女子大生への応援メッセージ

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私が常日頃から、女性応援団の一人であることは、このサイトを訪ねてくださる方は良くご存知と思います。このテーマでの講演会 (資料1)などの話もよくでてきます。

「女性の品格」などで知られている坂東真理子さん が学長をしている昭和女子大学で講演をしました。会場の人見記念講堂 が一杯になるほどで、約2,000人の方が、ほとんどが学生さんですが、来てくれました。

若い人たちにお話しするのはいいですね。皆さん元気があって。

このサイトでも何回も出てくるコメント (資料1, , )ですが、「3.11」の大災害が起こって、男性中心の日本のタテ社会構造の弱点が世界に丸見えになった話から始めました。情報時代の怖さです。そして女性に期待するところが大きいという話です。

「休学のすすめ」や、グローバル世界での女性の活躍の動向や実例などを紹介しながら、話を進めました。皆さんが、それぞれに素晴らしい人生のキャリアを見つけて欲しいと心から思っています。

学長、理事長に、学生の休学時の学費などを徴収しないようにも、お願いもしてきました。

いくつかtwitterでもメッセージをもらいましたが、こんなメールが来ました。

「昭和女子大学人間社会学部心理学科4年のMと申します。

本日、昭和女子大の女性教養講座を拝聴しました。貴重なお話をありがとうございました。どうしても、本日の講演の感想をお伝えしたく、メールさせていただきました。

お話を伺い、今の私たちに必要なことは、まず自分自身に挑戦の許可を与え、それに対する情熱を持ち続けることだと感じました。

そして、今まで私たちが生きてきた日本という国を外側から見て、今までとは違う新しい視点を持つべきだと思いました。

3.11が起きてから、漠然と、今まで当たり前と思っていたさまざまなことが、信じられなくなった様な感覚を覚えています。

しかし、こんな風になってしまった日本を変えて行くのは私たちの仕事だと、今日強く感じました。

自分から動かなければ、何も始まらない、変えられないという、先生の力強いお言葉を胸に、自分のやるべきことに尽力したいと思います。

拙文、どうかお許しください。

本日は本当にありがとうございました。」

学生さんからのこういう反応と「つながり」の始まりが一番うれしいのです。

 

Kuala Lumpur -Pacific Science Congress

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 8年前に推挙されて太平洋科学連合Pacific Science Association (PSA)のPresidentを勤め、2007年に沖縄で本会議 Pacific Science Congress (資料1) を、そして2009年にはTahitiで中間会議資料1)を開催させていただきました。これらについてはこのサイトでもご紹介したところです。

日本学術会議にも委員会があり、また国際科学連合(ICSU)にも所属しています。また創立98年目という、歴史ある学会なのです。

今年は、6月14-17日にわたってKuala Lumpur (KL)で本会議が開催され、私も役員(Immediate Past President) ですし、またKeynote講演者の1人にも推薦していただきました。13日からKLへ来ました。

さすがにKeynote Lectureは素晴らしいものが多くて、楽しめます。また、いくつかのセッションも多彩な発表もあり、多くの友人にも会うことが出来て、14-16日という素敵な3日を過ごすことが出来ました。

さすがに活気のある成長している国のエネルギー、また教育、科学技術イノベーション政策にも熱心です。政府の応援もあって多くの地元の研究者の参加もあってとても良い会議でした。

私のKeynoteは「Age of Uncertainty: Have We Become Wiser?」というタイトルで、出来るだけ刺激的に物語を進めました。勿論、今回の東日本津波への支援、またフクシマについて皆さんの懸念についてもはじめにコメントしました。

講演については、皆さん、とても面白かったといっていただき、いくつもの質問が出ました。翌日にはテレビで25分ほど、ライブのインタビューを受けました。長崎大学のGregさんがblogで、私のKeynoteで「会場のテンションが上がりました。」と書いて下さり、うれしいです。

日本学術会議のHatai Medal塚本教授資料1)が太平洋のウナギの生まれる場所と移動についての研究で受賞されました。奥様もご一緒でした。おめでとうございます。

Guam大学のDr Underwood学長 (左下の写真)は1993-2003下院議員を勤めた方です。広い太平洋の諸島群についての教育や医療問題など、また、米国との独特な関係など、なかなか面白い視点で議論しました。私にぜひGuamに、とお誘いを受けました。1年以内に行ってみたいと思います。多くの友人、また新しい友人や、若い研究者にお会いするのは学会の楽しさです。

With underwood Group photo 

 また、先日ご紹介したMalaysia首相直属のGlobal Science and Innovation Advisory Council (GSIAC) について、首相のChief Science AdvisorのZakri博士とそのスタッフとの1時間ほどの会議も設けていただけました。なかなかのメンバー であり、私もその一人であること、楽しみです。

次回の中間会議は2年後にUniversity of South Pacific (Fiji) で開催の予定です。皆さんも参加を計画してみませんか?

