自分の「こころの声」を感じとった熱い若者たちの会合

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最近の就職難、若者たちの将来はとても暗いようにも思えます。これを積極的に支援している大人たち、企業家も少しはいます。たとえば新卒をいろいろ支援するパソナの「フレッシュキャリアコース」(資料1)です。すばらしいことで、私も応援団の一人として参加しています。

一方で自分の目標を実体験を通して見つけ、そこへ向かっての道を探し苦労しながらまっしぐらに進んでいく若者たちが増えてきています。私もこのサイトでいくつも紹介していますが資料1)支援しています。

2日前にはHuman Rights Watch の土井香苗さん、Joe’s Labの城 繁幸さん  、最近出来たばかりでとても苦労している「Learning For All」(Teach For America―2年前にここでも紹介しましたがーの日本版を作る移行期です)の松田悠介さんと深沢厚太さん 、そして今月からWashington DCで世界銀行勤務を始めるSoket金平直人さん  とその仲間(D-Lab Japanの新井さん )などが大雨の中、集まってお互い「自分のものがたり」、そして「つながる」、「ヨコへ広がる」機会を作りました。これから、いろいろな活動が広がるでしょう。

このサイトで何度も紹介しているBangladeshで活躍する早稲田の学生、税所くんと三好くん資料1)とその仲間たち、また「休学のすすめ」に反応して4年生なのに就職活動を中断してもMoscowへいっている、また来週ガーナへ出かける学生さんたちなど、若者たちは「自分の実体験」で自分の「こころの声」に目覚め、燃えてくるのだと思います。

すぐに「出来ない理由」を口にする多くの大人たちより、よっぽどことの本質を嗅ぎ取っている、感じ取っていると思います。

大人たちは、このような若者を支援することはあっても、決して邪魔をしてはいけないのです。世界はドンドン変わっているのです。若者たちの将来こそが、人材育成、そして日本の将来にとっても一番大事なことです。

 

Hayman島、ADC Leadership Retreat -2

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写真はこちら。

Hayman島の第2日は快晴。室内にいるのがもったいない。

でもプログラムが満載。私は朝一番の「Kailis Oration」(Session 6)(プログラム参照)が出番。再びNik Gowingの司会で進む。Bjorn Stigson の問題提起に始まるexcitingなセッション、これが今回の写真に私の出ているパネルです(後姿のNick Sternと私とBjorn Stigsonの写真も2枚ある)。

東京で先日お会いしたばかりのClyde Prestowitz さんも今日からいろいろな議論に参加しています。

ランチセッションは素敵な緑にかこまれてパネル(session 9.5)に参加。なぜか議論はAustraliaの課題に集中。私の仲間のWilliam Saitoも一緒。Chris Selthによれば、ここにはVCの対象が少ないんだよね、とずいぶん批判的でした、何しろ豊かな資源でもっぱら成長していたのだから、、、とね。Richard Wilkinson (public_health) の講演(session 11のすぐあと)、こういうタイプの人が出てくるところが英国の学問社会の深さのいいところと感じます。

もうひとつは「Cybersecurity」(session 12.2)、Nik Gowingの司会。これはWilliam Saitoが良かったですね。

第3日、29日はsession 16.3のStephan Bungay、session 17.3「Education future」の第1報でも紹介したKaplanのBror Saxberg (こういう人が相当な数いるところが米国のすごさと感じます)、また旧友のJeff Westのsession 20.3はとてもすばらしく、それぞれがとても深く考えさせられ、感動的でした。

ほかにもいくつも出たいsessionがありましたが、プログラムを見ればわかる様に、これはかなか難しいことでした。

午後には、私にとって最後の出番はWilliam Saitoと「Japan- Perspectives on Change」(session 19.3)。ご当地のAustraliaでは国政選挙の直後、思いがけない結果で、この会議で大騒ぎしているのに、「日本?この4年で5人の首相、6人目かも?」では締まらないですね。いろいろわかりやすい比喩を入れながら話したので、「議論に納得でき、理解しやすくてよかった」、と何人かの方たちから言われました。本質を突いた議論を進めなければ、確かに日本は理解されにくいでしょうね。

