなさけない国家なのでしょうか、と愚痴をいいたくもなりますね。

世界中で、金融の大崩壊がまた起こるのかもしれませんね、不気味です。日本はどうしようとしているのでしょうか?

政治の体たらくを国民のせいにする人も多いと思いますが、この50年間の「知の鎖国」の抵抗勢力。大学、メデイア(テレビといえばタレントと食い物ばかり、というのが直感なのでは?)、大学の責任も重いと思います。経済成長ばかりに浮かれていて、この20年のグローバル化の世界に、ほとんど適応できなかった産業界などなど、このサイトでも繰り返し指摘している、そして最近でも自民党、公明党の機関紙に一部を書いた通りです。

さて、数日前に「Global Health人材育成講座「グローバルヘルスサマープログラム2011」資料1)について紹介しました。

6日(土)の午前はこの2週間コースの最終日。本郷にある東京大学の福武ホールの素敵な講堂で、4つのチームが世界の「ポリオ撲滅」へ向けての政策提案のプレゼンです。これが今年の課題でした。皆さん、ずいぶん考えた政策の提案、それぞれユニークで、採点はとても難しかったですね。4チームの成果を色々組み合わせると、何かよい企画になるかもしれません。

私はこの2日間、ひどい風邪で寝込んでいたので、ようやく朝になって間に合って参加できた感じでした。

でも、皆さん現場感を得ることや取材やら、がんばりましたね。「このような問題を自分自身で考えたこともなかったので、考え方も、視野もずいぶん広がりました」というような感想、意見を色々聞きました。

学生さんも、支援してくれた多くの方達も一緒にみんなでランチへ。次のキャリアは、ちょっと違った視点で考え始めている、という方もいました。将来を担う人たちとの交流はいつも楽しいものです。

20人ほどの学生さんたちは米国、フランスなどで学んでいる方、また、アフリカなどで現場の活動していた方もおり、とても熱心な方達の集まりで、ここでも、「世界的キャリア」を作ろうとしている人たちが多く、楽しい時間をすごしました。

私は帰宅早々、荷物をまとめて、成田へ。Qatarへ向かいます。Academic Health System Initiativeお披露目へ参加です。この暑いとき、しかもRamadanが始まっているのに、皆さん熱心ですね。

Qatarについてはまたご報告します。

 

浅田次郎の清朝末期の小説

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浅田次郎さんのファンは多いと思います。私も彼の作品は好きです、全部読んでいるわけではありませんが。

清朝末期の中国を描いた4部作、「蒼穹の昴」、「珍妃の井戸」、「中原の虹」、そして去年の「マンチュアン・リポート」の4部作シリーズは好きです。ぞれぞれの「ものがたり」の構成と分析と視点です。読み始めると、引きこまれてしまい、終わりまでついついやめられなくなるのです。

去年、浅田次郎さんの「蒼穹の昴」が日中合作でNHKシリーズとして放映されました。清朝末期、西太后と春児(チュンル)とその周りの人々を中心とした物語です。田中裕子さんが西太后を演じてとてもいい感じを出していたと思います。そのあと「珍妃の井戸」が出版されます。言うまでもないことですが、珍妃は「蒼穹の昴」にも出てきましたね。

数年前に北京に行ったとき、ちょっと時間があって紫禁城へ行きました。案内の方に「どう案内しましょうか?」といわれたので、「時間がないので「珍妃の井戸」へお願い」、といって直行、後はほとんどなにも見る時間がなかったことがありました。それぐらい浅田さんの話は面白いのですね、引き込まれてしまいます。「珍妃の井戸」へ行っての感想ですか?それは行ってみての感想をお聞きしたいものです。

そのシリーズ第3弾が「中原の虹」。流民の子の馬賊の長となる張作霖、中原で待ち受けるラストエンペラー溥儀、袁世凱、そこへ絡む西欧諸国、関東軍などをめぐるものがたりです。これもわくわくする話です。

去年の秋に出版されたのが「マンチュリアン・リポート」。関東軍による満鉄奉天駅近くでの張作霖爆殺事件へいたる素晴らしい構成と語り口です。

プロの作家の取材と書きぶりは、ほんとうにすばらしいです。

ところで、このような20世紀へ入る直前から20世紀前半の日本と近隣諸国、朝鮮半島、中国、満州との関係を色々書いたものは数多くありますが、人物のものがたりから見たこのような著作は「non-fiction」でもあるし、とても面白いので、私は好きですね。ほかにも、いくつもあるでしょうが「阿片王」の里見甫の話(佐野真一さん)、それらにも関係するのですが「満州裏史; 甘粕正彦と岸信介が背負ったもの」(太田尚樹さん)、また当時の「日朝関係」のものがたりも、人のいとなみ、歴史の出来かたなど、色々教えられるものが多いです。

