認知症について二つのセッション

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この2年ほど、認知症に少しばかりかかわっています1)。先日のポストでも、WHOで高齢社会の課題についての報告をしたばかりです。

その翌週のことですが、横浜で開催された恒例の「Bio Japan」でも、国立長寿医療研究センターの鳥羽総長と認知症をテーマに対談をいたしました。鳥羽さんは、私の大学の後輩で、先生の医学博士論文の審査では、私が委員長だったということでした -私は覚えていませんでしたが。なかなかの論客です。

パネルの司会は、日本医療政策機構を動かしている小野崎さん。快調にすすんだ90分のパネルで、300人ほどの参加者の方からの評判も良かったようです。参加者の何人かからメールもいただきました。

数日後、オランダ大使館に10人ほどでお招きを受けました。オランダ政府の厚生省副大臣 Martin van Rijn 氏の来日の機会に、認知症の話を20分ほどいたしました。6月にハーグの「認知症村:Hogewey」に行ったときにお会いしていましたので、再会ということです。40分ほどセミナーの後のディナーでは、いろいろな方との意見交換という形で、一日を終えることになりました。

これは、本当に大変な世界的課題です。

科学者の社会と世界、京都と神戸の会議

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例年のことですが、10月4日〜6日は京都で開催された、世界の科学者、科学政策の関係者などが集まる STS Forum(Science and Technology in Society Forum)に参加しました。今年も多くのすばらしいセッションがありました。

2日目の夜に、大村さんのノーベル賞受賞の発表がありました。

私は、2日目の「途上国の人材育成」のパネルに出ることになっていました。座長は、旧友であり、現在はマレーシアの首相科学顧問である Zakir さん1)。 パネルでは、私のいつもの主張ですが、若者の国境を越える交流の大事さを強調しました。これは、多くの共通の共感を得て、多くの参加者が引用してくれました。私の「多層に渡る国際交流」、つまりは「Brain Circulation」の私の資料も、みなさんに配布しました。

6日には京都から神戸へ。7日からの神戸にある WHO Center での「Global Forum: Innovation for Ageing Populations」 に参加。主催の Alex Ross 氏の Japan Times への寄稿 もあります。私は2日目の「High-Level Policymaker Panel」の司会です。日米欧中と米シンクタンクというパネリスト構成で、短い時間でそれぞれに意見を出していただき、さらに会場からもいくつかQ&Aを。時間内に進めるのは至難のことでしたが、何とか「仕切る」ことができました。

ここでは、最近の WHO 、米、欧 WEF などからの報告書の配布もありました。

私の好きな IDEO からの参加があるのは時代の流れでしょうか。Gretchen Addi さんの参加するパネルでは、初対面での立ち話ですが、「The Powerful Now」とか、ホワイトハウスでの会議など、その取り組みが楽しみです。

今年のノーベル賞

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今年もお二人の日本人がノーベル賞を受賞しました。うれしいことです。

大村先生のご業績については、私も先生のことを良く知っており、とてもうれしく思いました。共同受賞のCampbellさん、さらに中国のマラリア特効薬の同定での受賞も、タイムリーで、いい選択です。この三人の受賞は、世界的な大問題への大きな貢献ということでしょう。

ノーベル賞発表の夜、私は京都にいたのですが、電話でインタビューを受けました。一つは朝日新聞で、山中伸弥さん、福岡伸一さんとの鼎談でした1)。

もう一つは、共同通信の取材で、京都新聞にも掲載されたので、両方とも翌日の朝刊で見ることができました。

ノーベル賞発表の夜、大村先生に何度かお電話を試みましたが、もちろん「お話中」。翌日、お昼ごろ電話が通じて、短い時間でしたが、お祝いと、ちょっと楽しい会話を持つことができました。

夜には、今度は梶田先生。ニュートリノです。すばらしいですね。これは梶田先生もおっしゃるように、恩師の小柴先生、さらに戸塚先生との研究ですが、本当に残念なことに戸塚先生は早くお亡くなりなりました。 戸塚先生は、本当にすばらしい方で、十数年も前のことですが、私も一度、ワシントンに一緒に講演に行ったことがあります。

とにかくうれしい受賞でした。 私のノーベル賞に対するコメントも、このサイトで「サーチ」してください。最近ではこちらの記事で紹介している「応用物理の巻頭言」などがあります。失礼な部分もあるかもしれませんが、気を悪くしないでくださいね。

私は、若者たちへのメッセージを送っているつもりですので。

米国内科学会の日本支部の由来と、私たちの思い

世界最大の内科学会である米国内科学会-American College of Physicians(ACP)-1)については、このブログでも何度か紹介しています。「ACP」でサイト内検索してみてください。

この日本支部-Japan Chapter-は、2003年に設立され、この学会の100年の歴史の中で、初めてアメリカ大陸の外にできた支部なのです。この日本支部の設立などについて、歴代の支部長である、わたし、小林さん、上野さんの三人の鼎談が、若手の医師向けの新聞、「週刊医学界新聞」に掲載されました。

グローバル化がすすむ中で、日本の内科医師の育成についての私たちの思いを受け取っていただけるとうれしいです。

ACP会員に興味のある内科医、研修医、医学生はACP日本支部のサイト「ACP入会方法」をご覧ください。お待ちしています。

「アラブからのメッセージ」

DSCF8711ハムダさん

「アラブからのメッセージ ─東日本大震災後の日本へUAEが届けた求愛─」を著したハムダなおこさん。メルマガもあります。

今回この本が、潮(ウシオ)出版社の「潮アジア・太平洋ノンフィクション賞」1)を受賞されました。ハムダさんは、2年前にも「アラブからこんにちは」という著書を出版しています。

この潮出版の授賞式が開催され、わたしもお招きを受けて出席してきました。ハムダさんとは、ご長男が日本の大学に留学していて、いよいよ来年は卒業なのですが、そのご縁で、ご相談なども引き受けていて、この何年かの付き合いがあるのです。ご長女、ご次男は、二人ともわたしが理事を務めているアブダビのカリファ大学で勉強していて、去年の卒業式でもお会いしているのです。

また、ご自分でアブダビに「日本文化センター」を設立しておられ、日本の広報、紹介もしておられます。ありがたいことです。

今回の授賞式では、彼女のご主人と、日本におられるご両親にもお会いすることができました。本当に優しそうなご主人。このような方たちの活動が、「民間外交」でも大事なことですし、本当の相互理解、外交の基本になるのです。