 

「3.11」からの日本の信用失墜へすることは: 日本記者クラブで講演

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日本記者クラブ ではいろいろなゲストをお迎えして講演会を開催しています。最近では米国議会の大物、ダニエルイノウエ議員が来日されましたが、この方の講演も聞くことが出来ます。

私ですが、5月20日にお招きを受け、前日に民主党議員の集まり(これはメデイアには公開でしたので、、)で配布した資料をお渡しして講演しました。ここに記載してある講演の内容はここでは簡単にまとめてあります。

この講演はOn-lineで公開 されるということで、控え目に、出来るだけおとなしく話をしました。

質疑応答になると、やはりもともとはほとんどが記者さんたちですし、お互いに知らないわけでもないし、皆さんも私の背景をよくご存知の方も多いので、質問もそのような背景を反映したものが多かったと思います。

でも、それなりに私もきついことを言いますので、まあこの辺はビデオを見てください。

また、別にこのとき参加していた小岩井さんもこの講演の要旨をScience Portalに掲載してくれましたので、こちらも紹介します。こちらでは、私が報道機関も批判の対象にしていることも書いてくれています。これはほかでも繰り返し発信資料1)していることですけどね、、。

「時代刺激人(シゲキビト)」を自称するジャーナリスト牧野さんも参加でしたが(いろいろよくお会いするのですよね、、)、彼のblogにも「G8サミットで原発事故不信の解消を日本が世界に表明する最後チャンス」というタイトルで書いていただきました。

国会議員の中にも私の有用な提案への動きがあります。健全な立法府と行政府の関係構築にも良い機会でしょう。

 

ソウルから

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13日からソウルに来ました。

14日にソウル大学 (資料1)、医学部医学研究所 講堂で腎臓グループ30周年の記念講演会があり、特別講演にお招きいただいたのです。このようなことは、ぜひお受けしないとね、大事なことですから。

今年は日韓併合100年。14日は、65年前の8月15日の日本の降伏宣言を受けて「独立、開放」への最後の日ということで、15日は「光復節」 といわれます。

14日の講演では、この14,15日のことを踏まえたコメントも織り込みました。特にこれからのグローバル時代への課題である人材の育成の大事さについて、いつものことですが私の意見を織り込み、そこで佐藤剛蔵資料1) の近代韓国の医学教育への貢献を紹介し、私たち大学人の責任について、締め括りにしました。

皆さん、大きな視点で考えさせられる、とてもいい講演だったと、喜んでくれました。長いお付き合いの友人にも何人かお会いできました。

ということで、私の講演草稿とPowerPoint(part1, part 2)も添付します。

休学のすすめ: web2.0時代の人材育成

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7月31日、日本医学教育学会の特別講演をしました。そのタイトルは「休学のすすめ: web2.0時代の人材育成」です。

私の前の特別講演が、UCSFの学生担当のAssociate Dean、Dr Maxine Papadakis さん。彼女とはこの10数年Lawrence Tierney教授による、最も売れているという臨床医学書「Current Medical Diagnosis and Treatment」(毎年改定版が出ます)の「Fluids and Electrolytes Disorder」の章を一緒に担当していました。 彼女はEditorsの1人です。合間にちょっとお話を。

私の出番になりましたが、司会の労をとっていただいた、岩崎 栄先生も「このタイトルは何の意味でしょうね、楽しみです」と紹介してくれました。

このサイトに来て頂いている方達にはなんとなく感じ取っていただけると思います。
講演の抄録はこれです。ご理解いただけるでしょうか。私の見解をしっかり受け止めてくれている方もおられます。

世界銀行と日本の「科学技術と開発」、Win-win協力のチャンスだが

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4月16日、京都での「ISN Nexus」から早朝に出発。10時から世界銀行の東京事務所で、世界銀行のAl Watkinsさん一行と「科学技術と開発」の会議です。

私は世界銀行のこのプロジェクトには2008年1月から関係していて、これが日本で開催されたTICAD4 Toyako G8 Summit、またG8科学顧問会議 (資料)などの「場」へつながり、「タテ、ヨコ」につながりながら成長しているのです。

