「偽リーダー」論

「リーダー論」とか、「エリート論」は、いつもなにか調子の悪いときに出てくることが多いテーマです。ですから、この20年ほど、よく取り上げられていたように思います。この数年はあまりにも変われない日本に、皆さん内心ではあきれ、当惑し、あまり取り上げられていないようにも思います。

以前も紹介 しましたが、SoftBrainを創設した宋文州さんのメルマガ はとても内容があって、私の好きなカラムのひとつです。

特にご本人自身もとても苦労した実体験もあり、「外から見た」日本 (資料1 )(このカラムでも頻繁に出てくるテーマですが、、)を感じ、さらに岡目八目もあって、物事の本質を良くついているからこのカラムが好きなのです。また、中国の方でもあるので、その意見は参考になることも多いのです。

最近の、この宋さんの「偽リーダー論:」は「逆説的表現」ではありますが、とても本質を突いたいいカラムです。ぜひ、読んでみてください。

今回は「1-3」ですが、まだ続くのでしょうか。

「日経丸の内キャリア塾」で「女性のキャリア」を考える会

先日もお知らせしましたが、9月21日(火曜、夕方7;00開始)、日経ホールで「日経丸の内キャリア塾」紙面連載100回記念特別セミナーと銘打った「私たちのキャリア:働き続ける意味」という「女性のキャリア」を一緒に考えるセミナーがあります。

まず、私と石倉洋子さんの「対談」があり、そのあと私たち2人に石黒不二代さん資料1)、鶯谷万理さん白石真澄さん資料1)さんからなる、パネルがあります。

参加者は「女性限定」というところがちょっとね、とは思いますが、ふるって参加ください。私一人ではちょっと心細いですしね、、、。

大学のバイオ知財を生かす、生かせるか

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いろいろ課題はありますが、大学などの研究所に集積しているような知財を生かそうという試みが始まります。いいことです、企業サイドから見て魅力的に組み立てようという試みです、課題は頭が痛くなるほどたくさんありますが、、。

私も当日(8月6日)の記者会見にお付き合いしました。

研究者や、技術者はえてして自分の成果や発明の成果を、その延長上で直線的に感じ取って、大きな期待を膨らませるものです。それで当然ですし、それでいいのです。

しかし、他人から見ると、ほかの「ネタ」をあわせたりして考えるので、この合体でもっといい「ネタ」になる可能性も見えてくるものです。「岡目八目」でもありますし、それは歴史上も良くあることです。

何しろ、発明、発見を何かの「かたち」で市場に届ける、市場を開拓するのは企業です。研究者、技術者にできることではありません、ビジネスで成功する研究者・技術者も居るでしょうが、これは例外です。

Schumpeterの言っている新結合「Neues Kombinazion」が、まさに新しい価値を作りだすのです。これがSchumpeterの言うinnovationなのです。

Clayton Christensenは現在のInnovationの大御所ですね、特に「Disruptive Innovation」です。彼の分析から、考察、見解にいたるまで、彼の著書は皆、実にすばらしいです。最近では、教育、医療についても書いています。

ちょっと古いですが、彼の有名な「イノベーターのジレンマ」など、ビジネス関係の方はよく読んでいると思いますが、、、。

中東の原子力、社会インフラシステムは日本の「Soft Power」

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今年の1月に、このサイトで6回(1月2日3日5日12日20日23日)にわたってアブダビの原子力発電所の国際競争で、韓国がこの仕事を獲得したことについて、報告しました。

日本の社会インフラシステム、つまり都市のエネルギー、水道、鉄道、発電-配電システム等などは、公共事業として公的部門が請け負っていたのです。主として私たちの税金ですね。

これこそが日本が誇れる大きな「Soft Power」 (資料1)なのです。

急速に成長してくる多くの世界の中で、この社会インフラシステムは大きなビジネスチャンスと捕らえることができます。単なる、借款、贈与などの公的ODAだけではなく、「Win-Win」の関係を構築しながら社会インフラシステムに投資、日本も成長することができるのです。

8月2日、朝日新聞の「Globe」で、中東の原子力についての特集が組まれました。ぜひご覧になって、考えてみてください。

最近になって、わが国でもそのような議論が盛んに出ていますが、私のアブダビの報告から学べることは多いと思います、私の発言には遠慮してぃるところもありますが、、、。結局は、グローバル時代のビジネスには人材とそのネットワークがいかに大事か、そこへの戦略的思考と行動こそが必要なのです。

このサイトに繰り返し出てくる主要テーマです。

NHKがTV放映:Global Health-Chatham Houseから

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Global Health- Chatham House、Londonでの会議「G8からG20へ」について、つい先日、報告しました