最後の締めは主催のMichael Rouxの感動的な挨拶がありました。

最後の夜は素敵なdinner receptionでした。

違う見方、新しい考え方、本当にすばらしい方達と、ちょうど良いサイズの集まりで、Davos会議などより、ずっと親密な時間を共有できた、充実感のもてた3日でした。多くの旧友たち、新しい知り合いも出来たし、この「カラム1、2」で紹介した方達のほかにもIndonesiaのGita Wirjawan 資料1)などなど、多くの「すごい」方達を知ることが出来ました。皆さんに教えてもらうことがとても多いです。今回、私ははじめから目立つ場所に出番がいくつもあったので、新しい方達には結構知ってもらえたし、、。招いてくれたRouxさんに感謝です。

2010年10月

朝日新聞GLOBE トークライブ
日時: 10月17日(日)14:00-
場所: 東京国際フォーラム ホールC
        東京都千代田区丸の内3-5-1
お申し込み: いずれも9月21日まで
①http://pia.jp/v/globe2010/
②朝日新聞GLOBEのHPの右側のバナー「GLOBE LIVE 2010」からお申し込み下さい。
連絡先: 0570-00-3337(10:00-17:00)

「GLOBE トークライブ」のご案内

朝日新聞GLOBEはとてもしゃれた、パンチの効いた、世界を見渡す、私も好きな特徴ある企画です。毎月2回8ページで組んでいますし、すべてがOn-lineで読めることも好きな理由です。

私も意見 (資料1)、コメント資料1)を書かせていただいたりしています。

創設2周年を迎えて「GLOBEトークライブ」が、10月17日(日)午後2時から、東京国際フォーラムで開催されます。私もお招きを受けて登壇しますが、ほかの登壇者リストがユニークです。とても楽しみです。歌も演奏もあるようです。ぜひ、お出かけください。

プログラムと参加の申し込みは、「朝日新聞GLOBE」の右にあるバナーからもここ「ピア」に到着します。

The Economist、皮肉屋だけど本当のことを書く: ‘Food for Zombies’、 ‘The civil service serves itself’

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世界の経済関係者に最も読まれている週刊誌の1、2位を争うのがThe Economistでしょう。自分の国の英国の問題に遠慮もせず物を言う、皮肉もいっぱいに遠慮しない、国民に、世界に報道する、知ってもらう。これがジャーナリズムの基本的役割だし、信頼の一番の基本です。さすがに、文章も、タイトルも、図表も「ユニーク、クール」なのです。

これがThe Economist、Financial Timesが広い世界で評価 され、読まれている理由と思います。プロの仕事です。

ここが日本のジャーナリズムとの大きな違いがあると思います。「記者クラブ」とか、基本的に体制側なので、世界人口の2%弱の日本人だけに発信しているのです。これでは「グローバル時代」のジャーナリズムなど生まれようもありません。きっと、そんな気概もないのでしょうね。

最近のThe Economistの記事を紹介しましたが、その中に注目すべき皮肉 (1)、さらに「On-line」版でもう一つ (2)。

全文は読んでいただくとして:
(1) では、中見出しが、なんと 「Food for zombies」(日本語訳はこちら)。政府はだめ企業をいつまでもサポートする、新しい企業が出てきにくい、だめ企業はもちろん「zombies」になるだけ。本当ですね。
(2) では、タイトルが「The civil service serves itself」では日本の官僚の「天下り」(Descent from Heaven) の無責任さの実態を書く。

世界に知られる日本の実態。 国家の信用はいかに。

政治は党内のいざこざのみの様相。 4年間で5人目の総理という トンデモ国家で、6人目の総理となるのか?

「政官産」、そして「学」など、国の「知」のエリート (Ref.1) たちはどうなっているのだ?