このような「歴史小説」は、妙な愛国心などとは関係なく、その時代時代の人間の営みから見た、世界と国家の動き、それぞれの立場の人たちの生活などを多角的に双方の立場から考えるのに、とても役に立つことだと思います、特にグローバルに世界が広がっていく世界での対応を考える上では。

この4部作でも「語り部」を通した浅田さんの考えの一部が伺えます。例えば;
「(日本の)政府も軍も目先の利益にこだわって、大局を読むことができない、、」
「日本人はその国土の規模に応じた小さな考えしかできない、、」
「「満州は日本の生命線」(東方会議で)と口を滑らせた、「わが国の国益のために他国を侵略する」といったも同然で、、」
とかとか。

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」はよく知れられた言葉です。「長い歴史を学ばない人間たちは、単なるバカの集まりだ」と誰かが言いましたが、けだし名言です。

 

「ボーダーを越える」、「美しい履歴書」を描く若者たち

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若者は内向き、というよりは日本社会そのものが、従来から内向きであったことは、このカラムでも繰り返し指摘しているところです。

「3.11」以来、そのことが世界に広く知れ渡りました。世界の識者もよく知っていた、感じていたことですけどね。ただ、この内向き社会の脆弱さが「3.11」で露呈したのです。

先日ご紹介した「輝く、「なでしこ」たち」 でも言っているように、日本の将来にとって、若者の育成と女性の活躍の場を広げることは、日本にとっての本当に大事な課題です。

そこでも紹介した「国際女性ビジネス会議」の「ボーダーを越える」の対談の後、石倉洋子さんのお手伝いをさせてもらった「Global Agenda Seminar GAS」資料1)の「生徒さん」達主催の同窓会に参加しました。

皆さんの5人ほどが自分の企画とその進捗状況などを、がんばって英語で発表。なかなかよかったです。その後で、ずいぶん皆さん変わりましたね。かなりの人たちが、現在の職を変えることも含めて、自分たちのキャリアを真剣に考えているようでした。

この同窓会全体の最後の「まとめ」で、石倉さん自身が、この4月に慶応大学に移ってからの苦労と、そこからの新しいエネルギーと発想の展開と元気さには、皆さん圧倒されそうでした。やはり環境を変えると、とても苦労するとは思いますが、新しい展開と自分自身の可能性が開けてくることを実感します。私も日米での長いキャリアで同じところにいたのは最高でも8年でしたから、状況変化への対応の苦労と、乗り越えるプロセスとそのあとの得がたい体験が、どれだけ自分にとって大事だったのか、その広がりの大きさは経験した人でないと理解できない。

セッションが終わって、皆さんと2次会に。私もお付き合いしましたが、ほかにも転職を決めている人の話を聞きました。

翌週にはGlobal Health人材育成講座「グローバルヘルスサマープログラム2011」 で講演。20人ほどですがとても熱心な方達の集まりで、ここでも、「世界的課題へのキャリア」を作ろうとしている人たちが多く、とても楽しい時間をすごしました。

このような若者が一人でも多く世界を実体験し、現場での課題を感じ取り、困難に戸惑いながらチャレンジし、次へと選択肢を広げつつ、さらに成長していって欲しいのです。きっと、世界に通用する人たちになることでしょう。

若者たちがグローバル世界での将来の日本を描いていく。それは多くの若者が「美しい履歴書」を書いていくことです。

 

講演のご案内: Roos大使夫人と基調講演

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‘GOLD‘ というNGOがあります。この組織の趣旨は「An organization dedicated to developing global women leaders and building bridges across the Pacific」という壮大なものです。大学から渡米してキャリアを作ってきたMs Hiroko Tatebe さんが設立したものです。

その主要な活動の1つにAnnual Symposiumがあります。今年は10月28日に東京で開催されます。

「Turning Strategy into Action through 3Cs: Creativity, Collaboration and Connection」

「3Cs」とは「Creativity, Collaboration, Connection」ということです。

日時; 2011年10月28日(金): 09;00-17:00
場所: Tokyo American Club

内容の詳細はこのサイト (資料1)で見ることが出来ます。

駐日米国大使Roos夫人が「新しい戦力となる女性リーダーへのメッセージ」、そして私が「危機こそチャンス: ダイバーシティへの新たなチャレンジ」というタイトルで基調講演をさせていただくことになっています。