そして、NHKが取材に来てくれたことも報告しました。

そのNHKがこの会議の主要参加者のインタヴューをもとにした各約30分、2部からなる英語版のTV番組「Asian Voices: Global Health」 を作ってくれました。

「Part 1」は元WHOの尾身 茂さん、「Part 2」は私が出演、司会は素敵な英語の道傳愛子さん。

この放映は海外ではCable TVで見ることが出来ますが、日本では何回かにわたってOn-lineでのみ放映されます。

放映サイト と「Part 1とPart 2」とOn-line放映日程す。

「Part 1」は8月7日(土)の午前11時10分からの第1回から、翌日8月8日(日)の朝07時10分からの第6回の放映まで。そして、

「Part 2」は8月14日(土)の午前11時10分からの第1回から、翌日8月15日(日)の早朝に05時10分からの第5回の放映までです。

私も、ほぼブッツケ本番で、やや上がり気味、自分でも映像で見れば (まだ見ていないので、、)確実に赤面だと思いますが、なんと言ってもグローバル時代の「英語は「発音」ではない、「発言だ」、「実践あるのみ」」です。

ぜひご覧ください。 

See-D 開催: 現地に適正な技術が世界を救う

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先日ご案内した「See-D」 が、7月31日(土)、東京大学の福武会館で開催されました。約200人、主に若い学生さんたちが参加、通りがかり飛び入り参加の方もいました。Kopernick も大事な協賛団体です。

主催者はMIT D-Labにも参加している在Bostonの陸さん、土谷くん 、とD-Lab日本支部などが、夏休みを利用して帰国したBoston組みなどが中心になって企画、運営をしているのです。

このような企画、行動が若い人たちからドンドン始まり、発信され、実行される事が大事です。

会場では、リアルタイムでtwitter などからの参加も、 Ustream (資料1)が流れ、またSkypeで東チモールの3人とのライヴ交信、こちらからはPost-Itにコメントを書くと司会者が英語で問いかけることあり。また現地からの英語は、日本語で要点がドンドンScreenに出てくるサービス、気配り。このイベントの報告書も見れます。

とにかく、皆さん元気、何かしたい気持ちがいっぱいであることがありあり。パネルではJICAの方達の海外活動の経験のお話もありました。(このうち現在TanzaniaでBetNetという蚊帳の活動をする住友化学の井出さんとは、去年3月のDubaiへの機中で隣同士というわけで知り合いになりました、、、それからも何かの機会でお会いしましたね、、)、

私も最後に、皆さんへの励ましの挨拶。やはり、「現地の感覚の大事さ」(資料1)、「休学のすすめ」などをお話しました。結構盛り上がりましたね、twitterで見ていても反応が良かったです。さらに、レセプションでの乾杯の音頭、これは騒がしくて何も言えず、短く「カンパーイ」だけ。 

しかし、皆さんも元気いっぱい、参加の皆さんもとても元気の出る、またdigital技術を駆使した明るい会議でした。そういえば、何度も紹介しているBangdaleshへ行っている三好君からもtwitterの飛び込み。

このあと、東京大学との共済で開催している「国際保健政策Summer Course」 へ、夜の7時頃に訪問、皆さん夜遅くまで、政策つくり、プレゼン、討論などに遅くまで励んでいました。参加の皆さんも、スタッフの皆さんも本当にご苦労様です。あすは2人の国会議員にプレゼンするそうです。

Yunusさんとお会いする

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Muhammad Yunus さんはBangladeshでMicrofinanceという方式で貧しい女性たちを自立させるプログラムを始め(Grameen銀行)、今やこのMicrofinance手法は世界中に広がっています。

2006年のNobel平和賞を受賞されましたが、その意義について、私も2008年のG8サミットの環境大臣の会議での基調講演の機会にも触れています。また、このサイトでもYunusさんのことを何回か紹介しています。資料1) 

皆さんもご存知かと思いますが、先日Yunusさんが来日され、UniQlo の柳井さんも協力することが発表されました。 その他のいろいろな活動もメデイアでごらんになった方も多いでしょう。九州大学立教大学資料1)などもYunusさんとの協力を始めています。

Yunusさんと皆さんで夕食の機会があり、いろいろお話を伺うことができました。お話は常に情熱的で明快。最近では米国の貧困問題へも協力をされていますし、貧困、教育、医療などなど、活動範囲はどんどん広がっています。「なぜ、女性なのか?」等についても実に明快な、説得力のある意見を伺うことができました。

