学(アカデミア)と政府間の政策協議のありかた、その1

今、ワシントンの米国National Academyに来ています。

米国ではNew York Cityでの「9.11事件」の後、国家安全省を設立し、国際的な枠組みで科学技術と国家安全対策についての協議を始めました。当然のことですね。日本と米国の間でも、平成15年2月から政府間協議が行われています。

ここで、学術会議とNational Academy of Sciences(NAS)は、政府とは別で独立するものの、政府間協議とはパラレルに討議を行うことにしました。政府間の政策協議に独立した科学者コミュニティーが提言をしようというこのようなプロセスは、日本では初めてのことだと思います。米国では早速国務省が財政的支援をすることになり、去年2月にはつくばで「The Future of Sensors and Sensor Systems」というワークショップを開催しました。このワークショップの内容はNational Academyのサイトで見ることが出来ます。

また、昨年の7/10に書いた「G8サミットのこと」でも報告したように、英国のブレア首相が主催したG8サミットでも、G8の学術会議が「気候変動に対する世界的対応」「アフリカ開発のための科学技術」を提出し、G8宣言コミュニケにも取り入れられました。

このように、政府間の政策にも科学者が独立した形で参加することが大事だということを、もっと広く知ってほしいと思います。

国民の求める医療政策を

日本には独立した政策提言機構、つまり「シンクタンク」がないとよく言われます。本当にその通りです。去年の7月に私達が立ち上げたNPO日本医療政策機構とその活動についてお知らせしましたが、2月18日(土)に、シンポジウム「日本の決断-国民が真に求める医療政策とは」を開催することになりました。

政策の立案及び提言に関わる諸団体のトップリーダーが一堂に会し、現行の日本の医療政策についてディスカッションを行います。安倍官房長官もこられる予定です。詳細は上記のサイトにも紹介しておりますので、是非ご覧ください。

今回はシンポジウムにあわせて、「国民が真に求める医療政策とは何か」というテーマで、事前に世論調査も実施します。この世論調査の結果も踏まえて、今後の医療政策の方向性を提示したいと思います。

その他の医療政策に関する活動についてもお知らせしていますので、時々日本医療政策機構のサイトを訪ねてください。

 

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

去年は、ブログの更新頻度が少なくて申し訳ありませんでした。年の初めのダボス会議、その後のオランダでの会議等でネットワーク環境が悪かったのが痛かったです。今年はもう少し励みますので、よろしくおねがいします。

今日はサンフランシスコに来ています。2日間滞在してワシントンに行きます。去年は学術関係、UNESCO、G8サミット、WHOなどの会議への参加が多く、結局1年のうち90日が海外でした。今年も結構忙しくなりそうですが、それなりにがんばります。

医療制度改革、教育改革、科学技術政策、また新しくなった学術会議等々、国内でも忙しくしていますが、このブログをとおして、皆さんと意見交換ができるといいなと思います。皆さんのご意見、メッセージお待ちしています。

2005年12月

立命館アジア太平洋大学特別講演
日程: 2005年12月2日(金)
会場: 立命館アジア太平洋大学
演題: 「Challenges and Opportunities of Asia-Pacific」

第3回 日本糖鎖科学コンソーシアムシンポジウム
日程: 2005年12月6日(火)
会場: 東京コンファレンスセンター
演題: 「科学者コミュ二ティの社会的責任」("Social Responsibility of Scientific Community")

2004年インド洋巨大地震・津波国際会議
日程: 2005年12月16日(金)
会場: 全共連ビル

第12回 ユネスコ国際生命倫理委員会
日程: 2005年12月17日(土)
会場: 上智大学

言論NPOフォーラム 「日本の医療政策をどう再設計するか」
日程: 2005年12月19日(月)
会場: 日本財団ビル

生命科学と科学技術

株式会社三菱ケミカルホールデイングスと三菱化学株式会社より発行された「Life Sciences」に、生命科学と科学技術に関するインタビューが掲載されました。

三菱化学のサイトからファイル「第2章:生命科学と科学技術」を選択して、PDFをダウンロードしてください。

医療政策の課題

医療政策はどこの国でもおおきな問題になっていますね。

日本も例外ではありません。医療技術の進歩、新しい薬、生命科学の進歩等もありますが、さらに、生活習慣病を中心とした性疾患と高齢社会を迎えての高齢者に起こりやすい疾患への対策等、従来の医療制度とは基本的に相容れない変化があるのです。今政府では医療制度改革をめぐる議論が盛んですが、この根本的な社会変化を考えたしっかりとしたビジョンがないので、制度改革に対し国民は不安を感じるのです。今年の6月にGates Foundation等が中心となってシアトルで開催されたPacific Health Summitでも、いいことばかりが議論されがちでしたが、この辺を踏まえた意見を述べてきました。世界的規模で見たときの豊かな国の社会的責任も考えなければならないという視点です。

Pacific Health Summitのレポートの11ページに私のコメントが出ています。

“Kurokawa urged the audience to not just think of health care efficiency as something that "can let you live until 90 instead of 80." He argued instead that rich countries should radically refocus priorities on the relatively simple and efficient solutions that could save millions of lives in the developing world, …”

最後のまとめにあるように、Princeton大学のMay Cheng氏、GE HealthcareのWilliam Clarke氏等の意見も同じだと思います。これは今年の国連でのMillennium Developing Goalsでも示されている理念ですから、皆さんもよく考えてみてください。

2005年11月

Tuesday Evening Seminar (closed seminar)
日程: 2005年11月1日(火)
会場: 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 筑波宇宙センター
演題: 科学技術政策における21世紀の日本の課題

WHO神戸センター設立10周年記念 都市と健康シンポジウム
-都市における健康の社会的決定要因について-
日程: 2005年11月17日(木)
会場: 国際健康開発(I.H.D)センタービル
演題: 「The Mission of the WHO Commission on Social Determinants of Health」