Roos大使夫人は米国でよく知られた労働関係法の弁護士で、女性の活動支援に熱心な方です。

ちょっと会費が、ということもあるかもしれませんが、皆さんにとっても何かと得ることの多い会合と思いますし、また1日の行事でレセプションもあります。

時間と懐具合との相談ですが、来ていただけるとうれしいです。

日本の将来、輝く「なでしこ」たち

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「3.11」以後、グロ-バル世界のなか日本のエスタブリッシュメント、つまり政府も、政治も、大企業も、科学者たちもなんとなく元気がないというか、存在感がないように思います。国を揺るがすような大事件にも右往左往しているという感じですね。問題に遭遇すると、「出来ない理由」がいくつか頭に浮かぶ人たちはだめですね。特に今回のような大問題ではなおさらのことです。

日本のメデイアをみているだけではわからないかもしれませんが、世界ではいくつも大きな変化が起こっています。戸惑う日本にとって、そこで起こったことが「なでしこ日本」の大快挙でした。

元気な「なでしこ」達にお会いする機会が、最近2つありました。

1つは、例年のことですが、L’Oreal日本主催の若手女性科学者への奨励賞 の表彰式です。私はL’Oreal-UNESCO女性科学者賞の委員でもありますし、この何年かこの表彰式にも出席しています。

いつものようなL’Orealらしいミルク色調の美しい会場設定。入り口にいつもより大勢のメデイア、カメラが集まっているので、さすがにL’Oreal、広報にも力を入れているなと、感じました。

L’Oreal日本支社長さん、UNESCO事務局長時代にL’Oreal女性科学者賞のUNESCO協力を始められた松浦さん他の多くの方達がご出席。4人の素晴らしい受賞者たち、また特別賞として東北大学Science Angelが表彰されました。この表彰式に黒木メイサさんをお呼びしていたのです、だからいつもよりはるかに多くのカメラが来ていたのですね。

もう1つは、e-Woman佐々木さんの主催している国際女性ビジネス会議 です。土曜日の朝8時に始まりました。ビジネスで活躍する石黒不二代さん、国際機関ILOで活躍する荒井由希子さんのお2人のすばらしい講演のあと、私は石倉洋子さんとの対談資料1)という形式の30分、とても楽しめました。その後のパネルセッション「日本の発信力」に石黒さんと参加、多くの元気一杯の女性達にお会いすることが出来ました。男性の参加者は全体の5%程度でしょうか、でも男性も楽しい方たち、ほとんどが「出る杭」ですが、にお会いしました。

日本の将来にとって、私は女性たち特に若手に大いに期待したいのです。「なでしこ」たちです。

この会議のblogの感想(123)もありました。

 

Washington DCで、CSISとの討論 -2

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CSISとの討論の2日間 (資料1)では、公開のパネルもありました。Michael Green日本部長、石川公使の挨拶に始まるセッションは約2時間。ちょっと長いですが、その様子はヴィデオでご覧になれます。

こうして「外から自分を」みると、英語は仕方ないとして(まだ練習すべきですが、、)議論の仕方がまだまだです。反省です。

CSISのような世界でもよく知られた「Think Tank」などとこのような関係を築けることは、私達のHealth and Global Policy Institute (HGPI) の皆さんの活動と支援してくださっている多くの関係者のおかげです。

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第2日が終了した夕食は、Project HopeのFred Garberさん、HGPIの乗竹くんと3人で(上の写真)、気持ちよいそよ風に吹かれながらのItalianでした。

これからもいっそうのご支援をお願いします。日本を世界の責任あるパートナーとするためにも。

 

なでしこジャパン奇跡の勝利、World Cup Championに、日本中沸き立つ

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沢選手、延長後半12分奇跡の同点ゴールのヴィデオ

16日土曜にWashington DCから帰国して、時差と戦いながら日曜をすごす。17日は英国でのThe Openをテレビで見る。北IrelandのDarren Clarkが優勝。20回目の出場での快挙には心温まるものがあった。日本からは池田選手が決勝ラウンドでがんばる。

この17日の夜中すぎの18日午前3時半から女子のWorld Cup、#1ランクの米国との決勝戦。ちょっと一眠りして、これを見なくては、と見始めたのだが、米国が前半「0:0」で圧倒的に攻めた点を取れなかったので心理的にイライラが募ったことでしょう。ちょっと精神的にも消耗したかも知れない。前半のボールキープ率は日本53%:US47%。身体的な差は明らかだが、日本の選手もがんばっている。

