大学のグローバル度、The World’s Most Global Universitiesでは?

Newsweek International edition (August 21/26, 2006)で「Global Universities」の特集が組まれ、日本語版が9月27日号として発売されました。International Editionの取材を受けたのですが、私のコメントは掲載されないことになりました。理由はわかりますか?

日本では早稲田の国際部(25%が外人の学生。とはいっても、早稲田大学の全体としては別扱いですから、私にいわせればむしろ「差別」でしょうか)や、秋田国際大学もありますが、まだ小さくてこの特集の題材にもなりません。去年のNewsweek日本語版(10月19日号)でも「大学の国際村化」という特集がありましたが、ここでも日本の大学では、大分の「Asia Pacific University」が取り上げられているだけです。(HP内検索で「アジア太平洋大学」、「Cassim」等のキーワードで検索してみてください。)

つまり、日本には「Global Universities」というテーマで取り上げるような大学がないということなのです。私が取材で話したコメントは、日本の大学には「Global Universities」なんて存在しないという認識に立っていたため、特集の趣旨に合わないとのことで入れられなかったということです。国際版の編集部では(日本支局ではありません)、もっとこの特集のようなトレンドや動きは日本でも当然あると思っていたらしいのですが、実は“鎖国”だということを理解したのでしょう。

この特集は33ページからなりますが、日本についてはその中で2、3箇所。全部で6~8行程度だと思います。

毎日新聞の元村さんの記事で取り上げられたこともそうですが、私の主張は外務省の「30人委員会報告」(委員として参加していました)等にも反映され、政府からも発信され始めています。「大学の大相撲化」、「Science as a Foreign Policy」などのキーワードで主張しているものですが、少しずつですが、広く理解され始めたように思います。後は当事者たちに実行させるための、国内外の圧力が必要ですかね。

ところで、このNewsweekの特集では、ランキングに日本の大学がいくつか入っています。東大16位、京大29位、阪大57位、東北大68位、名古屋大94位です。このランキングに使った指標をよく見ればわかりますが、論文引用回数の多い研究者数、Nature、Scienceの掲載論文数、とかそんな指標によるランキングです。なので、当然この程度には出てくるでしょう。しかし、これらの大学についても本文中には何のコメントもされていないところに注目すべきです。世界で見ている大学の「グローバル度」とは、何かということの認識が違う、ということでしょうね。

どう思いますか?