3年を迎えた3月11日

→Engish

このところご無沙汰ばかりですが、申し訳ありません。

今日は書かないといけないですね。多くの人々がとんでもない被害を受け、受け続けている3年前の「3.11」東北大震災と福島原子力発電所の大事故。そしてこの大事故をきかっけに、日本の憲政史上初の国会による「独立した福島原発事故調査委員会」が始まり、報告書が国会の両院議長に提出されて1年8ヵ月が経過しました。私はこの「国会事故調」の委員長でした。

その間にも国内外で大きな変化が起こっています。シリア、ウクライナなどなど、急変する世界の状況です。日本の状況は、あれだけのことが起こっても、基本的にはほとんど何も変わらない「政産官」の状況と世界では思われている「フシ」があります。アベノミックスは例外的ですが。

昨日の10日は午後からプレスセンターで、報道関係の方が多いのですが、事故当時の米国原子力規制委員会委員長だったG. Jaczkoさん、政府の事故調の畑村委員長、いわゆる「民間事故調」の北沢委員長、そして私の4人が参加して2時間ほどの討論会でした。この様子はYouTubeでも見ることができます(日英語が音声の右左で選べます)。

私は、まず6分程度と時間もないので、初めに「わかりやすい国会事故調」の「国会事故調ってなに?」をお見せして、国会の事故調と他の事故調やその他の数多くの報告書、出版物との違いを理解してもらおうとしました。さらにアカウンタビリティーの意味などを説明しました。細部よりは、「大きな民主国家統治の枠組み、変わる世界と日本」を知ってもらいたいと思って討論に参加しました。いろいろな議論がありましたが、皆さんのご意見はいかがでしょうか。

私は、社会的により権限ある人たちの責任感と覚悟を問いかけ、さらに、皆さん一人ひとりが、この事故から何を学び、何を感じとり、何をするのかを問いかけようと考えました。さらに、お集まりの方は主にメディア関係者ですから、その方たちは何を考え、どう行動しているのかを問いかけようと考えたのです。

また、South China Morning Post にインタビュー記事も掲載されました。
1)http://www.scmp.com/news/asia/article/1443158/japanese-investigator-says-lessons-fukushima-disaster-ignored

ここには、「わかりやすい国会事故調」のビデオも紹介されていますね。うれしいことです。

2)Safecastについても私のコメントが入っています。

福島原発の事故とその日本の対応を世界はウォッチしています。何しろ世界には440基ほどの原子力発電所があり、また70基ほどが建設中なのですから。

情報がどこにでも広がるグローバル世界では、国家も、政府も、企業も、メディアも、大学も、透明性は信頼の基本です。失われた信頼を回復するのは容易なことではないのです。