後半、やはり米国選手のMorganが素晴らしいシュートで1点をもぎ取る。日本も再々相手のゴールに迫るがなかなか点を取れない。後半後残り10分程度のところで、見事なゴール前の競り合いで同点ゴール。1:1で試合は延長戦へ。

延長前半で米国のエースWambachのヘッデイングで1点。これで勝ったと米国の皆が感じたかも知れない。後半15分の残り3分というところで、コーナーキックから、沢選手の奇跡的なoutside heelがドンとゴール。これで2-2の同点。3分後に試合終了。

PK勝負になった。精神的には日本が有利な状態。なぜか日本の選手は皆笑顔。米国の選手は最初の3人が失敗。1,3番目がゴールキーパー海堀の好守に阻まれる。日本の4人目で3:1の奇跡的勝利。

何たること、何たる大番狂わせ。でも両軍とも実によく奮闘しました。沢主将の引っ張る力、またゲーム中にどこにでもいることのすごさ。沢選手はMVP、最多ゴール賞を獲得。素晴らしい活躍でした。

全員参加の精神と、佐々木監督の優れた操縦術がよかったのでしょう。

すごいね、本当に素晴らしい戦いだった。なでしこJapanは私達に多くの感動を与えてくれた。本当にありがとう。

また色々な写真もここでも見られる

今日、帰国したなでしこは実に晴れやかだった。素晴らしい女性達。本当に尊敬する。東北の人たちにも大きな感動と希望をくれた。ありがとう。

 

 

本庄くんからのうれしいメール

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去年4月から、主体的にあまり変われない大学に業を煮やして、学生の主体的な選択として「休学のすすめ」 を説き始めました。このサイトで「休学のすすめ」をサーチすると、4月8日の「慶応義塾大学SFCキャンパス」での講演  以来、機会を捉えては学生さんたちを励まし (資料1)そのような主張を何回かポストしていることをご覧になれるでしょう。

休学している間も結構な金額を徴収する私立大学があることに対しても、学生さんたちを色々な機会に励まし、活動を勧め、一方でしばらく時間がたった今年の1月には、「休学のすすめ:海外出る若者 応援しよう 」という私の意見を出しました。

いくつかの私立大学ではこの休学の学生さんの負担を大幅に減額してくれました。大学当局に感謝です。ありがとう、もっとも、教育機関として当然のことですけど。

ところで、私の話を聞いて、4年生にもかかわらず「就活」を止めて、早速休学してガーナへ行った本庄くん資料1) から、以下のような嬉しいメールが来ました。

「黒川先生

ご無沙汰しております。休学してガーナへ行っていた慶應SFCの本庄です。

ガーナでしてきた様々な体験をもとに考え抜いた結果、就職することにしました。来年から、日産自動車で働きます。

日産は非常に多様性溢れる人材登用をしていて、女性や外国人の社員が中途で多く働いています。

グローバル社会で、自分の価値観にあった生き方をしていく上で大事な考え方を多く学べる環境だと思っています。

外に出て、日本にはない価値観とふれあう事で、自分の物差しを基準にして生きていく重要性を体で理解できました。

これも、「休学のすすめ」を聞いたおかげだと思います。

ちなみに今年の9月に卒業予定なので、来年の4月から働き出すまでの半年間を、ギャップイヤーとして有意義に使いたいと思います。」

このメールからも新しい自信が感じられます。ご両親もご心配をかけましたが、心から「おめでとう」を申し上げます。もっとも、私は怒られているのかもしれませんが。

こういう目覚めた若者を採用する「見る目」のある企業はいくつもあるのです。学生さんたちもあわてて就職活動しているばかりでなく、休学の可能性も考えて見ましょう、AIESECなどもあるし。

このように「当たり前の採用をしている企業」もあることを知りましょう。こういう企業が価値を持っていくでしょう、グローバル世界ではこれが普通のことなのですから。

企業の方々も、大学部3,4年生で「一括採用、内定」などはしない工夫をしましょう。まして「内定取り消し」 など、企業の評判を社会のみんなが見ていますよ。これは「CSR」の大事なポイントの一つです、ジワジワと評判に効いてきます。

若い人たち、自分の仕事の場所は日本に限っているのではないよ。まずは短くてもいいから、「外」へ出てみよう、「休学」を考えよう。