AYDPO 2015 の記事

8月5日~23日にかけて、沖縄でAYDPO 2015(Asian Youth Development Program 2015:アジアユース人材育成プログラム)が開催されました。

2008年から2009年2011年2012年2013年)私も参加をしていますが、今年も、8月22日のプログラムで「世界の行方:あなたたちの選択」というタイトルで講義を行いました。その講義の様子など、8月26日の琉球新報に記事が掲載されましたので、ご紹介します。

琉球新聞(2015年8月26日)

AYDPO Official Facebook

 


トロントからの取材

この一年余り、2013年の英国によるG8認知症サミット以来、高齢化社会の大問題のひとつ、認知症問題123)にかかわってきました。英国政府の World Dementia Council (WDC) の委員の一人なのです。ですから、わたしは認知症の専門家ではありませんが、それなりの取材を受けることがあります。

トロントスターというカナダの有力紙のジェニファー・ヤン記者から取材依頼のメールがきました。何人かの取材対象として適切な方たちを紹介しながら、わたしも取材を受けました。彼女にとって認知症の取材のひとつです。わたしの場合は、6月のハーグでの認知症会議に随行してくれた、厚生労働省の新美医師もお呼びしました。

医療関係者、研究者などは言うまでもないのですが、去年の11月に日本で開催された世界認知症サミットでも話しをされた、ご自身が認知症という朝日新聞の山本朋史さんも取材するよう紹介しました。山本さんは、認知症についての週刊朝日のシリーズや、ご自分でも認知症に関する著書を著しています。

週刊朝日の8月7日号、山本さんの「ボケてたまるか」を見ると、なんとわたしからの紹介でヤンさんからもらったメールの話で記事がはじまっているではありませんか。

「カナダの新聞社からの取材、女性記者の質問にたじろぐ」

カナダの新聞社の女性記者から取材依頼のメールが届いた。認知症早期治療のことを聞きたいとのことだった。その数日後には台湾から『ボケてたまるか!』を翻訳出版したいというオファーまできた。外国語がまるでできないぼくは慌てた。
(本誌・山本朋史)

カナダのトロント・スター紙のジェニファー・ヤン記者からメールをもらったのは5月中旬。福島第一原発事故の国会事故調査委員会の委員長だった黒川清・東大医学部名誉教授の紹介で、という。

週刊朝日 2015年8月7日発行 34ページ 「ボケてたまるか!」第2弾 本誌記者63歳:4
(認知症早期治療 実体験ルポ)より

山本さんのなんとなく切ない英語で苦労する、プロの書き手の「取材される記事」はなかなか良かったです。

こんなときにお役に立つと、なんとなくうれしくなります。

 


お知らせ

下記2つの記事を Articles に追加しました。

巻頭言「グローバル世界の大変化:イノベーションとは何か、国家とは何か」
(研究・技術計画学会 学会誌「研究 技術 計画」 pp2-3, Vol.30, No.1, 2015)

対談「100年の伝統を礎に新世紀へ-成蹊中学校・高等学校のグローバル人材育成」
『「世界で生きる力」育てる』
(日本経済新聞社 2015年7月22日朝刊 10面)

Articlesのページはこちらから


東芝問題に見られる懸念、国会事故調の指摘と同根

→English

東芝が大変なことになっています。日本を代表する企業の一つですから、国内外での懸念も、注目度にも大きなものがあります。

問題の根っこは4年前のオリンパスのスキャンダルと同じ企業統治の問題だ、と世界では理解されるでしょう。もっともなことです。

主要な記事に Newsphere の解説、そして Financial Times (FT) の大きな見出しの記事(閲覧には登録が必要です)があります。さらに、この FT の記事の最後に出てくる Leo Lewis 氏による囲み記事 ”Problem of culture; Ever fiercer profit target imposed” では、わたしが委員長を務めた、いわゆる「国会事故調」の指摘した中心的メッセージと同じ問題が根底にある、と指摘しています。

The description is eerily similar to that used in the independent report on the Fukushima nuclear disaster, which blamed Japan’s “reflective obedience” and “reluctance to question authority” for contributing the poor handling of the disaster.

ウェブに広がる世界の中では、透明性、公開性、自律性こそが信頼の基本なのです。日本の企業統治の信頼が揺らいでいるのです。社外取締役を置いても形だけなのではないか?監査はどうなのか?ということです。

このサイトで去年の9月22日から10月27日にわたって掲載した、国会事故調の調査統括を担当した宇田左近さんの著書「なぜ「異論」の出ない組織は間違うのか」の趣旨が、組織統治の重要事項であることを、改めて認識し、改めることです。

「日本の文化」に見て取れる「思い込み、日本の常識」の課題です。一度失われた信頼を取り戻すのは大変なことなのです。


うれしい便り – 2

英米カナダで広く学び、教鞭を取ってきた歴史学者、ジャーナリスト、いくつもの著書を表し、カナダの野党党首(Liberal Party 自由党; 2008-2011)でもあり、現在はHarvard Kennedy Schoolの教授であるMichael Ignatieff氏が、6月4日の午後、面会に来られました。