どっちにしても国民などはどうでもいいと思っているのか。

いよいよ日本はピンチへ向かう ?

 

Hayman島、ADC Leadership Retreat -1

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写真はこちら(クリックしてください。)

27日の朝から2つの会議をこなして、帰宅。旅行の荷物をつめて、夕方に成田へ。この件で、Sandel教授の講演に参加できなかったのです。

成田を夜9時過ぎに出発、約9時間の飛行時間でBrisbane空港へ朝7時に到着。ビジネスクラスでもあまりゆったりもしていないし、席はフラットにもならないし、ほとんど眠れませんでした。ここで4時間ほど時間待ち、JQ (JetStar)で約1時間40分でHamiltonへ到着。ここからいよいよHayman島へ cruiserに乗り換える。この数年お招きを受けていたのですが日程の都合がつかず、はじめて「ADC ForumRetreat」に来ました。

船の中は皆さん、同じ会議へ向かう方達ばかり。快適なスペース、順調に静かな海をすべるように進む、回りは島々を近くに見ながらすべる素敵な空間。鯨が見えた、ここは鯨がよく通る道なのだとか。あまり天気は良くないがそんなに寒いわけでもない。たぶん20゜C程度だろうか、曇っていて、いつでも雨が降ってきそう。

シャンパンなどいただき、皆さんと話をしているうちに1時間でHayman島に到着。早速ホテルにチェックイン、4時に部屋へ移る。荷物がなかなか届かない。

もたもたしているうちに4時45分から「ADC Forum」(資料1)の開始です。私は最初の「Opening Plenary: Australia ?Big questions and new unknowns」のパネルに出るので、ジーンズのままで会場へ(さすがに皆カジュアルで、ネクタイしている人はいませんでした。ちょっと安心)。

6日前の選挙で自由党(Abbottさん)も労働党(Gillardさん、女性)も1票差程度で半数とれず、少数党との協力を取り付けに入るところ。こんなこと(Hung Parliamentといいます、「ねじれ国会」でしょうか) はこの国でははじめのこととか。「2大政党の時代」は終わりなのかも、という議論がでます。ことしの英国の総選挙もそうでしたね。グローバル時代の多様、多彩な価値観を表しているのかもしれません。

このOpening PanelはBBCの名アンカーマンNik Gowing が司会。前半Part-1は今回の選挙についての「ABC Online」の政治主筆Ms Annabel Crabbの15分ほどの意見のあと、3人のPanelistで元気な議論。

後半part2は「Lord Nicholas Stern」のClimate Changeと経済成長への課題についてChris Freemanの産業革命以来の50-60年の技術革新、社会の変革と経済成長のサイクルにも触れながら20分ほどのスピーチ。そのあと、Dr Raghida Dergham、Kaplan社 Chief Learning OfficerのBror SaxburgHarvard大学のDr Daniel Shapiro, そして私というパネル。

「Part 1, 2」ともすごく面白い議論が出来ました。

Australiaの今回の国政選挙もさることながら、何しろ、日本では小泉総理が止めてから、4年で5人の総理が出たわけですし、1週間前には民主党から小沢さんが総裁選挙に出馬とすると。もしかしたら、4年で6人の総理、6つの内閣。ご当地では今回の選挙結果で政治的に大きな課題だ、と大きく問題視しているのに、わが国日本はのんきというか。とにかく国の政治の「リーダーたち」の「コップの中」的発想と行動は耐え難い。やれやれ。大体、どの政治家からも「国のビジョンとそれへの戦略的政策課題」なんて聴いたことがない。

夕食はStern氏と隣になり、ずいぶん密に議論が出来たのが大収穫。彼はこの2年で2度、東京で会える機会を逃したし。そんなことも話題にすばらしい一日でした。

食事のあと10時から最後のセッション「Science, Public Policy and the Elusive Common Ground」にAustralia政府の「Chief Scientist for Australia」のProf Penny Sackett と2人、CSIROのCEO、Dr Megan Clark の司会で1時間。

なかなか充実した1日でした。