2008年1月の講演から世界銀行へは2回ほど(2009年4月) (資料1)、2009年12月とWashington DCへ出かけ、この会議とワークショップなどに参加しました。

これらの3回の会議は、これら私のサイト以外にも、世界銀行の「科学技術政策」サイト で詳しく見ることができます。

2008年1月の講演 

2009年4月の会議 

2009年12月のフォーラム 

世界銀行のサイトも進化しているのが見てとれます。

その間に日本の科学技術政策も「科学技術外交」の政策テーマで「日本-アフリカの架け橋」を作るなど、進化していきます。これはとてもいいことです、世界も変わっていくのですから。

2国間で行われる2国間支援(ODA)、世界銀行のような多国間組織を通した支援などをどのように調整、協調していくのか、これは大きな課題です。

このようなプロセスを経て、世界銀行の政策を、日本の政策とどうすり合わせできるか、これが今回の会議の目標の一つでした。去年12月の世界銀行のフォーラムにも出席した内閣府の岩瀬審議官、JICA後藤さんをはじめ関係各省担当者の参加もあり、難しいですが、意味のある時間をすごせたと思います。日本のODA政策の評価は、世界銀行でもとても高いのです。すばらしいことです。もっと国内外への宣伝も必要です。

世界銀行では、出資額に比べて、日本人職員が余りに少ないことはよく知られています。最近、日本からの4,5人の公募に対して400人ほどが出願したとか、いい傾向です。このような機会だけでなく、もっともっと「外」へ、「国際機関へ」、多くの日本人が積極的に参加してほしいです、日本のためにも、若者のキャリア形成のためにも。

世界は広いのです、数多くの機会が、将来の友人やパートナーとともに、あなたたちを待っているのです。

グローバル時代のイノベーション

今年の2月、学士会の午餐会「グローバル時代のイノベーション」という講演をさせていただきました。学士会会報 877号(平成21年7月号)に掲載されています。お時間のあるときに、目を通していただけるとうれしいです。

この10数年ほど、世界中で「イノベーション」政策が大流行。私の話しぶりからScienceのインタビューでは「’Innovation’ Mantra」(お題目としてのイノベーション)というタイトルをつけてくれました。「言いえて妙」です。

世界中がどんどん変化していますが、さて日本はどうでしょうか?皆さんのご意見はいかがでしょう。

知的な刺激に満ちた2日間、Azimiさん、宮川さん、池上さんと

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先週の金曜日(6月26日)、広島へ行ってきました。

UNITAR広島事務所の初代所長として6年の任期を勤め上げたNassrine Azimiさん参考)の最後のRoundtableです。「多様性Diversity」をテーマに、MITの宮川繁教授と私が講演をしました。会場は広島平和記念資料記念館の講堂です。この6年間にわたって素晴らしい活躍をされたAzimiさんのファンが大勢集まり、夜はAzimiさんのスタッフたちと、くつろぎながら食事をしました。

講演の様子や資料などの詳細はUNITARのサイト中国新聞に掲載されています。

翌27日は、Azimiさん、宮川さんと3人で安芸の宮島を散策しました。

夕方に帰京。MITの宮川さんに加えて、同じくアメリカで活躍する池上英子さん参考)と楽しく夕食を共にしました。

宮川さんはMITのOpenCourseWareを開発した責任者の一人で、ネット時代の大学教材のありかたを示した方です。また、日本でもよく知られる「敗北を抱きしめて Embracing Defeat」のJohn Dower教授Visualizing Culturesという、きわめてユニークでとても刺激的なコースを提供されている先生です。ペリーの来訪、日露戦争、広島の原爆の被害、資生堂等々が使われています。ぜひこれらのサイトを尋ねてみてください。

池上さんはこのブログで何度も紹介している名著「名誉と順応-サムライ精神の歴史社会学 'The Taming of The Samurai'」、最近では「美と礼節の絆-日本における交際文化の政治的起源 'Bonds of Civility: Aesthetic Networks and the Political Origins of Japanese Culture'」という日本文化史考察の2つの大書を著している方です。メールで交流はありましたが、お会いするのは今回が初めてでした。この2冊とも原作は英語(それぞれHarvard University Press, Cambridge University Pressです)なのですから、すごいことです。

とてもとても知的な刺激に満ちた、充実した2日間でした。

ローマから、G8 SummitのGlobal Health Agenda作りへ

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11日は、例によって成田21:55発、Air Franceの最終便でパリへ向かいました。この3~4年、何度もこの便を使っています。1日仕事をしてからゆっくり成田に行けますし、ヨーロッパに行くのにはとても都合がいいのです。ロンドンなど、上手くいくと、朝から会議があっても、9時半ごろには着いていますから。

