8月23日・24日にUNESCOと国連大学の共催で「グローバリゼーションと科学技術」というタイトルの国際会議が横浜で開催されました。 1日目の23日はUNESCOの戦略局長のd’Orville氏とパネルの司会をさせていただきました。UNESCO事務局長の松浦さん、タイのSirindhorn王女の講演等、充実した内容でした。(会議のプログラム、講演資料等はhttp://www.unu.edu/globalization/で見ることができます。)
翌日24日はイランのKhatami前大統領を迎えイラン大使館で夕食をし、翌日は国連大学と日本学術会議が共同で主催しているウタント講演会で開会の挨拶をしました。
この講演は元国連事務局長のUThant氏を記念した講演会で、毎年2~3回開催し、国家元首やノーベル賞受賞者クラスの方が講演をされます。
Khatami氏の講演のタイトルは「Dialogues Among Civilizations」というもので、大変格調の高いものでした。私ははじめの挨拶で、人間には一人ひとりに、年長-年下、男-女、夫-妻、父-息子、先生-生徒、部下-上司などといった複数の「Identity」があり、みんなが同じであるはずのないこと、そしてこの「Identity」が時に暴力の元になること、特に宗教の違いが暴力の元になりがちで、多数が少数意見を無視したり、意見の違いを認めないことが間違いを起すこと、「Identity」の多様性や違いがあるからこそ楽しく面白いのであるから、人間同士が理解しあえるために対話が必要なのだと言うことを話しました。(宗教の違いが民族の違いということに結びつく。これは最近購入したAmartya Sen氏の「Idendity and Violence」という本の趣旨でもありました。)
講演のあとで、Khatami氏が私の話を評価してくださり、この話の趣旨をこれからもっと伝えていきたいと話されていました。京都での宗教者会議に出席したあと、Tehranに戻り、3日後にはアメリカへ行くそうです。イランは微妙な国際政治の真っ只中にあるのです。