Carnegie Council, The Voices for Ethics in International Affairsの100周年記念のプログラム「Ethics for a Connected World」を主催していて、その講演シリーズの一つ、「“Resilience and the Unimaginable” Technology and Risk: Lessons from Japan」で来られたのです。

翌日の午前10時過ぎには、「会談のお礼と、今晩の講演の原稿です」と、メールと原稿を送ってくれました。さすがですね。原稿の速さと、わたしの報告・文献などにもキチンと目を通しているのが、はっきりしています。さすがに一流大学で勉強してきた学者、歴史家、著書でも受賞しているぐらいの政治家でもあった方です。

彼の講演原稿をここにリンクしてあります。ちょっと目を通してみてください、なかなかの内容だと思います。

数日後、6月8~10日はWorld Dementia Councilでハーグに行きましたが、10日の午前、帰国前にマウリッツハイス王立美術館に行ったところ、ばったり国連大学学長のDavid Maloneさんにお会いしました。Maloneさんは国連大学着任前はカナダの外交官ですから、Ignatieff氏をよく知っているわけで、「Prof Ingatieffの講演は良かったよ、あなたの国会の福島原発事故調査委員会の報告書について何度も触れていた」と。

うれしいですね、こういうの。


お知らせ

東京大学出版会より、様々な熱帯病のワクチンの開発を手掛けるとともに、2015年からはアメリカ国務省の科学特使(Sciece Envoy)として世界中を飛び回っていらっしゃるピーター J ホッテズ先生の「顧みられない熱帯病:グローバルヘルスへの挑戦」が刊行されます。

私の紹介文「日本語版の刊行に寄せて」が東京大学出版会のサイトに掲載されていますので、ご紹介します。

http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-060412-3.html


最近のうれしい便り

→English

ウェブの時代には思いがけないことがあるものです。このブログへ時々メールが舞い込んでくるのですが、今度は米国海軍の軍人 John Zimmerman、Program Manager Submarine Combat and Weapons Control からです。福島原発事故の「国会事故調」の報告書について、とても感動し、彼のLinkedInにも書いたので、見てくださいというものでした。

以下が、彼のメッセージです。私もお礼の返事を書き込みました。

The Most Honorable Act
May 17, 2015

On 11 March 2011 a magnitude 9.0 earthquake occurred off the eastern coast of Japan. The resulting tsunami killed over 15,000 people and destroyed over 400,000 homes and buildings. Fifty minutes after the earthquake struck a tsunami measuring over 40 feet high overflowed the seawall at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. While the plant’s nuclear reactors had already been shutdown in response to the earthquake, the flooding resulted in a loss of power to pumps that were needed to cool the nuclear power plants’ reactors. In the days to come reactor core damage and hydrogen explosions would cause substantial radioactivity to be released to the environment.

In response to the disaster Japan’s government set up an independent commission to investigate what had occurred. The report can be found on the internet – Fukushima Nuclear Accident Independent Investigation Commission.

If the commission wanted to find excuses for this tragedy it would not have been difficult to do given the natural disaster that had occurred. Yet it is clear to me that this commission wasn’t looking for excuses. It was looking for the truth. What struck me very hard in the beginning of the report was Kiyoshi Kurokawa’s ‘Message from the Chairman’.

“What must be admitted – very painfully – is that this was a disaster “Made in Japan.” Its fundamental causes are to be found in the ingrained conventions of Japanese culture: our reflexive obedience; our reluctance to question authority; our devotion to ‘sticking with the program’; our groupism; and our insularity.”…

“The consequences of negligence at Fukushima stand out as catastrophic, but the mindset that supported it can be found across Japan. In recognizing that fact, each of us should reflect on our responsibility as individuals in a democratic society.” …

With all of Japan and the world watching the commission’s main message was – this horrible tragedy was of our own making.

How often do you confront issues that you don’t address because you are worried about what might occur, people or organizations that could be embarrassed, retribution that might occur? Today we seek leaders and organizations we can trust. Honor, Courage, and Commitment are our Navy’s core values. We want people who have the courage to confront real problems and ‘tell it like it is’. Only through courage and commitment can the most challenging issues be addressed.

Some may have thought the commission’s report brought dishonor on Japan. To me Chairman Kurokawa’s Message and the report’s honesty, integrity, and transparency was – The Most Honorable Act, befitting the very best traditions of a great country and people.