12日の朝9時半にローマにつきました。St. Regis Hotelという素敵なホテルにチェックインです。New Yorkから来ている坂野君と合流して、明日の「Global Health Forum」の打ち合わせ。私たちが運営する日本医療政策機構Aspen Institute Italiaの共催で行ないます。Rockefeller財団などの後援も受けています。

これは、去年私たちが開催した「Global Health Summit; Toward TICAD, G8 and Beyond」と同じプロセスを、今年Italyで開催されるG8 Summitに反映させようという試みです。準備会議として去年の12月にも開催しました。

会場はこの豪華なホテルの中です。私たちと共催母体になっているAspen Institute ItaliaのPetroni教授と私の「Welcome Speech」 で始まりました。スピーチの最後に、日本とItalyの2000年、2001年のサミットの功績で「Global Fund」ができたこと、そして2001年のGenoa Summitは現首相のBerlusconiがホストであったことについて触れました。

会場は皆が囲んで議論する形を取っていて、テレビスクリーンが配置されています。写真ができてきたら、もっとお見せしたいと思います。

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写真2、3: 会場の雰囲気

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写真4: SherpaのMassoloさん、WHOのDr Chanさん

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写真5: 私の隣だったTremonti大臣

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写真6: 右からMinister of HealthのHatem El Gabalyさん、WHO Executive Director, Global Health Workforce AllianceのSheikhさん、Executive Secretary of GAVI AllianceのJulian Lob-Levytさん、ActionAid International代表のNoerine Kaleebaさん(Ugandaの方です)

WHO Director GeneralのMargaret Chanさん、またAspen Institute Italiaの会長で現在の大蔵大臣のTremontiさん、ItalyサミットのSherpaのMassoloさん等々が参加してくださいました。私と一緒に洞爺湖サミットでお世話になった武見敬三さんも参加されて、とにかく皆さんで熱心な議論が展開されました。この経済状況のひどい中、今年の夏に開催されるイタリアのG8サミットに少しでも役に立てると嬉しいですね。日本のプレゼンスをあげるためにもね。

ちょうどこの日にThe Lancet, February 14th, 2009; volume 373, number 9663, p.526-7 : に私たちが投稿した「日本でのGlobal Healthへの経験」を中心に書いた記事「Italian G8 Summit: a critical juncture for global health」 が出ました。The Lancetは誰でも登録すればかなりの部分を無料でOn-lineで読むことができます。ぜひ登録されるといいと思います。ここにはOn-line版PDFをリンクしておきます。

RomeではあすからG7財務大臣会議があるということで、今晩はレセプションが開催されるそうです。来週にはG8で医療に関して議論するH8会議、さらにはG8のSherpa会議があるので、関係者はいろいろ忙しそうです。

夜はPeter Singer(Univ. Toronto) (参考), Gates FoundationのDr. Rajeev Venkayya、坂野君とで、この辺では有名なレストランへ。

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写真7: 右から私、Peter Singer (Univ. Toronto), Gates FoundationのDr. Rajeev Venkayya、坂野君

Vankayyaさんは10数年前にも、私に会っているそうです。私がまだ東大の医学部教授のときに、Michigan大学とChief Resident Exchange Programをはじめ、そのときに来たんだそうです。奇遇ですね。

 

日本国のビジョン、私の考え

今年の元旦のブログから「国家ビジョン」について繰り返し発信しています(参考: 1234 )。

この背景には、去年12月に2回、そして今年1月に1回、同じ趣旨で講演する機会のあったこと、オバマ新政権の布陣からの必然、そして、今後の世界の変化を踏まえて予測(「想像」とは違います)されること、その中での日本のあり方を考えた上でのことです。

これらの3つの講演は、どれも1時間弱の時間でしたが、それぞれの会場で約800人、1,000人、600人と、しかも殆ど重複はなく、社会的に重要な地位にいる方々が多かったので、3度とも大体同じ内容の話にしました。

ありがたいことに、この講演の一つがほぼ全文、(社)産業環境管理協会の「環境管理」2月号に掲載されることになりましたので、ここにもPDFで紹介します。

「何をバカな」、「無理だよ」、あるいは「できない理由」がすぐに頭の中に浮かんでしまうのでしょうか。

朝日新聞の村山論説委員が書かれた、「窓」という記事も参考にしてください。

 “グローバル時代、日本の課題は?”
 2008年12月11日に開催された「エコプロダクツ2008 記念シンポジウム」での基調講演