私たちが後押しして始まった早稲田大学の学生さんたちの話にもなりました。これらのうち、2人が休学して、現地のGrameen銀行で、日本人発の新プロジェクトを始め、活躍しています。彼らは日本でもGrameen Change Maker Project (資料1)を立ち上げ、多くの日本の大学生、若者たちを巻き込んで活動しています。すばらしい、主体性ある、いかにも若者らしい活躍です。うれしくなります。

彼らのサイト資料1)も尋ねてください。熱いですよ。若い人たちは「熱く」なければいけません。

Yunusさんとその学生さんたちの話題のまさにその時に、Dhakaからその学生さん三好くん、税所くんからのメールが入り、すぐに返事を送りました。Yunusさんにも「CCしておきましたよ、、」と伝えました。これも世界が広くつながっている世界ならでは、のことです。

世界はどんどん狭くなっているのです。若い時にはどんどん飛び出してみることです。「休学のすすめ」 (資料1)です。視野を広げ、自分を見つめ、日本を外から見てみる、自分を発見するいい機会なのです。大学も、当事者に応援と励ましを、よろしくお願いします。これが世界の主要大学の動向でもあり、グローバル時代のリーダー育成に大事だ、との認識があるからなのです。

途上国への新しい展開を: 「See-D」コンテスト案内

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ここでも何度か紹介資料1)していますが、途上国などへの「適切な技術」提供による開発への、たくましい学生たちによるSee-Dコンテストキックオフ。

「途上国に向けたイノベーティブなアイデアを生み出すための一般公開シンポジウム」、という副題です。

7月31日土曜日です。学生さんも、技術者も、このような若者育成に興味のある企業も、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?申し込みは上のサイトからです。

よかったら「FaceBook」 にも参加しましょう。

Asian Innovation Forum 2010 開催のご案内

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去年ここでも報告しました元SONY会長の出井伸之さん(Quantum Leaps)の主催する「Asian Innovation Forum(AIF)」 が9月28、29日の両日、東京で開催されますので、ここでもご案内します。このサイトから申し込みできます。

このForumは4年前からですが、出井さんというすばらしいビジネスリーダーのお手伝いを、私もさせていただいています。

私としては、今年の会「AIF2010」が、去年よりさらにかなり過激な議論の場になることを期待しています。日本の状況はちっともよくなっているわけでもないですしね、むしろ悪くなっているようにも皆さん感じているのでは?

この会のTwitter もできていますのでフォローしてください。

当日、お会いできるのを楽しみにしています。

ハノイ Hanoi、腎センター開設10周年

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冨山さんとの対話の翌日の9日朝、Hanoi へ出発。去年もご紹介したDr Tang やDr Annと立ち上げた腎臓センターの10周年記念の式典の参加です。この計画は20年ほど前から国際腎臓学会が途上国へのプログラムとその主要な活動をフォーカスし始めたこととも関係しています。

1990年に東京で国際腎臓学会が開催されました。そのころから国際腎臓学会の活動の中心に参加し、理事、また理事長(1997-99)として、私もこの途上国への活動COMGANには検討の段階から参加していましたし、私自身もアジアほか、世界のいろいろな国へ積極的に出かけました。COMGANなど多くの活動により、国際腎臓学会では、15年程前から途上国も含めて人材が世界中で結ばれています。先月、国際腎臓学会発足50周年の集まりもありました。私は都合で、これには参加できませんでしたが、、。

アジア太平洋腎臓学会資料1)などを通して、20年以上もアジアの方たちともお付き合いが広がっていたところで、Dr Tangたちと知り合いになり、HanoiやHo Chi Ming City (もとはSaigonですが)を訪れ、15年ほど前からでしょうか、腎センターの構想が始まったのです。当時の病院の有様は想像できないほど大変な有様でした。

この腎センターは運輸省の病院の1部に設置されています。Vietnam政府と日本の民間企業との、今で言えば「Public Private Partnership」です。日本企業は特に儲ける訳ではないですが、雇用の創出、現地の方たちのビジネスの成長などにおいて、きわめて成功しているといえるでしょう。5周年記念のときにも訪問しましたが、もう10年目です。多くの関係者が集まって大いに盛り上がりました。

HanoiではIntercontinental Hotel、湖畔に立っている素敵な雰囲気、皆さんにお勧めです。

11日はHo Chi Ming City を訪れましたが、ここはさすがにHanoiに比べるとかなり「発展」していて、まったく違ったエネルギーがあります。現地の方たちともCham Charmで夕食。Cham Charmも大いにお勧めです。

しかし、どちらの街もとにかくバイクが多い多い、1台に家族で乗っていたり、すごい元気さです。

帰国はHo Chi Ming Cityを11日深夜出発でしたので、日本の参議院選挙の結果の概略が出ました。しかし、World Cupの決勝戦を見ることができなかったのは残念、でもおめでとうSpain。