“Having chosen our course, without guile and with pure purpose, let us renew our trust in God, and go forward without fear and with manly hearts”  Abraham Lincoln


医学会総会、認知症、「5つのM」、そしてWHS

4月の中頃、桜がほぼ終わりになるころ、京都で4年に一回開催される医学会総会がありました。私も一時間ほどの講演を二つ、パネルに一つ参加しました。

ひとつは「認知症」、約700~800人ほどの方がこられたようです。もちろん、私はこの分野の専門ではありませんし、専門家ばかりの学会の集まりでもないので、G8の世界認知症諮問委員の意義、実際の活動、日本の評価、これからの課題などを中心にお話しました。ビデオを入れたり、世界の変化を入れたり。聞いた話ですが、なかなかよかったという評価だったということでした。

もうひとつは、医学と社会の変化のあり方などです。19年前、1996年に私が東大での最終講義でのメッセージのひとつ、「5つのM」について触れました。この「5つのM」については当時の内科学会でも講演をしています。

「マーケット(市場)」、「マネジメント」、「モレキュラーバイオロジー(当時ヒトゲノムが2000年に解析されるとは思われていなかった)」、「マイクロチップ・メディア(つまりはどんどん広がるインターネット、2000年問題、当時はまだ電話回線、IT基本法が施行されたのは2001年、今ではモバイル、すっかり様変わりしている)、そして「モラル」、これらは、今でも大きな課題ですね。

さらに日本では、大学などの研究でさえも基本的には“家元制”だ、などといった話をしました。このことは、100年前にすでに指摘されているのです。

大学人には(研究でも同様ですが)将来の世代を、自分の手足ではなく、世界で活躍できる人間力の形成に尽くしてほしいのです。

続いて、13、14日にはWorld Health Summit(WHS)が同じ会場で開催され、京都大学の福原教授の努力と多くの方の支援も得て、すばらしいプログラムになりました。

私も、この二年間、世界でも全く新しいモデルでグローバルヘルスの資金支援をしているGHITの紹介を兼ねた「グローバルヘルス」のパネルへの参加など、いろいろでした。このGHITは、日本の製薬企業が出資、それにマッチしてゲイツ財団が資金を提供し、両方の合計に日本政府がマッチした資金を提供するものです。20ほどのあまり支援されてこなかった途上国で問題になっている感染症対策として、世界でもユニークなメカニズムです。理事会の構成も日本人はマイノリティで運営しており、思考も、運営も 典型的な日本的でない、“グローバルなマインド”の組織です。世界でも注目され始めています。

ところで、この医学会総会は、いつまで続けようというのでしょうか。


お知らせ

→English

4月28日にNHK World “NEWSROOM TOKYO”にて、福島の高校生たちが、「わかりやすい国会事故調編」高校生チームと一緒に、福島原子力発電所事故についてそれぞれの視点から討論をした模様が放送されました。

http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/newsroomtokyo/aired/20150428.html

 


ボストン‐2

今回のボストン滞在中には、米国内科学会、ハーバード大学公衆衛生院訪問の他にも、いくつかの別の機会をもちました。

ひとつは「福島原発事故のその後」といったテーマのビデオ取材です。米国では とても質が良く、しかも番組の途中でコマーシャルを入れないことでも知られている「PBS」1)の取材です。やはり、どこでもこの歴史的大事故への関心は高いのです。今年の一月にも別件でトロントを訪問した際にも同じ趣旨の会合にお招きを受けました。

もうひとつは、MITメディアラボ1)の訪問です。安倍総理も今回のボストン滞在では、ここも訪問されたということです。所長が「Eテレ」の「スーパープレゼンターション」でおなじみになったジョイ伊藤さん123)などの存在があったのでしょう。

ここでは4人の研究者とお会いしました。皆さん、さすがなのですが、経歴も変わっている人も多く、研究もとてもユニークで面白いのです。アートとテクと何でもありの融合というか、一人ひとりが、メジャーから外れているところに価値を持っているところがここの面白さなのです。わたしもここの関係者の一人です。

今回、わたしがお会いしたのはピカードさん(認知症に関して何度かメールで交流していたのですが、とうとう会えた、みたいな具合です)、オックスマンさんとフェローのシャルマさん、ボイデンさん、そして石井さんです。皆さん“とんでもないこと”をしています。

また、船橋洋一さんが「日米関係」についてのカンファを開催していたのですが、突然、「ボストンにいるんだって?レセプションに招待するけど?」と電話をいただき、ハーバードファカルティクラブに。ハーバード大学公衆衛生院訪問から内科学会に戻る途中の20分ほどですが、伺いました。金曜の夕方でしたから道がとても込んでいました。

快晴の土曜の午前は、ボストンのファインアート美術館で、「ホクサイ」コレクション特別展示がありましたので、行ってきました。本当にすばらしい展示でした。また、東北大震災「3.11」の写真展示もあり、これはちょっと変わった表現に注目した、深く考えさせる企画でした。この時間だけが、今回の訪問の本務とは まったく関係のない時間でした。

レッドソックスの試合もあったのですが、観戦する機会はつくれませんでした。残念。

ボストン、特に古いボストン、ケンブリッジの町並みはとても落ち着きます。